高校生を轢いたら異世界転生したんだが?   作:巻き込まれ転生者

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第5話

 

 

アホボケクレアの救出騒動から早数年。

 

あの日からクレアの俺に対する当たりが幾分か優しくなった気がする。まあ、今は王都の学園に通っているから会うことはほぼないが。

 

そんなことよりシャドウガーデン(笑)が家を出てしまった。

調査や妨害活動に専念するから世界に散るぜ☆との事らしい。

 

あんな騒がしかったお家が今や静かだ。静かすぎて少し寂しい。これが娘が嫁に貰われた親父の気持ちなのかもしれない。結婚もしてないのにこんな気持ちを味わうとは、人生何があるかわからん。

 

皆も別れを寂しそうにしていた。特にデルタはぐずっていた。

許せデルタ。アルファの決定には俺も逆らえん。

 

そんなこんなで一人寂しく過ごしていた、そんなある日の事だった。

 

「──俺も学園に通う?」

「ああ」

 

家に遊びに来たシドに言われた言葉。

この世界では15歳になると貴族の方々は王都の学園に通う決まりになっている。そう貴族がね。

 

「俺貴族じゃねんだけど」

「大丈夫だよ。調べたらどこかしらの貴族に紹介してもらえば推薦という形で学園に入学するための試験を受けられるらしい」

「へー」

 

シドの家は貴族だ。つまりカゲノー家が俺を紹介すれば入学は可能ということか。

 

学園かあ。確かに興味はある。

こんな何も無い世界だといい暇つぶしにもなりそうだ。

だが、

 

「俺を学園に入れたい理由は?」

「……影の実力者の本当の姿を知る唯一の友人、とかよくない?」

「よし、帰れ」

 

なんで俺はこいつの特殊プレイの駒にされなあかんのか。くたばれ。四肢爆散して消え失せて欲しい。

 

「えー、いいだろー?頼むよー」

「やかましい。失せろ消えろ死ね」

「学園に入学すれば寮に住めるぞ」

「あーそうですかそうですか」

「だからもうこの家も売っぱらう予定」

「……足元みやがって」

 

俺の居住地はこいつに握られている。

腹が立つ。が、出ていかせられるなら別に野宿でもいい。

 

「ちなみに紹介状はもう送ってたりします」

「頭上に隕石落ちてくればいいのに」

 

勝手すぎじゃない?

自害せよ、シド。

 

「どうしても無理?」

「やだね。絶対に」

 

 

 

 

 

もはや話は平行線。

しかし、シド。彼とは既に数年来の付き合い。つまり彼の扱い方はよく分かっている。

こんな時、とある言葉を口にすればこの男は言うことを聞く。それを理解していた。

 

「そっかぁ……、試験に受かる自信が無いんだね。それならしょうがないか。この話はなかったことにしよう

 

──ブチッ

 

何かが切れた音が、実際に聞こえたわけじゃないが確実にその音は頭に響いた。

 

「んだとてめぇゴラァ!余裕だわカスボケ!受かり殺してやるわクソがッ!」

 

「わーい………受かり殺すって何?」

 

こうしてシドにそそのかされ、男ヒィロは学園入学を目指すことになった。

 

 

 

 

 

なんてこったい。売り言葉に買い言葉。

まさかシドの思うつぼにハマるとわ。短気は損気。はっきり分かんだね。

 

「そういえばヒィロって意外とスペック高いよね」

「あ?」

「だってピアノ弾けるでしょ?ガンマをコテンパンにできるほどチェスも上手いし、体術も素人じゃない。さらに科学にも精通……もしかして俺と同じく陰の実力主義目指してたりした」

「アホ。なわけねーだろ。前世で知り合いとバンドを一時期やってた時キーボードやってたからピアノもそれの要領でやれるだけだ。チェスはボードゲーム全般得意なだけだし、柔道は学生の頃からやってたからな。高校の頃は日本一三連覇してる。趣味で始めた居合も七段まで取ったし、科学に関しちゃ大学までの知識だ」

「はえー、意外とすごいんだな」

 

時間があれば誰でも出来るもんだろ。別にそんな凄くねえし……(照れ隠し)

 

「魔力の制御はからっきしなのにな…」

「そんなんに興味ねえだけだ」

「魔力とかに憧れたりしないの?」

「別に。拳に纏わせて殴れば大抵それで終わるしな」

 

ロマンがないなあ、なんてことを言いながら首を横に振る。

やかましい。誰もがお前みたいな異常者だと思うなよ。

 

「てか、てめぇは勉強しなくていいのかよ」

 

ノートと教材を机に広げ、それにペンを走らせる俺。その横でのほほんとしてるこのボケは成績は大丈夫なのかよ。

 

「んー?ああ、貴族は自動的に入学できるからね。勉強する必要は無いんだ」

 

なんだそれ、クソやな。何かの拍子に舌をおもっくそ噛めばいいのに。

 

「あ、ここ間違えてる」

「……あ?」

「ここの計算式……ほら、ここ。ケアレスミス」

「〜〜〜〜っ!」

「地頭いいのに落ち着きないからこういう細かいミスするんだぞ」

「クソがッ!死ねェッ!!」

 

つか、なんでコイツとお勉強会なんてしなきゃならんのだ。

なんで好き好んでコイツと2人きり?成程、ここが地獄か。

 

「やーいやーい、ばーかばーか」

「〜〜〜っ!」

「アルファたちに笑われちゃうぞー」

「ヤロウゥ!ぶっ殺っしゃァァァァアッ!!」

「やば、逃げよ」

 

逃げ出すシドを追いかける。

ヤロウ!ぶっ殺してやる!

許さん!お前にバカにされるのだけは絶対に許せん!

 

そのまま追いかけっこを続けること数時間。

 

 

 

そこら一帯には建物らしき残骸が広がっていた。




ヒィロ・ライト (旧:■■ヒロ)

目つきの悪い三白眼。目の下にはクマを作っているため目つきの悪さにさらに拍車がかかっている。
髪は黒髪短髪のオールバック。体は筋肉質だが細身。
お口は悪々だが根は面倒見のいいおっちゃん。
前世合わせて既に50歳は超えてるが、子供の肉体に精神が引っ張られているため感情のコントロールがおそまつに。

こんなとこかな。
キャラクターを作れるサイトで見た目をまとめてみたりしてた。
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