気づいたらカードゲームアニメの強キャラに憑依した 作:名無しのカードバトラー
「俺のターン。 スタンバイフェイズ、ドローフェイズ……。ヒールフェイズ!」
黒導龍吾
手札7枚→8枚
コスト0→4
ようやく来てくれた相棒である“黒龍カラミティ・ドラッヘ”。しかし、通常召喚するにはコストがあまりにも足りなさすぎる。そもそもモンスターサモンは低コストモンスターによる速攻が基本戦法と言われるくらいにはコストの回復率が悪い。途中からゲーム改正されてライフ5以上でで3、4から3で4、2以下で5になるが今はまだその時期ではない。アニメでいうなら世界編が始まってからになる。それまではマジックカードを多用して召喚するのが常道になってしまう。
「俺は手札より“黒龍の呼び声”を発動する。このカードは自分のライフの数値によって効果が変わるカードだ。そして、俺のライフが1の場合、手札かデッキより、偉大なる6龍を召喚する事が出来る」
「っ!? まさかそれって……!?」
「俺は手札より“黒龍カラミティ・ドラッヘ”をノーコスト召喚!」
派手に登場した“大海神龍リヴァイアサン”に対抗するように空が雷雲に代わり、紫の雷が地上に降り注ぐ。その一つが地面に落下し、大火災を発生させた。そんな混沌とした地上に雲より一匹の龍が降臨した。黒よりも暗い漆黒と呼ぶにふさわしい体色をし、全ての生きとし生ける者を飲み込まんとすら感じ瞳、あらゆるものを引き裂き、壊す爪。その体全てが厄災と呼ぶにふさわしかった。
黒導龍吾
コスト4→0
黒龍カラミティ・ドラッヘ(戦闘モンスター)
コスト10 ドラゴン パワー33000 ダメージ3
「“黒龍カラミティ・ドラッヘ”の召喚時効果発動! このカードよりパワーが低いモンスターを全て破壊する!」
「くっ! きゃあぁぁぁぁっ!!!」
“リヴァイアサン”のパワーは32000、一方の“カラミティ・ドラッヘ”のパワーは33000。ギリギリ破壊対象に含まれていた。というより“カラミティ・ドラッヘ”で破壊出来ないカードは限られている。それこそ6龍で防げるのは主人公の“爆炎龍ザ・クリムゾン・ドラゴン”しかいない。そもそも6龍にも序列があり、カラミティ・ドラッヘは2位に位置している。基本的にそれ以下の奴らは敵ではないのだ。
「ここで一気呵成に攻めたい処だが手札が悪い。俺はターンエンドだ」
防御札はさっき使ってしまったしここは守備に回るしかないな。
「私のターン! スタンバイフェイズ! ドローフェイズ! ヒールフェイズ!」
エレナ・フォン・ノルトハイム
手札4枚→5枚
コスト0→2
「私は“ウンディーネ”を召喚するわ。その効果で手札を1枚セメタリーに置いて1枚ドローする」
エレナ・フォン・ノルトハイム
手札4枚→3枚→4枚
「私はこれでターンエンドよ」
黒導龍吾
ライフ1 コスト0 手札6枚
フィールド
黒龍カラミティ・ドラッヘ
エレナ・フォン・ノルトハイム
ライフ5 コスト0 手札4枚
フィールド
ウンディーネ
盤面だけを見れば互角か俺に有利と見えるかもしれないがまだまだ俺が不利だ。何しろ俺は一撃もらえばそれでおしまいという状態だからな。
「俺のターン。スタンバイフェイズ、ドローフェイズ、ヒールフェイズ」
黒導龍吾
手札6枚→7枚
コスト0→4
「俺は手札より“シャッフル”を発動する。この効果でお互いに手札を全てデッキに戻し、シャッフルする。その後戻した枚数分ドローする」
「手札を入れ替えるわけね。ちょうどいいわ」
黒導龍吾
手札6枚→0枚→6枚
エレナ・フォン・ノルトハイム
手札4枚→0枚→4枚
ふむ、どれどれ……。なかなかいいカードを引けたと思うなこれは。
「俺は手札より“龍の心臓”を召喚する。このカードの召喚時効果によりこのカードを破壊し、次に召喚するモンスターの召喚コストを3つ軽減する」
黒導龍吾
コスト4→3
龍の心臓(戦闘モンスター)
コスト1 ドラゴン パワー1000 ダメージ1
「俺は手札よりコスト1で“ドラゴンガーディアン”を召喚する」
黒導龍吾
コスト3→2
ドラゴンガーディアン(戦闘モンスター)
コスト4 ドラゴン パワー10000 ダメージ1
「バトルフェイズ! “黒龍カラミティ・ドラッヘ”でアタック!」
「っ! ライフで受けるわ! ……きゃぁっ!!」
“カラミティ・ドラッヘ”より放たれたブレスがエレナを包み込む。ライフ1つでさえ6龍から受けた衝撃はすさまじいものだった。それが3つ分ならエレナに来る衝撃もそれ以上だろう。
エレナ・フォン・ノルトハイム
ライフ5→2
「っ! 私は手札からクイックマジック“アクアカーテン”を発動する! このカードのクイック時効果でセメタリーから“大海神龍リヴァイアサン”を手札に戻す!」
「俺はターンエンドだ」
厄介なモンスターが再び手札に戻ったか。そして、主人公との戦いでも使用した
「私のターン! スタンバイフェイズ! ドローフェイズ! ヒールフェイズ!」
エレナ・フォン・ノルトハイム
コスト0→4
手札4枚→5枚
……おそらく、このターンが正念場だ。このターンを凌げるかどうかで俺の勝敗が分かれる事になる。そんな気がする。全く、6龍が相手とはいえここまで追い詰められたのはいつぶりだ? 前世でだってこういう状況は経験したことないぞ。
「私は手札より“6龍の集い”を発動する!」
っ! やはり持っていたか! 相手が6龍使いでない限り使う意味がないピンポイントカード!
「この効果は相手フィールドに6龍、今回は“黒龍カラミティ・ドラッヘ”がいる時に発動できるカード! 私は手札より“大海神龍リヴァイアサン”をノーコスト召喚する!」
エレナの願いに応じて再び姿を見せる“大海神龍リヴァイアサン”。2匹の6龍がフィールドに出てきたことで観客たちも大盛り上がりをしているのがわかる。
エレナ・フォン・ノルトハイム
コスト4→0
大海神龍リヴァイアサン(戦闘モンスター)
コスト10 ドラゴン/アクア パワー32000 ダメージ1
「“大海神龍リヴァイアサン”の召喚時効果発動! フィールドのコスト8以下のモンスター全てを手札に戻す!」
今回の場合は俺の“ドラゴンガーディアン”のみが対象か……。そしてこれで俺はブロックできるモンスターがフィールドからいなくなったことを意味していた。
「これで終わりにする! “大海神龍リヴァイアサン”でアタック! 大海の、ハイドロバースト!」
先ほどと同じ水のブレスが“リヴァイアサン”より放たれ、俺に迫ってくる。……誰もが俺の敗北を予想しただろう。そういう盤面だ。エレナの表情にも俺に勝てるという希望が見え隠れしている。
だがな、俺だって負けるわけにはいかないんだよ。
「手札よりカウンターマジック発動! 手札のドラゴンテーマモンスター1体をコストに“龍魂の盾”の効果でその攻撃を無効にする」
黒導龍吾
手札4枚→3枚
今俺が捨てたのは“ドラゴンガーディアン”だ。実は残りの手札は“ジャイアント・キリング”、“デュアルストーム”、“黒龍の咆哮”とこの状況では全く使えない上に“龍魂の盾”にすらできないマジックカードだらけだったのだ。とはいえ勝算がないわけではない。エレナの使うアクアテーマモンスターは手札バウンスを多用するカードで占められている。それに付随する“大海神龍リヴァイアサン”も合わされば“ドラゴンガーディアン”が破壊ではなく手札バウンスされる確率が高いと予想していた。実際、“大海神龍リヴァイアサン”の効果で“ドラゴンガーディアン”は手札に戻り“龍魂の盾”を使用できるようになったというわけだ。
「……私は、ターンエンドよ」
黒導龍吾
ライフ1 コスト2 手札3枚
フィールド
黒龍カラミティ・ドラッヘ
エレナ・フォン・ノルトハイム
ライフ2 コスト0 手札3枚
フィールド
大海神龍リヴァイアサン
「俺のターン。スタンバイフェイズ、ドローフェイズ、ヒールフェイズ」
黒導龍吾
コスト2→6
手札3枚→4枚
もはやエレナにできる事はないと言える。だが、最後まで油断する事はない。
「俺はこのままバトルフェイズに入り“黒龍カラミティ・ドラッヘ”でアタック! 災厄の炎! カラミティ・シュピラーレ!」
「させない! カウンターマジック! “海からの恵み”発動! ライフ1つをコストに“大海神龍リヴァイアサン”は回復し、バトルフェイズ終了時までパワーを3000アップさせる!」
「成程な」
エレナ・フォン・ノルトハイム
ライフ2→1
大海神龍リヴァイアサン
パワー32000→35000
一時的にとはいえ“黒龍カラミティ・ドラッヘ”のパワーを上回ったか。確かにこれならブロックできるうえに返り討ちにすることが出来る。そして返しのターンで俺に止めを刺して終わりだな。
「カウンターマジック! “咆哮”、発動!」
「っ!?」
「この効果によりお前の“海からの恵み”の効果は無効にされる。ただ、発動したという状態で終わりだ」
「そんな……!」
無論、俺が何もしなければの話だがな。これで“大海神龍リヴァイアサン”は回復せず、パワーも上がらない。“黒龍カラミティ・ドラッヘ”の攻撃を止める術は、ない。
「やれ。“黒龍カラミティ・ドラッヘ”!」
「っ! ……ライフで、受けるわ!」
瞬間、エレナは黒い炎に包み込まれ、そのライフを全て破壊しつくされた。
エレナ・フォン・ノルトハイム
ライフ2→0
エレナのライフが0になったことでゲームは終了し、フィールドが消失。2匹の龍は互いに咆哮を挙げながら消えていった。ゲーム終了と勝者である俺を称える歓声がスタジアム中に響きわたる中俺はゆっくりと倒れこんだエレナのもとに向かう。
「大丈夫か?」
「え、ええ。でもちょっと手を貸してほしいかな」
レジスタンス相手とは違いお互いに地位ある者同士の戦いだ。ダメージは最小限になっているとはいえ6龍の攻撃を2度も受けたせいで力が入らないのだろう。俺はエレナが差し出した手を握り思いっきり引っ張ってやる。それによってエレナは立ち上がるがバランスを崩して俺の胸元に飛び込んできた。
「きゃっ!?」
「良いゲームだった。久しぶりに追い詰められた」
「……んもう。こういう時はそういう言葉じゃないでしょ?」
エレナは頬を膨らませながらそう言ってくるが気づいてますか? 胸元に飛び込んできたことで歓声を上げていた男どもが絶叫しているんですが? 女性たちは黄色い歓声を上げているし嫉妬のこもった視線が俺を貫いてくるんですが……。
「そうだな。少し力を入れすぎたようだ」
「……まぁいいわ。ありがとね」
不服そうだが俺から離れて観客たちに笑顔で手を振っていく。少なくともエキシビションマッチは大成功だったと言えるだろう。スタジアム全体が熱気を帯び、大興奮に包まれているのがわかる。これなら今回の大会もよほどのことがない限り闘志あふれる素晴らしい戦いとなるだろう。
俺はエレナと共に観客に手を振りながら今回の大会について考えを進めるのだった。
カード紹介は別作品として分けた方が良い?
-
分けた方が良い
-
今のままで良い
-
登場した話のあとがき欄で十分