Fate/stay night [Heaven’s Dived Tales]   作:らて丸

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#005

Side:凛

 

 

 

「ハァ…」

 

朝から、ため息が止まらない

 

召喚した英霊(サーヴァント)は『剣士(セイバー)』ではなく、『槍兵(ランサー)』だった

 

円卓の騎士なんだから剣士(セイバー)縁の英霊(サーヴァント)が来ると思うじゃない…

 

まあ、召喚した英霊(サーヴァント)は間違いなく当たりだろう

 

あのレベルのサーヴァントを呼び出せるだなんて

 

遠海に感謝しないとね

 

プラスに考えないと…

 

昨日はランサーには今後、戦いの場になるであろうこの街(冬木市)を案内したときだった

 

ビルの上にいる私と目があった人物がいた

 

本来なら、見えるはずのない距離であるのに、その双眼はこちらを見据えていた

 

彼は魔術師でもないのに

 

その少年が…

 

「遠坂、どうしたんだ?朝からそんな顔して。思い通りにいかなかったときみたいな顔してるぞ?」

 

うっ…少し図星なのが悔しい

 

今日は朝練がなかったのか、私の後ろから遠海が話しかけてくる

 

「そんなことないわよ…」

 

こいつは一発で人のこと当てたり、読心術でもあるのかしら

 

そうおもいながら、校門を潜ろうとしたとき、身体全体に寒気が走る

 

空気が淀んでいるどころではない。この校舎には既に結界が張られている

 

「ねぇ、遠海くん。少し今日身体がダルかったりしない?」

 

「ん?あぁ、そうだな。昨日夜遅くまで勉強してたからかな…」

 

教室へと向かう生徒は皆、身体をダルそうに動かしている

 

しかし、感づかれるようなこんなお粗末な結界を張るなら相手は素人だ

 

とりあえず、私のテリトリーでこんなものを仕掛けるなんて許せないわね

 

見つけ次第示談無しでぶっ飛ばしてやるんだから

 

まだ見ぬ敵マスターに狙いを定めて、私は教室へと向かった

 

 

 

Side:凛 out

 

 

 

◇

◆

◇

 

 

 

Side:識

 

 

 

2限が終わった頃、俺は美術室から帰る途中に重そうな資料を一人で運ぶ後輩を見つけた

 

「桜ちゃん、手伝うよ?」

 

「あ、先輩…、じゃあ、半分頼んでいいですか?」

 

「わかった」

 

オレはそういいながら、半分ほどの紙の束を桜ちゃんから取り上げる

 

「このプリント…世界史なら葛木先生かぁ…女の子にこんな重いの運ばせるなんて…」

 

「ありがとうございます、先輩…」

 

「これくらい気にしないで。これはドコまで運べばいいかな?」

 

「葛木先生のところです。誤字があったから回収するって言ってました」

 

「あ~」

 

思わず納得してしまう

 

彼は世界史担当であり、オレが所属する2年A組の担任なのだが、真面目すぎるせいかプリントに一文字誤字があるだけですべて回収したり、この間なんて定期テストだと言うのに一文字誤字があり、急遽世界史のテストは後日にやることになった。

 

真面目なのはいいことなのだろうが、彼はあまりにも不器用なのが玉に瑕だ

 

「先輩、ここまでで大丈夫です。あとは葛木先生に届けるだけなんで」

 

「いや、最後まで運ぶよ。もう少し桜ちゃんと話していたいしね」

 

「ふふ、変わってますね、先輩」

 

そうかな…?

 

そんなこんなで、職員室にたどり着く

 

「失礼します、2年A組の遠海です。葛木先生に用があってきました」

 

「どうした…?」

 

葛木先生は奥で、ひょこっと顔を出す

 

オレは桜ちゃんからプリントを全部受け取り

 

「先生これ、間桐さんに頼んでたやつ。間桐さんは女の子なんだから、これからは気を遣ってあげてくださいね?こういうの力仕事は男の子に任せたほうがいいと思いますよ」

 

「む、そうだな、配慮が足りてなかった。今後は気をつけよう」

 

「はい、それじゃあ、俺はこれで」

 

「あぁ、学年末は満点取らせないからな?」

 

「まぁ、頑張ります」

 

桜ちゃんをあまり待たせるのも悪いからな、足早に職員室を出る

 

「待たせちゃってごめんね、」

 

「いえ、こちらこそ手伝ってくださりありがとうございます」

 

「桜ちゃんは抱え込み気味だからさ、いつでも頼っていいからね」

 

「はい!!」

 

 

 

◇

◆

◇

 

 

 

体育への移動

 

とても面倒だが単位を落とすわけにはいかないのでやるしかない

 

その時だった

 

「きゃッ!!」

 

「え?うわっ!!」

 

余所見をしていたせいで誰かとぶつかってしまったらしい

 

「いっつつ…大丈夫?」

 

「え?あ、はい…大丈夫です」

 

金髪にキレイな翠眼

 

その様子は、童話に出てくるお姫様のようだった

 

「ぶつかっちゃってごめんね、怪我とかはないかな?」

 

「…あ、はい、大丈夫です」

 

「じゃあオレ急いでるから行くね、じゃあまた!!」

 

「あの、!!」

 

「?」

 

彼女はこちらを見つめ少しばかり顔を紅くしている

 

どこかぶつけてしまったのだろうか?

 

「…名前だけ、聞いてもいいですか?」

 

「遠海 識。えっと、」

 

「衛宮 穂風です。よろしくおねがいします…」

 

「うん、よろしくね。って、時間やばっ!!ごめん、もう行くから!!」

 

「あ、はい…」

 

窓が空いた廊下の中

 

一陣の冬の風が通り抜ける

 

「変わった人だな…」

 

彼女が何を言ったのかは俺の耳には届かなかった

 

 

 

Side:識 out




第5話です

衛宮士郎なんてのは最初から存在しなかったんだ…

士郎くんのこと大好きだった方がいたら申し訳ないです

ラストは思いついてるんですけど、別ルートとかも書いたほうがいいのかな

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