気づいたらカードゲームアニメの強キャラに憑依した   作:名無しのカードバトラー

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012/米沢サモン大会4・エキシビションマッチ前編 大海神龍リヴァイアサン登場

「うわぁ……。すごい歓声だね。野外ライブを思い出すよ」

 

 目の前に立つエレナはあっけらかんとした様子でそう言ってくる。実際、アイドルとして歓声を浴び、視線にさらされるのは慣れたことなんだろう。しぐさに硬さはなく、自然でありながら闘志に満ち溢れている。まさに最高のコンディションであると言えるだろう。

 では俺はどうか? 確かに歓声を浴びた時は驚いたが生憎とこの黒導龍吾ボディはそんな程度で驚いたり怖気づくことはない。俺だってこんな状況は初めてだが逆にあまりにも壮大すぎて理解が追い付いていないため、対して緊張を感じていない。つまり、こちらもコンディションはばっちりという事だ。

 

「……エレナ。改めて礼を言う」

「ん? 別にいいよ。私も黒導君と戦えるのは楽しみだったしね」

「ならば失望さえないように最高のプレイングをしないとな」

「ふふ、期待しているし黒導君も私の戦い方を期待しててね」

「もちろんだ」

 

 エレナが使うカードの詳細を俺は知っている。が、だからと言って何かが変わるわけではない。入れているカードが違うときだってあるだろうしこちらが望む通りのカードを出してくれるわけではないのだ。

 

「それじゃ始めようか」

「ああ」

「「ゲーム、スタート!」」

 

 俺たちの掛け声とともにゲームが開始される。サモンディスクにはゲーム開始の文字の後に俺が先行だと記されていた。

 

「俺のターン。スタンバイフェイズ、メインフェイズ。俺はコストを1払い“龍の目”を召喚する」

 

黒導龍吾

コスト10→9

龍の目(戦闘モンスター)

コスト1 ドラゴン パワー1000 ダメージ0

 

「更に召喚時効果によりデッキトップ3枚をオープン。その中のドラゴンテーマモンスター1枚を手札に加える」

 

 どれどれ……。引いたカードは“ドラーク”、“ドラゴンズ・ハウリング”、“レッドホーンドラゴン”か。ならば手札に加えるカードは“レッドホーンドラゴン”一択だな。

 

「俺は“レッドホーンドラゴン”を手札に加え、残りをデッキの下に戻す。そして今手札に加わった“レッドホーンドラゴン”はドロー以外で手札に加わったとき、エンドフェイズまで召喚コストが半分となる。俺はコストを3払い“レッドホーンドラゴン”を召喚する」

 

黒導龍吾

コスト9→6

レッドホーンドラゴン(戦闘モンスター)

コスト6 ドラゴン パワー20000 ダメージ0

 

「最後に“龍の両足”を召喚してターンエンドだ」

 

黒導龍吾

コスト6→3

龍の両足(戦闘モンスター)

コスト3 ドラゴン パワー1000 ダメージ1

 

 一気に3体のモンスターを召喚したがこれで相手はどう出てくるか……。場合によっては次のターンでこいつらは全て消え去るな。

 

「私のターン! スタンバイフェイズ、ドローフェイズ、メインフェイズ!」

 

エレナ・フォン・ノルトハイム

手札5枚→6枚

 

「私は手札から“コンドルフィン”を召喚するわ」

 

エレナ・フォン・ノルトハイム

コスト10→6

コンドルフィン(戦闘モンスター)

コスト4 アクア パワー11000 ダメージ1

 

 登場したのは羽根の生えたイルカだ。デフォルメされているがそれでもミスマッチ感が半端ない不思議なモンスターだ。だが、その外見に似合わずその効果は凶悪だ。

 

「召喚時効果により手札を1枚コストに相手フィールドのモンスター1体を手札に戻すわ。私は“レッドホーンドラゴン”を戻す!」

「……」

 

 これは完全にしてやられたな。“レッドホーンドラゴン”は自身の効果でコストを半分に召喚したモンスターだ。だが手札に戻ってしまった以上次は元々のコストで召喚しないといけないがそれをする余裕はない以上召喚する事は難しくなったわけだ。

 

「更にコストを2払って“ウンディーネ”を召喚するわ!」

 

エレナ・フォン・ノルトハイム

コスト6→4

ウンディーネ(戦闘モンスター)

コスト2 精霊/アクア パワー5000 ダメージ1

 

「“ウンディーネ”の召喚時効果で手札を1枚捨ててデッキから1枚ドローするわ!」

 

エレナ・フォン・ノルトハイム

手札3枚→2枚→3枚

 

「最後に私はコストを2払って“リモラ”を召喚するわ」

 

エレナ・フォン・ノルトハイム

コスト4→2

リモラ(戦闘モンスター)

コスト2 アクア パワー4000 ダメージ1

 

「バトルフェイズ! 私は“コンドルフィン”でアタックするわ!」

「ライフで受けよう」

 

 羽を羽ばたかせたイルカがこちらに迫ってくる。俺はそのモンスターの攻撃を止めることなくライフで受けると宣言した途端、イルカが水鉄砲をこちらに放ってくる。質量があるとはいえ水を噴射されるというのは不快だな。

 

黒導龍吾

ライフ6→5

 

「私はこれでターンエンドよ」

 

 

 

黒導龍吾

ライフ5 コスト3 手札4枚

フィールド

龍の目

龍の両足

 

エレナ・フォン・ノルトハイム

ライフ6 コスト2 手札2枚

フィールド

コンドルフィン

ウンディーネ

リモラ

 

 

 

 盤面的にはお互いに互角。だがこちらのアタッカーをつぶされたのは痛いな。手札バウンスはこういうときに厄介だ。

 

「俺のターン。スタンバイフェイズ、ドローフェイズ、ヒールフェイズ。“龍の両足”の効果で回復するコストは3となる」

 

黒導龍吾

手札4枚→5枚

コスト3→6

 

 ふむ、コストはちょうど“レッドホーンドラゴン”を召喚できる数値に回復したがここで出していいものか……。悩ましい所だな。

 ……仕方ない。ここは別のモンスターにするか。

 

「俺は“兵隊竜(ソルジャードラゴン)”と“リュザードマン”を召喚する」

 

黒導龍吾

コスト6→4→1

兵隊竜(ソルジャー・ドラゴン)(戦闘モンスター)

コスト2 ドラゴン パワー5000 ダメージ1

 

リュザードマン(戦闘モンスター)

コスト3 ドラゴン パワー8000 ダメージ1

 

「俺はこれでターンエンドだ」

「んー? 攻めてこない? 何かの作戦かな? でもそれならこちらはジャンジャン攻めるだけだよ! 私のターン! スタンバイフェイズ! ドローフェイズ! ヒールフェイズ! “リモラ”の効果でコスト回復値を+1!」

 

エレナ・フォン・ノルトハイム

手札2枚→3枚

コスト2→5

 

「私は“ドリルフィッシュ”を召喚!」

 

エレナ・フォン・ノルトハイム

コスト5→2

ドリルフィッシュ(戦闘モンスター)

コスト3 アクア パワー9000 ダメージ1

 

 “ドリルフィッシュ”! 序盤においては強力なカードだ。何しろコスト3以下にブロックされれば回復するという厄介な効果を持っており、更にターンに1度しか使えないなどの制限がない。つまり相手はライフで受けるかコスト4以上でブロックしない限り攻撃が可能というわけだ。

 

「バトルフェイズ! 私は“ドリルフィッシュ”でアタック!」

「“リュザードマン”でブロックする。“リュザードマン”のブロック時効果でコストを1つ回復する」

 

黒導龍吾

コスト1→2

 

 “リュザードマン”と“ドリルフィッシュ”のパワーは同じ9000。このままなら相打ちとなってしまうが……。

 

「私はここでクイックマジック、“海神の加護”を発動する! このカードの効果で“ドリルフィッシュ”のパワーをバトル終了時まで+2000する! 更に“リュザードマン”にブロックされたことで“ドリルフィッシュ”は回復するわ!」

 

 “海神の加護”か……。あれは通常ならパワーを一時的に上げるだけのカードだが彼女の切り札である“大海神龍リヴァイアサン”がいればデッキトップに戻ってくる効果がある。つまり、“リヴァイアサン”がいる限りパワー+2000の効果を得られるというわけだ。

 しかし、まさか持っているとはな。“リュザードマン”でブロックしたのは失敗だったかもしれんな。

 

「続けて“ドリルフィッシュ”でアタック!」

「ライフで受けよう」

 

黒導龍吾

ライフ5→4

 

 一応これでコストの回復値が3となるがまだ足りない。それに相棒も来ないしこれは相手の方が先に6龍を出してくるかもしれないな……。

 

「私はターンエンドよ」

 

 

黒導龍吾

ライフ4 コスト2 手札3枚

フィールド

龍の目

龍の両足

兵隊竜(ソルジャードラゴン)

 

エレナ・フォン・ノルトハイム

ライフ6 コスト2 手札1枚

フィールド

コンドルフィン

ウンディーネ

リモラ

ドリルフィッシュ

 

 

「俺のターン。スタンバイフェイズ。この時に“兵隊竜(ソルジャードラゴン)”の効果で手札より同名モンスターをノーコストで召喚する。そしてドローフェイズ、ヒールフェイズ」

 

黒導龍吾

手札2枚→3枚

コスト2→6

 

「手札より“龍奏乱舞”を発動する。この効果で“レッドホーンドラゴン”をセメタリーに置き、デッキから2枚ドローする」

 

黒導龍吾

手札2枚→1枚→3枚

 

「更に手札より“ライフ・ドロー”を発動する。この効果によりライフを2減らし、デッキから2枚ドローする」

 

黒導龍吾

コスト6→4

ライフ4→2

手札2枚→4枚

 

「ドローカードで手札を増やすなんてやるじゃない」

「勝つためには何でもやる。ただそれだけだ」

 

 とはいえここに相棒はいない。まさかまたデッキの下で眠っているのか? そろそろ手札に来てくれると安心なんですが……。まぁ、相棒の気が乗らないならこちらで何とかするしかないか。

 

「手札より“ガントレット・ドラゴニュート”を召喚する。このカードの召喚時効果で俺はデッキから1枚ドローする」

 

黒導龍吾

コスト4→0

手札3枚→4枚

ガントレット・ドラゴニュート(戦闘モンスター)

コスト4 ドラゴン パワー12000 ダメージ1

 

 召喚したのは腕にガントレット、ゴツイ籠手を着けた竜人だ。なかなかに強力な効果を持っているからアニメでも登場していたカードだ。

 

「バトルフェイズ。“ガントレット・ドラゴニュート”でアタック」

「ライフで受けるわ」

 

エレナ・フォン・ノルトハイム

ライフ6→5

 

 ようやく一つ。まだまだ先は長いがそれでも最初の一歩は踏み出した。

 

「俺はターンエンドだ」

「私のターン! スタンバイフェイズ! ドローフェイズ! ……っ!? ……ヒールフェイズ!」

 

エレナ・フォン・ノルトハイム

手札1枚→2枚

コスト2→5

 

 ……これは、来たか? 一瞬、ドローしたカードを見てエレナが固まったがどうやら先に相手が出てくるようだな。

 

「私は手札より通常マジック“海神降臨”を発動するわ! このカードは自分フィールドにアクアテーマモンスターが3体以上存在する場合に発動できるカード!」

「“コンドルフィン”、“ウンディーネ”、“リモラ”、“ドリルフィッシュ”……。確かに条件は満たしているな」

「この効果により、私は偉大なる6龍の一角、“大海神龍リヴァイアサン”をコストを支払わずに召喚する! 広大な海を支配する海神よ! 我が呼びかけに答え地上に顕現せよ!」

 

 瞬間、地面から突如として割れ、大波が発生した。その大波はフィールドを飲み込んでいき、それに合わせて地響きと共に龍の咆哮が響き渡る。そして、割れた地面より巨大な龍が姿を現した。蛇の如く手足を持たないその龍だが神々しさと何物をも押しつぶさんとばかりの圧力が存在していた。まさに海神の名にふさわしいモンスターであった。

 

エレナ・フォン・ノルトハイム

コスト5→0

大海神龍リヴァイアサン(戦闘モンスター)

コスト10 ドラゴン/アクア パワー32000 ダメージ1

 

「“大海神龍リヴァイアサン”の召喚時効果発動! フィールドのコスト8以下のモンスター全てを手札に戻す!」

 

 エレナのその言葉に合わせて“リヴァイアサン”が咆哮すると彼の龍を中心に大津波が発生し、全てのモンスターを飲み込んでいった。津波が去った後には海神だけが残され、すべてが押し流されていた。

 

「そして私は手札の“海神の守護者”を召喚するわ! このカードはフィールドに“大海神龍リヴァイアサン”が存在する場合ノーコスト召喚できるわ!」

 

海神の守護者(戦闘モンスター)

コスト3 アクア パワー8000 ダメージ1

 

 “海神の守護者”か。あれはバトルフェイズ限定だけど“大海神龍リヴァイアサン”の戦闘・効果による破壊を身代わりになるカードだ。更にコストを2払えば破壊時に手札に戻ってくるという凶悪使用だ。

 

「バトル! “大海神龍リヴァイアサン”でアタック!」

「ライフで受けよう……っ!」

 

 “リヴァイアサン”より放たれた水のブレスはさすがにコスト10モンスターだけありその威力も段違いだ。ただライフが1つ減っただけなのに普通の何倍もの衝撃と激痛に襲われる。

 

黒導龍吾

ライフ2→1

 

「これで止めよ! 私は“海神の守護者”でアタック!」

「手札よりカウンターマジック、“厄災の炎”を発動する。手札を1枚コストに“海神の守護者”のアタックを無効にしてバトルフェイズを終了する」

「決められなかったか……。だけど“大海神龍リヴァイアサン”を召喚した以上有利なのは私で変りないわ! 私はターンエンドよ!」

 

 

黒導龍吾

ライフ1 コスト0 手札7枚

フィールド

なし

 

エレナ・フォン・ノルトハイム

ライフ5 コスト0 手札4枚

フィールド

大海神龍リヴァイアサン

海神の守護者

 

 

 ……確かに、盤面を見れば俺が圧倒的に不利でエレナが有利だ。だが、“リヴァイアサン”が出てきてからずっと感じているんだ。デッキより、相棒の鼓動する音が。6龍を叩き潰したいと願う厄災の黒龍の闘志が。

 

「俺のターン。スタンバイフェイズ、ドローフェイズ……。 ヒールフェイズ!」

 

 後は任せておけ。

 そう俺に言うようにたった今引いたカード、“黒龍カラミティ・ドラッヘ”は一瞬だが怪しく光ってみせるのだった。

 

カード紹介は別作品として分けた方が良い?

  • 分けた方が良い
  • 今のままで良い
  • 登場した話のあとがき欄で十分
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