気づいたらカードゲームアニメの強キャラに憑依した 作:名無しのカードバトラー
「先行は俺だな。スタンバイフェイズ、メインフェイズ」
防衛線を突破し、病院に入った男を追いかけて来たがやはり狙いはエレナだったな。だが、俺が追いかけて来たのはそれだけではない。こいつが最後に見せたカードにある。あれは、形は違っていたがミュンヘン地区で戦ったフィッシャー中佐が所持していた魔槍と同じオーラをしていた。聞いた話ではこいつはこんな感じで話す奴ではなかった。そもそもただのレジスタンスだしな。どうやら魔槍を手に入れた影響で人格が歪んでしまったようだな。
「俺は手札より“龍奏乱舞”を発動する。手札から“レッサー・ワイバーン”をセメタリーに送り、デッキから2枚ドローする」
黒導龍吾
コスト10→7
4枚→3枚→5枚
「更に俺は今ドローした“ジェット・ドラゴン”の効果により、ノーコストで召喚する」
ジェット・ドラゴン(戦闘モンスター)
コスト3 機械 パワー5000 ダメージ1
最初に召喚したのはジェットエンジンを積んだ機械の龍だ。ドローフェイズ以外でドローするだけでコストを踏み倒せるお得なモンスターだ。その分性能は低いがな。
「更に“メタル・リザード”を召喚する」
黒導龍吾
コスト7→5
メタル・リザード(戦闘モンスター)
コスト2 ドラゴン/機械 パワー5000 ダメージ1
次に召喚したのは肉体が機械で出来たトカゲだ。一応機械以外にもドラゴンを持ってるため見えない部分の何処かは生身なのだろう。こいつは同じテーマを持つモンスターがいれば相手のマジックの効果を受けなくなる強力な効果を持っている。除去にはかなり強いモンスターだ。
「俺はこれでターンエンドだ。そしてエンドフェイズ時、セメタリーの“レッサー
ワイバーン”の効果を発動する。“レッサー・ワイバーン”をコストを支払ずに疲労状態で召喚する」
レッサー・ワイバーン(戦闘モンスター)
コスト2 ドラゴン パワー6000 ダメージ1
見事に低コストモンスターが並んだがまぁ問題ないだろう。それよりも問題は相手の動きだ。俺は相手のデッキを全く知らない。唯一相手がフィッシャー中佐と同じ魔槍を持っている可能性が高いという事だけだ。だが、そうなると悪魔テーマモンスターのデッキの可能性が高いがだからと言ってデッキを絞り込むのは不可能だ。
悪魔テーマモンスターはドラゴンテーマモンスター並みに優遇されている。悪魔テーマモンスターにはデッキ破壊とハンデス、ウェポン特化のいずれかを選んでデッキを構築できる。たとえ同じ悪魔テーマモンスターでもデッキの特性次第で全く違うものになる。それが恐ろしい所だ。
「俺のターン! スタンバイフェイズ! ドローフェイズ! メインフェイズ!」
男
手札5枚→6枚
さてはて。相手はどんな手でくるのやら……。
「俺は“ヘルズポータル”を発動する! これによりデッキトップ5枚をめくり、そこからコスト8以下になるようにモンスターを召喚できる!」
男がそういうと頭上に捲ったカードが表示される。どれどれ……。
ダーク・プリッツァー
魔槍-エビル・ビィデント
小悪魔キッビ
イビル・ドロー
魔界侯爵-ルエンダス
なんというか定められた運命でもあるかのようなカードだ。そして恐らくだが“エビル・ビィデント”、これが魔槍だろう。となるとこれもかなり強い効果を持っているはずだ。
「俺は“小悪魔キッビ”と“魔界侯爵-ルエンダス”を召喚する!」
男
コスト10→4
小悪魔キッビ(戦闘モンスター)
コスト2 悪魔 パワー1000 ダメージ0
魔界侯爵-ルエンダス(戦闘モンスター)
コスト5 悪魔 パワー10000 ダメージ1
“ルエンダス”!? かなり厄介なモンスターだ。コスト5なのに悪魔テーマモンスターのコスト軽減能力を持っているうえにこちらのモンスター召喚時に召喚したモンスターのコスト分デッキをセメタリーに持っている。それだけでも強いのに破壊するとコストを5まで回復されてしまうという厄介な効果を持っている。コスト5にはつけてはいけない能力だ。
しかし、“ルエンダス”を出すという事は相手のデッキはデッキ破壊系か? いや、単純にその能力の多彩さから使用されているだけかもしれん。決めつけるのは危険だな。
だが、その前にやる事がある。
「その瞬間、俺は手札からカウンターマジック“トラップ・ホール”を発動する。これは相手モンスター召喚時に発動するカウンターマジックだ。そして、俺はその発動によってコストを2支払い、召喚したモンスターを破壊する」
「なっ!?」
こういう厄介なモンスターはその能力を発動する前に除去するのに限る。今回はたまたま初めて入れたカードの出番が来たわけだがこういった一度に大量展開する場合にはまとめて破壊できるのが良い所だな。そして今なら“ルエンダス”破壊によって回復するコストは最小限で済む。
黒導龍吾
コスト5→3
男
コスト4→5
「……まさか出して直ぐに破壊されるとはな。計画が大きく崩れちまった……」
「さすがにそのまま通す程甘くはない」
相手が切り札を出す前に敵の土台を崩し、妨害する。モンスターサモンだけではなく、様々なカードゲームで定石と言える手段だろう。
「ならば俺はこれを発動する! フィールドマジック! “地獄城-ベルレッド”!」
男がそのカードを発動した途端、フィールドは一瞬で変り、男の後方に不気味な城が出現した。発動後はフィールドに残り、破壊されるまでその効果を発動し続けるマジックカード。それにあれはアタックしてきたモンスターがブロックされなかったとき、アタック終了後に破壊する効果を持っている。制限は一切なく、その気になれば俺の相棒すら破壊出来る凶悪なカードだ。
男
コスト5→1
「俺はこれでターンエンドだ」
黒導龍吾
ライフ6 コスト3 手札2枚
フィールド
ジェット・ドラゴン
メタル・リザード
レッサー・ワイバーン
男
ライフ6 コスト1 手札4枚
フィールド
なし
フィールドマジック
地獄城-ベルレッド
盤面だけを見ればこちらが優勢だな。ここにあの二体のモンスターが揃っていればこうはいかなかったかもしれないがこれなら有利に戦う事が出来そうだ。懸念点は相手の手札にカウンターマジックがあるか否か、だな。
「俺のターン。スタンバイフェイズ、ドローフェイズ、ヒールフェイズ、メインフェイズ」
黒導龍吾
手札2枚→3枚
コスト3→5
さて、ここからどう動くか……。理想としては相手の動きを封じた今のうちに叩き込む事だが生憎手札に上級モンスターはいない。これでは相手を倒すことは出来ないだろう。ならばここは攻守のバランスを保っていくしかないか。
「俺はフィールドの“ジェット・ドラゴン”をセメタリーに送る事で手札の“メタル・ワイバーン”をノーコストで召喚する」
黒導龍吾
コスト5→5
メタル・ワイバーン(戦闘モンスター)
コスト4 機械 パワー10000 ダメージ1
俺が召喚したのは機械で出来た飛竜だ。コスト4でありながら優秀なアタッカーで、序盤から終盤まで活躍できるモンスターだ。
現状だとその火力を発揮できないし、これがこちらの最大火力だが、がら空きの相手にはこれで十分だ。
「バトルフェイズに入る。俺は“レッサー・ワイバーン”でアタックする」
「ライフで受けよう」
男
ライフ6→5
「“地獄城-ベルレッド”の効果発動! “レッサー・ワイバーン”を破壊する」
「問題ない。更に“メタル・リザード”でアタックだ」
「それもライフで受けよう」
男
ライフ5→4
「では“地獄城-ベルレッド”の効果で“メタル・リザード”には退場してもらおうか」
「無駄だ。“メタル・リザード”は自分フィールドに同じテーマを持つモンスターが、この場合は機械かドラゴンテーマモンスターがいればマジックの効果を受けない。よって、“地獄城-ベルレッド”の効果では破壊されない」
「っ! ただの雑魚カードかと思っていたがそんな効果を持っていたとは……!」
「無策で攻撃に出るわけがないだろう」
“メタル・リザード”は代わりと言ってはなんだがこちらのマジックの効果も受けないから一長一短とは言ったところだ。確実に一長の方がでかいと思うがな。
「俺はターンエンドだがエンドフェイズ時に“レッサー・ワイバーン”の効果を発動する。“レッサー・ワイバーン”を疲労状態で召喚する」
“レッサー・ワイバーン”はパワーは低いし、能力もこれ以外にないが何度でも呼び出せるのが強みだ。実質、手札に持ってこれればずっとフィールドに居られるカードと言える。
「俺のターン! スタンバイフェイズ! ドローフェイズ! ヒールフェイズ! メインフェイズ!」
男
手札4枚→5枚
コスト1→4
「俺は フィールドマジック“闇の墓場”を発動しよう。発動時効果で俺は1枚ドローする」
男
コスト4→0
手札4枚→5枚
“闇の墓場”か。かなり厄介なカードだな。あれはこちらのコスト4以下のモンスターのアタックを封じる効果を持っている。現状だと俺のフィールドのモンスター全てのアタックが封じられたことになる。そのうえでアタックできてもアタック後に破壊してくる“ベルレッド”もある。厄介な盤面になってきたな。
「俺はコストもないしこれでターンエンドだ」
黒導龍吾
ライフ6 コスト5 手札2枚
フィールド
メタル・リザード
レッサー・ワイバーン
メタル・ワイバーン
男
ライフ4 コスト0 手札5枚
フィールド
なし
フィールドマジック
地獄城-ベルレッド
闇の墓場
「……俺のターン。スタンバイフェイズ、ドローフェイズ、ヒールフェイズ、メインフェイズ」
どうするべきか……。相手はモンスターはいないがその分守りは盤石。それでいて手札が多いからどんな防御札を持っているのかさえ分からない。対するこちらはコストは潤沢だが手札は心もとないし、フィールドのモンスターは相手のフィールドマジックの影響でアタックが出来ない。
黒導龍吾
コスト5→7
手札2枚→3枚
ふむ、引いたカードはこの状況をどうにか出来るものではないな。というか召喚できるモンスターもいねぇ……。
「俺はフィールドマジック“機械都市-
黒導龍吾
コスト7→4
俺が発動したのは近未来的な都市をしたフィールドマジックだ。機械テーマを補助するAからZまで存在する都市の一つだ。
「俺はこれでターンエンドだ」
「行くぞ。俺のターン! スタンバイフェイズ! ドローフェイズ! ヒールフェイズ! メインフェイズ!」
男
コスト0→3
手札5枚→6枚
さて、そろそろモンスターを召喚してもいい頃合いだがどう動くのか……。
「……俺は二体目の“小悪魔キッビ”を召喚してターンエンドだ」
男
コスト3→1
小悪魔キッビ(戦闘モンスター)
コスト2 悪魔 パワー1000 ダメージ0
黒導龍吾
ライフ6 コスト4 手札2枚
フィールド
メタル・リザード
レッサー・ワイバーン
メタル・ワイバーン
フィールドマジック
機械都市-
男
ライフ4 コスト1 手札5枚
フィールド
小悪魔キッビ
フィールドマジック
地獄城-ベルレッド
闇の墓場
このターンは静かに終わったな。やはり闇の墓場が面倒だ。あれのせいでこちらの動きは大分封じられている。あれを何とかしないと長期戦を覚悟しないといけない。
「俺のターン。スタンバイフェイズ、ドローフェイズ、ヒールフェイズ、メインフェイズ」
黒導龍吾
コスト4→6
手札2枚→3枚
っ! ようやく来たか! これなら何とか行けるかもしれないな。
「俺はコストを2軽減し、“レッサー・ワイバーン”を進化! 機械とドラゴン融合せしその力、見せつけろ! “機龍-プラズマ・ドラゴン”召喚!」
瞬間、フィールドに電気が走る。それは次第に増えていき、一つに塊まり、モンスターを形成する。そして電気がはじけ飛ぶとともに機械で覆われた龍が姿を現した。
黒導龍吾
コスト6→0
機龍-プラズマ・ドラゴン(進化モンスター)
コスト8 機械/ドラゴン パワー28000 ダメージ2
「厄介なモンスターだ。ならばそのモンスターには消えてもらおうか。俺は手札よりカウンターマジック“デーモン・ホール”を発動する! これにより、召喚されたモンスターを破壊する!」
やはり除去カードを握っていたか。だが、その程度ならこちらも想定内だ。悪いがここでこいつを破壊されると俺も厳しいものがある。全力で防がせてもらおう。
「カウンターマジック“咆哮”を発動する。この効果により“デーモン・ホール”の発動を無効にし、破壊する」
「っ! くそ! 除去に失敗したか……!」
「終わりか? ならば遠慮なくいかせてもらおう。“プラズマ・ドラゴン”の召喚時効果発動! お前の“小悪魔キッビ”を破壊する」
俺がそういえば“プラズマ・ドラゴン”より放たれたプラズマブレスが“小悪魔キッビ”を貫いた。あまりにも一瞬の出来事に何ら対処する事は出来ずに“小悪魔キッビ”は破壊された。
「更に俺は手札を1枚セメタリーに送る事でフィールドのカード1枚を破壊する。俺は“闇の墓場”を破壊する」
「ちっ!」
黒導龍吾
手札1枚→0枚
「バトルだ。俺は“プラズマ・ドラゴン”でアタックする」
「っ!? “ベルレッド”の破壊に怖気る事無く来るか!」
「ああ。“闇の墓場”さえなければこちらはフルアタックで止めを刺せるからな」
たとえ失敗してもまだライフは多く存在する。多少のダメージはあれど恐れる事はない。
「成程。確かにそれを喰らえば俺は終わりだ。だがな! その程度で負けるわけがなかろう! 俺はカウンターマジック“無の領域”を発動する!」
「っ!」
「このカードの効果によって俺のライフはエンドフェイズまで減る事はない。代わりにコストとして手札を1枚セメタリーに送るがな」
男
手札3枚→2枚
ライフ4→4
つまり、俺の“プラズマ・ドラゴン”の攻撃は無意味に終わるというわけか。やらかしたな。貴重な戦力を失ってしまった。
「そして“ベルレッド”の効果発動! アタックした“プラズマ・ドラゴン”を破壊する!」
「くっ!」
くそ。予想以上に敵の守りが硬い。これは生半可な攻撃は通じないと考えた方がよさそうだな。
「俺は、ターンエンドだ」
俺は破壊され、プラズマが発生するフィールド越しに相手を見ながら自らのターン終了宣言をするのだった。
補足
プラズマ・ドラゴン破壊時に機械都市-
エンドフェイズ時にレッサー・ワイバーンを疲労状態で召喚。
カード紹介は別作品として分けた方が良い?
-
分けた方が良い
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今のままで良い
-
登場した話のあとがき欄で十分