気づいたらカードゲームアニメの強キャラに憑依した   作:名無しのカードバトラー

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004/絶対皇帝

「面を上げよ」

 

 肉声とは思えない機械音の言葉に従い俺は頭を上げる。目の前には埃一つない綺麗な銀色の部屋が存在している。そしてその中央には玉座が存在し、そこにはアース帝国を統治する絶対皇帝タウザ1世が座っている。とはいってもその本人はパワードスーツのような機械に覆われて素顔を見る事が出来ない。パワードスーツから辛うじて人間の形だと分かる程度だ。

 何故絶対皇帝がこんな姿をしているのか。それは理由がきちんと存在している。アニメだとこの姿で頻繁に登場するが最終話でついに主人公とのゲームの激しさからパワードスーツが壊れ素顔を見る事が出来たのだ。

 絶対皇帝の素顔、それは宇宙人だった。それもグレイ型宇宙人と呼ばれる誰もが想像するその姿のやつだったのだ。見た時はかなり驚くと同時に納得できたもんだ。アース帝国はある日突然既存の国家を降して建国された統一国家だ。何故そんな事が出来たのかは作中では語られていなかったが宇宙人が侵略したためと考えれば納得できる。

 さらに絶対皇帝は即位してから一度も代替わりをしていない。アース帝国建国から100年は確実に経過しているのにだ。だから絶対皇帝がただの人間ではないと考察されていたが結果的に宇宙人だったからというわけだ。

 ではなぜ宇宙人が人間を従えて皇帝として君臨しているのかと言えば理由は単純だ。モンスターサモンを通じて発生する人間の闘志エネルギーを収集するためらしい。別に宇宙にモンスターサモンが存在するわけではない。ただ、宇宙人にとって地球人からエネルギーを収集するのに最も効率が良かったのがこれだったかららしい。たしかにこの世界の誰もが熱狂するモンスターサモンを用いれば簡単に闘志エネルギーを集められるだろう。

 だからアース帝国にとってレジスタンスの活動はある程度なら都合がいいのだ。彼らはみな自分たちの野望を叶えるために行動している。だからアース帝国は統一国家でありながらレジスタンスを完全には駆逐出来ていなかったのだ。

 

「よく来たな」

「陛下のお呼びとあれば即座に」

 

 相変わらず機械音で多少不快だが別にいい。皇帝の声を聴く頻度何てそんなにないからな。

 ちなみに、絶対皇帝がいる場所は実は地球ではない。月面にある。というのも地球は全て軍管区が統治しており皇帝直轄領は月面だけなのだ。何故月面かと言えば裏側に宇宙人の故郷に集めた闘志エネルギーを照射する施設が存在しているからだ。一般人ではまず立ち入れず、地球からは絶対に見えない月面の裏側は照射するにはもってこいってわけだ。

 では月面までどうやって移動したのかと言われればそれはテレポートしたからだ。このレジスタンスの動きに迅速に対応できるようにこういった技術が大幅に発達している。俺が花ヶ咲を捉えた時に東京に建てられた統治センターから札幌まで即座に行けたのはこれが理由だ。

 そしてこれは民間では出回っていないためにレジスタンスは連携面や速度において劣る原因にもなっていた。何しろ弱い部分をついても即座に強兵が応援に駆け付けられるんだから。そんなわけで主人公が現れるまでレジスタンスは軍管区一つとして開放する事が出来なかったのだ。

 

「最近お前は以前にもまして日本軍管区に入り浸っているようだが何かあるのか?」

「そういうわけではありません。ですがあそこのレジスタンスの者は強者が多くいます。軍管区の統治のためにもそれらは一人でも多く駆除しないと考えたわけです」

 

 単純に日本がふるさとだしアニメの主要舞台だからいるだけだがな。他の軍管区行ってもアニメに出てこないせいで全世界でレジスタンスがいるくらいしか知らないんだよなぁ。精々スイス軍管区だけ異色って事くらいだ。何しろあそこにはモンスターサモンを開発した会社が存在する。アース帝国はモンスターサモンを兵器として導入するにあたり大幅な譲歩を行っている。スイス軍管区と言っているが実質スイス全土があの会社の私有地となっているんだ。

 そんなわけでスイス軍管区の警備は月面直轄地並みに強固だ。だが会社も悪い奴でレジスタンスにもカードを流している。だからレジスタンスが強力なデッキを組める理由でもある。会社はそれで大幅な利益を上げているというわけだ。

 

「確かに日本軍管区のレジスタンスは異常だ。何故あそこまで反抗するのか理解できない」

「ごもっともです。同じ日本人として恥ずかしい……」

 

 まぁ、日本人じゃないやつに統治されているってのと自分たちが政治に関われない、差別的とかそういうのが気に入らないんだろう。アニメに出てくるレジスタンスはそんな奴らばかりだ。

 

「よろしい。ではお主の要望を受け入れよう。だがこの際だ。お主は自身の部隊を率いて日本軍管区のレジスタンスどもを壊滅させよ」

「……駆逐ではないのですね」

「わかっているだろう? 全てを倒したのでは採取が出来ないからな」

「そうでしたね。了解しました。レジスタンスの心を軽く折る程度で暴れてきます」

「うむ。お主の活躍を期待しているぞ。加えて日本軍管区内での特権を与えよう」

 

 どうやら予想以上に事が上手く進んだみたいだ。そしてやはり黒導龍吾は絶対皇帝の正体を知っていたのか……。それっぽい描写はあったけど正直決定打にはなり得なかったか五分五分だったけどな。

 さて、この世界で最も偉い皇帝の許可を得られたんだ。思いっきりアニメの世界を楽しみつつ自分の地位を堪能してみるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……あやつが地球に戻っていった。

 正直に言って前回会う時と比べやつは変わっておった。表面は前と同じように取り繕っておるが中身が違う。まるで()()()()()()()()()()()()()()()。とは言え本人には余に逆らう意思はないようだし、この間のゲームを見る限り腕も衰えているわけではなさそうだ。なればこのまま放置しても問題はないだろう。

 

「そう、問題なのはあ奴ではない」

 

 我やあやつが持つ6匹の龍。その最後の一角がいまだに見つかっておらぬ。忌々しい奴らだ。()()()()()()()()()()()あれらは自分が仕えたいと思う者のもとにしか姿を現さない。我と黒導龍吾、それと手駒の二人の他にレジスタンスが一人有している。もしあれがレジスタンスなんぞの手に落ちるようであれば……。

 何しろ最後の一角は最強と言って良いカードだ。レジスタンスに渡すにはもったいないカードだ。なんとしても見つけなければな……。

 

「何をしている? さっさと捜索に向かえ! 最後の一角、“爆炎龍ザ・クリムゾン・ドラゴン”を見つけるのだ!」

 

 余はそう声を上げて部下たちに命じる。我らが望みをかなえるうえで最も最短の近道となれるそのカードの入手を。

 

カード紹介は別作品として分けた方が良い?

  • 分けた方が良い
  • 今のままで良い
  • 登場した話のあとがき欄で十分
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