気づいたらカードゲームアニメの強キャラに憑依した   作:名無しのカードバトラー

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044/醜い嫉妬。VS魔獣デッキ

「いやはや、まさか我がグラウビュンデン・ファンタズィー社に黒導龍吾(リュウゴ・コクドウ)殿がいらっしゃるとは思いませんでしたよ」

「俺も呼び出されるとは思っていなかった」

 

 俺は目の前の人物の言葉に簡潔に話す。実際、俺は目の前の人物と会うつもりはなかった。衛兵たちに手ほどきを行い、スイス軍管区を観光しようとした矢先に突如としてGF社の遣いに呼び出されてこうしてスイス軍管区の中心地に聳え立つ本社ビルの最上階に来ていた。

 そう、俺の目の前の人物はGF社の社長、ヴォルフガング・ヴァインツィアールがいる。モンスターサモンを唯一制作する事が許され、絶対皇帝を除けばこの世界の頂点に君臨していると言っても過言ではない権力者にして億万長者。月に住む絶対皇帝を宇宙の帝王と呼ぶならばこいつは地上の帝王と言える程に強力な権力を持っている。

 

「おや? 何かしらの調査で我が領域に訪れたのではないのですかな? まさか本当に旅行で訪れたと? 笑えないジョークかと思いましたよ」

「その程度の情報も仕入れられない貴様は本当にGF社の社長か? 痴呆が始まっているようなら代替わりを推奨する。モンスターサモンは世界に必要不可欠なもの。それをボケ老人に扱わせたくはない」

 

 何やら俺に対していい感情を抱いていないのか口撃を仕掛けてくる社長に俺も言い返す。幸いな事に俺は少佐程度の身分でありながらその実力と絶対皇帝からの贔屓により目の前の相手にすら傲慢にふるまう事が許されている。それは原作アニメでもそうだった。それを生かして黒導龍吾は日本軍管区をフルに使い六道龍也を追い詰めていったのだ。

 

「……失礼いたしました。こちらとしても貴方のような人物に突如として訪問されると警戒してしまうのですよ」

「そうか。社長業は随分と面倒のようだな」

「……ええ、ですので今の貴方のように自由に動く事がたまに羨ましく感じる時がありますよ」

 

 いや、本当になんでこんな敵対的なの? 確かにGF社は世界中のレジスタンスグループにカードをばら撒いて巨万の富を得ているけどそれも公然の秘密のような状態だ。今さら警戒する必要もない。アース帝国からすれば別だが絶対皇帝にとっては別に悪い事でもない。絶対皇帝にとってエネルギーを得られるならば強くなろうと構わないのだ。むしろ強者同士の戦いで得られるエネルギーは莫大らしいからな。

 

「話は以上か? 俺の休暇も期間が限られている。時間を無駄にしたくはない」

「まぁ、貴方の確認が最大の理由ですがどうでしょう? 私とバトルをしませんか?」

「貴様と?」

「ええ。私としても6龍使いである貴方のデータは魅力的なのですよ。なのでこうしたチャンスを逃したくはないのですよ」

「……そうか」

「無論、バトルを受けてくれるのであればこちらをプレゼントしましょう」

 

 そう言って、社長が出してきたのはカードの束。それを受け取り、確認してみれば中身に俺は思わず驚愕した。何しろ、原作で()()()()()使()()()()()()()()だったからだ。六道龍也と激戦を繰り広げた黒導龍吾の本気のデッキに入れられていたカードばかりだ。

 

「……」

「どうやらそのカードの価値を理解してくれたようですね」

「……なぜ、これを作った?」

 

 社長は表情をうかがわせない張り付けた笑みでこちらを見てくるが思わず俺はソウ問いかけてしまった。何しろ、このカードたちは()()()()()()()()()()()。前世はともかくこの世界では1枚しか存在しない相棒の為にこれだけのカードを作る意味がない。一体何故……。

 

「それは陛下からの依頼です。他にもエレナさんや天使テーマを使用する未だ詳細不明のもう一人の6龍使いの為にも専用のカードを作っています。陛下は貴方達の希少性を更に高めたいようですよ」

「……」

 

 前世の世界において6龍という特別なカードたちも大量に刷られ、3枚投入も可能になっていた。だからそれらをサポートするカードも複数存在した。それらは6龍単体の専用デッキを構築させる程に強力なカードばかりであったがこの世界ではそのような理由付けがされているとは。

 

「……その言い方だといずれ俺の下に来るカードのようだが?」

「実はお渡しする時期はまだまだ先と判断していました。それを早めに渡すのです。十分プレゼントになると思いますが?」

 

 まぁ、先行してもらえるというのは良い事ではあるな。まぁ、これくらいならデータ取と堂々と宣言したバトルにも応じてやってもいいか。

 

「良いだろう。ここでやるのか?」

「いえ、きちんとデータ収集専用のバトルフィールドがあるのでそこに行きましょう。そして、対戦相手ですが、強い貴方である事を考えて私直々に行いましょう」

 

 社長はそう言って怪しい笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヴォルフガング・ヴァインツィアールは幼少期から向上心が強かった。少年時代には既に他者を蹴落としてでも上に這い上がる行為を平然と行い、社会に出るまでにそれは完全に洗練されてしまった。その結果、彼は入社したGF社において早々に頭角を現し、同機や近い先輩などを蹴落として上に上にと駆けあがっていった。

 そして、当時次期社長候補と呼ばれていた人物にすり寄り絶大な権力を有する事に成功した。最終的に社長となったその人物によって次期社長の座が約束され、彼は最年少で社長に就任する事になった。それから20年に渡り社長の座を守りぬき、更には絶対皇帝に従うだけだったGF社を独立気質な会社へと変貌させ、アース帝国相手にすら屈さぬ姿勢を取るようになっていた。

 

「最早私の敵は絶対皇帝のみである」

 

 しかし、そんな彼の野望を邪魔する存在がいた。それが黒導龍吾だ。本人は意図していないが彼が活躍すればするほどアース帝国の評価が上がるようになっていた。それがヴォルフガングは許せなかった。6龍使いという唯一無二の存在である事も彼に嫉妬心を植え付けていた。

 

「いずれ貴様を倒す。我が最強の力でな」

 

 ヴォルフガングが6龍に匹敵するカードの作成を行いながら黒導龍吾を打倒する日が来ることを今か今かと待っていた。

 そして今日、黒導龍吾がスイス軍管区に入ったことを受けて、長年の嫉妬心に決着をつけるべく行動を開始したのだった。

 

 

 

 

 

「それでは始めましょう」

 

 バトルフィールドに移動したヴォルフガングが目の前で相対する黒導龍吾にそういった。お互いにデッキ調整は完了し、ディスクを構えて準備は出来ていた。相変わらず無表情とも取れる読みづらい表情をする黒導龍吾に内心苛立ちを感じながら表面上はうまく取り繕ってヴォルフガングは告げる。

 

「「ゲームスタート」」

 

 先行はヴォルフガングだった。サモンディスクはGF社の製品である。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「私のターン! スタンバイフェイズ、メインフェイズ! 先ずはフィールドマジック“魔獣の森”を発動し、そのまま“魔獣-ケケレア”を召喚します!」

 

ヴォルフガング・ヴァインツィアール

コスト10→4→2

魔獣-ケケレア(戦闘モンスター)

コスト2 悪魔/アニマル パワー6000 ダメージ1

 

 ヴォルフガングが召喚したのは魔獣モンスターと呼ばれる厄介なモンスターだった。悪魔のデッキ破壊とアニマルの召喚軽減を併せ持ったモンスターで構成されており、派生としてさまざまなモンスターが存在していた。

 

「では“ケケレア”の効果を発動しましょう。魔獣と名の付くモンスターが召喚されたのでデッキから1枚セメタリーに置いてもらいます。ですが“魔獣の森”の効果でその数を更に2枚追加し、3枚デッキからセメタリーに送ってください」

「……」

 

 黒導龍吾は特に反応も見せずにデッキトップをセメタリーに置く。ヴォルフガングの位置からカードを確認する事は出来ないがディスクにはセメタリーのカードが表示される為に彼は早速確認する。

 

「(ククク! やはり私が与えたカードを入れて来たようだな!)」

 

 ヴォルフガングは読み通りとほくそ笑む。彼が龍吾に渡したカードは確かに絶対皇帝からの命令で作成した“黒龍カラミティ・ドラッヘ”を支えるカードだがだからと言って試運転も無しにそれらを使いこなせるはずがなかった。幾度となく試運転を繰り返し自分に合うデッキを作るのだ。それを怠り、いきなりカードを投入しても勝てるはずがない。

 しかし、自分の切り札を支えるカードにして特別なカードと聞けば人間だれしも使ってみたくなるものである。だからこそヴォルフガングはその心理を利用して相手のデッキに不和を引き起こさせたのだ。これで龍吾は本来の力を十全に引き出せないようにと。

 

「(これならば行ける……!) 続けて私は手札の“魔獣-ビーケラ”の効果を発動します! デッキから4枚オープンし、その中の魔獣と名の付くカードの数だけ召喚コストを軽減します!」

 

 そしてヴォルフガングのデッキの上から4枚がオープンされ、そのカードが上空に表示される。

 

魔獣-イー

魔獣帝-イ・グルーヴ

紅蓮魔獣-ビャラス

魔獣-ギレガ

 

 全て魔獣と名の付くモンスターであり、見事ビーケラの召喚に必要なコストを全て軽減する事に成功した。

 

「捲ったカードは全て魔獣と名の付くカード! よって“魔獣-ビーケラ”をノーコスト召喚します!」

 

ヴォルフガング・ヴァインツィアール

コスト2→2

魔獣-ビーケラ(戦闘モンスター)

コスト4 悪魔/アニマル パワー12000 ダメージ1

 

「そして“ビーケラ”の召喚時効果発動! フィールドの最も高いコストの数値分相手のデッキをセメタリーに送ります! 最も高いコストのカードは“魔獣の森”の6! そして“魔獣の森”の上昇効果によって送るカードは8枚です!

ですがまだです! “魔獣-ケケレア”の効果は魔獣と名の付くモンスターの召喚時! ターン1制限もないため再び3枚セメタリーに置いてもらいましょう!」

「……」

 

 淡々と龍吾はデッキをセメタリーに置いていくが既に彼のデッキは14枚も削られていた。凡そ3分の1がセメタリーに送られたことを意味しており、龍吾には悠長に盤面を整える暇すら与えられない勢いだった。

 

「(さて、“ビーケラ”の効果で捲ったカードの処理ですが……)」

 

 “ビーケラ”はコスト軽減の為に捲ったカードを好きな順序でデッキの上に戻す効果があった。それを受けてヴォルフガングは並べる順番を考える。一見単純に見えるこの行為もドローソースがない以上彼が引くカードを決める行為であり、重要な事であった。

 

「(“イー”は可もなく不可もなく、と言ったところですね。コスト3以下のモンスターがいればノーコスト召喚出来、召喚すれば自分のデッキ2枚をコストに相手のデッキを5枚もセメタリーに置く事が出来ます。“ケケレア”と“魔獣の森”も残っていればそれだけで11枚も送る事が出来ます。

次に“ビャラス”ですが現状では必要のないカードですね。デッキ破壊にも適していない為“イー”を出す場合のデッキからのコストにするべきでしょう。

そう考えると“ギレガ”は“イー”の上位互換と言えるカードですね。相手のセメタリーにカードが10枚以上あればノーコスト召喚出来、条件なしで相手デッキを6枚セメタリーに置く事が出来ます。それも破壊時にも適用できる以上“イー”よりも優先順位が高いです。

……ですが、やはり“イ・グルーヴ”が一番でしょう。進化モンスターですが魔獣モンスターが条件の為に進化は行いやすいです。更にフィールドの最も高いコスト分召喚コストを軽減できるので順当にいけばコスト3で召喚が出来ます。更に召喚時に5枚セメタリーに置く事が出来る上にその中のモンスターの数だけ相手フィールドのモンスターを破壊する事が出来ます。更に自身には効果はないですが“魔獣の森”を上回る3枚も追加でデッキ破壊が出来るために“ケケレア”の効果を補助する事が出来ます。そして最後の効果! バトルフェイズ限定ながらセメタリーのカードが25枚以上ある場合、相手のマジック発動を封じる事が出来ます! 条件は召喚出来た時点で達成される為に黒導龍吾の動きを制限する事が出来ます! これは決まりですね)私は“ビーケラ”の効果で捲ったカードを入れかえてデッキに戻します」

 

 ヴォルフガングは下から“ビャラス”、“イー”、“ギレガ”、“イ・グルーヴ”の順に戻していく。“ギレガ”以降は決着がつかなかった場合の保険でしかなく、ヴォルフガングは次のターンで勝利できる事を確信していた。実際、この調子でいけば“イ・グルーヴ”の召喚により龍吾のデッキは0となり、ライブラリアウトを狙う事が出来る。

 

「私はこれでターンエンドです」

「……俺のターン。スタンバイフェイズ」

 

 ゆっくりと行われる龍吾のターンにヴォルフガングは勝ちを疑っていなかった。そのために彼の動きに苛立ちを覚えていた。

 

「ドローフェイズ、メインフェイズ」

「……言いたくはありませんがどのような手を出しても私の勝利は揺るぎませんよ? それはこの盤面を見てもらえれば分かるはずです」

 

 ヴォルフガングは勝てるというおごりからそう発言した。実際、たかが1ターンで何かが出来るとは思っていない為、ヴォルフガングはいつもの冷静さを完全になくしていた。

 

「……それは分からないぞ」

 

黒導龍吾

手札5枚→6枚

 

「俺は手札から“アルゴリズム・ドラゴン”を召喚する」

 

黒導龍吾

コスト10→9

アルゴリズム・ドラゴン(戦闘モンスター)

コスト1 ドラゴン パワー2000 ダメージ0

 

 龍吾が召喚したのはプログラミング模様が施された小さな龍だった。

 

「“アルゴリズム・ドラゴン”? そんな雑魚カードを出して一体何を……」

「“アルゴリズム・ドラゴン”の召喚時効果発動。デッキ、手札、セメタリーから同名モンスターを召喚できる。俺はセメタリーから“アルゴリズム・ドラゴン”を2体召喚する」

 

 一気に龍吾の盤面には3体のモンスターが並ぶ。だが、そのモンスターはとても非力であり、この状況で何かを出来る力があるとは思えなかった。そのためにヴォルフガングは失笑する。

 

「ふっ、愚かな。確かにそれも私が与えたカードですがまさか入れているとは思いませんでしたよ。そのような雑魚カードなど何の役にも……」

「俺が使えば役に立つ。こいつほど俺にピッタリなモンスターはいない」

「……! わ、笑わせないでいただきたい。6龍使いがコスト1のモンスターが似合っている? 噴き出しそうですよ……」

 

 龍吾の言葉はツボに入ったらしく、ヴォルフガングは口元を必死で抑えている。目には涙が浮かんでおり、龍吾の言葉を嘲笑しているのがまるわかりだった。

 

「ならばこれを見せれば分かるだろう? 俺は“厄災竜”の効果を発動する」

「っ!? そのカードは……!」

「手札にある“黒龍カラミティ・ドラッヘ”を見せる事でこのカードをノーコスト召喚する。そして当然、俺の手札には既に相棒はいる」

 

 龍吾はそう言って一枚のカードを見せる。このモンスターサモンの世界で6枚しか存在しない偉大なるドラゴンの姿を。

 

黒導龍吾

コスト9→9

厄災竜(戦闘モンスター)

コスト2 ドラゴン パワー0 ダメージ0

 

「“厄災竜”の召喚時効果発動。エンドフェイズ時まで“黒龍カラミティ・ドラッヘ”の召喚コストを2軽減する」

「くっ! 確かに厄介ですがそれでも私の有利は……!」

「更に、俺は“厄災侵攻”を発動する」

「あ……」

 

 龍吾が発動したカード。その効果をヴォルフガングも知っていた。そして、自分の敗北を悟ってしまった。

 

「俺はデッキから3枚めくり、その中からドラゴンテーマモンスターをコストを支払わずに召喚する。この効果で召喚されたモンスターは効果を発動できず、エンドフェイズには破壊されるが問題はない」

 

黒導龍吾

コスト9→4

 

 そう言って捲った龍吾のカードは“黒龍ゲシュペンスト・ドラッヘ”、“黒龍エンダーリヒ・ドラッヘ”、“黒龍剣士”と全てドラゴンテーマモンスターであった。

 

「俺はこの3体のモンスターをノーコスト召喚する」

 

黒龍ゲシュペンスト・ドラッヘ(戦闘モンスター)

コスト7 ドラゴン/ゴースト パワー18000 ダメージ1

 

黒龍エンダーリヒ・ドラッヘ(戦闘モンスター)

コスト8 ドラゴン パワー22000 ダメージ1

 

黒龍剣士(戦闘モンスター)

コスト4 ドラゴン パワー11000 ダメージ1

 

 今回召喚されたモンスターは全てヴォルフガングが与えたカードであり、その効果は無効化されていなければどれも強力なものばかりであった。それらを見事引き当てるあたりに龍吾の運の良さも確認できるがヴォルフガングはそれどころではなかった。

 

「(不味い! 不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味いマズイマズイマズイ!!!

このままでは負ける! 手札にはモンスターしかいない! これらに現状を打破する力はない! おのれ! 何故だ! 何故負ける!)く……っ!!!」

「そして“厄災侵攻”の効果によりエンドフェイズ時まで“黒龍カラミティ・ドラッヘ”の召喚コストは自分フィールドのドラゴンテーマモンスターの数だけ軽減する」

 

 現状、龍吾のフィールドには3体の“アルゴリズム・ドラゴン”、“厄災竜”、“黒龍ゲシュペンスト・ドラッヘ”、“黒龍エンダーリヒ・ドラッヘ”、“黒龍剣士”の7体がいた。そして“厄災竜”の軽減コストと合わせれば9ものコストを軽減する事が出来るようになった。

 

「まだだ。俺は“アルべドラゴン”を召喚する」

 

黒導龍吾

コスト4→1

アルべドラゴン(戦闘モンスター)

コスト3 ドラゴン パワー4000 ダメージ1

 

「“アルべドラゴン”の召喚時効果発動。デッキ、セメタリーから同名モンスター1体を手札に加える。俺はセメタリーに行ったカードを手札に加える。そして、()()()()()()()()()()()()()()()()()()1()()()()()

 

 まさに止めと言える内容にヴォルフガングは声も出なかった。これで次に“黒龍カラミティ・ドラッヘ”を出す場合、10コストを軽減して召喚できる事になるのだ。

 

「行くぞ。俺は10コストを軽減し、“黒龍カラミティ・ドラッヘ”を召喚する」

 

 ヴォルフガングの醜い嫉妬心。それを本人事吹き飛ばすように大きな威圧感を放つ漆黒の龍がフィールドに顕現する。龍吾のフィールドに展開されたモンスターはその姿を見て歓喜の声を、敬意を込めた礼を行う。対するヴォルフガングのモンスター悲痛な叫びをあげ恐怖に振るえていた。

 

黒導龍吾

コスト1→1

黒龍カラミティ・ドラッヘ(6龍モンスター)

コスト10 ドラゴン パワー33000 ダメージ3

 

「“黒龍カラミティ・ドラッヘ”の召喚時効果発動。このカードより元々のパワーが低いモンスター全てを破壊し、破壊したモンスター5体に付き相手ライフに1ダメージを与える」

 

 お互いのフィールドには丁度10体のモンスターがいた。厄災の龍が咆哮を上げればそれらすべてのモンスターが消え去り、その余波でヴォルフガングを吹き飛ばした。

 

「ぐっ!!」

 

ヴォルフガング・ヴァインツィアール

ライフ6→4

 

 たった1体のモンスター。それの登場により盤面は破壊されつくした。あれだけ展開した龍吾のモンスターもデッキ破壊を繰り広げたヴォルフガングのモンスターも等しく塵となり消え去った。最早フィールドは一匹の龍が支配する空間へと成り代わっていた。

 

「俺は手札より“黒龍ゲシュタルト・ドラッヘ”の効果を発動する。自分のセメタリーの黒龍と名の付くモンスターの数だけ召喚コストを軽減できる。セメタリーには10枚のカードがある。よってノーコストで召喚する」

 

黒導龍吾

コスト1→1

黒龍ゲシュタルト・ドラッヘ(戦闘モンスター)

コスト8 ドラゴン パワー25000 ダメージ1

 

「“黒龍ゲシュタルト・ドラッヘ”の召喚時効果発動。相手フィールドのカード1枚をセメタリーに送り、俺はデッキから2枚ドローする」

 

黒導龍吾

手札1枚→3枚

 

 龍吾の手は止まらない。最後に残されたヴォルフガングの“魔獣の森”でさえフィールドから消失した。手札に防御カードがない以上これから行われるであろう攻撃を耐えきれるわけがなかった。

 

「……バトルフェイズに入る。俺は“黒龍ゲシュタルト・ドラッヘ”でアタックだ」

「……ライフだ」

 

ヴォルフガング・ヴァインツィアール

ライフ4→3

 

「……最後だ。俺は“黒龍カラミティ・ドラッヘ”でラストアタックだ」

「っ! ……それも、ライフで受ける……!」

 

 ラストアタック。その言葉にヴォルフガングは僅かながら悔しさを感じつつも受け入れる事しか出来なかった。

 

ヴォルフガング・ヴァインツィアール

ライフ3→0

 

 まるでヴォルフガングの心を見透かしていたかのように漆黒の龍が明らかな怒りの感情のままにヴォルフガングにブレスを吐き出し、その身を炎で包み込む。そのタイミングでゲームは終了し、炎は消えていったがそれに包まれたヴォルフガングは呆然とした状態でその場に崩れ落ちた。

 

「……馬鹿な」

 

 そして、その一言だけを残して彼は絶望に包まれたまま意識を失うのだった。

 




実はヴォルフガングは元々カイザーテーマモンスターによるお山の大将(笑)デッキにしようと思いましたがカードがうまくできなかったために急遽もともと大量に作っていた魔獣デッキを使用させました。

カード紹介は別作品として分けた方が良い?

  • 分けた方が良い
  • 今のままで良い
  • 登場した話のあとがき欄で十分
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