Fate/stay night [Heaven’s Dived Tales] 作:らて丸
Side:???
暖房のついた日本家屋の和室
そこで、オレらはテーブルを囲んで話をするところだった
オレは今衛宮さんの許可を得て茶を淹れているところだ
「はい、どーぞ」
「ありがとうございます」
家主も一口すすり、温まってくれている
「さてと、じゃあとりあえず説明しようか」
「ちょっと待ちなさいよ!!」
「どうした遠坂 凛、衛宮 穂風に説明するんだろう?」
「アンタたちは気にならないわけ!?コイツの正体!!こんないかにも怪しげな仮面なんて着けてるヤツよく家にあげれるわね?」
「助けに来てくれたときからこうでしたし…」
「顔に傷でもあンのかなって思ったんだがな…」
「アンタたちねぇ…」
怪しげとは失礼なヤツだな、魔術でボイスチェンジャーを付けてる特別仕様だぞ
この状態でも飲食できる優れものだ
「そろそろ、正体明かしなさいよ」
「はぁ、」
こうなっては仕方がないか…
「いいのですか?マスター」
「もう諦めるよ、正体を隠すのは、」
長髪の鬘を外す
そして、自分の顔全体を覆っていた仮面を外すと、遠坂と衛宮は驚きの表情を浮かべている
「さて、自己紹介しようか。遠海 識、8人目のマスターだよ」
「え、」
「ん?」
「「ええええええええええええええええ!?」」
Side:???→識
◇
◆
◇
Side:識
「ハァ、アンタがまさか魔術師だったなんてね…」
「まぁ、わからないのもしょうがないさ」
そもそもこれまで地下室の工房で先生に教えてもらってただけだからな
時々橙子さんにも教えてもらってたけど
「それで、アンタがさっき言ってた8人目のマスターってどういうことよ?」
「うーん、これは結構話すのが難しいんだけど…」
1986年、10月13日…
とある魔術師の家庭に3140gの元気な男の子が生まれました…
彼が生まれたのは冬木市の新都の総合病院
その少年の名前は遠海 し「ちょっとまって?」
なんだよ、まだオレが生まれたばっかりのところじゃん
「誰が生い立ちから話しなさいだなんて言ったの!?その7年後の話しなさいよ!!」
しょうがないな…
「なんでアンタが偉そうなのよ」
◇
◆
◇
―――10年前…
別れは唐突だった
少し離れた間にすべてが消えた
燃えたのだ
なにかの"器"からこぼれ落ちるように…
悪意の"泥"が広がるように…
街は一瞬で炎の海になった
取り残されたオレはどう生きればいいのだろうか
オレは歩みを進めた
それ以外出来ることがないから…
火達磨になり、丸焦げになった人…
崩れた瓦礫に押し潰された人…
自分だけが生き残った罪悪感よりも、こうなりたくないという嫌悪感が勝ってしまう
そんな自分が嫌だとも思う
しかし、今そんなことを考える余裕なんてものはない
徐々に、呼吸が荒くなる
頭がぼーっとしてきた
小石に足を引っ掛けてしまい転んでしまう
起き上がろうとしたが、そこには割れた窓ガラスだろうか、ガラス片が散乱しており運悪く手を切ってしまう
ぽたぽたと血が垂れ、コンクリートは紅く染まり、染み込む
落ちた血は酸化して黒くなることはない
手の痛みが強くなり、左手に目線を向ける
そこには、見覚えのない赤い痣が出来ている
ドコかにぶつけちゃったかな…
オレは気にすること無く歩み続ける
しかし、それはいつまでも続かなかった
ゴホッ…ゴホッ…
煙が肺を侵し、思わず咳き込んでしまう
まだ…死ぬわけには…
その時だった…
目に写った小屋は不思議と炎が燃え移ってない
オレはその小屋に転がり込んだ
戸は軋み、開けるとギギィ………と音をたててゆっくりと開かれる
その小屋は物置という言葉が似つかわしく、色々なモノが敷き詰められている
作業台のようなものの上にはナイフや、機械チックな義手
壁には直剣や曲刀などがかけられている
中で、一安心していたオレはその考えが甘いことを知る
ピシッ…と音をたてて何かが割れる
それと同時に小屋が燃え始める
助かってなどいなかった
血が垂れ、土でできた床に円形のシミを作る
徐々に頭が回らなくなってくる
オレは床に倒れ、ぼんやりと背中に熱を感じながら煙と炎をひたすらに眺める
「素に銀と鉄…」
視界が紅に染まる
「礎に石と契約の大公…」
ポツリポツリと、焼け焦げていく狭い部屋の中で独りの声が弱々しく響く
「祖には我が大師シュバインオーグ…ゴホッ……降り立つ風には壁を……」
咳をしながらも声を上げる
「四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ………」
「
『いい?これはね、自分じゃどうしようもなくなったときに唱えるお呪い』
『お呪い?』
『そう、これを唱えたらきっと、素敵な
「―――
カチリとなにかがハマり、身体がさらに熱くなる
血液は沸騰し、全身を駆け巡り、猛っている
「―――告げる。汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ…!!」
鱗を逆立て、肩甲骨が伸び、皮膚を突き破るように、鮮血を零しながら翼が生えるような感覚
自らの肉体が改変されていくような感覚
血は更に巡り身体から炎が吹き出すようだ
「誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者……!!」
最後の一節
肺の中の空気を一気に押し出す
木箱に入った剣は炎に照らされ紅く、金色に輝く
「汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ………!!」
その言葉とともに、剣は輝きを増す
その剣の銘は『聖カトリーヌの剣』
『オルレアンの奇跡』、ジャンヌ・ダルクが生前一度も抜かなかった剣
オレの魔力によって、
聖杯による導きがあったとしても、オレ単体で英霊召喚を成し遂げてしまったのだ
「
「助けて、…」
「えぇ、お任せくださいマスター、貴方のことを全身全霊で守らせていただきます!!」
◇
◆
◇
「ってな感じで、コイツはオレの魔力で召喚しちゃったサーヴァントってなわけ」
「「…えぇ?」」
緋色のセイバーと遠坂に軽く引かれた
しょうがないじゃん、才能の塊なんだから
Side:識 out
前回が今年最後の更新と言ったな…
アレは嘘だ…ッ!!
ということで第11話です
思いの外筆が進んだので勢いで仕上げちゃいました
主人公は才能マシマシですが、その理由はまたいつか本編で語られると思います
それはそうとしてMATERIAL-01で盛大なネタバレがあったことに気がついてしまいましたが一応修正しました、気がつくの遅すぎたな…
まぁ、みんな察しが付いてるでしょうし大丈夫だと思いますけど()
今度こそ本話が今年最後の更新となります!!
こんな駄文でよろしければ来年もそのまたそれ以降もお付き合いしていただけると幸いです
評価、感想よろしくお願いします!!
それでは、皆さん良いお年を!!