その兎、触れるべからず   作:猫を乗っけた青髪の女

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三話

気づくとふかふかしたものに囲まれてた。ここは極楽浄土かと思わせる、起きようにもふかふかしたものが心地よいせいで起きることを阻害されてしまう。もう一眠りつかうかと思った束の間誰かの足音がし、ガララと戸を開ける音がした。誰かと思い重い体を起こすと、鋭い目つきで剃り込みがある、鬼のような雰囲気を漂わせる男がいた。少し怖いがあの悟や傑に比べると幾分マシに見える。

 

「起きてたのか、俺は夜蛾正道、好きな方で呼んでくれ。俺はあんたに幾つか質問をさせて欲しい。いいよな?」

「う、ぅん....」

 

「それじゃあ、まず名前は?」

「えっとぉ、我の名はぁ...りきたろう...」

「....随分と古臭い名前だな。じゃあ次に何処からきたんだ?」

「平安京...から来た、でも気づいたらここにいて...道を彷徨ってたらしょうこたちと会ってぇ.,.ここにいた」

「すまない、今なんて言った?平安京と言ったか?」

「?うん...?」

 

男は少し待ってくれと言わんばかりに頭を抱えていた。何か変なことを言ったと思い今まで気になっていたことを聞いてみた。

 

「...ここは何処?主人の聞かされた極楽浄土の世界とも違うみたいなんだけど」

「...ここは天国でも地獄でねぇよ。ここはあんたらと同じ世界だ。あとあんたが住んでたって言う平安京もかなり前だ。今は京都になっている」

 

ここに来て初めてここが現世であり、私が生きていた平安京はもう随分前の話になっている。

 

「あー...あと今のあんた呪霊見たいな存在だ。硝子があんたを持っていたとき聞いたんだが、呪霊を祓ったそうだな。それほど強い奴ではなかったが目にも止まらぬ速さで動いてた言ったぞ。あんたあの時代で何をやってた?」

「前は確か武士だった。...それなりに強かった方...でもその呪霊は一回も...いや呪霊じゃないけど変な術を使う奴なら戦ったことある」

「あんた武士だったんだな...で、その変な術を使うやつはどんな奴だったんだ?」

 

あんま信じてなさそう。でも術の方は気になるみたい。

 

「えっとね...すっごく強かった、後手が4本あった。名前は確か宿儺って名前、また戦いたいなぁ」

 

宿儺と言うと顔色を変えた。真剣な眼差しを受けているみたいで少しくすぐったく感じた。

 

「...それは本当なんだな?」

 

首を縦に振る。

 

「....分かったあんたの言ったことを信じてやる、子どもが宿儺って名前を知るはずないよな。はぁ...とりあえずしばらくはここに泊まってくれ、自由にしても良いがあまり悪戯とかすると出ていってもらうからな」

 

よく分からないが少しいてもいいと許可をもらった。

 

「ありがと...」

 

一応、感謝は伝えとく。硝子にまた会えると良いな。

 

しばらくして夜蛾は私が住むところを案内してくれた。

 

「今日からここがあんたがしばらく住むであろう部屋だ。少し埃っぽいのは許せ」

 

中を見るとそこにはよく分からないものばっかりであった。

 

「夜蛾ぁ、これなにぃ?」

 

夜蛾は頭を抱えた。

 

 

そのあと夜蛾の説明を受け気づけば陽は地に落ち月が顔をだす。辺りいったい暗闇に包まれ灯りは光を発する謎のカラクリと月明かりだけだった。私は暗くなった自室の窓から出て見晴らしの良いところにいく。私は夜空に浮かぶ星を見、感傷に浸る。あの時代のはるか先の時代、今は平成だったか。昔は空を見上げれば星々が埋め尽くされており、言葉には表せないほど美しかった。あの光景は今も忘れることはなかった。だが今も悪くない。空にあった光が今は地上が担っているのだ。赤や青、黄色に緑など様々な光で溢れている。

ずっと見てると私が部屋にいないことに気づいたのか、夜蛾が外まで私を探しに来ているようだ。名残惜しいが戻ってやるかと夜蛾の所に戻った。

 

 

 

夜蛾は私の姿を見るなり末恐ろしい顔で私を見てた。その後物凄い怒られた。

 

 

                       

 

夜が明け朝が来た。私は今日も夜蛾のところへ行く、彼が言うに私は呪霊ではあるが人としての記憶があるがだがまだ安全と決まったわけではないのでここで面倒を見ることになったそうで、学校に通わないといけないらしい。私は文字は読めないが大丈夫かと聞こうとしたが手のひらくらいの円盤を渡される。

 

「これで読み書きを覚えてくれ、俺も忙しい身でな、いつもここにいるわけにはいかないんだ。一週間で覚えてくれ、あんた京都に住んでたのなら出来るはずだ。頼むぞ」

 

と言い部屋を出た。私はそれをでーぶーでいでぃすくに入れる。するとてれびから絵が出てきた。このてれびとやらは奇怪だが素晴らしいカラクリだ。りもこんでポチポチと適当におしそれっぽくやってみる。何回か切り替わった後、映像がながれる。再生できたのだろうかと心配したが、

軽快なリズムと共に画面の中の絵が独りでに動き出した。

 

 

 

 

 

 

 

Zzzzz....ハッ!

いつの間にか寝ていたようだ。映像は既に終わっており最初の画面に戻っていた。何処まで見ていたかあやふやな記憶を思い出しながら電源を切る。日本語というものは何となく分かったので今日はもう寝る。この体の影響か長時間じっとしているのは眠たくて仕方ないのだ。睡魔に促されベッドに身を任せる。私はまた闇の底へと沈んで....ぐー...と腹の虫が鳴らす。そして気づく、今日一日中飯を食ってないことに。体が飯を求め起き上がる。部屋を出て廊下をふらふらと歩く。食堂へと向かう途中前方不注意で何かに当たる。何かと思い見上げる、そこには金色の髪をした男がいた。

 

「おや?何故こんな所に子供が...そういうことですか。貴女が今度入ってる人ですか。私は七海建人、貴女の名前は?」

「えぇっと...名前はぁ...」

 

答えようとした時にふと考える、そのまま答えると変な顔されるだろう。夜蛾やテレビで今の時代この名はどうも古臭い名前らしい。ので今生での名前を考える。そういえば耳やしっぽは兎によく似ていたことを思い出す。そして昔主人から教えてもらったことの中にうさぎの話があったような。

そんなことを考え、

 

「...稲羽悠里...。七海ぃ...これからよろしくね...」

「稲羽さんですね。こちらこそよろしくお願いします。」

 

お互い軽く会釈した後私は食堂へと再び向かう。

そこで寮母から食事を渡される。事前に夜蛾がこのことを伝えていたようだ。夜蛾には感謝しかない。豪華な食事にありつきお腹いっぱいで就寝する。明日から素振りで訓練するかと思いながら眠りにつく。

 

 

 

                        

 

 

夢をみた。あの日の夜、宿儺と対峙した時の夢を。あいつは呪術を使い私を翻弄した。一振りで建物を両断し、当たれば死は免れない状況だった。だがあの時ほど心踊ることはなかった。やはり夢の中でも私は敗北している。両腕は落とされ胸を呪力で貫かれ、完膚なきまでの敗北。奴は何かを満足した様子でこちらを見ている。そして最後は首を切り落とす瞬間で目を覚ます。

 

時計を見ると針が4時を指している。太陽は顔を見せ明るくなる時間帯だ。ベッドから降り外に出る。そして良い感じの枝を探す。ただ陽が登り始めたばかりかまだ辺りは暗い、見えずらい視界の中いい枝を見つける。枝分かれがない良いものだ。本当は木刀の方がいいが住む場所を提供してもらってる手前あまり我儘言うのはさすが引ける。

枝を両手で持ち構える。私は夜蛾がいうに呪霊らしいが、今のところ前とあまり大差がないように思える。色々教えもらったときに呪力を軽く教えてもらったが今の私に扱えるのだろうか。夜蛾は出来ると言ってくれたが体験するまで信じることが出来ない。

 

負の感情を込めるんだったか。

生前の後悔、死ぬとき何を思ったか。...宿儺に勝てなかったことか?いや違う、主人の命令を果たせなかったこと?...これもちがう。どれも後悔ではあるにしろまだ足りない。.....そういえばあの時、大きい呪霊を祓った時はどうだっただろうか。自然とやっていたが呪霊は呪力のこもった攻撃でしか祓えないと何とか言ってたな。あの時は、憂さ晴らしで殴っていたような...。瞬間、脳裏に記憶が走る。裸を見られた羞恥、涙で濡れバカにするような笑い声。思い出し枝を握る手が強くなる。その時、体に呪力が流れたような気がした。ブワッと溢れ少し驚き元に戻ったが、感覚は掴めた。あとは安定するまで鍛錬するだけと、その後しばらくやった。

夏油は闇堕ちした方が良いですか?

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