気づいたらカードゲームアニメの強キャラに憑依した   作:名無しのカードバトラー

15 / 56
005/死へのカウントダウン 恐怖のデッキ破壊デッキ

 アース帝国絶対皇帝直下第1実働部隊“デスサイズ”。それは名前の通り絶対皇帝に仕える部隊であり、上が皇帝という中々な身分となっている。大まかに言ってしまえば軍管区とほぼ同等の地位って事だ。

 そしてデスサイズとは何か? って話になるがこれが別に皇帝の実働部隊として敵対勢力を狩りまくる為にと部隊名をつけられたわけではない。この部隊創設時の隊長、つまり俺の前任のエースカードから取られているのだ。

 なんでそんな話をするのかだって?理由は単純さ。

 

「……」

「……今日こそお前を倒す」

 

 日本軍管区統治センターに集められた“デスサイズ”のメンバー。数は10人。全員がこの世界においてはトップクラスの実力を持った猛者たちだがそんな中でも別格と言えるのがこの前部隊長だ。アニメだと自分の地位を奪った黒導龍吾を憎みながらも職務を忠実にこなし、何度も主人公を追い詰めた人物だ。というよりも初戦に至っては主人公相手に勝利しており連戦を重ねていた主人公の鼻っ柱を圧し折った人物だ。

 

ここ(デスサイズ)は弱肉強食の部隊。当然受けてくれるよな?」

「別に構わない。やるならさっさとするぞ」

 

 俺としてもこの男、マウンテン・ジョーとは一度戦ってみたいと思っていたんだ。俺達は統治センターのゲーム会場に移動するとお互いにディスクを起動。ゲームを開始した。

 

「先行は俺からだな」

 

 ふむ、手札を見る限り直ぐには動けないがマウンテン・ジョーを相手にするのならのんびりと展開するのは愚かな行為だ。動けなくても無理やりにでも動かさないと。

 

「俺は“龍の魂”をコスト2で召喚する。こいつはフィールドにいる限り自分のドラゴンテーマモンスターの召喚コストを1つ減らしてくれるカードだ」

「知っているさ。態々解説する必要はない。さっさと次に行け」

「……」

 

黒導龍吾

コスト10→8

龍の魂(戦闘モンスター)

コスト2 ドラゴン パワー1000 ダメージ1

 

 相変わらずと言っていいのかこいつの態度は変わらないな。まぁ、俺としてもいちいち説明するのは面倒だしな。一気に行くか。

 

「俺はコストを1つ軽減して“兵士竜(ソルジャー・ドラゴン)”を召喚する。」

 

黒導龍吾

コスト8→7

兵隊竜(ソルジャー・ドラゴン)(戦闘モンスター)

コスト2 ドラゴン パワー5000 ダメージ1

 

「更にコストを2つ支払い“リュザードマン”を召喚する」

 

黒導龍吾

コスト7→5

リュザードマン(戦闘モンスター)

コスト3 ドラゴン パワー8000 ダメージ1

 

「俺はターンエンドだ」

「いいだろう。俺のターン! ドローフェイズ! ……ふ」

 

 おいおい、なんだその不敵な笑みは。まさか引いたか? だとするとかなり厄介だぞ。

 

マウンテン・ジョー

手札5枚→6枚

 

「俺は“エンバーマー”を召喚する!」

 

マウンテン・ジョー

コスト10→8

エンバーマー(戦闘モンスター)

コスト2 ゴースト パワー3000 ダメージ1

 

 マジかよ。ゴースト版“龍の魂”みたいなこいつが出てくるって事は……。

 

「更に俺は“スペクター”を召喚する! そしてこいつと“エンバーマー”の効果でノーコストとなった“エンバーマー”をもう1体召喚する!」

 

マウンテン・ジョー

コスト8→6→6

スペクター(戦闘モンスター)

コスト3 ゴースト パワー1000 ダメージ1

 

 これで3つも減らされる。……くるか?

 

「いくぞ! 俺はコストを3つ減らす事で“デスサイズ”を召喚する!」

 

 来やがった! こいつの切り札にして最悪のモンスターが!

 

マウンテン・ジョー

コスト6→1

デスサイズ(戦闘モンスター)

コスト8 悪魔/ゴースト パワー20000 ダメージ1

 

「“デスサイズ”の召喚時効果発動! 自分のライフ×2の数だけ相手のデッキをセメタリーに置く!」

「ちっ……」

 

 これがあいつのデッキ、デッキ破壊だ。だがあいつの厄介なところはそれだけじゃない。というかデッキ破壊は悪魔テーマモンスターの特性だ。ゴーストテーマには別の厄介な効果が存在している。

 

「俺のライフは減っていないから6。つまり12枚、破壊させてもらう!」

「……」

 

 12枚。決して少なくない数だ。幸いな事にセメタリーに行ったカードにあいつはいない。だがこの調子でデッキを削られれば遠からぬうちにセメタリーに消える事になるだろう。

 

「そして俺はバトルフェイズに突入する! 行け! “デスサイズ”でアタック! アタック時効果によりデッキをさらに5枚破壊する!」

「……」

 

 無言でデッキを上から5枚墓地に送る。……モンスターは2枚だけか。あの“デスサイズ”はこの効果でセメタリーに送ったモンスターが3枚以上存在すれば回復するという恐ろしい効果を持っている。そしてこれで17枚。焦りを感じそうになる数だ。

 

「俺は“リュザードマン”でブロックする。“リュザードマン”のブロック時効果によりコストを1つ回復する」

「ふん、たかがそれで何が出来る」

 

 “リュザードマン”はあっけなく破壊されるがそれは無意味な事ではない。俺を勝利に導く一手だ。

 

黒導龍吾

コスト5→6

 

「俺はこれでターンエンドだ。次で決めてやるよ」

「ならそうならないようにしよう。俺のターン。ヒールフェイズ、ドローフェイズ」

 

黒導龍吾

コスト6→8

手札2枚→3枚

 

「俺は“ソルジャー・ドラゴン”の効果を使い手札の“ソルジャー・ドラゴン”をコスト0で召喚する」

「はん! そんな雑魚を並べたところで俺には勝てないぞ!」

「問題ない。これも布石だ。俺はコストを3軽減して“ジャイアント・インパクト”を発動する。これにより俺のモンスターは全て破壊されるがその数だけ相手モンスターを()()()()()()()()破壊する」

「っ! なんだと!?」

 

黒導龍吾

コスト8→3

 

 まぁ、あまり関係ないがこれでお互いのモンスターはほぼ一掃された。正直に言ってあいつの場のカード全てを殲滅したかったが俺の手札的にこれが限界だな。

 

「これを使ったターンのバトルフェイズはスキップされるが俺はモンスターを出せないからな。このままエンドフェイズに行かせてもらう」

「ちっ! 面倒な事をしやがって……! 俺のターン! ヒールフェイズ! ドローフェイズ!」

 

マウンテン・ジョー

コスト1→3

手札2枚→3枚

 

「……仕方ねぇ。俺は“堕天使ジマイトス”を召喚してターンエンドだ!」

 

マウンテン・ジョー

コスト3→0

堕天使ジマイトス(戦闘モンスター)

コスト3 悪魔 パワー1000 ダメージ1

 

 また厄介なモンスターが出てきやがったな。あいつはヒールフェイズで回復できる量を1つ増やせるカードだ。あれとコストの低さで元の世界ではデッキに入れられる枚数が1枚だけって制限されていたっけなぁ。

 

「俺のターン。ヒールフェイズ、ドローフェイズ」

 

黒導龍吾

コスト3→5

手札1枚→2枚

 

 ……うーん。今回はこないなぁ。いつもならそろそろ来てもいいころあいなんだけどなぁ。狙っているのかってぐらいあいつは初期手札かデッキの上にいる。それが今回はどうも下の方で眠っている。

 まさかとは思うが手札のこのカードを使わせるため? 確かにこれはセメタリーを利用するカードだけど……。というか必要なパーツは5つだが全部セメタリーにあるし条件はそろってはいる。まぁ、今考えても仕方ないな。

 

「俺はコストを2支払い“ライフ・ドロー”を発動する。このカードの効果により俺はライフを二つ削りデッキから2枚ドローする。……っ」

 

 俺の体に痛みが走る。花ヶ咲花蓮の時に受けた物よりも大分痛いな。自傷行為だから痛みが増えるのか? 花ヶ咲花蓮も4つ減らした時にかなりうめいていたし。

 

黒導龍吾

コスト5→3

ライフ6→4

手札1枚→3枚

 

 ……やはり来ない。これはもう確信的だな。どうもあいつらには命が宿っているみたいだからな。

 

「俺は“ゼーシュランゲ”を召喚してターンエンドだ」

 

黒導龍吾

コスト3→0

ゼーシュランゲ(戦闘モンスター)

コスト3 ドラゴン パワー10000 ダメージ1

 

「俺のターン! ヒールフェイズ! ドローフェイズ!」

 

マウンテン・ジョー

コスト0→3

手札2枚→3枚

 

「……俺は“ヘルベルス”を召喚する!」

「!」

 

 マジか! 厄介なのがまた出てきやがった!

 

マウンテン・ジョー

コスト3→0

ヘルベルス(戦闘モンスター)

コスト4 ゴールド/アニマル パワー1000 ダメージ1

 

「バトル! “エンバーマー”でアタック!」

「ライフで受ける」

 

黒導龍吾

ライフ4→3

 

「続いて“堕天使ジマイトス”でアタック!」

「……ライフで受ける」

 

黒導龍吾

ライフ3→2

 

 “ヘルベルス”が出て来た以上重要なモンスターも意味をなさないってわけか。

 

「俺はこれでターンエンドだ。長引いたが次でお前も終わりだ」

「……俺のターン。ヒールフェイズ、ドローフェイズ」

 

黒導龍吾

コスト0→4

手札2枚→3枚

 

 確かにあいつの言う通りここで決めないと不味い。次のターンで俺は地獄を見る事になる。下手をすれば負けてしまう。だが、俺はまだ動けない。

 

「……俺は“ドラーク”を2体召喚する。これでターンエンドだ」

 

黒導龍吾

コスト4→2→0

ドラーク(戦闘モンスター)

コスト2 ドラゴン パワー6000 ダメージ1

 

 手札が悪すぎる。次のターンでデッキが消えないことを祈るしかないな。

 

「俺のターン! ヒールフェイズ! ドローフェイズ!」

 

マウンテン・ジョー

コスト0→3

手札2枚→3枚

 

「俺はコストを1つ軽減して“ドゥラーグ”を召喚する!」

 

マウンテン・ジョー

コスト3→1

ドゥラーグ(戦闘モンスター)

コスト3 ゴースト パワー7000 ダメージ1

 

「バトルだ! 俺は“エンバーマー”でアタック!」

「……“ドラーク”でブロックする」

 

 “ドラーク”のパワーは6000、“エンバーマー”は3000。当然俺のモンスターが勝利するがこの状況では最悪の勝利だ。

 

「この瞬間! 俺はセメタリーの“デスサイズ”の効果を発動する! 甦れ! “デスサイズ”!」

 

 マウンテン・ジョーの言葉に従いフィールドに舞い戻る死神。そう、これがゴーストテーマモンスターの特性である転生だ。これは墓地のモンスターが転生の条件となるモンスターが破壊されたときにセメタリーから召喚されるという恐ろしい効果だ。“デスサイズ”はただでさえ厄介なのにこれがあるから強い。

 ただし、本来ならコストを支払わないと召喚は出来ない。ここは普通の召喚と同じだがそれも“ヘルベルス”がいれば問題なくなる。

 

「“ヘルベルス”の効果により1ターンに1度転生による召喚コストは発生しなくなる!」

 

 そう、“ヘルベルス”はコストを踏み倒す効果を持っている。“ヘルベルス”が存在する限り転生は厄介な効果に様変わりするんだ。

 

「“デスサイズ”の召喚時効果によりお前のデッキを12枚破壊する! さぁ! これでお前のデッキ枚数は後どのくらいかな?」

「……。これは……!」

 

 12枚目を見た時、それはこのデッキのエースモンスターである“黒龍カラミティ・ドラッヘ”だった。というかこんなに下にいたのか。そしてお前がセメタリーに行く事も想定通りなんだろうなぁ。

 

「ふ、ハハハハハ!!! 所詮そのカードだって引けなきゃ意味がないな! これで俺の勝は確定したな! 俺は“デスサイズ”で攻撃する! 効果によりデッキを5枚破壊する!」

 

 幸いというべきかデッキは残っている。残り5枚だがな。あるカードを入れたおかげで40枚のデッキから46枚になっていたのが功を奏したな。もう少しドロー系を入れる感じで4枚加えてもいいかもしれないな。

 

「ちっ! デッキを減らしきれはしなかったか……! だが“デスサイズ”の攻撃はどうする!?」

「俺は“ドラーク”でブロックする」

 

 もし“デスサイズ”の回復条件が満たされていれば俺は終わっていたな。ここまでの状態から残りのカードはどれもコストが低いこの状況を打破できないカードだ。まぁ、手札のこのカードを使えばどうとでもなれるんだがな。

 

「俺はこれでターンエンドだ。精々最後のターンを味わうんだな」

「俺のターン。ヒールフェイズ、ドローフェイズ」

 

黒導龍吾

コスト0→4

手札1枚→2枚

 

「……!」

 

 マジか。これが手札に来るとかこのターンに勝てるぞ。

 

「俺は“龍の頭”を召喚する」

「……? なんだそのカードは?」

 

黒導龍吾

コスト4→3

龍の頭(戦闘モンスター)

コスト1 ドラゴン パワー1000 ダメージ1

 

「そんな雑魚モンスターを今更出してどうなるんだ?」

「俺のエースが出てくる」

「……は? マジで言ってんのか? お前のエースはセメタリーに沈んだんだぞ? 今更世迷い言を言ってないで素直に負けを認めたらどうだ?」

 

 ああ、だめだよ。そういう君の慢心がダメなんだ。黒導龍吾に隊長の座を奪われた時も同じだったじゃないか。

 

「“龍の頭”の召喚時効果発動。“龍の首”、“龍の魂”、“龍の心臓”、“龍の両腕”、“龍の両足”がセメタリーに存在する場合、このカードを破壊してセメタリーより“黒龍カラミティ・ドラッヘ”をコストを支払わずに召喚する」

「なっ!?」

 

黒導龍吾

コスト3→3

黒龍カラミティ・ドラッヘ(戦闘モンスター)

コスト10 ドラゴン パワー33000 ダメージ3

 

「馬鹿な……! こんなことが……!」

「“黒龍カラミティ・ドラッヘ”の召喚時効果発動。このカード以外のモンスターを全て破壊する」

 

 残念ながら破壊されたのは4体。ライフを減らす事は出来なかったが代わりに良いカードがドローできたからなぁ。

 

「手札から“ドラゴンズ・ツインバースト”を発動する。“黒龍カラミティ・ドラッヘ”を指定し、指定されたモンスター以外このターン攻撃できなくなる代わりにアタック後に指定したモンスターを回復させる。この意味が分かるな?」

「っ!」

 

 マウンテン・ジョーのフィールドはがら空き。“黒龍カラミティ・ドラッヘ”は1度の攻撃でライフを3つ持っていく。つまりマウンテン・ジョーは勝てないという事だ。

 

「行け! “黒龍カラミティ・ドラッヘ”! カラミティ・ツイン・シュピラーレ!」

「ぐ、おおぉぉぉぉぉっ!!!!!」

 

マウンテン・ジョー

ライフ6→3→0

 

 一度に6も減った為かマウンテン・ジョーは部屋の端まで吹き飛ばされる。ゲーム終了によりそれ以上の攻撃が飛んでいく事は無くマウンテン・ジョーは辛うじて息をしながらも地面に倒れこんだ。

 

「……ぐ、ぢ、ぐしょう……!」

「悪くはなかった。次は削り切れるようにもっと努力せよ」

 

 俺はそう言ってマウンテン・ジョーに背を向けるといつの間にか観戦していた隊員たちに叫ぶ。

 

「諸君! これより我らデスサイズは日本軍管区のレジスタンスを壊滅に追い込む! 敵を見つけろ! 敵を倒せ! 敵を一掃せよ! レジスタンス全てを潰す必要はない! ただ奴らに恐怖を! 我らに歯向かう恐怖を植え付けるのだ!」

「「「「「うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!」」」」」

 

 雄たけびを上げて俺の言葉に返答する隊員たち。本来、アニメならデスサイズと戦う事になるのは黒導龍吾が死んだあと、つまり2年以上先の事だ。

 僅かな期間とは言えさっさと潰すんだ。アニメが始まる頃には日本のレジスタンスは壊滅しているだろうなぁ。

 

 

カード紹介は別作品として分けた方が良い?

  • 分けた方が良い
  • 今のままで良い
  • 登場した話のあとがき欄で十分
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。