連邦生徒会長の情報でたらそれとなく修正はいるかもしれません
ガタンゴトンと揺れながら
「……私のミスでした」
「私の選択、そしてそれによって招かれたこの全ての状況」
ガタンゴトンと電車が動いている
「結局、この結果に辿り着いて初めて、あなた達の方が正しかった事を悟るなんて……。」
「……今更図々しいですが、お願いします。」
どこに行くのか、どこから来たのかわからないが確かにどこかに向かっている
「ユリ先生、ケント君。」
意識がハッキリしない。
眼前に少女がいることはわかるがそれだけだ。
彼女の言葉が頭の中に残らない
大事な事を話しているはずなのに
忘れてはいけないはずなのに
友達だと言ったはずなのに
「きっとこの話は忘れてしまって、何も思い出せないでしょう。それでも、あなた達は同じ状況で、同じ選択をされるでしょうから」
それでも聞こえた
「大事なのは経験ではなく、選択」
「……責任を負う者について話したことがありましたね」
「あの時の私には理解できませんでしたが……。今なら理解できます。」
段々と意識が落ちていく
ガタンゴトンと揺れる電車も心なしか終点に着きそうな予感がする
まだ話を聞かなければならないのに
声が遠くなっていく
「ですから、ユリ先生」
「私が信じられる大人である、あなたになら、」
「この捻れて歪んだ先の終着点とは、また別の結果を……」
「そこへ繋がる選択肢はきっと見つかるはずです」
「私やあなたと共に戦うと、友達だと言ってくれた彼もいますから……」
「だからユリ先生、ケント君、どうか……」
「この絆を……私たちとの思い出……過ごしてきた全ての日々を……どうか……」
意識が覚醒する
周りを見渡して情報を取得する
待合室のような場所だが、内装は見た事がない。つまり知らない場所だ。
俺の隣の椅子には我が姉が涎を垂らしそうになりながら幸せそうに眠っている。そろそろ30いきそうなのにその寝方は……っ、殺気!
「んー、あれ私寝てた?」
「ああ、ぐっすりだったよ」
「何か失礼な事言われた気がするな〜?」
「気のせいだ」
「今はそう言う事にしておいてあげよ〜。ふあぁ……私まだ眠いからちょっと寝てるねぇ」
「おい、寝るな。……………マジで寝やがった。」
実の所、俺はまだ此処が何処なのか把握していない。元々姉の赴任先について行く形で此処にきた俺だが、どこに行くのかは聞いていなかったし、案内係であろう子も寝る前に出ていってしまった。更に言えば教職の姉が他所に行くなら教師として仕事をしに行くのだと思っていたので此処で何をするのかも正確に把握してない。
「……おや、起きていられましたか。」
ふと声が聞こえた
「少々待っていてくださいと云った時は非常にお疲れのようでしたから、まだ眠っているのかと思いましたが……その様子なら大丈夫そうですね。補佐の方は……まだお眠りの様ですね。今から案内しようと思っていたのですが……起こしましょうか?」
そこに立っていたのは大人びて見える少女だった。
黒い綺麗な髪を伸ばした美人さんで、物語のエルフの様に耳が少し長め。気になるのは頭上に浮かぶ光輪だが今聞くことでも無いだろう。
「……いや、大丈夫だ。俺が起こそう。ありがとう七神さん」
そう言うと目の前の少女 七神リン は意外そうな顔をしながらも、どこか納得したようだ。
「……落ち着いていますね、流石は先生、といった所でしょうか」
その発言に少し違和感を覚えたので、杞憂かもしれないと思いながら訂正させてもらう
「……役職的に先生なのはこっちだ。おい、起きろ。いつまで寝ている。…コラ、起きなさい」
「んん〜、なにぃ?……はっ!寝てた!」
「……案内してくれるそうだ」
「そうなの?ありがとう!えっと……」
「……七神リンさんだ」
「リンさん!」
そうして七神さんに顔を向けると、認識が間違っていることに気づいたのか酷く驚いた顔をしている。
まぁしょうがないのかもしれない。
俺は身長が180近いし、友人曰く俺の表情は無or厳しめのせいで老けて見えるらしい。対して姉は160近くで、いつもニコニコしている。年をとっても表に出にくいから高校生と言われても信じる人が出るだろう。
そんな訳で驚いている七神さんが正気を取り戻した後、案内してもらうことになった。
ここはキヴォトス。数千の学園が集まってできた巨体な学園都市。
俺たちを呼んだのは連邦生徒会長なる人物でどんな役職の人物を呼ぶかは聞いていたが、どんな人物なのかまでは聞いていないらしかった。
そうして簡単な説明を受けながらエレベーターを降りる。
「ちょっと待って!代行!見つけた、待ってたわよ!連邦生徒会長を呼んできて!」
「主席行政官。お待ちしておりました」
「連邦生徒会長に会いにきました。風紀委員長が、今の状況について納得のいく回答を要求されています。」
「トリニティ自警団です。連邦生徒会長に直談判を___」
「あぁ……面倒な人たちに捕まってしまいましたね。」
レセプションルームに着くと4人の少女が七神さんに対し声を張り上げた。
対応していたと子達の顔色が良くなり、反比例する様に七神さんは面倒な人が来たと露骨に顔を歪めている。てか実際に面倒な人たちって言ってる。
しかし、主席行政官とは……彼女たちの発言を聞くに連邦生徒会長は今いないのでは?トップがいなくなって混乱しているからNo.2の七神さんに聞きにきたという感じだろうか。
仲間外れになってしまいやる事もないので、4人の少女にかなり棘のある対応をしている七神さんを見ながら隣の姉に意識を向ける。
ダメだコイツ話は理解してそうだが美少女、美人ばっかだから表情を取り繕ってやがる。
隣のアホが俺の役に立たない事に内心で溜息を吐きながら、言い争っている彼女たちの話を聞き逃さない様にする。
学校の風力発電所のシャットダウン
矯正局から脱走した生徒
スケバンたちの襲撃
戦車やヘリコプターなどの出所のわからない武器の不法流通の2000%増加???
まて今すっごいナチュラルに戦車やヘリコプターって言ったか?しかも、などの?それ以外の武器があるの??あっよく見たらあの子ら銃持ってんじゃん銃刀法はどこいった??てかそんなのが2000%増加???は?????俺たち銃で撃たれたら死ぬんだが??そんなとこでこれから生活すんの???ヤバない???
隣のアホを見る
黒いセーラーの様な服を着た色々デカめの子に対してよからぬ妄想をしてそうな顔をしている。
俺が生まれた時からの付き合いなので表情からなんとなく何を考えているかわかるスキルを習得したが、今ほどこんなスキルを捨てたいと思ったことはない。
取り敢えず小突いた。
しかしどうやら連邦生徒会長は行方不明になってしまったそうだ。
俺たちをいったいどんな人物が此処に呼んだのか少し気になっていたのだが……話すことはできないようで残念に思う
「結論から言うと、サンクトゥムタワーの最終管理者がいないため、今の連邦生徒会は行政制御権を失った状態です。認証を迂回できる方法を探していましが……先ほどまで、その様な方法は見つかっていませんでした」
っとどうやら話がコチラに向くようだ。視線から隣のアホ、いや先生がご所望だと判断したので少し前に押し、俺は一歩下がる。
「この先生こそが、フィクサーになってくれるはずです。」
少女たちの視線が姉に、先生に向けられる。
この大人は誰なのか、そもなんで此処にいるのか、本当になんとかなるのか
そんな視線を受け止めながら
「初めまして。私が『先生』である、
軽く自己紹介をすると視線がこっちにも向く。まあ知らない人間は俺もだし当然か
「……初めまして、『先生補佐』を務める
そこから簡単に少女たちにも自己紹介をしてもらった
発電所が止まったらしいのが、ミレニアムサイエンススクール所属の早瀬ユウカさん
2000%増加なんていう衝撃的な事を言っていたのがトリニティ総合学園所属の羽川ハスミさん
自身の学園の風紀委員長に報告するために来たのがゲヘナ学園の火宮チナツさん
連邦生徒会長に直談判しに来たのが羽川さんと同じくトリニティ総合学園所属の守月スズミさん、らしい
自己紹介を終えると七神さんの説明が続けた。
「先生は連邦生徒会長の立ち上げた部活、連邦捜査部「シャーレ」の担当顧問としてこちらに来ることになりました。」
「単なる部活ではなく、一種の超法規機関。連邦組織のため、キヴォトスに存在する全ての学園の生徒たちを、制限なく加入させる事すらも可能で、各学園の自治区で、制限なしに戦闘活動を行うことも可能です。」
「先生補佐は、キヴォトスに数千と存在する学園全てを、先生1人では対応することは不可能であると考えられた結果設けられた立場であり、実質的にもう一人の先生であると言えます。今回のような特殊な事例では先生の権限が必要ですが、それ以外では先生補佐は先生とほぼ同様の権限を持っているといっていいでしょう。」
説明された自身の立場に絶句してしまう。連邦生徒会長は一体何を考えてこんな組織を作り、俺たちをそこに入れたんだ?最悪、姉だけが権限を持っている分には問題無かったが俺にも同様の権限を渡すなんて正気の沙汰とは思えない。
4人の少女たちも、説明している七神さん本人すらも、なんで作ったのか?と疑問を持ちながら説明は続く。
「ここから約30km離れた外郭地区にあるシャーレの部室、その地下には、連邦生徒会長の命令で「とある物」を持ち込んでいます。」
「先生をそこにお連れしなければなりません。」
そう言う七神さんは端末を取り出してどこかへと連絡をする。
「モモカ、シャーレの部室に直行するヘリが必要なんだけど……」
『ん?シャーレの部室?………ああ、外郭地区の?そこ、今大騒ぎだけど?』
「大騒ぎ?」
聞こえた単語が信じられなかったのか、繰り返してしまった七神さん。
正直何が起こっているのか察してしまった
『矯正局を脱出した停学中の生徒が騒ぎを起こしたの。そこは今戦場になってるよ』
「…………うん?」
『連邦生徒会に恨みを抱いて、地域の不良たちを先頭に周りを焼け野原にしているみたいなの。巡航戦車までどっかから手に入れて来たみたいだよ?それで、連邦生徒会所有のシャーレ部室を占拠しようとしているみたいなの。まるでそこに大事なものがあるみたいな動きだけれど?』
「…………」
『まあでも、とっくに滅茶苦茶な場所なんだから別に大した事な_______あ、先輩! 頼んでいたお昼ご飯のデリバリーが来たから、また連絡するね!』
「…………」
………モモカといったか?かなり自由な子なのだろう。チラッと見えた様子からポテチの袋を持っていたようにも見える。事態にしか七神さんが言及していなかったから普段からあんな感じなのだろか。
というか巡航戦車?武器の不法流通2000%増加も影響してるのだろうが、恨みを持った地域の不良でも買えるレベルなのか………。
様々な事にドン引きしながら、推定:怒りで通信機器に負荷を与えている七神さんを見る。多分ストレスで胃に穴が空いていてもおかしく無い気がするので、シャーレに無事に着けて余裕ができたら労わろう。絶対。
「……えーっと、大丈夫?リン?」
そうやって穏やかに声をかけたのは姉だ。
いつの間にやら名前の呼び捨てになっているのは距離の詰めかたがバグってるこの人からしたら当たり前の事なので無視。
声をかけられた七神さんは妙に穏やかな表情で早瀬さん達を見つめている。
「………大丈夫です。少々問題が発生しましたが大したことではありません。」
見つめられた早瀬さん達は自分たちが面倒な事に巻き込まれる気配を感じたのか一歩引いている。
「…………?」
「な、何? どうして私達を見つめているの?」
「丁度此処に各学園を代表する立派で暇そうな方々がいるので、私は心強いです」
一歩引いた程度では意味はなく、残念ながら此処にきた時点で彼女たちは面倒ごとに巻き込まれているのだ、可哀想に。
なんて遠い目をしながら思う。俺も割とこんな感じで巻き込まれたなぁ。
「…………えっ?」
「キヴォトスの正常化のために、暇を持て余した皆さんの力が今、切実に必要です。行きましょう」
「ちょ、ちょっと待って! ど、どこに行くのよ!?」
絶対、戦闘するし丸腰で戦車や銃を持った相手の前に出たくは無いな。盾かなんか無いか聞いておこう。無いよりマシだろ
事態を飲み込めていない4人と察した姉、諦めた俺を見ながら七神さんはどこに行くのか告げた
「先生が行かなければいけない場所。即ち、
ケント君は緊張しているので喋る前に