Fate/stay night [Heaven’s Dived Tales]   作:らて丸

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#013

Side:識

 

 

 

「お話は終わった?」

 

「ッ!!」

 

教会を出ると、そこにいたのは一人の少女

 

オレと同じ銀髪に、オレと対をなすような赤い瞳

 

「こんばんわ、お姉ちゃん。シキもこんばんわ。私はイリヤ、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン」

 

その瞬間、彼女は糸を引っ張った

 

ギギギギギギッ!!

 

背後で音を立てて閉まる教会の鉄門

 

「なるほどねぇ、安全地帯には入れないつもりか…」

 

「ご丁寧にどうも…ッ」

 

遠坂も自分の立たされている状況を理解したようだ

 

狂戦士(バーサーカー)か…、イリヤが喚んでたとはな、少しめんどくさそうだ」

 

「じゃあ、殺すね。やっちゃえ♪バーサーカー」

 

「■■■■■■――――――ッ!!」

 

「「セイバーッ!!」」

 

オレと衛宮さんの号令と同時に駆け出す2騎

 

緋色と焔色の舞踏

 

代わる代わる黒鉛の巨人と斬り結ぶ

 

推しても、押され圧倒的な差を見せつけられてるみたいだ

 

「ランサーがいないってのに…ッ!!」

 

今こそはなんとか接戦程度に持っていけてるが、このままいくとジリ貧だ

 

「いいわよ、バーサーカー!!ソイツ硬いから、四肢をもいでから殺しなさいッ!!」

 

渾身の一撃、

 

地面が割れるほどの踏み込みから放たれた拳は、ジャンヌを軽々吹き飛ばした

 

マズイ、このままじゃ…

 

「大丈夫か、ジャンヌ」

 

「えぇ、まだ戦えます…」

 

「いや、その必要はない」

 

太刀の鞘の銃口から閃光が迸る

 

魔術弾を仕込んでおいてよかった…

 

「ぐぅ、め、目が…」

 

イリヤに効いてる

 

「よし、退くぞ」

 

それぞれのサーヴァントが己の主を抱きかかえ、教会のある高台から飛ぶ

 

あんな奴とまともに打ち合って勝てるわけがない

 

逃げるが勝ちとはまさにこのこと

 

てか、オレって女子にお姫様抱っこされてるってことなんじゃ…

 

オレは恥ずかしくて自我が崩壊する前に深く考えることを辞めた

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、これ。とりあえずセイバーが着られそうなやつまとめといたから。あの見た目なら和装のほうが気に入ってくれると思ったから和装多めにしといたよ」

 

「ありがとうございます!!」

 

場所は変わってオレんち

 

教会に行く途中に、セイバーが着れそうな服がないって言ってた適当に家にあるものを数セット分キャリーケースにまとめた

 

「じゃあ、そろそろ帰りますね」

 

「送っていくよ」

 

「お、お願いします…」

 

「先輩、もう遅いですし、泊めていってあげたらどうですか?」

 

確かに先生もいないし客間が空いてたな

 

「いいかもな。衛宮さんはそれでもいい?」

 

「じゃ、じゃあお言葉に甘えて…」

 

「服は桜ちゃんに適当に借りてもらうことになっちゃうかな…」

 

「お風呂湧いてますから入ってきてもいいですよ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

桜ちゃんも同年代の女の子で話せる子が増えて嬉しそうだな

 

さて、ご飯も作らなきゃだな

 

「桜ちゃん、手伝ってもらっていいかな?」

 

「ご飯ですね?さっさと作って食べちゃいましょう!!明日も学校ですから!!」

 

「あぁ、そうだね」

 

桜ちゃんとテキパキと調理を進めていく

 

桜ちゃんと料理をしている時はこんな時間がずっと続けばいいのにと思ったりする

 

桜ちゃんが中学生の頃から面倒見てるからなのか、最近は可愛いよりも美しいのほうが言葉として似合うような気がする

 

いつの間にかこんなに大きくなって…

 

どこか、成長を眺めている親心のようなものを感じているオレはひょっとしてヤバいだろうか…

 

「先輩って人が良すぎると思うんですよね」

 

「ん、そうか?」

 

「そうですよ!!美綴先輩に毎日お弁当作ってあげてるし、兄さんの弓の整備してあげたり、昨日は遠坂先輩の家に時計直しに行ったり、私が来たばっかの時なんて青子さんに首輪つけられてたじゃないですか!!」

 

待って、最後のはオレの純情が弄ばれた在りし日の黒歴史だから思い出させないでくれ

 

「先輩は詐欺とかに引っかかっちゃいそうなくらいにすぐに人のこと信用する癖直したほうがいいと思いますよ!!そんなだから悪い蟲が憑くんじゃないんですか…?

 

「え?どうかした?」

 

「いえ、何でも無いです」

 

桜ちゃんはにっこり笑いかけてくれている

 

「まぁ〜、アレかな?オレは少しでも多くの人に幸せになって欲しいっていうか、誰かのために成りたいんだよ」

 

「先輩って私が側にいないとすぐ騙されそうで見てられないです…」

 

「ご迷惑おかけしてます…」

 

「なので、先輩が死ぬまで私がずーっと側にいてあげますね」

 

「はは、死ぬまでって。それまでにはどこかいいひとにお嫁に行ってください」

 

「ム、先輩もしかして私のことまだ妹分だと思ってますね?」

 

「そりゃあもちろん」

 

「ふーん、そうですか!!」

 

ぷいっと、料理が盛り付けられたお皿を持ってダイニングに行ってしまった

 

なんか気に障ることを言ってしまっただろうか…

 

「遠海くん、間桐さん、着替えとお風呂ありがとうございました」

 

「あぁ、ちょうどご飯できたから食べてくれ、明日も学校だ」

 

「はい!!頂きます!!」

 

 

 

 

 

 

翌日、

 

衛宮さんを少し時間をずらして登校させた

 

制服を新調するそうなので遅刻してくるそうだ

 

「遠海先輩、おはようございます…」

 

「あぁ、おはよう。若狭くん」

 

「そういえば、今日は桜さんと一緒に登校して来たんですね」

 

「まぁね、よくウチに泊まってるし、それに最近物騒だろ?」

 

「えぇ、先輩も気をつけてくださいね?後ろから刺されるかもしれないので」

 

「オレそんなに誰かに恨み買ってるかなぁ…?」

 

「………」

 

普段あまり笑わない若狭くんが今日はすごいにこやかだ

 

なんかいいことでもあったかな…

 

「こら~!!遠海、若狭!!サボらない!!」

 

「「痛っ!!」」

 

オレと若狭くんは美綴のゲンコツを受ける

 

「ちっ、女の癖に…」

 

「?」

 

若狭くんがなにかを言ったようだが、オレは聞こえなかった

 

ハイハイ、真面目にやりますよ、部長

 

 

 

Side:識 out




おまたせしてしまい申し訳ありません

SAO見てたりFGOの周回してたりで書いてはいたんですが投稿するまでにたどり着いていませんでした

あと気が付かない間にお気に入りが100越えてたんですよね

こんな作品がこんなに多くの方から気に入られるだなんて感謝感激でございます


ここからはちょっとした補足です

識くんの首には冬木の大火災のときに首から肩にかけて火傷跡があります

服で肩あたりは隠れますが、首はどうしても隠せなかったので青子さんはどこぞのYAMA育ちにしてあげたように首輪をつけてあげたのですが事件発生

型月主人公特有の天然人たらしによって識くんにゾッコンになった青子さんは首の火傷跡を橙子さんに消されたあとも識くんに首輪をつけ続けさせようとしました

周りから見たら犯罪じゃね…?
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