気づいたらカードゲームアニメの強キャラに憑依した   作:名無しのカードバトラー

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黒龍カラミティ・ドラッヘの効果を一部変更しました。それと6龍モンスターを全て戦闘モンスターから6龍モンスターに変更しました


043/モンスターサモン発祥の地・スイス軍管区

 あの暴動が収束して凡そ三日が経過した。あの後暴徒の鎮圧は順調に行われ、夜明け前には鎮圧が完了する事が出来た。

 その後事情聴取が行われているがあまり要領を得ない話ばかりが上がっている。曰く、「気づいたら暴動を起こしていた」、「あんなことをするつもりはなかった」、「記憶がない」との事であり、嘘をついているのかと思ったが現状において事情聴取を受けた全員が似たような事を言っている為に一種の催眠のようなものを受けた可能性がある。前世だと笑いもんだがこの世界ではわりかし起こりうる事だ。中にはレジスタンスがこれを用いて大規模テロを起こす場合もある。スタンピードとかな。

 

「どちらにせよ調査は地元の兵士に任せるしかないな」

 

 色々と情報は渡されたが今の俺は旅行中の身だ。後の事は当事者である地元の兵士に任せて俺はエレナとの挨拶もそこそこに次の目的地に向けて出発した。

 ベルリンを出た俺はそのまま西に向かい、アムステルダム、パリ、マルセイユと旧西欧諸国の主要都市を巡り欧州旅行を順調に消費していき、最後にスイス軍管区へと訪れた。

 

「ここが、モンスターサモンの聖地か……」

 

 俺の目の前にはスイス軍管区に入るための越境審査館が存在する。スイス軍管区、ここはアース帝国唯一の例外とも言える企業が統治を行っている場所だ。その企業、グラウビュンデン・ファンタズィー社通称GF社はモンスターサモンの産みの親であり、その影響力は絶対皇帝とて無視できない程だ。

 因みにGF社は各地のレジスタンスにカードをばら撒いており、表でカードを手に入れる事が難しいレジスタンスが厄介なカードを持っている理由となっている。アース帝国に対して敵対的な行動ととれるが絶対皇帝的にはエネルギー回収の面から黙認しており、GF社もばら撒いているとはいえ売りつけている事で利益を得ている等レジスタンスびいきというわけではない。資金がないレジスタンスグループはカードの購入どころかその交渉すらさせてもらえないからな。

 

「黒導龍吾だ」

「……確認しました。どうぞお通りください」

 

 スイス軍管区はGF社が統治している事から厳重な警備を敷いている。基本的に一般人が入る事は難しく、世界の上位ランカーや俺やエレナ等の6龍使いぐらいしかアポなしで入る事は出来ないようになっている。

 

「おお……! これは……!」

 

 そんな俺は今回初めてスイス軍管区を訪れる。前世では世界編でちらりと映った程度で詳細な設定は存在していなかった。俺が憑依してからは基本的に日本軍管区をメインで活動していたしな。

 だから中がどんなふうになっているのかは俺も知らなかったがまさに企業が統治していると言える程の様相だ。

 様々なビルが理路整然と並び、その下を社員やその家族らしき者達が歩いている。境界線沿いでこれだけの反映なら中心地となっている旧スイスの首都、ベルンはどれだけの規模になっているのか……。

 

「! おい、あれって……」

「嘘だろ!? 黒導龍吾じゃないか……!」

「俺初めて見たぞ……」

 

 うーん。軍管区内に入ってからというもの衛兵たちの視線が痛い。あ、衛兵とはGF社が独自で雇っている私兵たちだ。実力だけで見ればその辺の統一軍兵士を凌駕すると言われているが機密情報ばかりのスイス軍管区を守る衛兵という事でその実力は厳重に秘匿されている。だからどんなカード、デッキ、戦法を取るのかは分からない。是非ともバトルしてみたいが難しいかもしれないな。

 

「あ、あの! 黒導龍吾さんですよね!? 私とバトルをしてください!」

「じ、自分もご指導の方をお願いしたいのですが……!」

「ぜひ私の実力を見てください!」

 

 と、思っていたが向こうから積極的に話しかけてくるようになった。どうやら向こうはそこまで機密として考えていないという事か、それとも俺相手だから問題ないと思っているのか。

 

「俺としては構わないがそちらは問題ないのか?」

「ええ、勿論ですよ。むしろバトルすれば社員たちがデータを取って新カード開発の糧にしていますから」

「……そうか」

 

 どうやらここの社員は研究員としての側面が強いようだな。実際、バトルが始まりそうな雰囲気を察したのか何名かがデータ取の準備を始めている。こらこら、俺としては問題ないが元の黒導龍吾だったら消されていたと思える程不謹慎だぞ。

 

「……わかった。数人と相手しよう」

「ありがとうございます! では最初は自分からお願いします!」

 

 どうやら一番手は真っ先に話しかけてきた若い衛兵のようだ。どこにでも良そうな雰囲気の男は少し離れてサモンディスクを構えた。その動きに無駄は少なく、洗練されている事がわかる。そう言ったところからも実力の高さがうかがい知ることが出来るな。これは面白いバトルになりそうだな。

 

「良いだろう。始めるぞ」

「はい!」

「「ゲーム、スタート!」」

 

 それじゃぁスイス軍管区を守る衛兵の実力を見せてもらおうか。

 

「俺からの先行みたいですね! 行きます! 俺のターン! スタンバイフェイズ! メインフェイズ!」

 

 先行は衛兵からだな。どんなデッキを使用しているのか……。

 

「俺は手札よりフィールドマジック“魔力無力化都市ゲイトゥール”を配置します!」

 

衛兵

コスト10→7

 

 っ!? “ゲイトゥール”か! あれはお互いに通常マジックを使えなくなる効果を持っているカードだ。となると向こうは通常マジックを入れていないか少数のみにしている可能性が高いか。

 

「そして俺は“武装機神-アーリター”を召喚します!」

 

衛兵

コスト7→3

武装機神-アーリター(戦闘モンスター)

コスト4 機械 パワー12000 ダメージ1

 

 武装機神カードか……! あれはエレキテーマモンスターとの相性が良いというか併用を前提で作られている。その分ハマると厄介なカードだ。そして“アーリター”はコストを持たないマジックカードの効果をうけない。つまりクイックマジックやカウンターマジックの効果で除去されづらいという事だ。

 

「“アーリター”の召喚時効果発動! 俺はデッキから“プラズマコア”と名の付くウェポンモンスター1体を手札に加えます。俺は“ハイグレード・プラズマ・コア”を手札に加えます!」

 

衛兵

手札3枚→4枚

 

「まだまだ行きます! 俺は手札から“パワード・プラズマ・コア”を召喚します!」

 

衛兵

コスト3→0

パワード・プラズマ・コア(ウェポンモンスター)

コスト3 エレキ パワー+2000 ダメージ0

 

 ああ、既に“プラズマ・コア”を握っていたのか。あれこそ武装機神の力を高める強化アイテムだ。“プラズマ・コア”事態に特別な効果はほとんどない。だが、それを装備する事で武装機神などの一部の機械テーマモンスターはパワーアップする。流石に“アーリター”は違うがな。

 

「そして“パワード・プラズマ・コア”を“アーリター”に装備します!」

 

武装機神-アーリター

パワー12000→14000

 

 “アーリター”の胸部が開き、黄色い光を放つ球体である“プラズマ・コア”が吸い込まれていく。そして完全に収まると胸部が閉じ、“アーリター”の全身に力がみなぎった。上昇値は2000程だが1ランク上のモンスターと同等のパワーを手に入れる事となった。

 

「俺はこれでターンエンドです」

「武装機神。中々面白いカードを使う。……俺のターン。スタンバイフェイズ、ドローフェイズ、メインフェイズ」

 

黒導龍吾

手札5枚→6枚

 

 さて、どう戦うべきか。初動として決めていた“ライフドロー”は“ゲイトゥール”によって発動できなくなった。現状の手札では展開するのは難しいしどうしたものか……。

 

「俺は“黒龍の雛”を召喚する」

 

黒導龍吾

コスト10→8

黒龍の雛(戦闘モンスター)

コスト2 ドラゴン パワー0 ダメージ0

 

 とりあえずは軽減モンスターからの低コストモンスターで様子見だな。

 

「更に俺は“ジュエル・ドラゴン”を召喚する」

 

黒導龍吾

コスト8→7

ジュエル・ドラゴン(戦闘モンスター)

コスト3 ドラゴン パワー7000 ダメージ1

 

 召喚したのは全身が宝石で出来た小さな龍だ。平均的な能力値だがとある能力を持っている。それが発揮されるかはわからないがな。

 

「……最後に“ワイバーン・ハルバード”を召喚する」

 

黒導龍吾

コスト7→4

ワイバーン・ハルバード(戦闘モンスター)

コスト5 ドラゴン パワー15000 ダメージ1

 

 俺は最後に頭部がハルバードの穂先のようになっている飛竜を召喚する。俺の手札で出来る事はここまでだが一応アタックはしておくか。

 

「バトルフェイズに入る。俺は“ワイバーン・ハルバード”でアタックだ。“ワイバーン・ハルバード”のアタック時効果でアタック終了時までパワーを+4000する」

 

ワイバーン・ハルバード

パワー15000→19000

 

 ワイバーンモンスターは自信のパワーアップを得意とするモンスターが多い。このカードもその例にもれずにパワーを上昇させる。“アーリター”では絶対に届かないパワーになったわけだ。

 

「ライフで受けます! ……うっ!」

 

衛兵

ライフ6→5

 

「っ!!! 流石は黒導龍吾さんですね。何時もの訓練よりも凄い痛いです……!」

「気をつけろ。相棒の一撃はそんなものでは済まないからな」

「はい!」

 

 まぁ、相棒が出てくるかは分からないがな。

 

「俺はターンエンドだ」

 

 

衛兵

ライフ5 コスト3 手札2枚

フィールド

武装機神-アーリター

パワード・プラズマ・コア(武装機神-アーリターに装備中)

フィールドマジック

魔力無力化都市ゲイトゥール

 

黒導龍吾

ライフ6 コスト4 手札3枚

フィールド

黒龍の雛

ジュエル・ドラゴン

ワイバーン・ハルバード

 

フィールドマジック

なし

 

 

 序盤としては順調な滑り出しと言えるな。ただ、こちらの初動を封じられた事が後からどれだけ響くのかが心配ではあるがな。

 

「俺のターン! スタンバイフェイズ! ドローフェイズ! ヒールフェイズ! メインフェイズ!」

 

衛兵

コスト3→5

手札2枚→3枚

 

 2ターン目だが相手はどう動くのか……。

 

「俺は手札から“武装機神-ゴッパー”をコストを支払わずに召喚します!」

「……確か“プラズマ・コア”を装備したモンスターが存在する事が条件、だったか?」

「その通りです! 俺のフィールドには“パワード・プラズマ・コア”を装備した“アーリター”が存在するため条件を満たしています!」

 

 確かにな。武装機神はそういった面があるから厄介だ。

 

武装機神-ゴッパー(戦闘モンスター)

コスト4 機械 パワー13000 ダメージ1

 

「そして! 俺は更に今引いたカードを召喚します! 条件として“プラズマ・コア”を装備した“アーリター”をセメタリーに!」

「っ! これは……!」

 

 厄介なモンスターが来るぞ……!

 

「俺は“重武装機神-アシェド”をノーコスト召喚します!」

 

 瞬間“アーリター”が姿勢を正すと光の玉に包みこまれた。玉は二回りは大きくなるとその形状を変え、新たなモンスターへと姿を変えた。それは先ほどまでのロボット然としたモンスターよりも巨大で、威厳ある風貌をしていた。

 

重武装機神-アシェド(戦闘モンスター)

コスト8 機械 パワー25000 ダメージ1

 

「まさかこんなに早く出てくるとはな」

「俺も引けてラッキーでした! そして“アシェド”の召喚時効果を発動します! デッキからコスト6以下の武装機神モンスター1体をコストを支払わずに召喚します! 俺は“武装機神-エレナルド”を召喚します!」

 

武装機神-エレナルド(戦闘モンスター)

コスト5 機械 パワー4000 ダメージ1

 

 新たに召喚された機械モンスター。“アシェド”のような高パワーは持っていないが厄介な効果を持っている。というか基本的にコストに見合わないパワーを持っている奴は警戒する必要がある。それだけ強力な効果を持っている場合が多いからな。

 

「俺はバトルフェイズに入ります! 先ずは“武装機神-ゴッパー”の効果で武装機神と名の付くモンスターのパワーを3000アップします!」

 

武装機神-ゴッパー

パワー13000→16000

 

武装機神-アシェド

パワー25000→28000

 

武装機神-エレナルド

パワー4000→7000

 

「そして“武装機神-アシェド”でアタックします!」

「……厄介だな。特に武装機神が持つ【武装】の効果は」

「ええ! 特に“アシェド”の【武装】はとても強力ですよ!」

 

 本当にその通りだな。

 【武装】。それは特定のモンスターとバトルするときにパワーを上昇させる特殊効果だ。パワーの上昇値は【武装】によってさまざまであり、場合によっては1000しか上昇しないものもある。

 だが、それよりも最大の特徴は【武装】の効果は無効に出来ない点にある。例えば俺がよく使用するカウンターマジックの“咆哮”で効果を止める事は出来ない。まぁ、“レッドホーンドラゴン”のように発動させない場合はそうでもないがそういった者でもない限り止める事は不可能だ。

 “アシェド”は複数の【武装】を持っている。特にドラゴンテーマ相手だとパワーを7000も上昇する事が可能となっている。まさに俺のデッキとは相性が悪いモンスターだ。もし、バトルする場合、“アシェド”のパワーは32000と相棒に匹敵するレベルにまで上昇する。召喚のしやすさと条件付きとはいえ6龍に匹敵するパワーを手に入れる事が出来る点からも武装機神モンスターとしてはエースと言って差し支えない性能を有していると言えるだろう。

 

「ライフで受ける」

 

黒導龍吾

ライフ6→5

 

 とはいえそれはモンスターとのバトルでのみ発揮される強さだ。こうして通すことが出来る状況ではその力も発揮できないと言えるだろう。まぁ、それを狙ってライフを減らしていける事に変わりはないのだがな。

 

「続けて“武装機神-ゴッパー”でアタックします!」

「それもライフだ」

 

黒導龍吾

ライフ5→4

 

「よし! 俺はこれでターンエンドです!」

 

 一気に相手のペースにされてしまったか。これは気を付けないと不味いな。

 

「俺のターン。スタンバイフェイズ、ドローフェイズ、ヒールフェイズ、メインフェイズ」

 

黒導龍吾

手札3枚→4枚

コスト4→7

 

 ふむ、これは良いカードを引いたかもしれんな。

 

「俺は“ジュエル・ドラゴン”をセメタリーに送る事で“超神龍-ブラック・ルナーズ”を召喚する」

 

 瞬間、ジュエル・ドラゴンの姿が光り輝くとそこから黒い恐我姿を現した。蛇のような体躯をしたそのモンスターは光り輝く“ジュエル・ドラゴン”の体を包み込み、やがて一体の黒い龍を生み出した。

 

黒導龍吾

コスト7→3

超神龍-ブラック・ルナーズ(進化モンスター)

コスト6 ドラゴン パワー20000 ダメージ2

 

 コスト6の進化モンスターだがその性能は折り紙つきだ。何しろ、前世では()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「“ブラック・ルナーズ”!? 初めて見るカードです……!」

「まぁ、有名ではないな。続けるぞ。先ずは“ジュエル・ドラゴン”の効果を発動する。進化モンスターの召喚の為にセメタリーに送られた為、俺のコストを3回復する」

「3も!?」

 

黒導龍吾

コスト3→6

 

「俺はバトルフェイズに入る。先ずは“ワイバーン・ハルバード”でアタックだ。この時、“超神龍-ブラック・ルナーズ”の効果を発動する。アタックしたモンスターよりコストの低いドラゴンテーマモンスター1体を俺はセメタリーから召喚する」

「セメタリーからの召喚……!?」

「俺は“ジュエル・ドラゴン”を再召喚する」

 

黒導龍吾

コスト6→5

 

「くっ! 俺はライフで受けます!」

 

衛兵

ライフ5→4

 

「続けて“ジュエル・ドラゴン”でアタックする。俺のセメタリーに“ジュエル・ドラゴン”よりコストの低いモンスターはいない為召喚はしない」

「それもライフで受けます!」

 

衛兵

ライフ4→3

 

 このターンではここまでだろう。

 

「俺はターンエンドだ」

 

 

衛兵

ライフ3 コスト3 手札2枚

フィールド

武装機神-ゴッパー

重武装機神-アシェド

武装機神-エレナルド

フィールドマジック

魔力無力化都市ゲイトゥール

 

黒導龍吾

ライフ4 コスト5 手札3枚

フィールド

黒龍の雛

ワイバーン・ハルバード

超神龍-ブラック・ルナーズ

ジュエル・ドラゴン

 

フィールドマジック

なし

 

 

 “超神龍-ブラック・ルナーズ”の召喚は明らかに盤面の流れを変えた。ライフもわずかだが逆転し、それまでの相手の勢いを完全に打ち消す事に成功していた。

 

「俺のターン! スタンバイフェイズ、ドローフェイズ、ヒールフェイズ、メインフェイズ!」

 

衛兵

手札2枚→3枚

コスト3→6

 

 とはいえ相手のフィールドには厄介なモンスターが並んでいる。あれらをどうにかしない限りいくらでも相手は勢いに乗って攻撃する事が可能だろう。

 

「やはり龍吾さんは強いです! ですが、自分も負けていませんよ! 俺は手札から“武装機神-ガングー”を召喚します!」

 

衛兵

コスト6→0

武装機神-ガングー(戦闘モンスター)

コスト6 機械 パワー15000 ダメージ1

 

「“ガングー”の召喚時効果を発動します! 俺はデッキから5枚オープンし、その中から武装機神と名の付くモンスターを2体まで手札に加えます!」

 

 そう言って捲ったカードの中には武装機神と名の付くモンスターがちょうど2体存在していた。

 

「俺は“重武装機神-エガニア”と“武装機神-バーム”を手札に加えます!」

 

 ふむ、どちらも厄介なカードだ。“エガニア”は対ドラゴン特攻のモンスターであり、【武装】の対象がドラゴンだけの代わりに8000もパワーが上昇する上にドラゴンテーマモンスターの効果を受けない為に破壊されづらいカードだ。逆に“バーム”は【武装】は持たないがその効果はシンプルに武装機神モンスターのパワーを上昇させる物。武装機神モンスターならばすべてに効果が及ぶために全体強化としては中々厄介だ。

 ただでさえ“ゴッパー”の効果でパワーが上昇するのにこれ以上上げられると対応が完全にできなくなってしまう。そうなる前に相手の盤面を崩さないといけない。

 

「俺はバトルフェイズに入ります! 先ずは“武装機神-ゴッパー”の効果で武装機神モンスターのパワーを3000アップします!」

 

武装機神-ゴッパー

パワー13000→16000

 

重武装機神-アシェド

パワー25000→28000

 

武装機神-エレナルド

パワー4000→7000

 

武装機神-ガングー

パワー15000→18000

 

「行きます! 俺は“重武装機神-アシェド”でアタックします!」

「来たな。俺はライフで受ける」

 

黒導龍吾

ライフ4→3

 

「更に続けて“武装機神-ガングー”でアタックします!」

「それもライフだ」

 

黒導龍吾

ライフ3→2

 

「一気に行きます! 更に“武装機神-ゴッパー”でアタックします!」

「っ! それもライフだ」

 

黒導龍吾

ライフ2→1

 

 ここにきての攻勢。これは手札に全体回復系のマジックでも仕込んでいるか。

 

「俺はこれでターンエンドです!」

「ならばエンドフェイズ時に俺は“エマージェンシーコール”を発動する。減ったライフ一つにつき俺はデッキから2枚ドローする」

 

 これで一気に手札を補強するが……。やはり、か。

 

黒導龍吾

手札2枚→8枚

 

「俺のターン。スタンバイフェイズ、ドローフェイズ、ヒールフェイズ、メインフェイズ」

 

黒導龍吾

手札8枚→9枚

コスト5→9

 

 なんとなく察しはついていた。()()()()()()3()。防御札は恐らくモンスター回復系のクイックマジックのみ。“エガニア”のような耐性持ちはいない。暴れるには最良のフィールドだ。

 

「……まずは言っておく。流石はスイス軍管区を守る衛兵だ。素晴らしいプレイングをしている」

「っ!? あ、ありがとうございます!」

「故に、俺も本気で勝ちを取らせてもらう。相棒も、お前を認めたようだ」

「? それは一体……」

「こういう事だ。俺は“黒龍の雛”により、コストを2軽減して8コストを使用する」

「っ!? まさか……!?」

 

 さぁ、出てこい相棒!

 

「俺は6龍モンスター、“黒龍カラミティ・ドラッヘ”を召喚する!」

 

 瞬間、空気は重さを増した。先ほどまでモンスター達が熱きバトルを繰り広げていたフィールドは闇の瘴気を纏い、究極の龍を出迎えんとその姿を変えていく。

 そして、空がひび割れ、そこから一体の黒き龍が姿を現した。モンスターも対戦相手も、見物客も一様に空を見上げ、災厄の龍をその目に焼き付ける。行きとし生ける者全てを破壊し、厄災を振りまくその龍を。

 

黒導龍吾

コスト9→1

黒龍カラミティ・ドラッヘ(6龍モンスター)

コスト10 ドラゴン パワー33000 ダメージ3

 

「こ、これが6龍モンスター……!」

 

 最強のドラゴン。モンスターサモンにおいて6体しか存在しない最強にして究極の龍。6龍という特殊なカテゴリーを与えられたモンスターだ。

 

「“黒龍カラミティ・ドラッヘ”の召喚時効果発動。このカードよりパワーの低いモンスター全てを破壊し、破壊したモンスター5体に付き相手ライフを1つ減らす」

 

 そう俺が効果を説明すると相棒は大きく咆哮をあげた。その咆哮に込められた破壊の力は拡散し、俺と相手のモンスターを平等に区別なく破壊していく。敵だけではなく味方すら破壊するその力はまさにカラミティ・ドラッヘ(厄災の龍)の名に相応しい力だった。

 

「破壊したモンスターの合計は8体。よってお前のライフを一つ減らすぞ」

「くっ!」

 

衛兵

ライフ3→2

 

 本来であれば“超神龍-ブラック・ルナーズ”の破壊時効果が発動されるが相棒の力はそれを封殺してしまう為発動する事は出来ない。更にライフ減少もダメージではない為に防ぐ手段は限られている。尤も、ライフを防ぐカード自体そこまで種類はないのだが。

 

「俺はバトルフェイズに入る。“黒龍カラミティ・ドラッヘ”でラストアタックだ」

「……ライフで、受けます」

 

 どうやら俺の読み通りに防御カードは回復系しかなかったようだ。全体除去をされてはそれも無意味なものになり下がってしまうからな。相棒の攻撃を防ぐ事は出来なかったか。まぁ、相棒のアタック時に発動される効果は簡単に防ぐ事が出来るのでどちらにしろ意味はなかったがな。

 そして、相棒のブレスが衛兵を包み込み、彼の残りライフは塵と消え去った。

 

衛兵

ライフ2→0

 

 相手のライフが0となった事でバトルは終了し、相棒の姿も消える。だが、それを相棒は何処か誇らしげに受け入れている。勝利したものの特権と思っているのかもしれない。

 

「大丈夫か?」

「はい。いやぁ、本当にお強いですね。まだまだ力不足だと感じさせられましたよ」

「そうでもない。こちらも中々楽しめた」

 

 実際、相棒がいなければここまでスムーズに勝利する事は出来なかっただろうしあのまま続けていれば“エガニア”や“バーム”と言った厄介なモンスターがフィールドに並んでいた事だろう。そうなれば勝利自体が可能だったかどうかは分からないだろう。

 

「り、龍吾さん! 次は私とバトルを!」

「いや! 俺とお願いします!」

 

 そして、一人目が終わった事で次から次へとバトルを望む声が上がり、俺は周囲を完全に囲まれる事となった。別にバトル自体は問題ないがこうも囲まれるとはな。おちおち旅行も出来やしないな。まぁ、これも有名税という奴で諦めるしかないだろう。俺としてもそこまで問題ではないしな。

 さてはて、まずはこの状況を何とかしないといけないな。数人とバトルして後はスイス軍管区の観光でもしようかな。

 

カード紹介は別作品として分けた方が良い?

  • 分けた方が良い
  • 今のままで良い
  • 登場した話のあとがき欄で十分
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