気づいたらカードゲームアニメの強キャラに憑依した   作:名無しのカードバトラー

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久しぶり


042/ドラゴンVSデーモン 後編

 病院に侵入した敵を屋上にて見つけた俺はエレナへの接触を阻止しようとモンスターサモンを仕掛けたが予想外の敵の防御の高さに苦戦を強いられていた。せっかく召喚した大型モンスターも二重のカウンターマジックであっけなく破壊されてしまった。

 

「俺のターン! スタンバイフェイズ! ドローフェイズ! ヒールフェイズ! メインフェイズ!」

 

コスト1→4

手札2枚→3枚

 

「っ! く、ハハハハハ!!! ようやく来たか!」

 

 !? 何かいいカードを引いたのか?

 

「俺はライフ1つをコストに“魔槍召喚”を発動する! これにより、デッキトップ5枚をセメタリーに送り、セメタリーからウェポンモンスター1体をコストを支払わずに召喚する! 俺は、“魔槍-エビル・ビィデント”を召喚する!」

 

 やはりそのカードを使ってきたか。つまり、フィッシャー中佐の時と同じという事か。マジで一体何なんだろうな。

 

コスト4→0

ライフ4→3

魔槍-エビル・ビィデント(ウェポンモンスター)

コスト6 悪魔 パワー+8000 ダメージ0

 

「まさしくこれぞ魔槍に相応しいカードだ! この力は、本当に素晴らしい……!」

 

 何やら恍惚とした様子で魔槍を見ている。“タイラント・グングニル”の時もそうだがあれもかなり厄介な効果を持っているはずだ。警戒するに越したことはない。それに、ウェポンモンスターはモンスターに装備される事で真価を発揮するカードだ。ウェポンモンスターだけしかいない現状では問題はない。

 

「“エビル・ビィデント”の効果により、マジック・モンスターの効果で召喚された場合、デッキから2枚ドローする」

 

手札2枚→4枚

 

「とはいえこちらのコストはこれでなくなったからな。俺はターンエンドだ」

 

 

黒導龍吾

ライフ6 コスト0 手札1枚

フィールド

メタル・リザード

メタル・ワイバーン

レッサー・ワイバーン

フィールドマジック

機械都市-BRAS(ブラス)

 

ライフ3 コスト0 手札4枚

フィールド

魔槍-エビル・ビィデント

フィールドマジック

地獄城-ベルレッド

 

 

 何とかしのぎ切ったがそろそろ叩かないとこちらが危険になりそうだな。残念ながらウェポンモンスターの効果は読み取れないようになっている。こういう時、齟齬が発生しないようにサモンディスクにはお互いのフィールドのモンスター、フィールドマジックの効果はしっかりと記載される。セメタリーも見る事は出来るが時間がかかるからな。

 だが、この“エビル・ビィデント”というカードは黒い瘴気がかかっていて読み取る事が出来ない。ただ、先ほどのドロー効果は既に使用した為か見れたがまだ何かしら効果があるようだし注意が必要だな。

 

「俺のターン。スタンバイフェイズ、ドローフェイズ、ヒールフェイズ、メインフェイズ」

 

黒導龍吾

手札1枚→2枚

コスト0→2

 

 さて、ここからどう動くか……。“プラズマ・ドラゴン”の破壊はこちらとしてもかなりの痛手だ。おかげでこちらのコストは0になり、大型モンスターどころか中型モンスターの召喚さえ難しくなった。そして手札が悪すぎる。“闇の墓場”を破壊できてもまだ攻めるべきではないな。本当なら速攻で決めたいがこのコストと手札では難しい、か。

 

「……俺は何もせずにターンエンドだ」

「ほう? 俺にターンを渡してまで次に賭けるか。ならば遠慮なく行かせてもらおう! 俺のターン! スタンバイフェイズ! ドローフェイズ! ヒールフェイズ! メインフェイズ!!」

 

コスト0→3

手札4枚→5枚

 

「俺は手札より通常マジック、“闇の取引”を発動する!」

「っ!」

 

 あれは……! 厄介な……。

 

「その様子だと効果は知っているようだな? ならば選ぶが良い! ()()()()()()()()()()()()()()()!」

「……」

 

 そう、あのカードは相手のコストを回復させると同時に回復させた数値より2つ多い数だけ自分のコストを回復させる効果。9以上選ぶと10までしか回復できないが相手のターンで発動するために相手の方がどうしても有利になってしまう。

 だが、コストを回復できるというのは魅力的だ。そもそもこれは最低でも1はこちらが回復するから相手は手札を1枚消費し、相手のコストを1回復させることとなる。多少のディスアドバンテージはあれど大きな損失になりえない。

 

「……ならば、俺は4回復する」

「ほう? これで俺はコストを6回復だぁ!」

 

コスト3→0→6

 

黒導龍吾

コスト2→6

 

 お互いのコストは並んだ。さて、相手はどのような手を打ってくるか……。

 

「いくぜぇ? 俺は“エビル・ビィデント”を破壊する!」

「っ!?」

 

 ウェポンモンスターを、破壊? 何かのモンスターの効果か? モンスターにしろマジックにしろ自分フィールドのカードを破壊するには効果で破壊するしかない。そしてこの状況だと召喚コストの軽減か?

 

「そしてウェポンモンスターを破壊したことでこのカードをコスト4で召喚する! 出でよ! 最強最悪の神! 魔神ムーバルディ!」

 

 瞬間、大気が震え、上空より巨大な悪魔が姿を現した。

 

コスト6→2

魔神ムーバルディ(戦闘モンスター)

コスト8 悪魔 パワー25000 ダメージ1

 

 ムーバルディ……! 確かウェポンモンスターとの相性が良いモンスターだったか? さすがに効果までは覚えてないが厄介な事に変わりはないだろう。

 

「“ムーバルディ”の召喚時効果発動! 俺は手札1枚をコストに貴様のモンスターを破壊する! 俺は“メタル・ワイバーン”を破壊するぜぇ?」

「ちっ」

 

 攻撃の要がやられたか……。ますます厄介な事になったな。

 

「行くぞ! 俺は“ムーバルディ”でアタックだ! そしてアタック時効果により俺はセメタリーより“エビル・ビィデント”をノーコスト召喚する! そして召喚時効果で俺は2枚ドローする」

 

手札2枚→4枚

 

「更に自分フィールドのウェポンモンスターの数だけダメージ数をアップする。おっと、言い忘れていたがコスト4以下のモンスターにこいつはブロックされないぜ」

「……成程な」

 

魔神ムーバルディ

ダメージ1→2

 

 低レベルモンスターからの捨て身の防御を封殺しつつダメージを上昇して殴る。厄介だな。現状の俺に出来る事はないな。

 

「俺はライフで受けよう……。っ!!!!!???」

 

黒導龍吾

ライフ6→4

 

 ぐっ! 魔神というだけあってめちゃくちゃ痛い。絶対皇帝とのバトルでもここまでダメージはなかったぞ。やはり何かしらの陰謀があるのか……。

 

「ヒハハハハッ!!! どうだ! 俺の最強モンスターの一撃は!? 痛いだろう? 苦しいだろう? 安心しろよ。じっくりと痛みを味合わせてやるからよ!」

「……たかが2ダメージを与えた程度でのんきなもんだな」

「まだそんな口が聞けるのか。良いぜ。ならばやってみろよ! 俺はこれでターンエンドだ!」

 

 

黒導龍吾

ライフ4 コスト6 手札2枚

フィールド

メタル・リザード

レッサー・ワイバーン

フィールドマジック

機械都市-BRAS(ブラス)

 

ライフ3 コスト2 手札4枚

フィールド

魔神ムーバルディ

エビル・ビィデント

フィールドマジック

地獄城-ベルレッド

 

 状況はあまりよくはない。手札にはモンスターがおらず状況を逆転する事は出来ない。そして相手フィールドには厄介な“ベルレッド”がある。ブロックしなかったモンスターを問答無用で破壊する強力なカードだ。それがあるから相手はノーガード戦法が出来るのだろう。

 

「……」

 

 俺はデッキにそっと指を置く。そこから感じるのは慣れ親しんだ相棒の気配。どうやら相棒はこの状況において自分を出せと言っているようだ。確かにこの状況ならば相棒の力で行ける、か。

 

「俺のターン。スタンバイフェイズ、ドローフェイズ、ヒールフェイズ、メインフェイズ」

 

黒導龍吾

手札2枚→3枚

コスト6→9

 

 相棒を出すにはコストが1足りないが問題はない。既に手札にはその解決策が揃っている。

 

「俺は手札よりマジックカード“ライフ・ドロー”を発動する。このカードの効果により俺はライフを1になるように減らし、減らした分デッキからドローする」

 

黒導龍吾

コスト9→7

ライフ4→1

手札2枚→5枚

 

「フハハハハハ!!! 馬鹿か? 態々ライフを減らすなんてな! これで次のターンでお前の敗北は決定したな! 楽しみだぜ。最強のサモナーと言われているお前を倒すことが出来る事をよぉ!!!」

「……愚かだな」

 

 確かに強いカードを持っていて厄介ではあったが所詮強いカードを使用する一般人か。

 

「お前のターンは二度と訪れない」

「は? そりゃどういう……」

「俺は更に手札から“黒龍の呼び声”を発動する! この効果は俺のライフの数により変動する。俺の今のライフは1。よって、手札若しくはデッキより最強の龍である“黒龍カラミティ・ドラッヘ”をノーコスト召喚する!」

「な、なぁっ!?」

 

 瞬間、男が放つ黒いオーラを吹き飛ばすように相棒である“カラミティ・ドラッヘ”が降臨する。男が纏う程度の瘴気で相棒に太刀打ちできるわけがなかった。

 

「“カラミティ・ドラッヘ”の召喚時効果発動! このカードより元々のパワーが低いモンスター全てを破壊する!」

 

 俺のその言葉に応えるように“カラミティ・ドラッヘ”が咆哮すれば俺のフィールドにいたモンスターも相手の場の“ムーバルディ”と“エビル・ビィデント”も問答無用で破壊された。サモナーの中にはウェポンモンスターは破壊されないと思っている者もいるが相棒の効果はモンスター、つまり戦闘・進化・ウェポン全てのモンスターに適用される。モンスターである限り相棒から逃れる事は出来ない。

 

「馬鹿な……! 俺のモンスターが……!」

「これで分かっただろう。最早お前に残された道はない。行くぞ。俺は“黒龍カラミティ・ドラッヘ”でアタックだ!」

 

 相棒のダメージは3。相手のライフも3。防御できなければこれで決着がつく。

 

「まだだ! 俺は手札より“ディメンション・ゲート”を発動する! この効果により俺は“魔神ムーバルディ”をエンドフェイズまで蘇生させる!」

 

 成程。防御できるモンスターを呼び出したか。だが無駄だ。

 

「俺はカウンターマジック“咆哮”を発動する。これにより貴様の“ディメンション・ゲート”の発動を無効にし、破壊する」

「……!!!!!」

 

 最早声すら出ない程、絶句しているのが分かる。相手の手札はまだ3枚あるがあの様子ではほかに防御カードはないようだな。つまり、幕だ。

 

「行け! 偉大なる6龍よ! 傲慢にして愚かな男に止めを刺すのだ!」

「ひっ! ま、待ってくれ! く、来るな! うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

ライフ3→0

 

 男は最後までみっともない姿でわめきながら相棒のブレスに包み込まれた。相棒の一撃はさぞかし重かったようで試合が終わった後に男は気絶していた。

 そのタイミングで下を片付けたらしい兵士が数名やってきた。下の様子を除いてみればヘリでやってきた応援部隊によって暴徒が包囲されて鎮圧されつつある光景が広がっていた。どうやら想定以上に早く応援が到着したようだ。

 

「龍吾君!」

「エレナ。無事か?」

「ええ。おかげで私は無傷よ。だけどセシルが……」

「だ、大丈夫。ちょっとダメージを受けすぎただけだよ」

 

 エレナの下に駆け寄ってみれば傷はないようだ。ただエレナを守ろうとしたセシルがダメージを受けて倒れているくらいか。兵士たちにセシルは任せて俺はエレナの介抱を行う。暴動が収束し始めている現在において移動する必要はないかもしれないが万が一を考え、エレナはこのまま別の病院に向かってもらう。

 

「エレナ。また後で会おう」

「ええ。その時を楽しみにしているわね」

「俺もだよ。……後は頼むぞ」

「了解しました!」

 

 エレナと代理のパイロットとあいさつを行い、俺は下に戻る。収束に向かっているとはいえまだまだ暴徒はいるからな。応援は必要だろう。

 さて、とりあえず緊迫した状況は脱したと言えるし肩の力を抜いて確実に鎮圧をするとしますかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「所詮は雑魚。まともに扱う事も出来ませんでしたか」

 

 病院より遥か彼方。廃ビルの屋上でフードを被った人物が肉眼では見えないはずの病院の屋上を見て飽きれたようにつぶやいた。フードの人物は右手を見ればそこには暴徒が使っていたウェポンモンスター、“エビル・ビィデント”が握られていた。それを持ったまま彼はくるりと反転してその場を離れる。

 

「黒導龍吾。どうやら貴方を倒さない限り、我が野望は達成できないようだな」

 

 そう言った人物の瞳は禍々しい憎悪を含んだ瞳をしていた。

 

「良いだろう。貴様はこの俺の手で葬ってくれる……!」

 

 男はそういうと“タイラント・グングニル”、“エビル・ビィデント”、そしてもう一枚のウェポンモンスターを重ね更なる闇の槍を生み出した。そして、そこには龍吾でさえ知らない“カオス”のテーマが記されているのだった。

 

カード紹介は別作品として分けた方が良い?

  • 分けた方が良い
  • 今のままで良い
  • 登場した話のあとがき欄で十分
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