気づいたらカードゲームアニメの強キャラに憑依した 作:名無しのカードバトラー
ミュンヘン地区での旅行を終え、次に向かうべく俺は町を出ていた。当然ながらそのまま通れると思っていたのだが……
「怪しい奴め……! お前を逮捕する!」
「……」
何故かはわからないが俺は郊外に出た瞬間に統一軍兵士10名に囲まれることとなった。というか本当になんでこんなことになっているんだ? 俺は何もしていないぞ。
「何の真似だ? 俺は何もしていないが……」
「お前がサモンを通して人々に危害を加えていると通報があった。よってお前を逮捕する」
代表らしき若い女性がそう言ってくる。が、どう見ても冤罪でしかない。人々に危害を、というのも恐らくストリートサモンの事だろう。確かに蹂躙していたが別に危害を加えたわけでがないのだが。
「抵抗するようなら実力行使も辞さないぞ!」
「……まぁ、いいだろう。だが、こちらもこんな幼稚な理由で捕まりたくはない。どうだろうか? 俺とお前らでサモンをするというのは」
「なんだと?」
こういう時はサモン至上主義であるこの世界の真骨頂だ。全く、表面上は普通なのにこういう所は変な世界だよな。
「俺が勝てば逮捕の一件はなしにする。お前らが勝てば大人しくいう事を聞こう。お前らも抵抗されるよりはマシだろう?」
「……いいだろう。ただし、我らが先行でお前が最後だ。いいな?」
数の利、それでいて自分たちが先にやる事で一気に勝負を決める気か。まぁ、そのくらいいいだろう。
ああ、それと今回は元のデッキを使うとしよう。さっきから相棒の深いなオーラが漂ってくる。こう見えてプライドが高い所がある。理屈が通っていない理不尽な今回の一件に切れているのだろう。
「分かった。さっさとかかってこい」
「っ! そのような言葉を直ぐに言えなくしてやろう! 行くぞ!」
「「「「はっ!」」」」
「「「「「ゲーム! スタート!」」」」」
最初は女性からのスタートか。とはいえ統一軍なら“メカソルジャー”デッキである事に変わりはない。対処は楽だ。
「私のターン! スタンバイフェイズ、メインフェイズ! 私は“メカソルジャー”を2体召喚する!」
女
コスト10→9→8
メカソルジャー(戦闘モンスター)
コスト1 機械 パワー1000 ダメージ1
「更に“メカマジシャン”、“メカコック”を召喚する!」
女
コスト8→6→4
メカマジシャン(戦闘モンスター)
コスト3 機械 パワー1000 ダメージ1
メカコック(戦闘モンスター)
コスト2 機械 パワー4000 ダメージ1
「更に手札から“アイアン・ドロー”を発動する! “メカコック”を破壊する事でデッキから2枚ドローする! 更に“メカコック”の効果でコストを2回復する!」
女
コスト4→3→5
手札0枚→2枚
「最後に私は“メカスナイパー”を召喚してターンエンドだ」
メカスナイパー(戦闘モンスター)
コスト2 機械 パワー6000 ダメージ1
漸く女性のターンが終わった。リーダー格だからか? それともユーロ軍管区のレベルの高さ故か、最初のターンにしては大きく動きつつもコストを半分残してターンを終えている。流石としか言いようがないな。そして相手はまだ4人も残っている。
「俺のターン! 俺は“メカソルジャー”を3体召喚する!」
男①
コスト10→9→8→7
当り前のように“メカソルジャー”を、それも上限いっぱいまで出してくるとか元の世界では不正やデッキシャッフル不足を疑うレベルだがこの世界では頻繁に起こりえる現象だ。
「俺はこれでターンエンドだ」
「俺のターン! いくぞ!」
さて、ぶっちゃけここからの流れは長すぎたから割愛するが結果としてこうなった。
女
ライフ6 コスト5 手札1枚
フィールド
メカソルジャー
メカソルジャー
メカマジシャン
メカスナイパー
男①
ライフ6 コスト7 手札2枚
フィールド
メカソルジャー
メカソルジャー
メカソルジャー
男②
ライフ6 コスト7 手札2枚
フィールド
メカソルジャー
メカソルジャー
メカソルジャー
男③
ライフ6 コスト9 手札1枚
フィールド
メカソルジャー
メカスナイパー
メカスナイパー
メカコマンダー
男④
ライフ6 コスト8 手札1枚
フィールド
メカソルジャー
メカソルジャー
メカスナイパー
メカスナイパー
男⑤
ライフ6 コスト5 手札1枚
フィールド
メカソルジャー
メカソルジャー
メカソルジャー
メカマジシャン
まぁ、そろいもそろって“メカソルジャー”を大量に出しやがって。おかげで“メカソルジャー”のパワーは15000にまでなっている。コスト1のモンスターがコスト5モンスター並みに強化されたのだ。統一軍が好んで使用するのもわかるというものだ。
だが、それはそれで好都合だ。俺のデッキならな。
「俺のターン。スタンバイフェイズ、ドローフェイズ、メインフェイズ」
黒導龍吾
手札5枚→6枚
手札を確認すればそこに相棒はいなかった。こういう時、相棒ならいの一番にきそうだが今回は違ったようだ。だが、手札と引いたカードを見ればなんとなくだが理由は分かったかもしれない。ここは相棒の望んだとおりにしてみるか。
「俺は手札より“黒龍の咆哮”を発動する。このカードの効果で相手フィールドのモンスターの合計レベル以下のモンスター1体をデッキからコストを支払わずに召喚する」
「っ!? そのカードは……!!」
女性の方は何かに気づいたようだが既に手遅れだ。相手フィールドのモンスターの合計コストは余裕で10を超えている。つまり、俺はコスト4だけを支払う事で召喚できるのだ。頼もしい相棒を。
「俺が出すのはコスト10!」
「コスト10!? そんなモンスターなんて……!」
「嘘だろ!?」
コスト10。それが意味するのは最大値という意味だけではない。そもそも、モンスターサモンにおいてコスト10のモンスターが一般では流通していない。そう、6龍と呼ばれるドラゴンたちしか存在しないのだ。
「全ての災厄を司り、敵対者に裁きを降す黒龍よ! 我が問いかけに応じて降臨せよ! 現れろ! “黒龍カラミティ・ドラッヘ”!!」
黒導龍吾
コスト10→6
黒龍カラミティ・ドラッヘ(戦闘モンスター)
コスト10 ドラゴン パワー33000 ダメージ3
久しぶりの登場故に少し張り切ったが相棒もそれに応えるように派手に登場した。心なしか俺にまで衝撃が来ているようにも感じる。
「これは、6龍の!?」
「まさかあいつは!?」
「う、嘘だろ……!?」
目の前の兵士たちは早くも戦意喪失してしまっている。まさか無理やり逮捕しようとした相手が6龍使いだとは夢にも思わなかっただろうしな。精々苦しまずに止めを刺してやろう。
「“黒龍カラミティ・ドラッヘ”の召喚時効果発動! このカードよりパワーが低いモンスター全てを破壊する!」
相棒が大きく咆哮すればそれは衝撃波となって周囲に襲い掛かり、モンスター達を一体残らず破壊して見せた。だが、相棒の効果はこれで終わりではない。
「そして破壊したモンスター5体につき相手ライフに1のダメージを与える。……フィールドのモンスターは合計22体。よってダメージは4だ」
瞬間、追撃のブレスが相棒より放たれる。当然それに対応できる人物などいるはずが……。
「カウンターマジック! “アイアン・ウォール”を発動する! これにより私が受けるダメージを0にする! 更に【アディション】の効果でデッキから2枚ドローする!」
……どうやら女性だけは何とか防げたようだが他はまともに喰らったようだな。
女
手札0枚→2枚
男①~⑥
ライフ6→2
「俺は手札より“龍奏乱舞”を発動する。このカードの効果により俺は手札より“スカル・ドラゴン”をセメタリーに置き、デッキから2枚ドローする」
黒導龍吾
コスト6→4
手札4枚→3枚→5枚
「更に“スカル・ドラゴン”の効果により、デッキに戻してシャッフル。その後、1枚ドローする」
黒導龍吾
手札5枚→6枚
ふむ、流石にこのターンで決めるのは無理だが今のうちに敵の数を減らしておくか。
「俺はバトルフェイズに入り、“黒龍カラミティ・ドラッヘ”でアタックする! 対象はお前だ!」
「くっ! くそがあああぁぁぁぁっ!!!」
男③
ライフ2→0
どうやら何も出来ないようだがまだだ。
「その前に、俺は“黒龍カラミティ・ドラッヘ”のアタック宣言時にクイックマジック“エリクサー”を発動する! このカードの効果により俺は手札2枚かコスト2を代償に“黒龍カラミティ・ドラッヘ”を
「なっ!? まさか……!」
「俺はコストを2支払い、“黒龍カラミティ・ドラッヘ”を回復させる! そして続けてアタックだ! そして再びコストを2支払おう」
「ぐはっ!」
黒導龍吾
コスト4→2→0
男①
ライフ2→0
「行け! “黒龍カラミティ・ドラッヘ”で3度目のアタックだ! そして俺は手札2枚をコストに再び回復させる」
「ぎゃあぁぁぁぁぁっ!!!」
黒導龍吾
手札5枚→3枚
男④
ライフ2→0
「4度目のアタックだ! 当然“エリクサー”の効果で回復だ」
「ぎゃん!!」
黒導龍吾
手札3枚→1枚
男⑤
ライフ2→0
「そして最後のアタックだ! “黒龍カラミティ・ドラッヘ”でアタックだ!」
「ひぃぃぃっ!!!!」
男②
ライフ2→0
これで雑魚は一掃された。残るは女のみとなった。とはいえこちらは相棒の連続アタックの為に手札もコストも消費しすぎた。残った手札も防御系ではない為次の攻撃を防ぐ手立てはない。流石に一撃でやられる事はないだろうが大ダメージは必至だろう。
……まぁ、その方が俺には好都合だがな。
女
ライフ6 コスト5 手札2枚
フィールド
なし
黒導龍吾
ライフ6 コスト0 手札1枚
フィールド
黒龍カラミティ・ドラッヘ
「私のターン! スタンバイフェイズ、ドローフェイズ、ヒールフェイズ、メインフェイズ!」
女
手札2枚→3枚
コスト5→7
「……私は“メカバーナー”を召喚する! このカードの召喚時効果で私はセメタリーから“メカソルジャー”2体をノーコスト召喚する!」
女
コスト7→5
メカバーナー(戦闘モンスター)
コスト3 機械 パワー8000 ダメージ1
“メカバーナー”か。“メカソルジャー”をノーコストで召喚できる厄介なカードだ。今はただの“メカソルジャー”しかいないが“メカソルジャーMk-Ⅱ”のような名称を“メカソルジャー”として扱うカードだったら大変な事になっていた。
「更に私は“メカコマンダー”と“メカファイター”を召喚する!」
女
コスト5→3
メカファイター(戦闘モンスター)
コスト3 機械 パワー8000 ダメージ1
メカコマンダー(戦闘モンスター)
コスト3 機械 パワー3000 ダメージ1
……どうやら相手は防御札を握っていなかったようだ。これはラッキーだな。
「バトルフェイズ! “メカコマンダー”の効果により、フィールドの“メカソルジャー”のパワーを+5000する!」
メカソルジャー(2体)
パワー1000→3000→8000
「行くぞ! 私は2体の“メカソルジャー”でアタックだ!」
「ライフで受けよう」
黒導龍吾
ライフ6→5→4
まさか“メカソルジャー”のアタックでダメージを受ける事になるとはな。思いもしなかったな。
「続けて“メカファイター”でアタックだ! アタック時、“メカソルジャー”の数だけパワーを3000アップする!」
メカファイター
パワー8000→14000
「それもライフだ」
黒導龍吾
ライフ4→3
「……ターンエンドだ」
ふむ、半分か。危なかったな。“メカバーナー”が出た時には焦ったが問題はなかったな。
「エンドフェイズ時、俺は手札より“エマージェンシーコール”を発動する。この効果により俺はこのターンで減ったライフ×2枚、デッキからドローする」
「っ!」
黒導龍吾
手札0枚→6枚
「そして俺のターン。スタンバイフェイズ、ドローフェイズ、ヒールフェイズ、メインフェイズ」
黒導龍吾
手札6枚→7枚
コスト0→3
「俺は“リュザードマン”を召喚する」
黒導龍吾
コスト3→0
リュザードマン(戦闘モンスター)
コスト3 ドラゴン パワー8000 ダメージ1
「バトルフェイズに入る。俺は“黒龍カラミティ・ドラッヘ”でアタックだ」
「っ! “メカバーナー”でブロックだ!」
まぁ、そうだろうな。“メカバーナー”は用済みだろうし、“メカコマンダー”でブロックするよりもいいだろう。
「俺はターンエンドだ」
女
ライフ6 コスト3 手札0枚
フィールド
メカソルジャー
メカソルジャー
メカコマンダー
メカファイター
黒導龍吾
ライフ3 コスト3 手札6枚
フィールド
黒龍カラミティ・ドラッヘ
リュザードマン
「私のターン! スタンバイフェイズ、ドローフェイズ、ヒールフェイズ、メインフェイズ!」
女
手札0枚→1枚
コスト3→5
「……私は“メカソルジャー”1体を生贄に“メガソルジャー”を召喚する!」
女
コスト5→3
メガソルジャー(
コスト2 機械 パワー5000 ダメージ1
「“メガソルジャー”の効果により、フィールドの“メカソルジャー”1体につきパワーを+2000する」
メガソルジャー
パワー5000→9000
「バトルフェイズ! 私は“メガソルジャー”でアタックする!」
「クイックマジック。“ドラゴンズ・ハウリング”を発動する。これにより“メガソルジャー”のパワーを半分にする」
メガソルジャー
パワー9000→4500
「俺はそのまま“リュザードマン”でブロックだ。そして“リュザードマン”のブロック時効果により、自分のコストを1つ回復する」
黒導龍吾
コスト0→1
「……ターンエンドだ」
……中々攻めきれないな。以外と女の方は出来るやつだったみたいだしあまり長期戦になるのは危険だな。
「俺のターン。スタンバイフェイズ、ドローフェイズ、ヒールフェイズ、メインフェイズ」
黒導龍吾
手札5枚→6枚
コスト1→4
「……俺は“黒龍の雛”を召喚する」
黒導龍吾
コスト4→2
黒龍の雛(戦闘モンスター)
コスト2 ドラゴン パワー0 ダメージ0
「“黒龍の雛”の効果でコストを2軽減し、“ドラゴニック・バード”を召喚する」
黒導龍吾
コスト2→0
ドラゴニック・バード(戦闘モンスター)
コスト4 ドラゴン パワー11000 ダメージ1
「バトルフェイズ。“ドラゴニック・バード”でアタックだ。“ドラゴニック・バード”のアタック時効果によりこのカードよりパワーが低い相手モンスター1体を破壊する。俺は“メカコマンダー”を破壊する」
「くっ!」
「まだだ。俺はクイックマジック“コピー・エフェクト”を発動する。手札1枚をコストに“ドラゴニック・バード”の効果をもう一度発動する」
「何っ!?」
「俺は“メカファイター”を破壊する」
黒導龍吾
手札3枚→2枚
これでフィールドに残されたのは単体ではあまり強化されない“メカソルジャー”1体だけだ。そしてこいつらはデッキの中核。ライフは6だしブロックせずに通す可能性が高いだろう。
「……私はライフで受ける」
女
ライフ6→5
ほらな。んで、次の相棒のアタックは防がれるだろう。流石にダメージ3は厳しいだろうからな。
「続けて“黒龍カラミティ・ドラッヘ”でアタックだ」
「っ! ……“メカソルジャー”でブロックだ!」
想定通りだが結局攻めきれない事には変わりはない。どうしたらいいものか……。
「俺はターンエンドだ」
女
ライフ5 コスト3 手札0枚
フィールド
なし
黒導龍吾
ライフ3 コスト0 手札2枚
フィールド
黒龍カラミティ・ドラッヘ
リュザードマン
黒龍の雛
ドラゴニック・バード
まぁ、この状況で負ける事はないな。
「……」
「……?」
ふと、女が何時まで経っても自分のターンに入らないことに気づいた。よくよく見れば頭も俯いたままだし。……まさかこれは……!
「……私は、サレンダーします」
女は力なくそういった。サレンダー、つまり降参であり、負けを認めたことになる。この世界では珍しい行動だ。何しろサモナーにとって最後までやらず、途中で負けを認める者は弱者という風潮がある。たとえ盤面がどれだけ不利で負けが決定していたとしても最後までやりきる。それこそが美徳とされているのだ。とはいえ元の世界においてもサレンダーはいい顔されてはいなかったがな。俺も元の世界も含めて初めて見たほどだ。
「……黒導少佐に対し、無礼を働き、申し訳ございませんでした」
「構わない」
さすがに俺の事は知っていたか。性格には俺がどの6龍を使うのか、だろうが。でなければこんな行動をしていないだろうからな。
「これはお前らの独断専行か?」
「……いえ、その……」
「きちんと答えよ」
言いよどむってことはマジで独断専行か? ポイント稼ぎのための理不尽か?
「……上司より、その、貴方様を捕まえろと命令をうけました」
「ほう?」
「上司が言うには路上で人々に危害を加える極悪人と事前に通達をされました。そして、今はミュンヘン地区から逃げようとしているため、実力行使をしてでも捕まえろと命じられました」
「……」
……どうやら何か不穏な動きがあるみたいだな。確実にその上司とやらは俺の事を知っていたはずだ。こうして俺に対して動けているからな。で、そうなると何が目的かって事だが……。
「……いいだろう。その上司の下に案内しろ」
「え?」
「その上司の真意をこの目で確かめる」
やれやれ、俺はただ旅行を楽しんでいるだけなのにな。なんでもこうも陰謀に巻き込まれてしまうのやら。
俺はそんなことを思いながら統一軍兵士の案内の元、彼女たちの上司の下に向かっていくのだった。
カード紹介は別作品として分けた方が良い?
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分けた方が良い
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今のままで良い
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登場した話のあとがき欄で十分