気づいたらカードゲームアニメの強キャラに憑依した 作:名無しのカードバトラー
「私のターン! スタンバイフェイズ、ドローフェイズ、ヒールフェイズ」
水口霊奈
手札2枚→3枚
コスト1→4
「私は手札より“エレメンタル・リアクター”を発動する! このカードの効果により私は手札を1枚コストにフィールドの精霊テーマモンスター1体を手札に戻す。その後、同じコストの精霊テーマモンスター1体をコストを支払わずに召喚する! 私は“エーテル・クリアー・ドラゴン”を手札に戻し、再び“エーテル・クリアー・ドラゴン”を召喚する!」
水口霊奈
コスト4→0
手札2枚→1枚
エーテル・クリアー・ドラゴン(戦闘モンスター)
コスト6 精霊/ドラゴン パワー23000 ダメージ2
「そして“エーテル・クリアー・ドラゴン”の召喚時効果により私は手札が5枚になるようにデッキからドローする」
水口霊奈
手札1枚→5枚
“エーテル・クリアー・ドラゴン”の再召喚により水口霊奈の手札は再び補充された。それが意味するのは霊奈にはまだまだ動き続ける事が出来る証明でもあった。
「私は更にクイックマジック“精霊達の舞”を発動する! このカードのクイック効果により“エーテル・クリアー・ドラゴン”は相手モンスターに指定アタックが可能となり、自身よりパワーが高いモンスターと戦闘する時パワーを+6000する、を得るわ」
「っ!? それじゃ……!?」
「ウェポンモンスターという珍しいカードを見せてくれた礼だ。しっかりと受けるといい。私は“エーテル・クリアー・ドラゴン”で“ブラッディ・アント”に指定アタック!」
エーテル・クリアー・ドラゴン
パワー23000→29000
ウェポンモンスターを装備した“ブラッディ・アント”に“エーテル・クリアー・ドラゴン”が迫るが誰もがそのアタックに驚愕した。何しろ“精霊達の舞”でパワーを上昇させたとしてもまだ、“ブラッディ・アント”の方がパワーが上だからだ。このままでは返り討ちにあうが霊奈だけは不敵な笑みを浮かべていた。
「(パワーを上昇させるクイックマジックでも引いていたのか? ならばこの無謀なアタックも説明がつくが……)」
針治もこのアタックの不自然さに目を細め、考察するがなんとその意味もなく“エーテル・クリアー・ドラゴン”は“ブラッディ・アント”にとびかかるも口にくわえた“暴風剣-ストームブレード”で切り裂かれて破壊された。
「何っ!?」
まさかの行動にさすがの針治も驚き、目的が分からずに困惑する。まさかクイックマジックなどでパワーを上げずに破壊されるとは思わなかったのだ。観客たちもまさかのプレイングミスとも取れる行動に困惑の声が広がっていたがそんな疑問を解消するように霊奈は一枚のカードを発動した。
「この瞬間、クイックマジック“精霊循環”を発動する! 自分フィールドの精霊テーマモンスターがバトル・効果で破壊された時、手札2枚をコストに手札・セメタリーから破壊されたモンスターとは別の、同コストモンスター1体をノーコスト召喚する! 私は“エーテル・クリアー・ドラゴン”と同じコスト6の“精霊の起源-ファレスト”を召喚する!」
水口霊奈
手札4枚→2枚
精霊の起源-ファレスト(戦闘モンスター)
コスト6 精霊 パワー0 ダメージ0
「パワーが、0だと?」
「その通り。だが、このモンスターにはそれを補う効果があるがその前に“エーテル・クリアー・ドラゴン”の破壊時効果を発動させてもらう! 私はセメタリーよりコスト2の精霊テーマモンスター2体をノーコスト召喚する! 私は“ノーム”と“精霊循環”のコストでセメタリーに送った“白のシャイニー”を召喚する! “白のシャイニー”の召喚時効果発動! セメタリーの“エーテル・クリアー・ドラゴン”、“精霊の宴”、“エレメンタル・リアクター”をデッキに戻してシャッフル。そして1枚ドローする! 更に“精霊の起源-ファレスト”の効果発動! 自分が精霊テーマモンスターの効果でデッキからドローしたとき、更にデッキから1枚ドローできる」
水口霊奈
手札1枚→2枚→3枚
「そして“精霊の起源-ファレスト”の効果発動! 自分フィールドのコスト2精霊テーマモンスター1体につきパワーが5000アップする。私のフィールドのコスト2精霊テーマモンスターは5体。よってパワーは25000となった」
精霊の起源-ファレスト
パワー0→25000
「……これら一連の流れはバトルフェイズ中に行われたもの。よって私はまだアタックが可能だ。私は“精霊の起源-ファレスト”でアタックする! そして私は“ファレスト”のアタック時効果を発動する!セメタリーのマジックカード1枚をデッキに戻し、その効果を発動する! 私は“精霊達の舞”をデッキに戻し、その効果を発動する! これにより“ファレスト”のパワーは+6000され、指定アタックを得る。行け! “ブラッディ・アント”にアタック!」
「っ!」
精霊の起源-ファレスト
パワー25000→31000
今度こそ霊奈のモンスターは“ブラッディ・アント”のパワーを超えた。それに対して針治が出来る事はない。手札は一枚のみだがそれは“ネレイース”の効果で手札に戻った“弾丸トンボ”であり、防御できるカードではなかった。“ファレスト”の攻撃に“ブラッディ・アント”は粘りを見せるが一歩及ばずに破壊された。
「この瞬間“ファレスト”の効果が発動する! 自分フィールドの精霊テーマモンスターが相手モンスターをバトルで破壊したとき、破壊したモンスターのダメージ数だけ相手ライフにダメージを与える! “ブラッディ・アント”のダメージ数は2! よって2ダメージを与える!」
「ぐ! ああぁぁぁぁっ!!!」
蜂谷針治
ライフ4→2
「更に私は“サラマンドラ”でアタック! アタック時効果で1枚ドローする」
水口霊奈
手札3枚→4枚
“サラマンドラ”のパワーは7000とそれなりに高い数値をしている。そして、“ファレスト”の全体効果によりモンスターを破壊すればそのモンスターのダメージ数だけライフダメージを受けてしまう。そして、“サラマンドラ”だけを倒せるモンスターは針治のフィールドには存在しなかった。故に、こうなるのは必然だった。
「俺は“ハニカム”でブロックする」
“ハニカム”はヒーラーとして機能しているがそれだけにダメージ数は0であり、“サラマンドラ”に破壊されても針治のライフは減らない。それを受けて“ハニカム”を破壊する事に決めたのだ。
「私はターンエンドだ」
ここで決める事も出来たが霊奈はあえてターン終了を宣言した。それは針治に対して慈悲を持ったからではない。その証拠に、そういった彼女に浮かぶ表情は余裕だ。彼女は前大会優勝者としての格の違いを見せつけるように針治に無駄な抵抗をさせようとしていたのだ。
「どうした? 私は次のターンにまで情けをかける程やさしくはないぞ?」
「だろうな。むしろ止めを刺されると覚悟していたのにターンをくれたんだ。それを後悔させるプレイを見せてやる! 俺のターン! スタンバイフェイズ! ドローフェイズ! ヒールフェイズ!」
蜂谷針治
手札1枚→2枚
コスト3→7
「っ! 俺は手札より“インセクト・ドロー”を発動! 手札の“弾丸トンボ”をセメタリーに置き、デッキから2枚ドローする!」
蜂谷針治
コスト7→5
手札1枚→0枚→2枚
「っ! 来た! 俺は“始祖蝶の幼体”をノーコスト召喚する!」
始祖蝶の幼体(戦闘モンスター)
コスト1 インセクト パワー0 ダメージ0
針治が召喚したのは巨大な芋虫であった。それは茶色をしており、土と同化しそうな程似ていた。
「いまさらコスト1のモンスターだと? 舐めているのか?」
「違うさ。これは俺のエースモンスターを呼び出すために必要不可欠なモンスターさ。見ての通りこいつは幼虫。だからこそ無限の可能性が秘められている! 俺は手札の“始祖蝶”の効果発動! 自分フィールドの“始祖蝶の幼体”を生贄に捧げる事でコストを半分に召喚する! 更に“インセクトマン”で軽減して3コストで召喚だ!」
始祖蝶(戦闘モンスター)
コスト8 インセクト パワー20000 ダメージ2
“始祖蝶の幼体”が口から糸を出し、自身を覆って蛹となった。蛹は脈動を数回行うとパキリと音を立てて崩れ始めた。そして、中より出てきたのはカラフルな、見たものを
魅了する綺麗な羽根を持つ蝶であった。
「“始祖蝶”の召喚時効果でコスト6以下の相手モンスター全てを疲労させる!」
「ほう?」
“始祖蝶”が体より放った鱗粉により霊奈の精霊達はその場に崩れ落ちた。苦し気にもがくその姿から戦闘をするのは難しいというのが見て取れた。
「そして生贄となった“始祖蝶の幼体”の効果発動! このカードをコストを支払わずに召喚する! バトルフェイズ! “始祖蝶”でアタックする! そしてその時、セメタリーよりコスト3以下のインセクトテーマモンスター1体をノーコスト召喚する! 俺は“ハニカム”を召喚する!」
“始祖蝶”の登場により盤面は針治の優勢に切り替わった。慈悲を与えた結果が自身の敗北につながりそうな状況に観客たちも大盛り上がりを見せるが当然ながら霊奈がそれで終わるはずがなかった。
「手札よりクイックマジック“エレメンタル・ハート”を発動する! この効果により自分フィールドの精霊テーマモンスター1体を回復させる! 私は“精霊の起源-ファレスト”を回復し、ブロックする!」
羽ばたき、霊奈に突撃する“始祖蝶”の前に立ちはだかった“ファレスト”。パワーはあちらの方が上である為にこのままでは破壊は免れないだろう。何も効果を持っていなければ。
「“始祖蝶”の効果発動! 相手モンスターとバトルしたときに自分フィールドのインセクトテーマモンスター1体を破壊する事で自信を回復するかパワーをアップするどちらかの効果を発動できる! 俺は“始祖蝶の幼体”を破壊してパワーを6000アップする!」
“ファレスト”のパワーを上回った“始祖蝶”は巨人の如き体躯の回りを旋回する。“始祖蝶”の速度についていけない“ファレスト”はあっけなく見失ったがその時を狙い“始祖蝶”のタックルが後ろから決まり、“ファレスト”は前方に倒れて破壊された。
「くっ! “ファレスト”の破壊時効果により私はセメタリーから“エーテル・クリアー・ドラゴン”を手札に戻し、更にデッキから1枚ドローする」
水口霊奈
手札3枚→5枚
「だがこれで俺が勝利する道は開けた! “始祖蝶の幼体”の破壊時効果発動! 自分フィールドのモンスター1体を回復する! 俺は“始祖蝶”を回復する! そしてカード効果で破壊された“始祖蝶の幼体”は手札に戻る。……これで準備は出来た。行くぞ! 再び“始祖蝶”でアタック! アタック時効果でセメタリーから“弾丸トンボ”を召喚する! 更に召喚時効果で1枚ドローする!」
蜂谷針治
手札1枚→2枚
「“始祖蝶”のダメージは2。そしてフィールドには3体のダメージを与えられるモンスター……。成程、これは確かに披露した私のモンスターでは防ぐことが出来ないな」
……そう、水口霊奈はこうして負け、優勝の座を針治に譲ることとなったのだ。未熟ながらも可能性を信じた霊奈が負けたのである。
「……だがな。それも手札に防御札がなければの話だ! 私はカウンターマジック“波の花”を使用する! 自分フィールドにアクアテーマモンスターがいる状態で相手がアタック宣言をしたとき、そのアタックを無効にしてバトルフェイズを終了させる」
「なっ!?」
“始祖蝶”の前に壁となるように白い泡が立ちはだかる。その量にたまらず“始祖蝶”は引き返してくるが針治は信じられなかった。だが、それは霊奈も同じ気持ちである。
「これはな、本来はデッキに入れる予定ではなかったんだ。私は精霊テーマとアクアテーマを両立していたが今回から精霊テーマに絞って戦うつもりだった。だがな、エキシビションマッチを見て気が変わった」
そう、彼女が引いたカードはデッキには入っていなかった、エキシビションマッチを見て急遽入れる事を決めたカードだった。
「エレナ・フォン・ノルトハイム。似たデッキを使う彼女の雄姿を見ていたらアクアテーマをもう少し増やしてみようと思ってな。……おかげで私は命拾いをしたというわけだ」
「……ターンエンドだ」
出し尽くした。まさに針治の現状であった。手札にはまともな防御札はなく、フィールドにはパワーの低いモンスターがずらりと並んでいる状態。だが相手はそれ以上のモンスターをもち、手札も豊富。とてもではないが針治は次の自分のターンが回ってくるとは思えなかった。
水口霊奈
ライフ3 コスト0 手札4枚
フィールド
ウンディーネ
ネレイース
サラマンドラ
ノーム
白のシャイニー
蜂谷針治
ライフ2 コスト2 手札2枚
フィールド
ソニックヤンマ
インセクトマン
ハニカム
始祖蝶
弾丸トンボ
「私のターン! スタンバイフェイズ! ドローフェイズ! ヒールフェイズ!」
水口霊奈
手札4枚→5枚
コスト0→3
「私は手札の“モノクロの精霊使い”の効果を発動する! 自分フィールドにコスト2の精霊テーマモンスターが2体以上存在する場合、コストを支払わずに召喚する!」
モノクロの精霊使い(戦闘モンスター)
コスト4 精霊 パワー1000 ダメージ1
「そして私はバトルフェイズに入り、“モノクロの精霊使い”の効果を発動する! 私は手札1枚をコストにコスト2精霊テーマモンスター1体に“このカードよりパワーが低い相手モンスターにブロックされない”効果を付与する! 対象は“サラマンドラ”だ!」
針治のフィールドに“サラマンドラ”よりパワーが高いモンスターは“始祖蝶”しかいない。しかし、その“始祖蝶”はアタックしたために疲労状態であり、ブロックする事が出来ない。
手札4枚→3枚
「更に手札よりクイックマジック“精霊の写し鏡”を発動する! 手札1枚をコストにこのカードの発動前に発動した精霊テーマモンスターの効果を再び使用する! 手札1枚をコストに今度は“ウンディーネ”に付与する!」
手札2枚→1枚
これで針治のモンスターにブロックされないモンスターは2体誕生した。そして、針治のライフは2。もはや詰みという状態だった。
「……蜂谷針治と言ったな? 正直に言ってこの戦いは楽に勝てると思っていた。だが、蓋を開けてみればウェポンモンスターや多彩なモンスターを駆使して私に喰らいついてきた。私もここまでやられるとは思わなかった。本来は私の切り札で止めを刺してやりたいところだがそれが難しいのでな。ブロックすら出来ない状態で止めを刺してやろう」
「っ! 優勝者様にそこまで言っていただけるなんて光栄ですね」
あくまで強者としての余裕を崩さない霊奈に針治の表情は歪むが実際、自分にはもはや何も出来ない。ただ敗北が訪れるのを待つだけなのだ。
「行くぞ! 私は“サラマンドラ”と“ウンディーネ”の2体でアタック! “モノクロの精霊使い”の効果で貴様はブロック出来ない!」
「ライフで、受ける……!」
迫りくる2体の精霊。属性が反する火と水の攻撃が迫る中、針治は最後の瞬間まで目を背けることなく霊奈を見続けた。
蜂谷針治
ライフ2→1→0
そして、針治のライフが0を告げると同時にブザー音が響き渡り、ゲームの決着をスタジアム中に伝えた。その瞬間、激闘を見せた二人のサモナーに観客たちは溢れんばかりのエールを送り、勝者である水口霊奈を称えた。
……こうして、原作アニメとは異なり水口霊奈の勝利で終わった。端から見れば接戦とはいえ無名の選手が前大会優勝者に負けただけだが、とある人物にとってはとてつもない衝撃と、様々な未来を心の中に誕生させるきっかけとなったのだった。
カード紹介は別作品として分けた方が良い?
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分けた方が良い
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今のままで良い
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登場した話のあとがき欄で十分