Fate/stay night [Heaven’s Dived Tales]   作:らて丸

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#012

Side:識

 

 

 

「遠海くん、今のって…」

 

「またガス漏れ事件だな、今度は何人病院送りになったんだがな…」

 

「それより衛宮さん、アレどうにかならなかったの?」

 

「え?しょうがないじゃないですか…私の家には彼が着れるような男性の服はありませんよ?」

 

そう、アレとは…

 

「服に関してはあんま気にしてねぇがよ…これはねェだろ…」

 

セイバーは元々の野武士姿の上にただ黄色いレインコートが着せられているだけというなんとも不思議な姿

 

「不憫ね、未熟な魔術師と契約しちゃったばっかりに…」

 

「その霊体化ってやつでサーヴァントは姿を隠すことができるんですよね?そしたらさっきの貴女のサーヴァントは…」

 

「えぇ、トドメを刺される前に霊体化させて避難させたわ。今は傷の修復のために療養中よ」

 

「そ、そうですか…、すいません、敵なのに色々面倒見てもらって…」

 

「………勘違いしないでよね」

 

「コイツは借りを作るのが大嫌いだからな、だから遠坂が仲間っていう発想は捨てときな」

 

「……!!」

 

きっと彼女は揺らいでいる

 

これは確かに殺し合いだ

 

だからといって彼女は遠坂を殺すことができない

 

まぁ、そのほうが死人も少なくて嬉しいけどね

 

「ところで遠海くん、さっきからどこに向かってるんですか?」

 

「今回の聖杯戦争の『監視者』だよ、少なくとも会って損は無いと思うよ」

 

暫く歩くと見えてくる建物

 

「…教会ですか?」

 

「そう、ここが()()()()、今回の監督者の根城だ」

 

「根城って言い方やめてあげなさいよ」

 

しょうがないじゃん、アイツ何考えてっかわかんねぇし

 

「マスター、(オレ)はココに残る。なんか嫌な空気だ、そっちも気ィ抜くなよ?」

 

「えぇ、わかりました…」

 

 

 

 

 

 

「綺礼、お邪魔するわね」

 

「全く、再三の呼び出しにも応じなかったが、どういう風の吹き回しだ?」

 

奥から黒い修道服を着た男がやってくる

 

彼の名は言峰 綺礼

 

今回の聖杯戦争の監督者だ

 

「7人目のマスターを連れてきたんだよ、」

 

「てっきり私は、君が参戦すると思ってたのだがね」

 

「馬鹿言うな、ウチのセイバーは今回の聖杯戦争で呼ばれたわけじゃないからな、しかもオレは聖杯には興味がない」

 

聖杯戦争自体には興味があるが…

 

「それで?7人目のマスターとやらは?」

 

「この子だ」

 

「ほう?少女、君の名は?」

 

「衛宮 穂風です…」

 

「…衛宮?」

 

その名に懐かしみを覚えているのか、どこか驚いたような顔をした綺礼

 

コイツもこんな顔するんだな

 

「そうか、それでは衛宮 穂風、君が最後のマスターというわけか」

 

「待ってください!!私は聖杯戦争に参加するつもりはありません」

 

「ほう?」

 

「確かに、私はセイバーと契約を交わしましたが聖杯戦争とか、マスターとかって判らないです。マスターというものがちゃんとした魔術師がなるのなら選び直したほうがいいに決まってます!!」

 

「なるほど、確かに重症だ」

 

一通り説明はしたが、綺礼に説明させたほうが速い

 

自分の現在の立ち位置を把握してもらわなきゃ

 

「いいかね?衛宮 穂風、マスターというものはそう辞めれるものではない。令呪(それ)が最たる証拠だ」

 

「令呪は、聖杯が選んだマスターに刻まれる証。サーヴァントを律する3画の絶対命令権で、サーヴァントとマスター本人をつなぐパスってあたりかな。命令ってのは制限するだけじゃなくて強化の意味でもある」

 

「それはどういう…?」

 

「例えばだが、オレのセイバーは瞬間移動することができない。でも令呪で『ここからここまで瞬間移動しろ』と命ずればそれを可能にできる。それに、命令をより明確かつ単純なものほど効果が強くなる。例えば、『この戦いに勝て』よりも『次の一撃を全力で放て』と言った具合にね」

 

「なるほど…」

 

「令呪を使い切れば契約が切れてサーヴァントはいなくなる。でもすぐにいなくなるわけじゃないから逆上されて殺されるなんてことにもなるかもしれないからな」

 

それを聞いた衛宮さんの顔が青ざめる

 

全然ありえるから話しておいたけど、よくなかったかな…

 

「聖杯を求めるのはサーヴァントも同じことだ。彼らは叶えたい願いがあるからこの儀式に参加し、魔術師と契約している。契約を切って殺されても文句は言えんぞ」

 

「だからといって、人を殺せと!?」

 

「それは違うわ」

 

衛宮さんの質問に遠坂が答える

 

「聖杯はね...霊体なの、だから私たちでは触れられないけれど、霊体であるサーヴァントなら触れられる。それに言っちゃうと聖杯戦争ってのは自分のサーヴァント以外のサーヴァントを全て倒せばいいの」

 

「じゃ、じゃあ必ずしも人を殺す必要は無いんですね、良かったぁ…」

 

「衛宮さんに聞くけど、君は自分でサーヴァントを倒せると思う?」

 

「それは、多分できないに決まってるじゃないですか」

 

「でしょ?でもサーヴァントをもってしてもサーヴァントを倒すのを難しい、でもサーヴァントはマスターがいないと現界できない。これがどういう意味かわかる?」

 

「…っ!!」

 

彼女は一つの結論にたどり着く

 

「そう、だったらサーヴァントじゃなくてマスターを倒せばいい」

 

「令呪がある限りサーヴァントが倒されてもマスター権は残り続ける。もしマスターを失ったサーヴァントがいれば再契約も可能だ。だからこそいずれ障害になるかもしれんものを殺す方が得策なのだ」

 

「そういうこと」

 

そう、これは逃げられない

 

手違いだとしても、なんであれ聖杯は衛宮 穂風を選んだ

 

「で、でも私は聖杯に興味なんて…」

 

「ほう、ならばお前は10年前の出来事にも興味はないと?」

 

「えっ…」

 

「綺礼、その話は辞めてくれ。オレにも刺さる」

 

「おっと、すまない…だが話さねばならぬだろう?彼女が戦うならば」

 

「ハァ、わかった。勝手にしろ、ただ他人のトラウマをあまり掘り返してやるなよ」

 

衛宮さんの顔色はさっきよりも明らかに悪くなっている

 

「さて、話を続けよう。この街に住んでいるものなら誰しもが知っている冬木の大災害…あれは前回の聖杯戦争による爪痕だ」

 

「聖杯戦争で…持ち主はなにを願ったんですか…?」

 

「さてな…それは知らん。ただ聖杯を持つにふさわしくなかったのだろうよ」

 

「ふさわしくない…?でも聖杯は現れたんでしょう?」

 

「姿を現すだけなら時間が解決する。だが願望機として完成した聖杯は自らを得るにふさわしい持ち主を選ぶ。自分以外の魔術師を全て下し、最後の1人となった時、聖杯は自ずと勝者の下に現れるだろう」

 

「………」

 

退路はない

 

偶然か必然か

 

彼女は足を踏み入れてしまった

 

この話を聞いてしまえば彼女は逃げられない

 

「さぁ、この戦争に参加するか否か、ここで決めろ」

 

「10年前の火災が聖杯戦争が原因だっていうなら、私は…」

 

思い出されるのは幼き憧憬

 

あの火事の中、自分を救い出してくれたたった一人の『魔法使い』

 

「戦います…マスターとして戦います!!」

 

「それでは、衛宮 穂風を最後のマスターとして認めよう、ここに第5次聖杯戦争の開幕を宣言する。各自が己の信念に従い、思う存分競い合え」

 

ここからが本番だ

 

 

 

Side:識 out




皆さん、新年明けましておめでとうございます!!

第12話です

寝てたり新しく書こうと画策してるガンダムの小説の主人公機描いたりなんだりしてたらあっという間に正月三箇日が終わってました

本話はそもそも1月1日の00:00に投稿するつもりだったのですが、なんと体調を崩し敢え無く断念しました

ところでfgoユーザーの皆さんは福袋ガチャなにが出ましたか?

ボクは未所持の上杉さんを狙って『紅組Art単体[弐]』を引いたのですが妖精騎士ランスロットが来ました

宝具LV.が2になったのがシンプルに嬉しかったので個人的には当たりだと思ってます

狙いのサーヴァントが出た方も出なかった方もいると思いますが今年をよりよく過ごしていけることを陰ながら祈っています

今年からは受験気に入り更にぐだぐだペースであげていきますが何卒本小説をよろしくお願いします!!
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