気づいたらカードゲームアニメの強キャラに憑依した   作:名無しのカードバトラー

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お久しぶりです。今回は駄文になってしまいました。


025/GF社

 機島鉄喜と丸川ゆかりの対決は中々面白いものであった。正直に言えば終始鉄喜のプレイングがうまいように感じたがゆかりの方だって負けてはいなかったように感じる。後は切り札になりそうなモンスターをいかに早く場に出せるかだな。そういう意味では“メカジェネラル”を最初のターンで出せた鉄喜は運も実力も備わっていたという事だろう。

 

「とはいえあれを隊員に入れるのは難しいか」

 

 確かに礼儀はあるようだし努力家にも感じるがどことなくマウンテン・ジョーに似た雰囲気を感じる。あれが一人ならいいが二人だと面倒だ。そのために原作でも丸川ゆかりが入れたのだろう。

 

「そういえば副隊長が隊長にリベンジをしたいと言っていましたよ」

「放っておけ。今はそれどころじゃないからな」

 

 実際はただ面倒なだけだが忙しいと言っておけばそれ以上は突っ込んでこないからな。流石に特殊部隊に所属しているという意識はあるようだ。でなければそもそもここに入れるわけがないがな。

 

「丸川ゆかりの方には声をかけておけ。機島鉄喜よりもうちには向いている」

「了解しました」

 

 目的は丸川ゆかりの様子を見る事だしお暇しようか。他の者達も中々のプレイングをしているが偶には他の特殊部隊に譲ってやるのもいいだろう。どうせうちは少数精鋭。入れるのは精々一人が限度。丸川ゆかりを入れれば枠はそれでおしまいだ。

 

「隊長はこれからどうされるのですか?」

「暫くは大人しくしているつもりだ。レジスタンスの掃討をしてからあちら側の動きはほとんどない。残党をあぶりだすためにも1月から2月くらいは日本軍管区を離れるつもりだ。それだけ期間を開ければレジスタンスの動きも活発になるだろうからな。隊としては休暇扱いにして構わん。好きに過ごせ」

「了解しました」

 

 

 目的に定めた時期まで時間は大量にある。ならば暫くは他の軍管区に向かい、羽を伸ばしてくるのもアリだろう。最近は日本軍管区で暴れたせいでレジスタンスの動きも殆どなくなったからな。他の軍管区のレジスタンスと戦っても良いだろう。

 

 そろそろ相棒に頼らなくても大丈夫なデッキ構築が完成しそうだから腕試しをしておきたいしな。そうなると何処が良いだろうか? ユーロ軍管区に行ってついでにエレナの様子でも見てくるか? それとも最も発展を遂げている北アメリカ軍管区か? いや、モンスターサモンの中心地たるスイス軍管区も捨てがたい。……そうか、スイス軍管区を最終目的地にしてユーロ軍管区を見て回ればいいのか。エレナにも会えるしそれがいいかもしれないな。

 

 そうなれば早速準備をするか。テレポートを用いれば荷物は最小限で済むだろう。有事の際にしか本来は使用できないが特殊部隊ならある程度は融通が効く。ユーロ軍管区に向かう程度なら問題ないだろう。さて、一体何を持っていこうかな。

 

 

 

 

 

 

 

「ここやな」

 

 日本軍管区広島地区。ここは日本軍管区の中で最もモンスターサモンが熱狂している都市と言える。というのも日本軍管区に存在する国際港の一つである広島港が存在し、海外からのモンスターサモンのカードが一番に入り込む場所となっているからだ。そのため、まだ見ぬカードを求めてサモナー達が多く集まり、賑わいを見せているのである。

 そんな場所故にレジスタンスのような犯罪組織の人間が集まるのも当然と言えた。現在でこそデスサイズの活躍で大幅に減っているがそれでも討伐前の4割は残っていると想定されている程一定の勢力が残っていた。

 そんな場所に、花の楽園(フラワー・パラダイス)のリーダーである花ヶ咲花蓮はいた。大規模レジスタンスのリーダーであるため顔写真が流通しているため、サングラスにマスク、お洒落な帽子を被るというコーデをしていた。彼女は広島地区に入るとそのまま迷いなく道を進み、一つの建物に入る。そこはこの広島地区にあって珍しい寂れた歓楽街の一角に存在するビルで、テナント募集で埋め尽くされた空きビルであった。

 しかし、それはあくまで表向きの話である。花蓮は入口からは見えない位置に設置されたエレベーターに乗り込むと1階から6階まであるボタンのうち、どれも押さずに開閉ボタンを同時に押した。その瞬間、エレベーターは閉まり、ゆっくりと()()()()()()()。凡そ3階分ほど降りたころだろうか?チン、と音が響き扉が開いた。そしてそこに広がる景色は外とは一転していた。

 まるで秘密基地のような機械的な通路が広がり、突当りには電子ロックで施錠された扉があった。そして電子ロックを迷いなく打ち込み、花蓮は中に入るとそこには丸テーブルと椅子が用意された大部屋があった。そこには様々な人間がおり、新たに入ってきた花蓮に視線が集中した。

 

「ようこそ、花の楽園(フラワー・パラダイス)の花ヶ咲花蓮さん」

「相変わらずここはジメジメした所やな」

 

 花蓮は丸テーブルを囲む者の中でスーツを着込んだ男に愛想なく答えた。彼はにこにこと笑みを浮かべているが見る者が見れば胡散臭いという印象を覚えそうであったがこの場にいる誰もがその事を理解しつつも口にする事はない。この場において男は“店”、花蓮は“客”なのだから。

 

「では花蓮さんも到着したことですし次の商品をお出ししましょう。次の商品はこれです。モンスターサモン第10弾パックです」

「10弾!? それって今の環境でも通用するカードが多く入っていたよな!?」

「しかも再販されていないレアが数多く存在している……! 買う価値はあるぞ!」

「俺にくれ!」

 

 男が取り出した1枚のパック、それを見た者達が目の色を変えて購入しようと男に声をかけていく。そんな様子に花蓮は鼻を鳴らしながらつぶやく。

 

「ほんと、GF社は何でもありやな」

 

 GF社。この世界においてその名のを知らない人物はいないだろうレベルの知名度を誇っている。正式名称はグラウビュンデン・ファンタズィー社。アース帝国が支配するこの地球において唯一対等に渡り合う企業である。それは何故か? 簡単である。モンスターサモンを作り上げ、世界に広げた企業であるからだ。絶対皇帝を除けば一部の人間しかもはや知らないがかつてアース帝国を作り上げた際に絶対皇帝はモンスターサモンをエネルギーを集めるための道具に利用しようとした。当時のアース帝国は建国間もなく、ちょっとしたことであっけなく崩壊してもおかしくはない状況だった為にグラウビュンデン・ファンタズィー社は大幅な譲歩を引き出すことに成功したのだ。その結果としてGF社はスイス軍管区という形でアース帝国に取り込まれつつもその中ではアース帝国の統治が行き届かない治外法権を手に入れる事ができたのだ。更にモンスターサモンを唯一作る事が出来る企業という立ち位置を手に入れた彼らの力は絶対皇帝に相対する程であった。

 何故そんな会社の人間が遥か彼方の日本軍管区に赴き、レジスタンスなどの犯罪組織にカードを売っているのか? これも簡単な話であり、その方が利益があるからだ。最初期の方こそレジスタンスに対しては何もしなかったが社長が代替わりしていくうちにレジスタンスへの支援、売買と変化しており、現在ではこうして大規模に売り出すまでに至っていた。

 とはいえこの動きに統一軍が気づいていないわけではない。何度も抗議が行われたがそれらをGF社は無視して売買を続けた。本来であればスイス全土を領有しているとはいえ一企業が逆らえる相手ではない。しかし、絶対皇帝がこの売買を黙認したこと、モンスターサモンを生み出し続けている企業という事で結局GF社を止める事は出来なかったのだ。

 

「慌てなくても心配なですよ。パックはまだまだありますし足りなくなれば本社より支給されますので欲しい方はきちんと名乗ってくださいね」

 

 しかし、当然ながら非合法な売買であるために値段はかなり高い。簡単に言えば普通に売られるパックの10倍、レアカード単品なら1000万以上の値段で取引されるのだ。ぼったくりともいえるが表では流通していないカードもここでは手に入れる事が出来るので誰もが高いと思いつつも集まってくるのだ。

 

「(今回は最近入った新入りのための強化カードでも、と考えたけど今回ははずれやったか……)」

 

 結局、この日は花蓮のお眼鏡にかなうカードはなく無駄足であったがそんな彼女に男はにやりと笑みを浮かべながら声をかけた。

 

「どうやら気に入ったカードはなかったようですね」

「そうやな。ま、そういう事もあるし別に……」

「なので特別にこれを売ってあげてもいいですよ」

 

 そう言って取り出した一枚のカード。それを見た花蓮の目は驚愕で見開かれた。まさにそれは花蓮が探し求めている、()()()()()()()()()()()()()()()()()だったのだから。そして、花蓮では使わないそのカードを態々見せてきた理由、それだけ情報収集が高いGF社に改めて恐怖心を覚えた。

 

「それは……!」

「今ならこの値段で売りますよ? 一応言っておきますがこのカードを逃せば暫く類似のカードの売買はありませんよ。買うなら、今だけですよ?」

 

 提示された額、それは花蓮が持ってきた予算でもギリギリ足りないが頑張れば出せなくもない値であり、花蓮は懐具合すら知り尽くしていそうな男に薄ら寒い感覚を覚えつつも男の言葉に従いカードを購入するのであった。

 

カード紹介は別作品として分けた方が良い?

  • 分けた方が良い
  • 今のままで良い
  • 登場した話のあとがき欄で十分
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