追放されたので同族に嫌がらせする   作:ルルカロスト

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ユルシテ、ユルシテ、ユルシテ…
思いついた物を形にしたい欲望を抑えきれなかった私をユルシテ…


追放されて…

「グレイブ!貴様をバット星から追放する!」

「は?」

 

私の名はバット星人グレイブ

同僚に呼び出された所に行ってみると、同僚である他のバット星人から追放の処分を言い渡された

 

「…一応理由をお聞きさせていただきましょうか」

「ふん、そんなものは決まっておろう。貴様が我らが計画している『ウルトラ抹殺計画』の妨害を行っているからだ!」

 

ふむ………どれのことでしょうか?

兵器として連れてきていた怪獣の細胞を取って自分の研究素材に無断で使用していたことか?

それとも、宇宙船に細工してブレーキできないようにしたことか?

まさか、別の惑星から攫ってきていた護り神と言われるような怪獣をうまい具合に逃がしたことか!?

しかし、すべて完璧に偽装したはず

どれかわからない以上、一応聞いておきますか…

 

「申し訳がありませんが具体的にどのようなことで追放の処分が下されたのか教えて頂けませんか?」

「自分がしたことも忘れたか!良いか、貴様はな…ウルトラ抹殺計画の詳細が記された資料を抹消しようしたんだ!」

 

………は?

ええと、あれ?

私、そんな回りくどいことをしただろうか?

 

「申し訳がありませんが、それは本当に私がやったのでしょうか?」

「当たり前だろうが!抹消しようとしていた資料を最後に閲覧したのが貴様なのだから間違いない!この俺が気づかなかったら大変なことになっていたな!」

 

確かに昨日、私は計画書を閲覧しましたが…

消すどころか、別のこと思いついて速攻で自分の研究室に帰ったんですけど…

というか、思いっきりニヤニヤしてるじゃないですかこの同僚。

さては嵌めましたね

ならば仕方がありません。元々計画に反対して他の同族からも煙たがられていましたからね

しかし研究の名目で保護したあの子が心配です

一人にしたらどうなるか目に見えているので、一緒に連れて出ていきましょうか

そうと決まれば早速…

 

「分かりました。では、荷物を纏めに研究室に戻りますので、纏め終わったら宇宙船乗り場ですか?」

「いや、荷物を全て持ってここに戻ってこい!」

「了解しました」


 

「戻りましたよ、ゼットン」

「お帰りなさいませ。グレイブ様」

 

研究室に戻った私を出迎えたのは私が研究用という名目で保護したゼットン…いや、実際にはゼットンの失敗作である

見た目は地球人の高校生くらいの身長をした女子の見た目ではある

失敗作というのは、どこぞのバット星人の研究者が、『ゼットン単体だけではなく、全く別の生物とゼットンの細胞を混ぜれば更なる強力な怪獣を作れるのではないか』という頭のネジが何本かぶっ飛んだんじゃないかと思うレベルの研究にて地球人の細胞と混ぜることで唯一成功した例こそが彼女であった。しかし、地球人の方に引っ張られすぎて、怪獣兵器としては全く使えないということで失敗作と言われ、殺処分になりかけた所を私が『怪獣や宇宙人の一部からその力を別の媒体に移し、引き出す』という自分の研究の助手兼被験者という形で保護したために今彼女はここにいる。

初めの方は警戒されていたが、今では結構慕ってくれているのだ。

 

「先ほどは同僚の方に呼び出されたようでしたが、何かありましたか?」

「当たりだゼットン。バット星からの追放勧告だったよ」

「なんと…」

「そこでだゼットン。君も一緒に来ないか?少なくともここに残るよりかはマシだと思うが」

「勿論私は、貴方様とご一緒に参ります」

「そういうと思っていたとも。なら早速持っていくものを整理するとしようか」

 

こうして私たちは研究に使いそうな物や価値がありそうな物、そして研究の成果であるメダルを全て持ち、研究室に置き土産を仕掛けた後、呼び出された場所に向かった。

 


そんなこんなで最初に呼び出された場所に戻ってきてみれば、まだ同僚がそこにはいた

 

「来たわけだg」

「遅い!どれだけ待たせるつもりだ!」

「そうですか。それは悪かったですね」

 

一応周りを見渡すが、どこにも宇宙船らしき物は見つからない。

 

「それにしても失敗作も連れていくつもりか?」

「おや?何か不都合でも?どうせ残しても処理されるのです。ならば連れて行っても問題ないでしょう」

「それもそうか どうせ問題はない

「それで宇宙船は何処ですか?」

「それに関しては問題ない。元より貴様達に使わせてやれる宇宙船はないのだからな!」

「何!?」

「だからこそ特別にこれで送ってやろう!」

「それは…ブルトン!?」

「はっはっは!小型すぎて2,3人ほどしか巻き込めんから兵器には向かんからな!貴様を遠い銀河に送ってやる私に感謝するんだな!」

 

同僚…いや貴様!

ブルトンは駄目に決まっているだろう!

というか小型でもブルトンを使用している時点で他のバット星人共も私のことが心底嫌いらしいですね!

せめてゼットンと離れないために彼女の手を取り…

 

「絶対に許さんぞ貴様らァァ!!!」

 

そう叫びながら私たちは異次元に放り込まれた…


 

「ここが異次元空間ですか…。研究はしていましたが実際に入るのは初めてですから新鮮ですね」

 

目を覚まし周りを見てみるとそこは岩が浮き、周りは良くわからない捻じれた空間が広がっていた

異次元空間の中には時空嵐が吹き荒れ続ける場所もあるのでひとまず安心した

ふと隣を見てみると、そこにはまだ眠っているゼットンが居た。特に怪我はなさそうだ

持ち物は取り敢えず全て…いや、増えていた

 

「これは…短剣?いや、短剣にしては形がいびつ…ならば何かのアイテムか?」

 

持ち手があり、よく見てみるとZの文字が入っている青色の刃がついた短剣のようなアイテムだった

しばらく見たり、触ったりしていると持ち手の部分にトリガーがあることに気づいた

それを私は危険だと思いつつも警戒しながら押してみることにした

 

「うおっ!?」

 

目の前に現れたのは謎のゲート

その奥には今いる空間とは別の空間が見えた

まさか、異次元空間の発生装置だろうか?

安全確認の為にもそのあたりの石を拾って投げ入れてみる。特に変化は無さそうだ

ならばと今度は自分で入ってみる。もしかしたらこの空間から脱出する手立てが見つかるかもしれない

入ってみたところ、特に身体に異常は無さそうだった

周りを見渡して見たが、特に何かがあるわけでは無く、先程投げ入れた石が目立っていた

しばらくなにか無いか探していると、私がここに入るのに使ったゲートが閉じてしまったが、もう一度トリガーを推してみたところ、再び開いたので問題は無さそうだ

 

「ここは…グレイブ様!?」

 

どうやらゼットンも起きたようだ

こちらを見て相当驚いているが、大丈夫だと伝えると彼女もこちらに入ってきた

彼女は私が持っているアイテムを見て驚いたように目を見開いたが、すぐに戻りいつもの澄ました顔に戻った

 

「そのゼt…アイテムはどこで見つけたのですか?」

 

ゼットンに、いつの間にか混じっていた事を伝えると、一人で考え始めたので、私は再びアイテムの解析に戻る。

よくアイテムを見てみると、一部の機能にロックがかかっていることに気がついた

どうにか解除できないか調べていると、何かカードのような物が入りそうな隙間を見つけた

入りそうな物を探していると考え事が終わったのかゼットンが

 

「グレイブ様、このような物を見つけたのですが」

 

と言いながら何も書かれていないカードを渡してきた

そのカードを手に取り、早速入れて見ると…

 

『グレイブ アクセスグランテッド』

「音、出すのか…」

 

いきなり絵は付くは、音は鳴るはで驚くところが多いが流石に慣れた

しかし、『アクセスグランテッド』か。確か地球の言葉で承認という意味だったか。ということは私の名前と合わせて『グレイブ承認』、すなわちロックの解除動作のようだ

再びアイテムに目を移すと、ロックが解除されてか、メダルでも入れれそうな穴が3つ見つかった

メダルか……メダル!?

丁度サイズがピッタリなのがここにあるじゃないか!まさかこのアイテムは、メダルに詰めた力を開放させることが出来るのでは無いだろうか。それも同時に3つも!

そうと決まれば早速実行したいところだが、メダルを入れた後の動作を先に確認しておく

この青色の刃の部分を横にずらすことができたので限界までずらしておく

そして…この後どうすれば良いのだろうか?

 

「もう一度トリガーを押せば良いのでは?」

「それがあったか!」

 

ゼットンからの助言通り、トリガーを押してみるといきなり変化が起きた

 

「いつの間に私は外に出たんだ?そして妙に視線が高い…!?!?!?」

 

流石にもう慣れたと思っていたが、流石に驚いた

私が巨大化している。うん、まだ理解が追いついていない

一体どういうことなんだ

ようやく理解が追いつき、意識すればこの空間に戻れることに気づいた

どんな手段があって大きくなったかは分からんが、取り敢えずこのアイテムは巨大化するアイテムなのかもしれない

ということは、メダルをセットした状態でトリガーを押せば…合体怪獣だろうか?しかし合体怪獣というのは相性の話が絡んでくる。全く共通点の無い怪獣を合わせたところで、完成するのは互いのパワーを中途半端にしか出せない怪獣だ。絶妙なバランスがあれば、成功させるのも無理では無いが流石に難しい。今の私達が持つメダルは『ゼットン』『エレキング』『キングジョー』『ベムスター』『ミズノエノリュウ』『セグメゲル』だ。相性の良い組み合わせは中々思いつかないので辞めておこう。

しかし、このアイテムを作ったのは一体どこの天才なんだ。是非とも実際にあって話をしてみたい物だ。『ペダン星人』か?あの宇宙人の化学力は凄まじい物だが大体ロボット作りに勤しんでいるから違うだろう。ならば『サロメ星人』…も『ペダン星人』と同じでロボットにお熱だったな。巨大化能力に力の開放が優位に働きそうで作成が可能そうな宇宙人…ウルトラの一族…ウルトラマンヒカリか!

確かあの宇宙人は、命の固形化という素晴らしい研究を成功させた大天才だったはずだ。彼ならば可能だろう。ということはこのアイテムはウルトラマンの物と言うことか。

…ウルトラマンにあったら彼らの物か聞くとしようか。こちらから敵対しなければ彼らは話を聞いてくれるはずだ

しかし、結局のところこのアイテムはこの空間からの脱出には役に立ちそうにないことが分かった。どうしたものk…

 

グルルォォォ!!!

「!?」

 

怪獣の鳴き声!?後ろか!

急いで後ろを振り返ると、そこには刃が迫っていた

 

「ガァ!?」

 

防御が間に合わず、切られてしまった。切り傷は出来たが断たれていないのは運が良い

痛みを耐えながら怪獣の姿を見ると、金属のような皮膚、ビスで止められた鎧のような体、シャッターのように口を覆っている牙、そして腕から生えた鋭い刃、まるでロボット怪獣だ

正直異次元空間に怪獣はいないと思っていたので油断してしまった

意識を空間に戻し、ゼットンの方を見てみたが、彼女は怪我をした様子が無い。それどころか自分の心配よりも私の心配をしているようなので大丈夫そうだ

さて、どうするか

目の前にはこのままでは絶対に勝てる気がしないロボット怪獣もどきだ

そうこう考えているとまた怪獣が刃をこちらに振り下ろしてきた

何か手は…

 

「グレイブ様!そのアイテムを武器として出すことは出来ませんか!」

 

…なんとかなった

ゼットンの咄嗟のアイデアのお陰で怪獣の刃を止めることに成功した

武器となったアイテムで刃を弾き、距離を取る

するとあの怪獣は、弾かれたことに驚いたのか一瞬の隙が出来た。今の内に『エレキング』のメダルをアイテムに入れて、ロードする

 

『エレキング』

 

ロードに成功し、トリガーを押すことでアイテムに電気を流すことに成功した

怪獣もこちらの武器に電気が流れ始めたことに気づき、警戒を示している。あの金属のような見た目だ。電気は良く通るだろう。

 

グルルォォォ!!!

「来るか!」

 

怪獣はまた刃を構えて突っ込んできた。切り傷がある以上、油断していない怪獣相手に再び受けを取るのはのは困難だろう。ならばこそ、こちらも突っ込む。

 

ギン!

 

互いの刃がぶつかり合う。そして…

 

「むぅん!」

 

互いの刃の切り合いは、怪獣の刃の一部を削る形で終わった

 

グルォ!?

 

怪獣はこれ以上のダメージを恐れたのか撤退を選んだ。つまり、私達の辛勝である

私は巨大化を解き、地面に横たわる。それを心配したのかゼットンが泣きながら駆け寄って来る

 

「大丈夫ですかグレイブ様!」

「これぐらいで死にはしませんよ。だから安心しなさいゼットン」

「良かった。まだ私は、貴方に、何もお返し出来てないから…」

「ゼットン…貴方がいたから今回はどうにかなったんですよ。だから誇りなさい」

 

どうにかこうにかゼットンを宥めていたそんな時、私の身体に異常が起きた

異次元のエネルギーとでもいうのだろうか。そのエネルギーが私の切り傷に入り傷を塞いでいった

たちまち私の切り傷は消えた。だがそれと同時に私の見た目にも変化が起きた。元々赤色だった部分が青色になったのだ。体感だがここ数時間で色々起こりすぎてそろそろパンクしそうだ

ゼットンに手を引っ張って貰って立つと、面白いことが分かった。異次元のエネルギーの流れを見ることができる

これならば、異次元から出ることができる穴を探すのにも役立つかもしれない。

早速試す前に、先程削った怪獣の刃の一部の下に向かった。あれほど強い怪獣だ是非ともメダルを作っておきたい

 

「ゼットン、私達は始めての異次元空間で研究を行う生物かもしれませんね」

「ふふ、ええそうですね」

 

彼女も元気が戻って来たようで、作業は早く終わった。加工道具を持って来ておいて良かった

…今思ったことだが、あの怪獣は異次元空間に生息していたとするならもしかしたら、脱出する手段を持っていてもおかしくないのでは無いだろうか。ものは試しである。早速出来たメダルをセットしロードしてみる

 

『カミソリデマーガ』

 

『カミソリデマーガ』それがどうやらあの怪獣の名前のようだ。聞いたことがない名前だが、異空間に生息していたのだ、見たことがあるヤツのほうがいないだろう

そしてトリガーを押すと、アイテムの刃が異次元のエネルギーを纏った。試しにそのあたりの空間に向けて思いっきり振ってみる。すると、異次元空間に私達が通れるくらいの穴が出来た。その先には青い星、地球が見えた

 

「ゼットン、あの星は貴方にとってはもう1つの故郷、地球ですよ」

「はい、はい、ようやく来られた。とても嬉しいです」

「では、行きましょうか」

 

私は彼女の手を取り、共に地球に向かった

もっぱら密入国だが緊急事態だ。ウルトラマンに見つかっても言い訳できるようにはしておこう

 

 




次はいつやろな…
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