気づいたらカードゲームアニメの強キャラに憑依した   作:名無しのカードバトラー

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第2章【旅行編】
026/ユーロ軍管区でのストリートサモン・前編


 ユーロ軍管区。スイスとシベリアを除く全ての欧州を管轄するここは欧州の歴史と近未来的技術が融合し、日本軍管区とは違った雰囲気を醸し出している。

 とはいえそれだけ広大な領土であれば当然ながらレジスタンス活動もかなり規模がデカい。猛者も多く、日本軍管区とは比べ物にならない戦いが繰り広げられている。とはいえそれは裏側ではそうであり、表面上は平和な日々が続く最も治安の良い軍管区となっている。

 その理由はエレナの存在が大きいだろう。彼女がアイドルとして人気であるとともに6龍の使い手なのだ。ユーロ軍管区を中心に活動しているというだけでレジスタンスにはかなりのプレッシャーを与えている。何しろ彼女も統一軍に属する身。たまにではあるがレジスタンスの鎮圧に出向くことがあるのだ。普通のレジスタンスではまず相手にすらならない。

 

「ふむ、ミュンヘン地区はドイツの面影がかなり残っているようだな」

 

 そんなわけで俺は一人の一般人としてユーロ軍管区を観光している。テレポートを最初に来たのがここミュンヘン地区だ。軍管区統治センターが設置されているだけあって町は近未来的な雰囲気を出しているがそれ以上にドイツ風の建造物が多い。確かこの街の統治を担当した者が数代にわたってドイツ人だった為にこういった建造物が多く残ることとなったんだったな。

 ぶっちゃけそれで何か起こるわけではないから個人的には問題はないと思っている。流石にそれでドイツ人の誇りを思い出し、アース帝国に蜂起するなんてことにはならないだろうからな。そうならないように欧州とアメリカは徹底的に教育が行われている。

 この世界の人間に民族の誇りは僅かばかりにしか存在しない。レジスタンスでさえ目指しているのはアース帝国の打倒だ。むろん、中には国家を作り、新たな秩序を願う者もいるかもしれないがそんな者は少数派だ。レジスタンスが何時までも大規模になれない原因だ。この世界の人間はもはや立ち会がる事も出来ない程に、牙を折られ、魂を抜き取られているのだ。加えて、目に見えて圧政がないことも理由の一つだろう。これが搾取され人以下の生活を強いられているのであれば別だろうがモンスターサモン至上主義と言えるがそれでもよほどの雑魚でもない限り人並みの生活は送る事が出来る。

 義務教育が設定され、中学までは無性で知識を得る事が出来る。つける職がなければアース帝国が公共工事を行い無職の人間を雇う事がある。税金だって細かいものが撤廃されて一つになっている。その分高いが良心的な物だ。皇帝やアース帝国批判は許されないが余程の者でない限り両方の二次創作は許可されている。報道の自由も上記の二つ以外はほぼ規制されていない。

 つまり、反抗する理由がないのだ。アース帝国が長い間統治が出来ている最大の理由だろう。

 

 

「ふむ、まずは昼飯でも食うか? とはいえユーロ軍管区では何が有名なのか……。その辺だけでも調べてくるべきだったか?」

 

 まぁ、絶対皇帝についていくと決めた俺がその辺の事を考えたってしょうがない。レジスタンスは精々無駄な争いを起こし、こちらの栄養になってくれたまえ。絶対皇帝もそれを望んでレジスタンスを完全に鎮圧しないのだから。

 

「む。適当にここにするか」

 

 そんなわけでこの旅行最初の昼食はそれなりに繁盛していそうなレストランに決定した。窓から店内の様子が見えたが普通にうまそうな料理があったからな。

 実際、入ってみれば中々良さげな店であった。いくつか注文してみたがどれも美味く、満足のいくものであった。

 昼を終え、適当にミュンヘンの町をぶらついていると町の一角でストリートサモンが行われていた。まぁ、要するに公園やコートなどでサモンが行われているという事だ。流石はユーロ軍管区というだけの事はあり、遠目で見ているだけでもレベルが高いのが分かる。日本軍管区では中々お目にかかれない勝負をしている者もいるほどだ。

 

「ん? あれは……」

 

 そんな中でふと、一人の男に気づいた。そいつはガタイがよく、サングラスをつけているマフィアとしか思えない風貌をしているがその近くには『対戦相手募集中。勝者には賞金有り』と書かれた横断幕がつけられている。成程、面白いやつがいるんだな。

 

「これで止めだ!」

「ぐっ! くそ!」

 

 そしてちょうどチャレンジャーらしき少年が敗北した。試合を完全に見ていたわけではないがどうやら惨敗だったらしい。少なくともこんな事をするくらいには実力があるのは確かなようだ。

 

「どうした!? ほかに相手をする奴はいないのか! 今なら賞金も倍増してやってもいいぞ!」

 

 勝利して気分がいいのかそんな言葉を発しているが誰も挑もうとする者はいない。ふむ、この様子だと周りに集まっている奴らは観戦者ではなく挑戦者であったようだな。敗北している為に悔し気にしつつも動くことが出来ないと。

 

「……」

 

 とはいえこういった事なら俺は大歓迎だ。食後の運動にもちょうどいいし、何よりついに完成した()()()()()()()()()()()()()()()が完成したからな。その試運転にはもってこいだ。それに、原作にはないキャラクターとの対戦で俺がどこまで戦えるのかを知る機会にもなる。どうしてもこれまでは多少なりとも相手のプレイングを知っている者ばかりを対戦相手にしていたせいでメタ読みをしてしまう傾向にあった。それを取り除くいい機会になる。

 

「俺が相手をしよう」

「! いいねぇ。見ただけでわかる。お前は実力者だ。それも俺が本気で挑まないといけない程のな。いいぜ! 今日最後の挑戦者はお前だ! 行くぞ!」

 

 ああ、そうだな。こうして対峙して改めて感じる。こいつは強い。それこそ6龍使いに匹敵する実力を持っていると思わせるくらいには。これは予想以上の大物が出てきたかもしれないな。

 

「「ゲームスタート!」」

「先行は挑戦者からと俺は決めている。そちらのターンだ」

「……わかった。俺のターン、スタートフェイズ、メインフェイズ。俺は“ドラゴニュート・エンターテイナー”を召喚する」

 

黒導龍吾

コスト10→7

ドラゴニュート・エンターテイナー(戦闘モンスター)

コスト3 ドラゴン パワー7000 ダメージ1

 

「“ドラゴニュート・エンターテイナー”の召喚時効果を発動する。俺はデッキから1枚ドローし、手札から1枚選びデッキの下に戻す」

 

黒導龍吾

手札4枚→5枚→4枚

 

「“ドラゴニュート・エンターテイナー”はドラゴンテーマモンスターの召喚コストを1つ軽減する効果を持っている。俺はコスト3で“ドラゴニュート・ソーサラー”を召喚する」

 

黒導龍吾

コスト7→4

ドラゴニュート・ソーサラー(戦闘モンスター)

コスト4 ドラゴン パワー8000 ダメージ1

 

「“ドラゴニュート・ソーサラー”の召喚時効果を発動する。この効果によりデッキトップ3枚をめくり、その中から通常マジックを1枚選び、手札に加える」

 

 めくってみれば“龍奏乱舞”、“デビルドラゴン”、“機龍-パワーメタル・ドラゴン”か。となると通常マジックは“龍奏乱舞”だけだから選択肢はこれしかないか。

 

「俺は“龍奏乱舞”を手札に加え、残りをデッキの一番下に戻す。そして“ドラゴニュート・ソーサラー”の効果で発動コストを2減らし、“龍奏乱舞”を発動する。この効果により、手札から“スカル・ドラゴン”をセメタリーに送り、デッキから2枚ドローする」

 

黒導龍吾

コスト4→3

手札3枚→2枚→4枚

 

「更に今セメタリーにいった“スカル・ドラゴン”の効果を発動する。“スカル・ドラゴン”をデッキに戻し、シャッフルする。その後、1枚ドローする」

 

黒導龍吾

手札4枚→5枚

 

 よし、これで手札の補充は完了した。そして運が良いことに今引いたカードはかなり使えるカードだ。

 

「俺は今引いた“ジェット・ドラゴン”の効果を発動する。このカードをドローフェイズ以外でデッキから手札に加えた時、コストを支払わずに召喚できる」

 

ジェット・ドラゴン(戦闘モンスター)

コスト3 機械 パワー5000 ダメージ1

 

「俺はこれでターンエンドだ」

「……ふ、フハハハハハ!!! やはり見込み違いではなかった! まさか1ターン目でここまで動いてくるなんてな! いいぜ! 俺もそれに応えてやるよ! 俺のターン! スタートフェイズ! ドローフェイズ! メインフェイズ!」

 

手札5枚→6枚

 

「俺は手札より“エンバーマー”を召喚するぜ!」

「っ! “エンバーマー”だと?」

 

コスト10→8

エンバーマー(戦闘モンスター)

コスト2 ゴースト パワー3000 ダメージ1

 

「その反応を見るにこいつの効果は知っているようだな? なら説明は不要だよなぁ? いくぜ! 俺はコストを1軽減して“百鬼夜行-ガシャドクロ”を召喚だ!」

 

コスト8→3

百鬼夜行-ガシャドクロ(戦闘モンスター)

コスト6 ゴースト パワー0 ダメージ0

 

 っ! 厄介なモンスターを出してきやがたった! 恐らく相手のデッキは純正のゴーストデッキ。それも百鬼夜行モンスターも加えた同テーマ混合デッキだ。

 

「“百鬼夜行-ガシャドクロ”の効果発動! このカードがフィールドに存在する限りお互いにドラゴンテーマモンスターを召喚する事は出来ない! だが、俺のデッキにドラゴンテーマモンスターは一体もいないからな。実質的にお前だけがこの効果を受けているわけだ」

「……厄介なモンスターだ」

 

 これが相棒のデッキだったらほぼ詰んでいた。やはり百鬼夜行モンスターは厄介なデッキだ。それも頑張れば何とか出来る程度なのがたちが悪い。

 だが、それも今使っているデッキなら別だ。ドラゴンテーマモンスターが召喚出来なくなったくらいで動けなくなるデッキではない。まぁ、手札的には現状それ出されると動けないんだけどね。

 

「そして俺は“ゾンビ”を2体、ノーコスで召喚するぜ!」

 

ゾンビ(戦闘モンスター)

コスト1 ゴースト パワー2000 ダメージ1

 

「俺はバトルフェイズに入り1体目の“ゾンビ”でアタックする!」

「“ジェット・ドラゴン”でブロックする」

 

 その名の通り、“ゾンビ”であるモンスターは上空から音速を超えて突進してきた“ジェット・ドラゴン”の風圧であっけなくバラバラになり破壊された。

 

「俺はこれでターンエンドだ」

 

 一体何が目的でアタックしてきたのかはわからないが、とりあえず相手は盤面をそろえてこちらの動きを制限してきたのは事実。さて、ここからどう動くべきだろうか……。

 

 

黒導龍吾

ライフ6 コスト3 手札4枚

フィールド

ドラゴニュート・エンターテイナー

ドラゴニュート・ソーサラー

ジェット・ドラゴン

 

ライフ6 コスト3 手札2枚

フィールド

エンバーマー

百鬼夜行-ガシャドクロ

ゾンビ

 

 

「俺のターン。スタートフェイズ、ドローフェイズ、ヒールフェイズ」

 

黒導龍吾

手札4枚→5枚

コスト3→5

 

「俺は手札より“シャッフル”を発動する。これによってお互いのプレイヤーは手札を全てデッキに戻してシャッフルし、戻した枚数分ドローする」

「ほう? 手札を入れ替えるわけか」

 

黒導龍吾

手札4枚→0枚→4枚

 

手札2枚→0枚→2枚

 

 さて、手札はどうなったかな? ……ふむ、これはいい感じの手札になったな。

 

「俺は手札より“ハイドロ・ドラゴニアス”を召喚する」

 

黒導龍吾

コスト5→1

ハイドロ・ドラゴニアス(戦闘モンスター)

コスト4 アクア パワー12000 ダメージ1

 

「“ハイドロ・ドラゴニアス”? さっきから思っていたが随分とテーマに一括性がないな。なんだ? 金がなくて揃えられなかったのか?」

「そんなわけないだろ。わざとこうしているだけだ」

「ふぅん? まぁ、意図は分からないが俺を失望させるなよ?」

「もちろんだ。俺は“ハイドロ・ドラゴニアス”の召喚時効果を発動する。自分フィールドに2つ以上のテーマが存在する場合、相手フィールドのモンスター1体を手札に戻す。俺は“ガシャドクロ”を戻す」

 

 “ハイドロ・ドラゴニアス”の水のブレスを受けて吹き飛ばされる亡霊。これでドラゴンテーマモンスターが召喚できるようになったわけだが返しのターンで戻ってくるだろうが問題はない。狙いはそこではないからな。

 

「ちっ! ドラゴンを呼び出す為っていうよりコストを消費させるのが狙いか」

 

 まぁ、相手は気づくか。次のターンで相手が“ガシャドクロ”を召喚すればそれで相手のコストは尽きる。ドラゴンデッキならそれも有効だが俺のようにドラゴンを使わない、他のテーマモンスターも使うデッキにはあまり良い一手とは言えない。

 

「俺はバトルフェイズに入り、“ジェット・ドラゴン”でアタックする」

「ライフで受けよう」

 

ライフ6→5

 

「俺はこれでターンエンドだ。そしてエンドフェイズ時、“ハイドロ・ドラゴニアス”の効果発動。自分フィールドのアクアテーマモンスター以外のモンスター1体を回復させる。俺は“ジェット・ドラゴン”を回復する」

「厄介な効果だな。だが、そうだと分かればやりようはあるぜ」

 

 どうやら相手は戦法を変えてくるようだな。恐らく、俺がドラゴンテーマモンスターを多用していたからドラゴン封じをしようとしたが今のターンを見て方針を変えたはずだ。そうなるとゴーストデッキ的にはあの戦い方かな。

 

「俺のターン! スタートフェイズ! ドローフェイズ! ヒールフェイズ!」

 

手札3枚→4枚

コスト3→5

 

「俺は1コスト軽減して“スペクター”を召喚する! これで俺はゴーストテーマモンスターを召喚する時、コストを2軽減できるようになったわけだ!」

 

コスト5→3

スペクター(戦闘モンスター)

コスト3 ゴースト パワー1000 ダメージ1

 

「更に“エンバーマー”をもう1体召喚するぜ!」

 

 ここにきて召喚軽減モンスターを3体並べてくるか。これで相手はゴーストテーマモンスターを召喚する時、コスト3までノーコストで出せるようになったわけだ。とはいえ相手の手札は残り2枚。そのうち1枚は俺が手札に戻した“ガシャドクロ”と分かっているからな。大それた手は打てないだろう。

 

「俺は“シャドウデーモン”を召喚するぜ!」

 

コスト3→2

シャドウデーモン(戦闘モンスター)

コスト4 ゴースト パワー10000 ダメージ1

 

「このカードの召喚時効果で俺はデッキを2枚確認する。その中から【転生】の効果を持つモンスターを全て手札に加えるぜ!」

 

 そういって捲ったカードは“アンブラスケーティア”、“ルフターガイスト”。どちらも【転生】の効果を持つモンスターだ。つまり、相手はノーリスクで2枚ドローというわけか。

 

「これは運が良い! 2体とも【転生】持ちだ、よって! 俺は2体とも手札に加えるぜ!」

 

手札1枚→3枚

 

「そして俺は“ルフターガイスト”を召喚するぜぇ!」

 

ルフターガイスト(戦闘モンスター)

コスト3 ゴースト パワー9000 ダメージ1

 

「バトルフェイズだ! 行くぜ! 俺は“ルフターガイスト”でアタックだ!」

 

 やっぱそれでアタックしてくるか。そいつバトルで破壊されるとバトルしたモンスターを道連れで破壊するから厄介なんだよなぁ。しかも【転生】持ちで直に蘇ってくるし。そして俺の手札にそれを防ぐ余裕はない。

 

「俺はライフで受ける」

 

黒導龍吾

ライフ6→5

 

 これでお互いのライフは同じになった。まだ1しか削れていないがお互いに順調な滑り出しとなったことは間違いないだろう。

 

「続けて“シャドウデーモン”でアタックだ!」

「それもライフで受ける」

 

黒導龍吾

ライフ5→4

 

「ひゃっはっはっ! ライフも逆転してやったぜ!」

「終わりか? たかがライフを2つ減らしたくらいでいい気になるな」

「それもそうだな。俺はターンエンドだ」

 

 どうやら相手の攻撃はここまでのようだな。ふむ、これ以上ライフが一気に減る機会はないだろうし使っておくか。

 

「俺はエンドフェイズ時にクイックマジック“エマージェンシーコール”を発動する。この効果により俺はコストを減ったライフ1つにつき2回復する」

「ちぃっ! 一気に4も回復されたか!」

 

黒導龍吾

コスト1→5

 

「これで次のヒールフェイズで8まで回復されてしまう、か。いいねぇ! やはり面白いし、つえぇじゃねぇか!」

 

 男は狂気的ともいえる笑みを浮かべてそう言ってくるがこちらもわくわくはしているんだ。やはり知らないキャラとの戦いというのは予測が難しくて楽しいな。だが、それにかまけて敗北するわけにはいかない。次のターンではこのデッキの力を見せつけるつもりで挑まないとな。

 俺はそう考えながら、自分のターンを迎えるべくデッキに指を置くのだった。

 

 

黒導龍吾

ライフ4 コスト5 手札2枚

フィールド

ドラゴニュート・エンターテイナー

ドラゴニュート・ソーサラー

ジェット・ドラゴン

ハイドロ・ドラゴニアス

 

ライフ5 コスト2 手札2枚

フィールド

エンバーマー

スペクター

エンバーマー

ゾンビ

シャドウデーモン

ルフターガイスト

 

カード紹介は別作品として分けた方が良い?

  • 分けた方が良い
  • 今のままで良い
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