Fate/stay night [Heaven’s Dived Tales] 作:らて丸
Side:穂風
肌を撫でる風の感覚とともに私は目を覚ました
窓ガラスの殆どが割れ、窓枠も歪んでいる
そして、私の胸元にはひとつの黒いコート
「…いい匂い」
呼吸をすると、若干の痛みを感じ、胸に手を当てる
そこには確かになくなったはずの肌がある
足元には紅い宝石のペンダント
しかし、それにかまっている余裕はなく
フラフラと身体を上下させながら、私は家へと帰った
家にたどり着いたものの満身創痍という言葉がふさわしい状態
しかし、数刻後再び足音が、日本家屋に響く
どうやら相手は私のことを休ませてくれるつもりはないらしい
強盗という可能性も考えはしたが…
このタイミングで来るのは…
命を刈り取る暗殺者…
部屋の隅、木刀袋から一本木刀を取り出し構える
相手が槍ならば、ナイフや包丁などのリーチが短いものではダメだ
ちょうど木刀がすぐそこにあってよかった
私の肉体を通う魔術回路を開く
一陣の疾風が広い荒野を駆け抜けるようなイメージ
「風よ…、」
木刀が視界から消える
しかし、柄をその手で掴んでいる感覚は依然として残ったまま
足音が止んだ
私はどこから襲撃があってもいいように感覚を研ぎ澄ます
相手は…
その瞬間だった
突き破られた天井より現れるのは先程の赫い甲冑を纏いし少女
「余計な仕事を…、私がまた来ることになったじゃないですか」
彼女は気怠げにこちらを見る
こっちは今制服の胸が全開なのだ
せめて着替える時間くらいは欲しかった…
「あのときは仮面の少年の邪魔が入りましたが、今度こそは仕留めます」
ジリジリと薙刀を構えながら近づいてくる少女
今度こそ、彼女の炎が私を焼き尽くすのではないか?
そんな不安に駆られながら私は木刀を構える
「それでは、斬り捨て御免なさい」
本来ならば、本日2回目の死を齎していたであろう刺突が風の剣によって弾かれる
「なるほど、変わった芸当をお持ちですね」
彼女からは表情が消え、より一層緊張した空気へとなる
「ただの少女かと思っていましたが、サーヴァントに心臓を貫かれてもなお生き延びているというのはそういうことでしたか、まさか魔力が宿っているとは…」
窓を突き破り、庭へと転がる
起き上がると同時に剣を振り抜く
追撃は飛んでくると思ったが、狙い通り薙刀を弾けた
決して疾いわけじゃない…
人間の反応速度でなんとかなりそうだ
土蔵にたどり着けば武器になりそうなものはいくらでもある
このまま土蔵までたどり着ければ…
「おや、私から離れてもよろしいのですか…?」
ゾクリと背筋に走る寒気
視界の端、彼女は和弓を構えている
彼女の本職は、薙刀や刀による近接戦闘ではなく…
「弓…!?」
とっさに、木刀で心臓を護るように構える
想像通り、炎を纏った矢がこちらへと飛んできた
「ぐッ……!!」
衝撃を風の鞘で最大限抑えたが、それでも弾き飛ばされてしまう
土蔵の戸口まで吹き飛ばされたものの、力が入らず起き上がることができない
彼女が来る、その前に土蔵から武器を取り出さねば…
「筋は悪くありません、ですが少々若すぎましたか…」
「くっ…」
「もしかしたら貴女が7人目に成り得たのかもしれなかったですね」
今度こそ死ぬ
こんなところで?
「さようなら、今度は迷わぬように」
今度こそ私を仕留めんとする薙刀が構えられる
冗談じゃない…
私はまだ、彼と話してみたい
もっと、仲良くなりたい
邪と言われても構わない
「こんなところで死んでやるもんか!!」
ギィンッ!!
右手に軽い痛みを覚える
刻まれた紋章
これは一体…?
「まさか、7
その姿は錬鉄であった
その姿は他の追従を許さぬ焔であった
その姿は
「………」
炎と焔
「クッ…!!『口は禍の元』ですね…まさか、本当に喚ばれて出てくるとは…
彼女は閉所での戦闘は不利だと察したのか、土蔵から出ていった
野武士姿のこの男
彼は一体…
「さて問おうか、
―――アンタが
Side:穂風
第9話です
やっとセイバー召喚です
それにしても翌々考えたら今回の聖杯戦争って、3/7が日本のサーヴァントだなんて…
やり過ぎた感は否めませんが後悔はしてないです
正直な話、戦闘描写が苦手なので私の脳内イメージがお届けできている自信がない
第一章はこれにて終了です
次回からは第二章、『開戦、
こんな趣味全開の駄文でよろしければ今後も楽しんでいただけたら幸いです
評価、感想よろしくお願いします!!