高校生を轢いたら異世界転生したんだが?   作:巻き込まれ転生者

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ストーリーに一段落。
一段落ついちゃうと気が抜けて投稿ペースが落ちそう。


第12話

 

 

翌日、俺は学園の屋上に来ていた。

地面に寝転び、お天道様をその身に浴びる日光浴。

 

最近はドタバタとしていたものだから久々の平和が身に染みる……。

 

さて、

 

「でー?なんか用かよミケ」

「相も変わらず、王女に対して尊大な態度ねポチ」

 

目をつぶる俺に近づいてくる足音。

 

……大きな怪我なく登校してきたか。もっとゆっくりおうちで休んでてもいいのよー。

 

「今回の事件、まだまだ裏がありそうだったけど表面上は解決ということになったわ。でも姉様は専門の調査部隊を立ち上げる準備をしているし私も協力するつもりだからまだこれからね」

「あっそ。勝手にやれば?」

 

当分は面倒事はごめんだ。

貧乏くじはもう引きたくねえな。巻き込まれはもう勘弁。

 

「というわけであなたの容疑は晴れたわ。迷惑かけたわね」

「おーそうか。そりゃ良かった」

 

体を起こし立ち上がる。

伸びをひとつ、腰の骨が体に鳴り響き気持ちがいい。

 

さて、中に戻りましょうかー。

そう思い、足を屋上の入口に向け歩き出そうと、

 

「待って。二点、言っておきたい事があって」

「あ?んだよ?さっさと言え」

 

こちらの言葉に眉をぴくりと動かすミケ。

ヘッタクソな笑顔を浮かべ口端がピクピクしている。

 

「……ッ。まず一点目。一応感謝の言葉を言っておこうと思って。前に、努力する私が好きって言ってくれたでしょ。遅くなったけど、ありがとう」

「は!んな事言ったかー?努力するやつは嫌いじゃねえって話だった気がするけどなあ。話を美化しすぎじゃねえか?」

「……素直に感謝を受け取れないの?……私もようやく自分の剣が好きになれたわ。別にあなたのおかげじゃないけど」

「あっそ。ソリャヨカッタネー」

「いちいち癪に障るわね…!」

 

だって興味ねえし。

自己完結できる話を俺にされても困るなー。

 

「それで二点目。これまで付き合っているふりをしてきた訳だけど、今回の事件でゼノンが死んでくれたからもうお役御免ってこと」

「よっしゃあッ!!」

「なんでそんなに喜んでるのよッ!!」

 

思わずガッツポーズ。

ようやくこの面倒な立場から解放だ。……長かった…!長く苦しい戦いだった…!

 

「……はあ、そうだったわね。あなたはそう言う人間だったわね」

「そうだよ。こういう人間だよ」

「とある提案しようと思ったけど、やっぱやめたわ。どうせ無理でしょうから」

「………?」

 

とある提案…?なんだ?

……いや、いいか。別にそんな気にならんし。

 

「それにしても、あなたにも紳士な部分があったなんてね」

「……あん?」

「ゼノンを殴り飛ばした時のことよ。女に手を上げる人が嫌い、なんて言葉があなたの口から出るなんてね」

「あー、あれか」

 

あの時のことが頭に浮かぶ。

あれはなー、まあノリと勢いだしな。

 

……それに、あのときは妙にムカついたからな。なぜかは分からんが。

他に理由と言えば──

 

「俺、女だろうが男だろうが基本人に暴力振るの嫌いだしな」

「……え?」

「なんだよその顔。文句あんのか?」

「え、あ、いやー?べ、べっつにー?」

「………」

 

こいつ……。

はあ、まあいいや。まあ普段の俺が俺だしな。そういう反応もしょうがない、か。

 

「そもそも暴力が嫌いだ。平和に済むならそれに越したことはない。ただ、ムカついたら殴る。そんだけだ」

「……意外と平和主義者?」

「まあな。前s……昔はアホみたいにヤンチャしてた時期があるけど殴っても殴られても痛えし血も流れる。それを見かねた年下従姉妹からいい歳した男が説教かまされて理不尽な暴力はいけませんて言われちまったんだよ。特に女には絶対に手を挙げちゃダメだと。……喧嘩売られたら買う。けど自分からは仕掛けない。女に関しちゃどんな時でも手は出さない。約束しちまったからな」

「……敵が女だったらどうするの?」

「そん時ゃ……死ぬしかねえな……」

「……はぁ、アホね」

「じゃかましい。なんとでも言え」

 

……もう、前世との繋がりはそれくらいしかねえ。

他人はくだらないと匙を投げ捨てるようなもんでもこっちからしたら大事なもんなんだよ。

 

……元気してるかな。あの妹分は。

前世に執着はねえけど、それだけが気がかりだな。

 

「……でも、少し見直したわ」

「あ?」

「意外とそういうの大事にするタイプなのね。あなた」

「吐き出した言葉は呑み込めねえだろ。男に二言があっちゃあダサくて妹分に顔なんて合わせらんねえよ」

「そう……それじゃああなたがピンチになった時は私が助けてあげようかしら」

「言ってろ。ミケごときに世話になる日なんて来ねえよ」

 

目を合わせると微笑むミケが居る。

こう見るとほんとに憑き物が落ちたんだろう。若いもんが前を見始めたってだけでどことなく嬉しさがある。

 

そんな彼女を見て俺も自然と口が弧を描いていた。

 

「じゃあな"アレクシア"」

「……!ええまた会いましょう、ヒィロ」

 

そんな一言を互いに残して俺は屋上を後にした。




ヒィロ君は学生の体になっているから精神が前世の若い頃みたいになってる節があったり。大人の頃は流石もっと大人しかったです。口は変わらず悪々だけど。

ちなみにルールがあったり、命の保証が絶対にある場合は相手が誰あれちゃんと相手してあげたりします。
あくまでストリートで理不尽な暴力はダメというだけ。
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