Fate/stay night [Heaven’s Dived Tales]   作:らて丸

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#004

Side:識

 

 

 

部活が終わり、各々が帰路へと着き始めた

 

最近物騒だからこ(・)ん(・)な(・)ん(・)で(・)も(・)一(・)応(・)女子の「一応じゃなくて女子だからね?」

 

…地の文(心の中)に挟まってくんなよ

 

まあ最近は物騒なので美綴を家まで送ってあげている

 

オレってば優しー

 

「春大会も頼りにしてるからね、アンタがいないと弓道部は成り立たないくらいだものね」

 

「そうか?オレ以外にも巧いやつはたくさんいるし、それに一年も着々と腕前を上げてるだろ?」

 

「そうね〜、ただ、アンタ目当てで入ってきた子も多いだろうし、アンタに追いつきたい一心でやってるの子もいるかもよ?」

 

「ハッ、どんな物好きだよ。そんな奴いるわけねぇって」

 

「間桐とかどうよ?中学の頃から面倒見てたんでしょ?」

 

「桜ちゃんは慎二がいるからだろ?」

 

ジトーっと、にらみつけるような目でこちらを見つめる

 

「んだよ」

 

「べっつにィ〜?」

 

「相変わらず変なヤツだ」

 

美綴の住む蝉菜マンションまではあと少しだ

 

「?」

 

俺たちの進行方向とは逆向きに進んでいる金髪の男

 

外国人だろうか?

 

コツコツと一定のリズムを刻みながら黒いライダースーツの男は歩み寄ってくる

 

普通の人から見れば『美形な外国人』といった印象だろうか

 

しかし、オレの目に映るものは違う

 

オレの同居人と、聖女(英霊)と同じように見えた

 

金髪に赤目という誰が見ても美青年と言うと思うような美貌

 

奴との距離が近づく

 

奴が今回の参戦者の場合オレはどうなる?

 

たらりと冷や汗が頬を撫でる

 

「もうすぐだな、開幕は…」

 

しかしその警戒が馬鹿みたいだったようにそのまま通り過ぎていく

 

だが、男は確かにこう囁いた

 

『もうすぐだな、開幕は…』

 

奴は間違いなく俺の事を魔術師(アチラ)側の人間として見てる

 

次会うときは敵として…だろうか…

 

「どうしたの?遠海」

 

「なんでもねぇよ、早く帰るぞ」

 

「ふーん?」

 

「明日のおかずのリクエストは?」

 

「美味しいもの!!」

 

「ハイハイ」

 

開戦は思いの外近いのかもしれない

 

さて、どうなることやら…

 

 

 

◇

◆

◇

 

 

 

「んで?なんのようだ?」

 

「いやー、ね?ほら朝にも話した通り我が家の時計全部一時間ズレてて…」

 

「うんうん、それで?」

 

「直して♡」

 

「舐めてんのかテメェ」

 

おい!!女の子に対してそんな口調はないだろ!!って言ってくる輩がいるかも知れないが今回に限ってはオレの主張が正しいものだと断言できる

 

「今、夜の11時ですけど?」

 

冗談じゃねぇ何が悲しくてクッソ寒い夜にあんな坂登らなきゃいけないんだ

 

「でだ、お前はオレに何ができる?」

 

「えっと、いま貯金が厳しくて…」

 

「なんでこんな豪邸に住んでるやつが金ないんだよ…」

 

「しょうがないじゃない!!出費が多いんだから!!」

 

「えぇ…」

 

なんでオレがキレられてんの?

 

「はぁ、わかったよ。時計の場所案内しろ」

 

「え?」

 

「直してやる、今度ジュース一本な?」

 

「…ありがと」

 

「忘れんなよ?」

 

「忘れないわよ!!」

 

 

 

Side:識 out

 

 

 

◇

◆

◇

 

 

 

Side:凛

 

 

 

時間は過ぎ、まもなく午前2時

 

遠海くんに時計を直してもらったからきっかり2時に召喚できるはず

 

私の魔力が最高潮に達する時間

 

それに合わせて、私だけの英霊(サーヴァント)を召喚する

 

魔法陣を描き、私の魔力を込めた宝石を溶かし、窪みに流し込み満たす

 

経済的に失敗は許されない

 

父が残したのは赤いペンダントと円卓の欠片

 

狙うのは最優の英霊(サーヴァント)と呼ばれる剣士(セイバー)クラスの英霊…

 

「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。祖には我が大師シュバインオーグ…」

 

身体が熱くなる

 

「降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ…」

 

血液は全身を高速で駆け巡り、おびただしいほどに発汗させる

 

魔術師はただ、英霊を呼び出すための回路(器)に過ぎない

 

「閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。繰り返すつどに五度。ただ、満たされる刻を破却する…」

 

額にツノが生える感覚…

 

背中にツバサが生える感覚…

 

腕にウロコが生える感覚…

 

口にキバが生える感覚…

 

踝に水が満ちる感覚…

 

「――――――Anfang(セット)」

 

目を閉じ、精神を研ぎ澄まし耳を澄ませる…

 

「――――――…」

 

まだ…

 

「―――――――――…」

 

まだ、まだ…

 

「――――――――――――…」

 

もう少し…

 

「――――――――告げる…!!」

 

僅かながら、一階の柱時計の鐘が鳴る

 

それは午前2時を告げる鐘

 

「――――告げる。汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。聖杯の寄るベに従い、この意、この理に従うならば応えよ…!!」

 

感覚的に長い時間止まっていた詠唱を再開する

 

「誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」

 

最後の一節

 

私は一息にそれを唱える

 

感覚的にわかる

 

完璧の詠唱

 

完璧かつ、最高の英霊(サーヴァント)を喚び出せたに違いない

 

眼の前に佇んでいたのは白銀の鎧を纏った金髪の女性

 

「―――応えよう。私は貴方のサーヴァント、ランサー

 

 

 

 

 

 

最果ての槍を以て、貴方の力となる者です」

 

 

 

Side:凛out




4話です

凛のサーヴァントは察せる人は察せると思います

これでもう陣営がぐっちゃぐちゃになってるのがわかりますね

第四次聖杯戦争ではどんな陣営だったのか…

いやー全く持って考えてないですねぇ…

見切り発車ってのは恐ろしいですね!!(反省の色なし)

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