Fate/stay night [Heaven’s Dived Tales]   作:らて丸

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#008

Side:穂風

 

 

 

「ハァ、ッ!!ハァ、ッ!!」

 

私は夜の廊下を駆ける

 

あの赫い甲冑を纏う少女から逃げるためだ

 

この胸の中で張り詰める気持ちを落ち着かせるために剣を振るっていた

 

収まらなかったけど…

 

銀髪にキレイな青い目

 

丸メガネがどこか知的な雰囲気を漂わせていた少年

 

遠海 識…

 

しかし、今は彼のことを考えてる場合じゃない

 

彼女を一刻も早く撒いて、家へと帰らねば

 

そんなときだった、唐突に胸へと走る衝撃

 

ちょうど心臓があったであろうあたりに風が通り抜ける感覚

 

「風…?」

 

その感覚が本来あってはならないものだと知覚した私は胸へと視線を落とす

 

私の胸は制服ごと綺麗さっぱりなくなっていた

 

「あ、あぁっ…」

 

じわじわと広がっていた痛みが激痛へと変わり炎が溢れ出るように鮮血が白い廊下を染める

 

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い

 

あぁ、最期にもう一度、

 

彼に…

 

願いは届くこともなく

 

私が最後に見たのは…

 

金髪の青年だった

 

 

Side:穂風 out

 

 

 

 

 

 

Side:凛

 

 

 

校舎の中を進む

 

ランサーの気配を辿ってたどり着いたのは三階

 

「ランサー、貴女はアーチャーを追って」

 

「わかりました…」

 

制服からして女子生徒

 

こんなカタチで一般市民に犠牲者が出してしまった

 

「せめて、看取ることは出来るから…」

 

うずくまり、よく見えない顔を見るために仰向けへと変える

 

しかし、私はそのことを後悔することになる

 

「そんな…」

 

倒れていたのはブロンドヘアがよく似合ってる翠眼の少女

 

少女の名は『衛宮 穂風』

 

先月、穂群原学園へと転校してきたばっかの少女である

 

その瞳は既に光を失い、胸にぽっかり空いた穴からは絶えず血が流れ出ている

 

これじゃあ…もう…

 

いや…

 

首にかけたペンダントを取り出す

 

父からの遺品のペンダント

 

これに込められた魔力なら…

 

「それを使えば彼女は助かるのか?」

 

「ッ!?」

 

私は警戒する

 

目の前にるのは狐面を付けた少年

 

彼の後ろには一人の少女

 

「貴方は何者なの?」

 

ポケットから宝石を3つほど取り出し構える

 

「オレは通りすがりのしがない魔術師だ。それよりオレ達が争っている場合じゃない。オレらが争えば衛宮 穂風の命が消えてしまう」

 

「わかった、アンタの言う通りだしね」

 

衛宮さんの胸元に手を持っていきペンダントに込められた魔力を流しだす

 

そうすると、仮面の少年は私の手に重ねるように手を置く

 

「始めるぞ」

 

「えぇ」

 

顔を見合わせる…といっても彼の顔は見えないが…

 

なぜだろう、彼とならなんだってできるような気がする

 

「お前はただ、魔力を流すことに注意を向けろ、オレが細かい操作と蘇生を行う」

 

「言い方がムカつくけど…いいわ、アンタの考えに乗ってあげる」

 

みるみるうちに肉体は修復されていく

 

その光景は、土塊から人形を一から創り出すような作業

 

しかし、それがとても美しく感じられる

 

「…こんなものか」

 

彼の全面的補助があったとはいえ、心臓を丸々一個修復するだなんて、時計塔では一発合格レベルじゃない

 

集中してたからか、下着まで汗でぐっしょりだ

 

彼は、コートを脱ぎ彼女にそのまま被せる

 

制服の胸の部分に穴が空いているのだ、このままでは丸見えになってしまうしね

 

「あら?案外優しいのね」

 

「そうか?これくらいは普通だろ」

 

「そう、じゃあこれは聞いておかないと、アンタ何者よ

 

全力の低い声

 

魔力を込めた宝石を取り出しいつでも投げれるようにする

 

「なんだよ、一緒に人一人の命を救った仲じゃないか、そんなオレにンな物騒なモン向けて」

 

「えぇ、それには感謝してる。でもアンタはなぜここにいたの?今回の聖杯戦争の参加者だからじゃないの?」

 

「なるほど、だが残念ながらオレは今回の聖杯戦争の参加者じゃない」

 

「そんなこと言われたからといって、そんなの連れておいて『ハイ、そーですか』っていって引き返せるわけ無いでしょ?」

 

私の視線の先には金髪の少女

 

彼女はおそらく槍兵(ランサー)と同じ英霊(サーヴァント)

 

「確かに、コイツのこと見られたら弱いよなぁ…だが、オレは今回の参加者じゃない」

 

「だから、なんだって言うのよッ!!」

 

これ以上話しても平行線だ

 

同年代では魔術に関しては負けない自信がある

 

「ッ!?」

 

何よりこの至近距離だ宝石もまともに避けられないでしょッ!!

 

彼を四方から囲むように宝石を放つ

 

話してる間に衛宮さんからはだいぶ離れた

 

ここで、捕縛す(捉え)るッ!!

 

だが私は、この考えが甘かったことに気がつく

 

「流石だな、」

 

一太刀、それだけですべての宝石弾が弾かれ彼の後ろで爆発が起こった

 

「は?」

 

口で褒めながらも私の腹部に彼の蹴りが突き刺さる

 

「ガハッ…」

 

直感で鳩尾に魔力を集中させてよかった

 

それがなかったらあの一撃で私は動けなくなっていたであろう

 

それでも呼吸がつらい

 

それに女子のお腹を思いっきり蹴るだなんて…

 

「なんてこと、すんのよ…」

 

「一撃で終わらせようとしたこちらの優しさだと思ってほしいな、こちらとしては衛宮 穂風に姿を見られるのはなるだけ避けたいんでな」

 

「………」

 

「お前もわかるだろ?一般人を巻き込むわけにもいかないし、ましてはお前じゃ俺には勝てない」

 

「…ッ」

 

理解している

 

あの洗練された一太刀ですべて弾いて魅せたのだ

 

おそらく魔力回路の質も量も私より上…

 

「それじゃあ、オレはここらでお暇させていただくよ」

 

「ぅ、あ…ま、待ちなさい…」

 

私の声が彼へと届く前に、彼らの姿は既になくなっていた

 

 

 

Side:凛 out




第8話です

今回内容薄いです!!え?いつも?そんなァ
多分???くんは凛の実力を知っているからこそ軽く流しているようで結構ガチで戦っているんだと思います
そして穂風さんの心臓を貫いたのは一体どこのナニガメッシュなんだか…

評価、感想よろしくお願いします!!
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