高校生を轢いたら異世界転生したんだが?   作:巻き込まれ転生者

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この作品は漫画の陰実をベースにしています。

……なんだけど、アニメをちょくちょく見始めまして。えーと、アレクシアさんだいぶ性格悪ぅなってませんかねあれ。
ただ、花澤ボイスはすごく良い。とても良い。


第8話

 

 

ミケ王女と付き合い始めておよそ2週間。

学園終わりの放課後に2人で稽古をするのが日課になっていた。

 

普段はゲボを吐くほどに気色悪く猫をかぶる王女サマも俺の前だけではありのままの自分でいてくれる。

 

そんな彼女と過ごしていくうちに、いつしか俺も彼女のことが──

 

「おいゴラァ、てめえ俺の服に落書きしてんじゃねえよ」

「似合っているわよポチ」

 

──別に好きになってなかった。

 

むしろ嫌いが加速した。殴りたい、この笑顔…!

俺の服に下手な犬の絵を書きやがって。犬を書くならデルタを書け。我が愛犬ぞ。

 

「ねえポチ。私喉乾いちゃったー。お水取ってきてくれない?」

「自分で取りに行けよミケヤロウ」

 

ため息がこぼれる。一体いつまでこんな生活を続けることになるんだろうか。まさしくクソである。

 

水をがっぷり一杯。近くにあったもうひとつのコップを手に取りクソ姫の元へ戻る。

 

「おらよ」

「あら、素直に取ってきてくれるのね」

「俺は"大人"だからな。自分の分を取るついでに持ってきてやる度量はあるんだよなこれが」

「あらそう、ありがとう」

 

嫌味をひらりと受け流し、水を飲む。こいつはいつか絶対泣かす。

 

「……ゼノンの大人の対応とは大違いだな。恋敵がでてきたっつーのに普段と変わらず指導してくれる」

「そこがムカつくのよあの男は。少し剣の腕がいいからって余裕ぶっちゃって」

 

あらやだ、すごい嫌われよう。

でも分かる。ああいうやつほど裏では女を殴ってるタイプ。俺はそう睨んでるね(偏見)

 

「……ま、確かにあのセンセーの剣は上手いけどミケだって同じくらい剣の腕っ節はあるじゃねえの」

「下級クラスには分からないでしょうね。私も沢山努力はしてきたし、自分でもそれなりに強いとは思っているわ。でも、私に才能は無いの」

「………」

 

おっと、なんか少し重い話?隙あらば自分語りだな。……隙を作った俺が悪いか。

 

「天才肌のアイリス姉様と比べられてきたからその差は痛いほどよく分かるわ。民衆の間じゃ私の剣は凡人の剣とまで言われてる。ある時、そんな私にアイリス姉様が言ったわ。"アレクシアの剣が好きよ"って。あの時、私がどれほど惨めだったか…!それ以来、私は自分の剣が大嫌い…!」

「………」

 

若者ゆえの悩みか。思春期だねえ。

そうして人は成長すものなのさ。

 

「あなたの剣が嫌いと言ったのも、私と同じ凡人の剣だからよ」

「………」

 

自己嫌悪と劣等感。

難しい問題だな。

だが俺の事を嫌いというのは許せん。俺も嫌いだよーだ。

 

「──努力は裏切らない」

「……?いきなり何?そんな慰めの言葉なんか私には響かないわ」

「だろうな。俺もこの言葉は嫌いだ。努力なんて平気で裏切る。結果が伴ってくれないことなんざよくある事だ。だが、努力は才能を上回ることもある。てめぇがどっちのタイプなんて俺にはわからん。知る気もない。ただ確かなことは成功者の誰もが例外なく努力を怠ってなかったってことだ。……生まれた瞬間から手にした手札は決まってる。あとはそれをどう使って行くか。まあ、自分にやれることを最大限やっていくしかねえっつーこったな」

 

ここまで無言の王女サマ。その心何を思うか俺には分からない。

結局悩みを打ち破れるのは本人だけだからな。

 

「てめぇの剣見てればわかる。どんだけ努力してんのか。毎度打ち合いする前にもストレッチを欠かさないのも基礎を大事にしてるから。地味だが重要な事だ。結論としちゃ、てめぇの剣が好き、なんて言葉を言う気は無い。ムカつくし、ぶっ飛ばしたいくらいに腹が立つメスガキだなとは思うが、"努力をしているやつは嫌いじゃねーよ"」

「………その言葉になにか意味があるの?」

「知るかよ。言葉は言葉だ。こんなもんにいちいち意味を見出そうとするな。今の言葉を聞いてこれからどうするかだけを考えてろ」

「…………」

 

そうして無言で立ちつくす彼女。これから先どうしていくかは自分で決めるべきものだ。

……まあ、たまには暴言厨をやめてこうやって大人らしく子供を導くってのもアリだよな。うん。

 

「……興が削がれたわね、ここまでにしましょ。今日は一人で帰るわ」

「そうかい。ま、いつかてめぇ自身がてめぇの剣を好きになれる日が来るといいな。……んじゃ、気ぃつけて帰れよ」

「…………」

 

無言で立ち去る王女サマ。

あそこまで思いつめられると調子が狂うっつーか、なんつーか。

……明日なれば治ってるか。そうだな。……そうだよな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、通学路を何時もの3人と登校する朝。

 

「てかさてかさ!ヒィロ!お前王女とどこまでいったんだよ!」

「別になんもねえ」

「おいおい、そりゃないだろ。2週間だぜ?何かしら進展とかさ」

「ですね。ぼ、僕ならその……ち、ちゅーくらいは…!」

 

……朝からやかましい。

ジャガヒョロコンビは悪い奴らでは無いがこういう時はかなりウザイ。黙ってて欲しいものだ。

 

「まあ、改めて彼女出来て良かったなヒィロ」

「良くねえよ…!」

 

シドのご機嫌な声が癪に障る。

 

ミケ王女が俺を当て馬として使ってることはこのバカにだけは話した。

そしたらこいつ、『それじゃあ僕が告白してたら付き合ってたのは僕になってたかもしれない…!?フッ、ヒィロ彼女出来て良かったな』と、爽やかな笑顔で言いやがった。

 

王女が彼女はモブらしからぬもの。故にコイツは告白しなくて安心したんだろうな死ね。

 

今日も今日とてクソみたいな一日になりそうだな…。

と、そう思っていた。

 

「ちょっといいかな?」

「あん?」

 

話しかけてきた男。顔を向ければそこにはゼノンがいた。

周りには数人の騎士団もいる。

 

それを見てジャガヒョロが俺の後ろで隠れるように身を寄せていた。……何故かシドも。ハイハイ、モブっぽいね〜。

 

「昨日の夜からアレクシア王女が寮に戻ってきていない」

「「「え…!?」」」

「………」

 

驚く3人。……シドもこのシチュに乗るようにモブを演じきってるくたばれ。

 

「騎士団はこれを誘拐事件として見ている。そこで昨日、王女と最後に接触していた君が容疑者の候補に上がった。話を聞きたい。……着いてきてくれるね?」

「………クッソだる」

 

クソみたいな一日?

……違うな、クソ超えてゲリみてえな一日になりそうだ。




誰かオラにモチベを分けてくれー。

お気に入りとか、その他色々待ってます。
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