気づいたらカードゲームアニメの強キャラに憑依した   作:名無しのカードバトラー

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038/悪魔のリンクデッキ・後編

「俺のターン。スタンバイフェイズ、ドローフェイズ、ヒールフェイズ、メインフェイズ」

 

手札3枚→4枚

コスト3→6

 

 相手のライフは4になったから回復するコストが一つ増えて6になったが……。ここからどういう風に展開していくのか。

 

「俺は2枚目の“ヘルズ・ポータル”を使用する」

 

 っ!? 嘘だろ!? まだ持っていたのか!?

 

「デッキトップ5枚をオープンし、その中からコスト8以下になるように悪魔テーマモンスターをノーコストで召喚する。俺は“魔神ゾス”を召喚する」

「まぁ、想定内だな」

 

 まさかこのような方法で出てくるとは……。これは不味いな。

 

コスト6→0

魔神ゾス(戦闘モンスター)

コスト8 悪魔 パワー22000 ダメージ1

 

「“魔神ゾス”の召喚時効果を発動する。“呪いの人形-オネット”を破壊し、“ドラゴニュート・ガーディアン”を破壊する」

「……」

「更に“呪いの人形-オネット”の破壊時効果で相手の手札を1枚セメタリーに置く」

 

 またハンデスか。あ、やばい。防御札が一つ落ちた。

 

「そして俺は手札にある“呪いの人形-アテレサ”をコストを支払わずに召喚する」

 

呪いの人形-アテレサ(戦闘モンスター)

コスト3 ゴースト パワー6000 ダメージ0

 

 次に男が召喚したのは“オネット”とは違った西洋人形だ。銀髪の美しい人形だが目ががん開きでめちゃくちゃ不気味になっている。

 

「そして俺は“人形使い-マリ”と“呪いの人形-アテレサ”、“魔神ゾス”と“魔神バス”でリンクする」

 

人形使い-マリアテレサ(戦闘モンスター)

コスト4/3 悪魔/ゴースト パワー13000 ダメージ1

 

魔神ゾス=バス(戦闘モンスター)

コスト8 悪魔 パワー33000 ダメージ2

 

 パワー33000!? 相棒と同じとか初めて見たぞ。それどころか6龍以外だとまずお目にかかれない数値だ。流石は魔神の名を持つモンスターだけの事はあるか?

 

「バトルフェイズに入る。俺は“ゾス=バス”でアタックする」

「仕方ない。俺は“ドラゴニュート・エンターテイナー”でブロックする」

 

 “ドラゴニュート・ガーディアン”の効果でドラゴニュートと名の付くモンスターはパワーが+2000されている。だが、それでも現状で33000という特大のモンスターに勝てるやつはいない。仕方ないがここは犠牲になってもらおう。

 龍の芸人は果敢に魔神へと闘いを挑むが魔神より放たれる衝撃波を諸に受けてあっけなく破壊されてしまった。

 

「クイックマジック“ソニック・ブーム”を発動する。自分のモンスターがバトルで相手モンスターを破壊した時に発動できる」

「っ!? そのカードは!?」

「破壊したモンスターよりパワーが低い相手モンスターを2体まで破壊する。俺は“黒龍の雛”ともう1体の“ドラゴニュート・エンターテイナー”を破壊する」

 

 魔神が再び衝撃波を放ち、“黒龍の雛”と“エンターテイナー”は避ける事も出来ずに破壊された。しかし、これは完全にやられた。これで俺のフィールドにはブロックできるモンスターが存在しない事になる。防御札も1枚失っているし、これは防ぎきれるか?

 

「続けて“人形使い-マリアテレサ”でアタックだ」

 

 っ! どうか対応してくれるなよ!

 

「俺は手札よりカウンターマジック“ドラゴニック・シールド”を発動する! 手札からドラゴンテーマモンスター1体をセメタリーに置く事で相手のアタックを無効にしてバトルフェイズを終了させる」

「……」

 

 俺が今セメタリーに置いたドラゴンがオーラとなって“マリアテレサ”の前に立ちはだかった。その巨大で強大なオーラを前に“マリアテレサ”はアタックできなくなり、男の下に戻っていった。

 

「ターンエンドだ」

「ほっ」

 

 危なかった。“ゾス=バス”にやハンデスが来た時にはビビったが何とか耐え凌ぐ事が出来た。これで俺の勝利は確定だ。

 

「俺のターン。スタンバイフェイズ、ドローフェイズ、ヒールフェイズ、メインフェイズ」

 

黒導龍吾

コスト2→6

手札2枚→3枚

 

 ……くっ! “龍の頭”ではなかったか。だが、まだチャンスはある!

 

「俺は手札より“龍魂循環”を発動する! これにより、セメタリーの“龍奏乱舞”、“ドラゴニュート・エンターテイナー”2体をデッキに戻してシャッフル。その後、1枚ドローする」

 

 コスト的にこれが最後のドローとなる。頼む、来てくれ……!

 

「……っ! ドロー!」

 

 ……。

 

……。

 

……。

 

……デッキは、

 

 

 

 

 答えてくれた!

 

黒導龍吾

手札2枚→3枚

 

「俺は手札より“龍の頭”を召喚する! そして召喚時効果発動! このカードを破壊し、セメタリーより“黒龍カラミティ・ドラッヘ”を召喚する!」

 

 待たせたな相棒。しっかりと暴れてくれ。

 

黒導龍吾

コスト3→2

龍の頭(戦闘モンスター)

コスト1 ドラゴン パワー1000 ダメージ1

 

黒龍カラミティ・ドラッヘ(戦闘モンスター)

コスト10 ドラゴン パワー33000 ダメージ3

 

「“黒龍カラミティ・ドラッヘ”の召喚時効果発動! このカードよりパワーが低いモンスター全てを破壊する!」

「くっ! だがリンク中のモンスターは破壊時にどちらか一方を選び破壊する効果がある。俺は“魔神バス”と“人形使い-マリ”をフィールドに残す」

 

 リンクモンスターはそこが厄介だが片方をはぎ取れただけでも十分だ。それに、ギリギリだが相棒の効果の続きが発動できる。

 

「そして破壊したモンスター5体ごとに相手ライフに1ダメージを与える。破壊したモンスターはちょうど5体。よって1ダメージを受けてもらおう」

「……」

 

 ……ん?

 

ライフ4→3

 

 今一瞬だが笑みを浮かべなかったか? まだ何か奥の手を隠しているのか? ……。

 

「俺は残ったコストで“兵隊竜(ソルジャー・ドラゴン)”を召喚する」

 

兵隊竜(ソルジャー・ドラゴン)(戦闘モンスター)

コスト2 ドラゴン パワー5000 ダメージ1

 

 念のためだ。一応防御用のモンスターは用意しておこう。

 

「バトルフェイズに入る。俺は“黒龍カラミティ・ドラッヘ”でアタックする!」

 

 相手モンスターは全て疲労状態。ここまで来て何かを出来るとは思えないが……。

 

「ぐ、ああぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 相棒の黒いブレスを男は真っ向から受ける。その様子は何かカードを発動している様子もなく、完全にダメージを受けているようにしか見えなかった。

 

ライフ3→0

 

 そして相手ライフが0になったことで男は膝から崩れ落ちた。……先ほどの笑みは一体何だったんだ? ただの強がりか?

 

「まぁいい。おい、こいつを……」

「ぐぁっ!!!」

 

 ふと、隣を見ればまさに一人の兵士が敗北する所だった。だが、それは別にいい。こちらでリカバリーをすればいいだけの話だからだ。だが、兵士に止めを刺したモンスターが問題だった。なにしろそいつは、()()()()()()()()()悪魔だったのだから。

 

「っ!!??」

「ひひゃひゃひゃっ!!! 騙されてやんの!」

 

 そして倒れた兵士を踏みつけ、病院の敷地内に躍り出たのは狂ったように笑う男だった。だが、そいつは見たことがある。エレナを襲ったレジスタンスの人間だ。まさか、俺が戦ったやつは囮か!? 俺を引き付けてその隙に突破を……!

 

「くっ! 逃がすか!」

「少佐! 暴徒が……!」

 

 見れば再び暴徒の群れが押し寄せてきていた。……残念だが、ここで追いかける暇はなさそうだ。少なくとも次に来た集団を倒さないことには……!

 

「さっさとケリをつける! 破れた防衛線を再構築! 予備兵と入れ替えて次に備えろ!」

「「「了解!」」」

「……くそが」

 

 現状、入っていったあいつを止める手段は俺たちにはない。最低でも目前に迫った集団を相手にするまでは無理だろう。

 

「(エレナ……。無事に逃げ切ってくれ)」

 

 俺はサモンディスクを構えながら心の中でそう呟くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「急げ! 既に暴徒が病院の目の前まで迫ってきている! 時間はないぞ!」

 

 ヘリの到着が想像以上に遅れつつもエレナ達は何とか屋上から脱出を図っていた。車椅子に乗ったエレナにそれを支えるセシルとカルメン。周囲には護衛の兵士がおり、いざという時に備えて周囲を警戒している。

 下の方からは暴徒の叫び声や戦闘音が響いている。その激しさは見えないはずの彼女たちにすら苛烈と思わせる程の大音量だった。

 

「エレナちゃん。安心して。たとえここにきても私たちが守るから!」

「ありがとう。でも、貴方も狙われているかもしれないんだから」

 

 セシルの闘志あふれる言葉にエレナは苦笑しながらそう答える。明らかに相手はエレナを狙ってきているがだからと言って同じグループメンバーであるセシルやカルメンが狙われないというわけではないのだ。

 

「皆さん! 急いで……!」

「はい……!?」

 

 そして、ヘリの準備が出来、エレナが乗ろうとした時だった。突如としてヘリの船体を6本の黒い触手が掴み、離陸できないように拘束してしまったのである。

 

「な!? なんだこれは……!?」

「大変です! 触手のせいで離陸が出来ません」

「ば、馬鹿な!?」

 

 この触手は明らかにモンスターサモン関係のものであると一目でわかるがバトルも始まっていないのに現実世界に干渉するなど聞いた事がなかった。あまりにも非現実的な状況に混乱が起こっていると、一人の男が階段を上ってきた。そして、現れた人物を見てエレナ、セシル、カルメンは気づいた。

 

「こいつ! 会場を襲ったレジスタンス!」

「ひ、ヒヒ。離陸しようとしても、む、無駄だぜぇ」

 

 警戒するエレナ達を無視して男はどもりながら説明を始める。

 

「そ、それは俺の、さ、サモンディスクのライフと、お、同じにしてある。こ、拘束を解くには、お、俺をバトルで、た、倒さないと無理だ」

「良いわ! 私がやってあげるわ!」

「セシル!」

 

 男の言葉を聞き真っ先に名乗り出たのはセシルだった。彼女はサモンディスクを装着すると男と対峙するがそれをエレナや護衛の兵士が止めに入る。護衛対象が真っ先に危険な目に合う必要はないのだから。

 

「セシル殿、ここは我々にお任せを!」

「却下よ。“メカソルジャー”デッキで相手にできるほど相手は弱くはないわ。少なくとも6龍クラスの実力がないと」

 

 実際、エレナとのバトルでは彼女と互角の勝負をして見せたのだ。ただの兵士に相手が務まるとは到底思えなかった。

 

「それに、あなたたちは、私よりもエレナを……!?」

 

 瞬間、セシルは何かに気づいて咄嗟にしゃがみこんだ。そんな彼女の頭上、しゃがまなければ腹部があった位置を一本の触手が薙ぎ払うように通過した。それはセシルに当たる事はなかったが彼女の近くにいた護衛の兵士にぶつかるとそのまま屋上の外に放り投げられた。遥か上空より投げ飛ばされた二人の兵士が、あの状況から助かる事はまずないだろう。

 

「っ! あんた……!」

「お、俺は別に、ふ、ファンでもなんでもない、か、からな。し、死のうがどうでもいい」

 

 ヘラヘラと笑う男にセシルは怒りの表情を見せると改めてディスクを構える。

 

「上等よ! あんたなんか私が瞬殺してやるわ!」

「ひ、ヒヒ。か、勝てるかな? む、無理だろうなぁ」

「やってみないと分からないでしょ! 行くわよ!」

「「ゲーム! スタート!」」

 

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