淫な実力者です!   作:ただのニンゲン

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夜の副学園長室を遠くの火が薄く染めていた、薄暗いその室内で人の影が動いている...影は本棚から数冊の本を抜き取りそれを床に捨てて火を放った。


小さな火が次第に本を侵食し、灰と共に室内を明るく照らしていく。


「ないな...」


「そんな恰好で何をしているんですか?ルスラン副学園長...」


鎧を着た男の影が震える...一人きりしかいなかった室内に、いつの間にかもう一人少年が居たのだから。
ラウンズ、過去に世界最強の一角に座った男が気付く事のできなかったその少年。


少年は窓際に腰掛けを組み本を読んでいる、黒髪のどこでもいそうな少年だ。
...ただ少年は男の影にも広がる炎にも目もくれず、分厚い本に向けられている。


「よく気づいた、シド・カゲノー。」



顔を隠していた仮面を取ると、初老の男性の顔が現れる。
...白髪の混じった髪をオールバックにした彼は、ルスラン副学園長だった。


「参考までになぜわかったか聞いてもいいかな?シド・カゲノー君...」


「見ればわかります、それと姿勢や足取り息遣い...真実に辿り着くのはそう難しくない。」


「見ればわかるか...いい目をしているな」


「僕も参考までに聞いてもいいですか?」


「一つだけなら答えてあげよう」


「なぜこんなことをしたんですか、僕は貴方がこういう事に興味があるようには見えなかった。」


「なぜ...か...
少し昔の話になるが、かつて私は頂点に立った...君が生まれる前の話だがね。」


「ブシン祭で優勝したと聞いたことがありますよ」


「ブシン祭など頂点には程遠い、本当の頂点はずっと先にあるものだ。
君に言ってもわからないだろうがね...」


「へぇそうなんですね」


「私は頂点に立ってすぐ病にかかってね、一線を退いた...苦労して上り詰めた私の栄光は一瞬で終わった。
それから私は病を治す術を探し求め、ルクレイアというアーティファクトの研究者にその可能性を見出したのだ。」


「長くなりそうですか?」


「少しね...ルクレイアはシェリーの母だ、賢すぎて学界に嫌われた不幸な女だった。
だが研究者としては最高峰の知識を持っていて、彼女の立場は私にとって都合のいいものだった...私は彼女の研究を支援し数々のアーティファクトを集めた。」

ルクレイアは研究に集中し、私は彼女の研究を利用する...彼女は富も栄誉も興味がなかったからいい関係だったよ。
そして私は強欲の瞳に出会った、私が探し求めたアーティファクトだ...そういえば丁度君の片割れと取り合っていたね。
だがね...あの愚かな女は!!ルクレイヤは強欲の瞳が危険だと言い出し国に管理してもらうよう申請を出そうとした、だから殺してやった!!身体の先から中心へ突いていき最後は心臓を突き刺し捻った。」


「なるほどそういう事ですか」


「強欲の瞳は私の手に残ったがまだ研究は途中だった、だが私はすぐに都合のいい研究者に出会ったよ。
...ルクレイアの娘のシェリーだ、彼女は何も知らず何も疑わず私に尽くしてくれた。
私が仇だとも知らずにね、可愛い可愛い...愚かな娘だ。
母娘二人のおかげで強欲の瞳は完成した、あとは魔力を集める舞台を整えてちょうどいい隠れ蓑を用意するだけで済んだよ...今日は私の願いが叶う最高の一日だった。」


「惨めですね...」


「どうだい?参考になったかな?」


「そうですね、ただ一つ気になったことがあります。」


「言ってみたまえ」


「シェリーの母を殺し彼女を利用したというのは本当の事ですか?」


「もちろん本当のことだ...怒ったかい?」


「どうでしょうね、僕は自分にとって大切なものとそうでない物とを明確に分けるんです。」


「なぜと聞いてもいいかな?」


「脇目を振らない為ですね、僕にはどうしても成し遂げたいことがあったんです。
...でもそれはとても遠くにあった、だから削っていったんです。」



「削っていった?」


「みんな、生きるにつれて大切なものを増やしていきます。
友達ができて...恋人ができて...仕事ができて...そうやって増えていく...
でも僕は逆に削っていった、あれもいらないこれもいらないって...そうやっていろんなものを捨てていった先にどうしても捨てられないものが残った。
...僕はそのほんの僅かな物の為に生きているから、それ以外がどうなっても割とどうでもいいんです。」


「愚かな母娘がどうなろうと構わないということか?」


「いえ...割とどうでもいいとは言ったけれど、全くどうでもいいわけじゃない。
...そろそろ始めましょうか、あまりのんびりしていると邪魔が入りそうだ。」


「そうだな、残念だがお別れの時だ。」


両者剣を抜き構える...
二本の白刃が炎に照らされ輝いて、だが決着は一瞬だった。


ルスランの剣がシドの胸を裂き、鮮血が舞った。


シドの身体はそのまま窓を破り、燃え盛る廊下へと投げ出される。
...高所からの落下、恐らく死亡するだろう。


「度胸だけは優秀であった、シド・カゲノー。


ルスランは剣を収め、隠し通路を開きそこからこの場を立ち去ろうとする。


「どこへ行く」


調和

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

「身体の先から中心へ突いていき...最後は心臓を突き刺し捻る...だったか?」

 

 

「なッ...!!貴様ッまさか!!シー...」

 

 

最後に残ったのは、やせ細った初老の男の死体だけだった。

 

 

決死の思いで使用されたアーティファクトは破壊され、初老の人間は痛め付けられて殺されたのだ。

 

 

その時、小さな足音がこの場に響いた。

 

 

「お義父様...?」

 

 

返り血を浴びたシャドウが振り返ったその先に、桃色の髪の少女が居た。

 

 

「お義父様ぁぁぁぁ!!」

 

 

桃色の髪の少女はシャドウの横を走り抜け、ルスランの死体に寄り添う。

 

 

「お義父様!!何で...どうして!!お義父様!!お義父様ぁぁぁぁ!!嫌!!嫌ッ!!」

 

 

やせ細った死体に縋りついて涙を流すが、義父の身体はもう動かない。

 

 

「知らなくていい...お前は何も知らなくていい...」

 

 

________________________________

 

 

「よくできていると思わない?」

 

 

「アルファ様...あの私には何とも...」

 

 

「ごめんなさい、答え辛かったわね。」

 

 

アルファと呼ばれた美貌のエルフはクスクスと笑う、アルファが持っている紙は手配書だ。

そこには漆黒のコートを纏った正体不明の人間が書かれている...

 

 

「王国の怨敵シャドウ、無差別殺人監禁放火強盗...何て悪い人なのかしら。」

 

 

「シャドウガーデンの手配書にはアルファ様の名前もあります、名前だけですが...」

 

 

「あら本当ね」

 

 

「シャドウガーデン本当に酷い組織ね...

でも残念、急いで戻ったのに着いたらほとんど終わっていたんだから。」

 

 

アルファは手配書を魔力で燃やしていく、紙の端から黒い染みが広がっていくのを眺めて呟いた。

 

 

「世界中の罪を引き受けよう、だが何も変わらぬさそれでも我らは我らの為すべきことを為す...いい言葉ね。」

 

 

「流石シャドウ様です!!」

 

 

「心のどこかで、私は正義の立場にいると思っていた...だけど彼はそうじゃなかった。」

 

 

揺れる炎に照らされた美貌は陰影を変え、その表情に異なる印象を与える。

 

 

________________________________

 

 

「あの...!!」

 

 

「あぁごめんごめん、ぼーっとしてた。どうしたの?」

 

 

「ここで待っていたら会えるって聞いたので...お話ししたいことがあって...」

 

 

「そう」

 

 

すみません自分ばっかりで...その...マリーさんは残念でしたね...」

 

 

「事情聴取まで時間があるからいいよ、授業は当分休みだし。」

 

 

「先日はありがとうございました...シド君のおかげで、本当に助かりました」

 

 

「大したことしてないよ」

 

 

「一人だったら私は何もできませんでした...それどころか死んでてもおかしくなかったです!!」

 

 

「いいよ、気にしないで。」

 

 

「それで、今日は報告があって...私留学することに決めたんです。」

 

 

「あぁ...それでその荷物か...」

 

 

「はい、今から馬車に乗ります...ラワガスまで。」

 

 

「学術都市か...イータの出番かな...」

 

 

「私...やらなきゃいけないことができたんです、それには今の知識じゃ足りないから勉強しに行きます。」

 

 

「そっか、がんばってね。」

 

 

「それに...ここにいる理由も無くなりましたので...」

 

 

「ああお義父さんの事ね」

 

 

「シド君とはもっとお話したかったんですけど...」

 

 

「うん、またいつか会おうね。」

 

 

「はい、またいつか。」

 

 

「あ、ちょっと待って。」

 

 

「はい?」

 

 

「やらなきゃいけないことって何か聞いてもいい?」

 

 

「秘密です...」

 

 

「そっか、変な人には気を付けるんだよ。」

 

 

「もし全てが終わったら...私の話を聞いてくれますか?」

 

 

「いいよ」

 

 

「ありがとうございます...」

 

 

馬車に乗り、ラワガスへ向かう。

 

 

「シド君...マリーさん...私は必ず...仇を...」

 

 

________________________________

 

 

ごめんねシド、私は不器用で些細な事に手が回らなかった。

 

 

姉さん悲しんでるよね、シドはどうだろうか...分かんないや。

 

 

今の私にできる事...全てを焼き尽くすぐらいかな...

 

 

それは駄目だから新たなサービスかね...

いやでもみんな気にしないか、丁度時間が空いているし世界中の大きな洞窟や渓谷に特異な魔物を放つ。

 

 

近い内に、世界中で特異な魔物の出現に手を拱く事となる。

...シャドウガーデンとディアボロス教団はその先頭に立ち、国から依頼を受け各地で魔物の殲滅を行い金貨を稼ぐ。

 

 

そこから信用崩壊が起こり金貨の奪い合いが始まると、金本位制に戻る歴史は韻を踏む...ここはシドだよね。

 

でも私はそんな事どうでもいい、ただ自分で再収集するのが面倒臭いから代わりにやってもらおう...管理はイータ達に丸投げしようかね勿論だけど好きに実験してくれていいし。

 

 

折角だしその先を用意してあげようかな...

期限は三日、そして不意に起きてアイリス王女の顔をブン殴ろう嘘です。

 

 

という訳でアレクサンドリアにやってきました、関係ないが一度呼吸を失敗して毒を吸ったけど中々清々しい毒だったよ。

 

 

「あっ...マスター...」

 

 

「元気そうでよかった、ご飯食べてる?水は飲んでる?」

 

 

「大丈夫...水は欠かせない、生きていく為に必要不可欠...」

 

 

「よしいい子だ、研究頑張ってね。」

 

 

「何か用でも...あった?」

 

 

「実はねばら撒く事にしたんだ、私の魔物を。」

 

 

「ばら撒く...?マスターの体の一部!!」

 

 

「そそ、楽しみにしててね。」

 

 

正確には一部じゃなくて外付けなんだけどね...

まあイータが主導して色々動くだろうな、あとはゼータとデルタそして最後に他の四人だね。

 

 

________________________________

 

 

「よしよし、デルタはいい子だね。」

 

 

「そうです!!ウラボスが言うんだからデルタはいい子なのです!!」

 

 

「よ〜しよしよし」

 

 

私は裏ボスじゃねぇ...シドはデルタにどんな教育してんだ...

 

 

「久しぶり、ここ教えたっけ?」

 

 

「まああんだけ足跡あればすぐに分かるよ」

 

 

「それはマズいね、何か対策を考えないと。」

 

 

「別に気にしないでいいよ、普通なら毒の霧で死ぬから。」

 

 

「待ってどんな方法でここまで来たのか想像したくない...」

 

 

「存分にその優秀な頭脳で考え給え、ほらゼータもおいで。」

 

 

獣人二人をモフモフ、ここが天国だったのか。

 

 

「雌猫は来るな!!」

 

 

威嚇しつつデレるデルタ、色々とバグってるの可愛い。

 

 

「許可は貰ったからね、私もお邪魔させてもらうよ。」

 

 

「しっしなのです!!」

 

 

「ところでさ、私達に手を出してくれないの?私もマリーの技を知りたいな。」

 

 

「だ〜め、君達は為すべき事があるんでしょ?求めてるとしても全部終わるまでお預け。

...教団に洗脳されて都合よく利用されてた子達、もしくはその過程の内で保護された復讐鬼とは違うでしょ。」

 

 

それに下手に手を出したらシドに怒られそうだし...いや怒られるじゃなくて幻滅かな、まあ何でも同じか。

 

 

「そういう練習の為に...って理由じゃ駄目かな?」

 

 

「駄目なのです!!ウラボスが雌猫臭くなる!!」

 

 

「私は一向に構わないよ?」

 

 

「デルタが構う!!」

 

 

「ほら喧嘩しない二人ともいい子だから、ゼータ前にさラワガスに行ってたよね?その時に教団の施設跡らしき場所があったと思うんだその場所教えてくれないかな。」

 

 

「ああよく分かったね、地図でなら大体ここだね。」

 

 

「ナイスナイス、ありがとゼータ...おっと時間だミツゴシに向かわないと。」

 

 

かわいい〜かわいい〜

 

 

「もう行っちゃうのです?」

 

 

「メス犬寂しいんだ」

 

 

「人が減るのは誰でも寂しいのです、それがメス猫でもです。」

 

 

...この二人想像より仲良いぞ?

 

 

________________________________

 

 

「アルファガンマ、そろそろ始まるね。」

 

 

「はい不動産バブルが始まります!!このガンマに任せて下さい大きく利益を上げてみせます!!」

 

 

「そうだね、でもその先があるから。」

 

 

「...ごめんなさい私達には先見の明ない、教えて欲しいわ。」

 

 

「いやシドと私は大昔に色々と学んだだけで先見の明がある訳じゃないから、まあ本題から話そう。

君達は先を見なさい、私は二人に宿題を出します!!不動産バブルそして更にその先の先...その時に大きな何かを得る事が可能になる筈です。」

 

 

「5年振りね貴方の試練は...必ず貴方の望む...いえそれ以上の結果を出してみせるわ!!」

 

 

「その陰の叡智と明調の試練とかいうのどこから湧いてきたの?」

 

 

「シャドウが言ってるわ」

 

 

陰の叡智とは七陰のみんながギリこなせるだろうとシドが判断して出す課題、明調の試練は叡智からより一歩先を歩ませる為の試練らしい。

 

 

全然私はそんなつもりなかったのに何故か気が付いた時にはこんな呼ばれ方をしてた、そもそもみんな優秀過ぎるが復習応用狂の私がみんなに復習と応用をさせてるだけなのだが...まあ良しとしよう。

 

 

まあ今回の試練はシドと対立したらどうするかって話なんだけどね、少し頑張って貰わないと。

 

 

アルファとガンマにはミツゴシとしての力をシャドウに見せんしゃい、今回はシドと知恵比べする試練じゃ。

 

 

んでまあベータには地球の言葉を教えるか、ひらがなカタカナローマ字算用数字の三四つ...もしシドが地球に行くときに連れてくならベータだからね記憶力とか滅茶苦茶いいし。

 

 

ん?イータ?絶対に問題起こすからだめ

 

 

イプシロンはどうしようかね...スライムだな、うん。

 

 

同じ女性としてあの美に争う姿は好感を持てる、ベータとこれからも戦ってくれ。

 

 

________________________________

 

 

「日本語ひらがなカタカナローマ字算用数字、これ覚えとくといい事あるよ。」

 

 

「...これはシャドウ様が使っていた!!」

 

 

「そ〜そ〜多分必要になるから覚えとく様に、そんじゃ私はイプシロンの場所に行ってくるから。」

 

 

「はい!!ありがとうございます!!」

 

 

...あの子デカくね?暫定HからKあるぞ、なるほど太りやすい体質か?運動させよ今度。

 

 

「マリー様!!いらっしゃっていたのですね!!」

 

 

「まあね〜それにしてもイプシロンは素晴らしいね、弾力質感全てにおいて完璧だ。」

 

 

「なっ...!!マリー様?私のも如何ですか?!」

 

 

「ん〜ベータもいいね完璧だ、二人とも胸が好きな男子ならば簡単に堕とせるだろう。」

 

 

「「本当ですか?!」」

 

 

「うん胸が好きな男子ならね」

 

 

急に怖いよこの二人...シドの事になるとみんな盲目になるね...

終わりはどうして欲しい?

  • ハッピーエンド(生存)
  • ハッピーエンド(死亡)
  • バッドエンド(生存)
  • バッドエンド(死亡)
  • 只管にオリ主マリーを虐めて欲しい(胸糞)
  • 上記の自殺ルート
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