気づいたらカードゲームアニメの強キャラに憑依した   作:名無しのカードバトラー

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023/未来の隊員候補達 機械対獣・前編

 結局、カナデに事情を聴いても「面白かったでしょ?」としか言われなかった。あの様子でだと考えているようで何も考えていない。単純にメアリーをなんとなくでけしかけただけだろう。それだけにいら立ちが生まれるが別にそこはどうでもいい。考えるだけ無駄な事をいくら考えてもしょうがない。

 

「隊長、これから特殊部隊養成所メンバーによるサモンが開始されます」

「ん? もうそんな時期か……」

 

 カナデの事で頭を痛ませていると隊員の一人がそのような事を言ってきた。特殊部隊養成所。表向きには専門学校という扱いになっているここは推薦でしか入れないといわれている未来の特殊部隊隊員を育てる場所だ。

 一応俺も特殊部隊の隊長という事でたまにだが顔を見せに行っていたりする。その中で気に入ったやつがいれば卒業後に配属できるようにスカウトすることも可能だ。なので優秀な人材は取り合いとなるのが常だが皇帝直属のうちが優先権を持っているためそういった争いには無縁だったりする。

 

「注目するべき人物はいるか?」

「全員優秀ですから甲乙つけがたいですが成績上位の機島鉄喜(きじまてつき)と丸川ゆかりの対戦は最大の注目を浴びているようです」

「丸川ゆかり?」

 

 おっと、そうか。もうそんな時期なのか。丸川ゆかり、それは未来のデスサイズ隊員だ。原作アニメでは二人しか登場しない女性隊員の片方だ。アニマルや獣人を多用するデッキを使う人物で本人は簡潔に言えば元気っ娘という感じだ。猫耳付きのヘッドホンを常につけていてパンクな服装をしているのが特徴的だった。そんなビジュアルと性格だからかなりの人気があり、ほぼほぼ死亡するデスサイズメンバーにおいて数少ない生存者としてレジスタンスに捕縛されていた。世界編には登場しない為そこを残念に思う視聴者も多かったらしい。

 対して機島鉄喜という人物には心当たりがない。何やら丸川ゆかりを抑えて成績トップらしいが原作に出てこないという事はデスサイズに加入しないで他の特殊部隊、それもほかの軍管区を担当する部隊に引き抜かれたのだろう。

 

「丸川ゆかりがどうかしましたか?」

「……いや、なんでもない。両者のデッキ、戦術を軽く説明してくれ」

「はっ。まず、丸川ゆかりですがアニマルテーマモンスターを多用するデッキ構成をしているようです。切り札はフェンリル系モンスターとの事でその能力によるモンスターの疲労でフィールドを有利に動かす傾向にあります。

対する機島鉄喜は“メカソルジャー”系統の機械テーマモンスターによる物量を生かした戦術を得意としているようです。このデッキは統一軍に採用されているスタンダードなものをアレンジしたもののようでデッキ改良のお手本と言われているようです」

「成程……」

 

 つまり、機島鉄喜は単体ではあまり強くない“メカソルジャー”を使って成績トップに位置していると? やばいやつだな。流石の俺も単独で“メカソルジャー”を使おうとは思わないのにそれを利用するという事はかなりの実力者なのは間違いないな。

 

「分かった。ならばその二人の戦いに焦点を当てるとしよう」

「了解しました。それと、他の優秀な人材についてはこちらにまとめてあります」

 

 俺は隊員が用意したタブレットを受け取りながら目の前に設置されたスクリーンに打ちしだされたサモンを見る。養成所の訓練場を映しているようで50人くらいの人間が1対1でサモンを行っていた。その中でとある2人組の所にズームが行く。丸川ゆかりと機島鉄喜だ。二人はこれからサモンをするようで互いに何かを話してサモンディスクを構えた。

 

「どうやらちょうどよく対戦が始まるようですね」

「ああ、では今年の成績優秀者同士のサモン、それがどんなものなのかをじっくりと見させてもらおうか」

 

 俺はそう言って、スクリーンに映る二人のサモンに意識を集中させるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「鉄喜! 今日こそ僕が勝つからね!」

「いや、今日も俺が勝つ」

 

 丸川ゆかりと機島鉄喜はライバル同士という事もあり、バチバチと火花をぶつけ合いながらサモンディスクを構える。事前に特殊部隊の人間が視聴すると聞いている為に二人以外の者達も闘志を高めており、これまでにない熱気で訓練場は包まれていた。

 

「行くよ!」

「おう!」

「「ゲーム! スタート!」」

 

 その宣言に従いサモンが開始された。先行を取ったの機島だった。

 

「先行は俺のようだな。スタンバイフェイズ、メインフェイズ! 早速行くぞ!」

「っ! 来い!」

「俺は手札より“メカソルジャー”を召喚する!」

 

機島鉄喜

コスト10→9

メカソルジャー(戦闘モンスター)

コスト1 機械 パワー1000 ダメージ1

 

「更に“メカソルジャー”がフィールドに存在するため、召喚コストを1軽減して“メカマジシャン”を召喚する!」

 

機島鉄喜

コスト9→7

メカマジシャン(戦闘モンスター)

コスト3 機械 パワー1000 ダメージ1

 

「“メカマジシャン”はマジックの発動コストを1つ下げる効果がある。俺はこれを使ってコスト2で“機械兵増産”を発動する! 俺はデッキトップを3枚めくり、その中の“メカソルジャー”若しくはコスト2以下の機械テーマモンスターを可能な限りコストを支払わずに召喚する!」

 

 そういって捲った3枚のカードはそれぞれ“メカソルジャーMk-Ⅱ”、“メカスナイパー”、“メカコック”だった。それらは全て条件を満たしているカードたちであり、序盤から機島鉄喜の運の良さを示していた。

 

「これは運が良い! 俺はこの3体全てを召喚する! 現れろ! 我がしもべ達!」

 

機島鉄喜

コスト7→5

メカソルジャーMk-Ⅱ(戦闘モンスター)

コスト3 機械 パワー3000 ダメージ1

 

メカスナイパー(戦闘モンスター)

コスト2 機械 パワー6000 ダメージ1

 

メカコック(戦闘モンスター)

コスト2 機械 パワー4000 ダメージ1

 

「“メカコック”の召喚時効果発動! このカードを召喚コスト2よりも低い数値で召喚していた場合、デッキから2枚ドローする。今回はコストを支払わずに召喚したため条件に遭う。よってデッキから2枚ドローする。更に“メカソルジャーMk-Ⅱ”の召喚時効果で1枚ドローだ」

 

機島鉄喜

手札2枚→4枚→5枚

 

「……ふむ、いいカードを引いた。俺は“アイアン・ドロー”を発動する! このカードの効果で“メカコック”を破壊して2枚ドローする!」

 

機島鉄喜

コスト5→4

手札4枚→6枚

 

「更に“メカコック”はマジックの効果で破壊された時コストを2回復する効果を持っている」

 

機島鉄喜

コスト4→6

 

「では最後に、俺は“メカソルジャー”と“メカソルジャーMk-Ⅱ”を生贄に捧げ、“メカジェネラル”を召喚する!」

 

機島鉄喜

コスト6→0

メカジェネラル(生贄(進化)モンスター)

コスト6 機械 パワー20000 ダメージ2

 

「“メカジェネラル”は自分フィールドの機械テーマモンスター全てを“メカソルジャー”として扱う効果を持っている。とはいえ現状で発動する効果もないため俺はここでターンエンドだ」

 

 たった1ターン目ながら機島鉄喜はそれなりに盤面を整えたうえで手札も温存するという最良と言える状態で先行1ターン目を終えた。だが、丸川ゆかりもそれに対して負けてはいない。

 

「僕のターン! スタンバイフェイズ、ドローフェイズ、メインフェイズ!」

 

丸川ゆかり

手札5枚→6枚

 

「僕は“灯篭鳥”を召喚するよ! このカードの召喚時効果でデッキを上から1枚めくってそれが獣人若しくはアニマルテーマモンスターの場合、手札に加えたうえでコストを1回復する。違った場合はセメタリーに置くよ」

 

 そういってデッキトップを確認すればアニマルテーマモンスターの“ユルベアスト”だった。

 

「やった! 僕は“ユルベアスト”を手札に加えてコストを1回復する!」

 

丸川ゆかり

コスト10→8→9

灯篭鳥(戦闘モンスター)

コスト2 アニマル/精霊 パワー5000 ダメージ1

 

「更に僕は今手札に加えた“ユルベアスト”を召喚する!」

 

丸川ゆかり

コスト9→6

ユルベアスト(戦闘モンスター)

コスト3 アニマル パワー1000 ダメージ1

 

「このカードはアニマルか獣人テーマモンスターの召喚コストが1軽減できるモンスターだ! 僕はこの能力を使い、“剣サイ”を召喚する!」

 

丸川ゆかり

コスト6→2

剣サイ(戦闘モンスター)

コスト5 アニマル パワー15000 ダメージ1

 

 現れたのは角の部分がクレイモアとなったサイだ。しかし、モンスターらしく人よりも巨体であり、獰猛であった。

 

「バトルフェイズ! 僕は“剣サイ”でアタックする! “剣サイ”のアタック時効果【突進】の効果で必ずブロックしないといけない!」

「俺は“メカスナイパー”でブロックする」

 

 鉄喜の命令を受けて“メカスナイパー”が“剣サイ”を止めるべく攻撃を開始するが全ての攻撃は“剣サイ”の皮膚に弾かれ、ダメージを与えることは出来なかった。それどころかそれいよって標的を補足した“剣サイ”はお返しとばかりに逃げられなかった“メカスナイパー”を弾き飛ばし、破壊して見せた。

 

「“剣サイ”のバトル時効果発動! 相手モンスターだけを破壊した時、相手ライフに1のダメージを与える」

「ほう」

 

 “剣サイ”は自慢の大剣を振り、衝撃波を作るとそれを鉄喜に飛ばした。それをまともに喰らう形となった鉄喜は痛みも同様もなく、ただ感心したような表情をしていた。

 

機島鉄喜

ライフ6→5

 

「よし! 先制攻撃は僕がもらった!」

「このくらい問題はない。たかが1ダメージだ」

「なら“灯篭鳥”でアタック!」

「ライフで受けよう」

 

機島鉄喜

ライフ5→4

 

「(ブロックしない? “剣サイ”の時もそうだけどモンスターを残している?)……僕はターンエンドだよ」

「ふむ、まぁこんなものか。ならば俺はエンドフェイズ時にクイックマジック“エマージェンシーコール”を発動する! この効果は3つの効果から1つを選び発動できるカードだ。俺は2つ目の効果を選び発動する。これにより俺はこのターンで減ったライフ1つにつきコストを2回復する」

「っ! つまり、コストを4も回復するってこと!?」

「その通りだ。後二つくらいならライフで受けてやってもよかったのだがな」

 

機島鉄喜

コスト0→4

 

 

機島鉄喜

ライフ4 コスト4 手札4枚

フィールド

メカマジシャン

メカジェネラル

 

丸川ゆかり

ライフ6 コスト2 手札4枚

フィールド

灯篭鳥

ユルベアスト

剣サイ

 

 

「俺のターン。スタンバイフェイズ、ドローフェイズ、ヒールフェイズ」

 

機島鉄喜

手札4枚→5枚

コスト4→7

 

「俺は手札から“メカバーナー”を召喚する。そして、このカードの召喚時効果によりセメタリーから“メカソルジャー”2体をノーコスト召喚する!」

「セメタリーには“メカソルジャー”と“メカソルジャーMk-Ⅱ”が……!」

「その通り。そして、“メカソルジャーMk-Ⅱ”は“メカソルジャー”として扱うモンスターだ。よって、俺はこの2体を召喚する!」

 

機島鉄喜

コスト7→4

メカバーナー(戦闘モンスター)

コスト3 機械 パワー8000 ダメージ1

 

メカソルジャー(戦闘モンスター)

コスト1 機械 パワー1000 ダメージ1

 

メカソルジャーMk-Ⅱ(戦闘モンスター)

コスト3 機械 パワー3000 ダメージ1

 

「そして“メカソルジャーMk-Ⅱ”の効果で1枚ドローする」

 

機島鉄喜

手札4枚→5枚

 

「続けて手札より“メカニカルビースト”を召喚する。このカードは自分フィールドに“メカソルジャー”が2体以上存在する場合、召喚コストを1軽減して召喚できる」

 

機島鉄喜

コスト4→1

メカニカルビースト(戦闘モンスター)

コスト4 機械 パワー11000 ダメージ1

 

「ああ、そうだ。“メカソルジャー”と“メカソルジャーMk-Ⅱ”のそれぞれの効果で“メカソルジャー”の数だけパワーが上がる。“メカソルジャー”は1体につき1000、“メカソルジャーMk-Ⅱ”は3000だ。そして“メカジェネラル”の効果でフィールドの機械テーマモンスターは“メカソルジャー”として扱われている。つまり……」

 

メカソルジャー

パワー1000→6000

 

メカソルジャーMk-Ⅱ

パワー3000→18000

 

「パワー、21000!? コスト6モンスター並みのパワー!」

「まだだ、俺はバトルフェイズに入るがこの瞬間、“メカニカルビースト”と“メカジェネラル”の効果が発動する。まず、“メカニカルビースト”の効果でコスト3以下の機械テーマモンスターのパワーを3000アップする。次に“メカジェネラル”の効果で“メカソルジャー”のパワーを5000アップする。フィールドの機械テーマモンスターは“メカソルジャー”として扱われるため実質俺のモンスター全てが対象だ」

 

メカマジシャン

パワー1000→9000

 

メカジェネラル

パワー20000→25000

 

メカバーナー

パワー8000→16000

 

メカソルジャー

パワー6000→14000

 

メカソルジャーMk-Ⅱ

パワー18000→26000

 

メカニカルビースト

パワー11000→16000

 

「うそでしょ!? ほぼほぼパワー10000越えじゃないか!」

「その通り。“メカソルジャーMk-Ⅱ”に至ってはコスト9モンスターと同等のパワーとなった。どうだ? これこそが力だ。数をそろえ、力を高めあう事で例えパワーが低くとも強大な力を選られるのだ!」

「だけどそれは統一軍ならの話だよ! 特殊部隊は少数精鋭! それは通じないよ!」

「そのためのこの改良デッキだ。これが普及すればレジスタンスどもも即座に駆除できる! それを見せてやろう! 俺は“メカソルジャーMk-Ⅱ”でアタックする! そしてクイックマジック“バックユニット”! 更にもう一枚! “バーニア”! そして! これが貴様に止めを刺す! “メンテナンス”発動!」

「クイックマジックを一気に3枚も!?」

「順に説明してやろう。“バックユニット”はアタック宣言したモンスターのダメージ数を1つ増やす。“バーニア”は自身よりパワーが低い相手モンスターにブロックされなくなる。そして、“メンテナンス”は“メカソルジャー”のアタック宣言時に自分フィールドの機械テーマモンスター1体を疲労させることで回復するというものだ」

「っ!?」

 

 それが意味している物。それを理解できない程丸川ゆかりは馬鹿ではない。

 

「つまり、この“メカソルジャーMk-Ⅱ”は26000以上のモンスターでしかブロックできず、7回攻撃が出来るダメージ2のモンスターとなったわけだ。ライフの初期値は6。与えるダメージは合計で14。お前を2回は倒せる数値だ」

「そんな……!? ……と、でもいうと思った?」

 

 だが、丸川ゆかりとて機島鉄喜に次ぐ次席なのだ。この程度の危機は何度も経験し、そして対策も取っていた。

 

「カウンターマジック! “ネイチャーウォール”! このカウンター効果によりそのアタックを無効にしてバトルフェイズを終了する!」

「ほう? やはりカウンターマジックは握っていたか」

 

 “メカソルジャーMk-Ⅱ”のアタックを防いだゆかりに対して鉄喜は想定していたようで特に驚きを見せる事はなかった。

 

「手札は4枚。1枚くらいは防御系のマジックを持っていても不思議ではないからな」

「っ! やっぱり鉄喜にはお見通しなんだね。でも! 僕だって負けるわけにはいかないんだから!」

「ならばやってみろ! “ネイチャーウォール”の効果で俺はこのままターンエンドだ」

「よし! 僕のターンだよ!」

 

 圧倒的なパワーを手に入れた“メカソルジャー”達。ゆかりはそんな強大な敵を倒し、その後ろに控えている鉄喜を倒すべく自分のターンへと入るのだった。

 

カード紹介は別作品として分けた方が良い?

  • 分けた方が良い
  • 今のままで良い
  • 登場した話のあとがき欄で十分
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