Fate/stay night [Heaven’s Dived Tales] 作:らて丸
#018
Side:識
夜
オレは柳洞寺への調査へと赴いていた
遠坂の話によると柳洞寺の人から魔力を吸い上げていたのはキャスターではなくあの黒い影の可能性が高いとのことだった
冬木市だけで被害者は3000人以上
無人となり別の場所へと活動範囲が広がればどうなるかわかったもんじゃない
街の見回りは衛宮さんに、遠坂は臓硯を追うとのこと
「警戒しろよ、ジャンヌ。深追いはしすぎるな」
「わかりました…」
入ったは良いものの…これだけ時間が空いてれば、キャスターに痕跡を消されててもおかしくないが…
それにキャスターがつかっていたあの鏡…
うーん、鏡かつ服装的に日本の英霊だよな…
三種の神器の銅鏡とはなにかしらの関係があるのか?
アマテラス…
いや、そんな神霊がそもそも聖杯じゃ喚び出せないだろ
いや、日本の英霊喚び出してる時点で色々おかしいけどさ…
今度、言峰に頼んで過去の聖杯戦争の資料を調べさせてもらうか
あまりにも例外が多すぎる
「じゃあ、ジャンヌ…オマエはそっちを、オレは奥を調べてくる」
「えぇ、わかりました」
襖を開き中へとはいる
うん、荒れた様子もなければサーヴァント特有の気配の残穢も感じられない
「柳洞寺の一件は黒い影の仕業で確定で良いのかな…」
その時、
ジジジジジと不愉快な羽音
視界に写ったのは、灰色の羽虫
「前言撤回、やっぱアンタらの所為か、間桐臓硯」
「『ふっ、飛んで火に入る』とは、正にこのことよな」
『ジャンヌ、そっちはどうだ…?』
『アサシンと会敵しました。どうしますか?』
『アーチャーの件もある。深追い厳禁だ』
『了解です』
ジャンヌとの念話を済ませ、改めて臓硯を見つめる
「んで?オレになんの用だよ」
「いや、本来だったら今回のセイバーかランサーが来ると踏んでいたが…そう思いどおりには行かないものよな」
「あら、野郎が来て残念と」
「いや、お主のような魔力の塊をアサシンへと喰わせれば…、こちらの勝ちは同然よ」
結局オレでも良かったのか…
ほんとなんでもござれなクソ野郎だな、殺虫剤ばら撒くぞ
「して、お主にこの蟲たちをどうにか出来るかな…」
「やるだけやってみるとするか…」
Side:識 out
◇
◆
◇
Side:聖女
「ふっ!!」
ギィン、ギィンと、金属と金属がぶつかり合う音が柳洞寺内に響く
早くシキの元へと向かわなければならないのに…っ
このアサシンは思いの外打ち合いが出来る
沼の岸まで追ってきましたが…
ここで仕留めます…
「ただこちらは、貴殿をここまで誘き寄せれればよかった」
「?、…っまさかっ!!」
その言葉の真意に気がついた頃にはもう遅い
黒い影の帯は、木製の床を突き破りこちらを狙ってくる
シキにアレだけ言われていたのに…
そして、刹那…
足首に何かが巻き付くような感覚
「しまっ…」
ドクンッ!!
「あ"ぁ"ぁ"ぁ"あ"あ"ぁ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"あ"ぁ"ッ!?」
黒い影から送られてくる膨大な情報
脳を蝕み、霊基を犯し、心を喰らう
「アサシン、貴方はこれがなにか分かっているのですか!?」
「あぁ、この影は純正に近い英霊であるほどその影には抗えない。聖処女ジャンヌ・ダルク…貴殿はフランスを救った英雄だ。その影の効果は見ればわかるようだな…」
「あっ、くぅ…」
思考が保てない
このままでは、この影に…
「その影は英霊を喰らう。ただその前に、貴殿の心臓を…私が貰う」
黒い帯状の布から現れた長い腕
「まだ、終わってなるものですかッ!!」
魔力放出を行い影の侵食の進行を食い止める
このまま、アサシンに心臓を明け渡すくらいなら…
死なばもろともッ!!
でも、
最期に…
最期に、シキに逢いたかった
愛し合いたかった…
『ごめんなさい、シキ』
『は?なにいってんだ…?』
" 諸天は主の栄光に。大空は御手の業に。"
一言、私は彼に謝る
" 昼は言葉を伝え、夜は知識を告げる。"
「別れの言葉は済ませたのか?」
" 話す事も語る事もなく、声すらも聞こえないのに "
「いえ、私達には、そんなもの必要ないですから」
" 暖かな光は遍く全地に、果ての果てまで届いて "
そうです、彼ならきっと生まれ変わっても私を喚んでくれる
" 天の果てから上って、天の果てまで巡る "
だから、彼との別れはあっさりしたものでも大丈夫
" 我が心は我が内側で熱し、思い続ける程に燃ゆる。"
でも少し不安です。私がいなくてもめんどくさがらずに家事をやるのか
" 我が終わりは此処に。我が命数を此処に。我が命の儚さを此処に。"
まぁ、そこはサクラもいることですし、しっかりやってもらわねば困ります
" 我が生は無に等しく、影のように彷徨い歩く "
私の二度目の人生は、貴方のお陰で華やかなものでしたよ
" 我が弓は頼めず、我が剣もまた我を救えず "
紅く眩く呪腕がこちらへと伸びる
" 残された唯一つの物を以って、彼の歩みを守らせ給え。"
「
シキ、
私は怒っているのです
最近、いろんな女性と仲良くなっていて
サクラやアオコだけならともかく、ホノカやリン、リョウギシキとまで仲良くなって
でも、これが愛故の怒りならば、貴方は受け入れてくれるでしょうか…
この憎愛を…
え。私はなにを…?
次の思考へとたどり着く前に最期の節を唱える
「" 主よ、この身を委ねます―― "」
その瞬間、柳洞寺の一角が紅く焔が燃え上がる
私に巻き付いた影はもうどうにも出来ませんが、これでアサシンに心臓を奪われることはない
私の心象風景を剣として結晶化させる宝具
これが、私が
『
この宝具の使用後は、私の霊基は砕け散る
顔にも影が巻き付いたのか視界が塞がれる
私は影に飲まれながらも意識を手放す前に
1つの言葉を紡いだ
サヨナラ、私の愛しいシキ…
Side:聖女 out
第18話です
補足ですが、霊基が崩壊する前に影に呑まれているので…
つまりそういうことです
更新ペースをゆっくりになっていますが、更新は続けていきたいです
評価、感想よろしくお願いします!!
人気キャラ投票!!
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マスター:遠海 識
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セイバー:ジャンヌ・ダルク
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マスター:衛宮 穂風
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セイバー:???
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マスター:遠坂 凛
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ランサー:???
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マスター:言峰 綺礼
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アーチャー:巴御前
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マスター:間桐 臓硯
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アサシン:???
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キャスター:???
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マスター:若狭 廉太郎
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ライダー:???
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マスター:イリヤスフィール
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バーサーカー:???
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蒼崎 青子
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蒼崎 橙子
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両儀 式
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間桐 桜
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間桐 慎二