あなたにもう一度毛布をかけるため   作:もしも=ロマンの可能性だよねッ!

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どうも皆さんもしロマです!
新年明けましておめでとうございます!
今年も頑張って話を書き続けたいと思うので皆さんも楽しんで見てもらえると嬉しいです。
それでは続きをどうぞ( ´ ▽ ` )つ




9話 アラバスタの奇跡 上

 私がこの船に置かせてもらってから数日が経った。最初は元敵同士だったので多少の気まずさを感じていたが、皆気のいい人達なのですぐに打ち解けることができた。

 

 そんな私達は数々の冒険を乗り越え今回の島で新しく迎え入れた新しい仲間チョッパーことトニー君を加えて宴会が始まった。

 

「新しい仲間に!!乾盃だァア!!!」

『カンパーーーイ!!!』

 

 皆が手に持つジョッキで乾盃し場は大いに盛り上がる。飲んだり食べたり唄ったり……ホントに賑やかな人達。

 

 私は皆を見てフフと笑うとアルガさんがカルーを呼び寄せる。

 

「よっしゃ!カルー行くぞ~!」

「クエ~~!」

 

 いつの間にあんなに仲良くなったんだろ?そんなことを考えているとアルガさんはカルーに乗り一発芸を披露した。

 

「一番アルガ&カルー、ビビのモノマネ!!さあ……私の体をじっと見て♡"魅惑のメマーイダンス"!」クネクネ

「ヤメテェェエエエッ!!?」

「ダハハハハ!アルガやるなそっくりだぜ!」

「うるさいわよMr.ブシドー!!」

 

 なぜ寝ていたハズのアルガさんがこれを知っているのかすら考える余裕もない私は必死で止めようとする。

 

 しかし、悪ふざけが止まらないので最終手段としてナミさんに泣きついた。これにより()便()にアルガさんの一発芸を中断することができた。

 

「おいビビそれは反則だろ!!?ああ、待ってナミ!一旦落ち着ギャァアアア!!?」

「グエエエエ!!?」

 

 もちろん共犯のカルーも。

 

「ナミって恐ェんだな……」

「チョッパーもああなりたくなかったらこの船でナミに逆らっちゃイケねェぞ?」

「うん分かったよウソップ」

 

 少し刺激的な宴になったけど、この雪の夜桜を見ていると心が洗われるよう。幻想的な景色は人の心を浄化するわね。

 

「む、無理矢理いいように締め括ろうどじでないが……?」

「ん?何か言ったかしらアルガさん?」

「ヒエッ……何でもないでふ……」

 

 こうして船は今、最高速度で砂の王国アラバスタを目指している。

 

 

 

 

 旧ドラム王国を出た私達はアラバスタに向けて今日も船を走らせる。相も変わらずこの船は賑やかだ。

 

 朝起きればルフィさんとウソップさん。それにカルーが騒いでおり、アルガさんが洗濯物やサンジさんと朝食の準備をし。

 

 食事の時はルフィさんが他の皆のご飯を取ろうとし毎食戦争になっており、食後はアルガさんが後片づけに皿洗いをし。

 

 昼はナミさんがアルガさんに"偉大なる航路(グランドライン)"の気象について聞き話し合ったりし。

 

 空いた時間にMr.ブシドーと剣の修行として稽古に付き合ったりし。

 

 夜は見張りのためMr.ブシドーが起きてくるまでの間はアルガさんが夜の警備を行っている。

 

 ……一日を振り返ってみたけどやっぱりアルガさん働きすぎじゃないかしら?休んでいる所をあまり見たことがないから心配だわ。

 

 彼は今Mr.ブシドーと稽古をしておりお互いに真剣な眼差しで刀を構えている。

 

 Mr.ブシドー曰く、リトルガーデンでアルガさんがいればMr.3との闘いはもっと早く決着がついていたと言っていた。

 

 これまでの道中でMr.ブシドーの強さはよく知っている。そんな彼がそこまで評価するなんて……。

 

 ちなみに私達が捕まっていた間、いなかったアルガさんは島をさ迷っており襲ってくる恐竜と対峙していたらしい。

 

 空飛ぶトリケラトプスに首から尻尾までのラインを蛇のように飛ばして襲いかかるブラキオザウルスなど、ウソップさんでもつかないような嘘を言い訳にしておりナミさんにまたボコられていた。

 

 だからだろうか。ナミさんにボコられ涙目になったところしか知らない私から見てとてもそんな頼れる人には思えなかったのは。

 

 でも、その疑惑はすぐに払拭された。

 

 船内の狭いフィールドでお互い全力を出し切れない部分もあるだろうが、それでも稽古の試合は今日に渡って全てアルガさんが勝利を収めていた。

 

 最初の頃なんて見た時は眼を疑った。あんなに強いMr.ブシドーが遅れを取るなんて。

 

 確かに、初めて見た試合の時の彼は前日にMr.3の拘束を抜けるために自ら足を斬ろうとして両足に深い傷ができていた。その後アルガさんがしっかり応急処置をしたお陰で翌日にはほとんど治っていたがそれでも完治まではいっていない。

 

 ……いや、そもそも簡易的な治療をしてたった1日でほとんど治してしまうMr.ブシドーもどうかと思うのだけど。

 

 そう考えに耽っているとどうやら試合は終わったらしく本日もアルガさんの勝ちで終わった。

 

「ハァハァ……。クソッ、またダメか」

「フゥー、今回は危なかった。危うく敗けるところだったよ」

 

 お互いに息を切らしその場に座り込む。アルガさんが用意していた水筒を飲み二人ともカラカラの喉を潤していた。

 

「そういえば、バラティエで二度と敗けねェ宣言してたけどそこんところどうなの?」

「痛いところを突くんじゃねェよ」

 

 Mr.ブシドーは苦い顔をしながら水筒を勢いよく飲み干した。

 

「プハッ。そりゃ悔しいさ。だが、稽古ってのは本来互いに足りないものを補う行為だ。実戦じゃねェ。いずれおれが世界一の剣豪になるためにお前と闘う日が来たらその時はおれが勝つ」

「でた!負け惜しみィ~~♪」

「上等だ!!今すぐテメェを叩き斬ってやる!!!」

 

 アルガさんが両手でワキワキしながら笑顔で挑発するとMr.ブシドーはキレて稽古の時以上の気迫で刀を向けアルガさんは笑って逃げていく。

 

「おお、アルガちょうどよかった」

「ん?どしたのサンジ?」

 

 逃げた先でサンジさんに会うと何やら相談事をあるらしく呼び止めていた。

 

「実は相談があってな」

「相談?」

「アラバスタに着くまでの食糧を逆算したんだが……あのバカ共がつまみ食いするせいでこのままだと着く前に無くなっちまいそうなんだよ」

「あーー……あの3人と一匹ね」

「ああ」

 

 3人と……一匹ってもしかしてっ!?

 

「あのう……アルガさん、その一匹ってひょっとしてカルーかしら?」

「あっ、ビビ聞いてたんだ。そーだね。犯人はルフィ、ウソップ、チョッパーとカルーだよ」

「ウチのカルーがごめんなさい!!!」

 

 ちょっとカルー!!あんたまで一緒に何やってんのよ!!

 

 内心カルーに怒り頭を悩ませているとつまみ食い対策の会議が始まる。

 

「気にしないでくれ、ビビちゃんは悪くないんだから!だが、このままだとマズイのは事実。ルフィひとりなら大型鼠取りで事足りるがウソップの悪知恵が加わると手に負えねェ」

「ん~~、カルーはビビに説教してもらうとして、チョッパーはウソップ達の悪ノリに参加してるだけだと思うからルフィとウソップをなんとかすれば解決しそうじゃない?」

 

 少しずつ問題点を見直し解決策を考える私達。

 

「じゃあ、問題はあのバカ2人をどうにかすりゃいいワケか……。何かいい方法は……」

「こういうのはどう?」

 

 アルガさんがひとつ思い付いたらしく私達に提案しさっそく今日の昼に作戦を実行する。その結果、見事成功した。

 

『ZZZ~~』

 

 冷蔵庫の前でスヤスヤと寝ている3人と1匹。その近くにはラップに包まれた一枚の皿があった。

 

「作戦成功!ね、上手くいったでしょ?」

「実際に見るまで半信半疑だったが……ホントに単純な奴らだな……」

「ええ……」

 

 作戦の内容はこうだ。事前につまみ食い用に用意した料理に睡眠薬を入れる。そして、ラップに包み1枚の紙を貼った。その紙の内容は……。

 

『未来の海賊王用、未来の勇敢なる海の戦士用、動物用』

 

 これを見て彼らはウキウキとラップを剥がし料理を頬張った。結果、このように皆寝てしまったのだ。

 

「ルフィとウソップは今後この手でいこう。チョッパーは今から俺が説得するからビビはカルーをお願い」

「ええ、分かったわ」

 

 そういってアルガさんはトニー君を揺すって起こす。

 

 

「ムニャ……あれ……?おれは確か……ハッ!?」

「おはよーチョッパー。お目覚めのところ悪いけど少しお話しをしよっか」

 

 寝る以前のことを思い出しなぜ自分が起こされたのか予想したトニー君は顔色が白くなりアルガさんは優しく叱りつける。

 

「いくら気の許せる人達ができたからってはしゃぎすぎて人様に迷惑をかける様なことはしちゃダメでしょ?」

「うん……ごめんよゥ……。ウソップ達といたらつい楽しくなっちゃって……」

 

 反省したらしく、涙目になるとそう言い謝罪してくる。アルガさん優しく笑い返した。

 

「ちゃんと謝れて偉いね。反省もしてることだしご褒美にこれをあげよう」

「何だこれ?フワフワして……甘ァ~~ッ♡」

 

 アルガさんが隠し持っていたわたあめをトニー君にあげると最初はなんだか分からなかったトニー君は一口食べて幸せそうな顔に変わる。

 

「今後もいい子にしてたらまたあげるからね」

「ホントか!うん分かった!」

 

 トニー君は幸せいっぱいの笑顔で今後のつまみ食いをしないことを約束した。なんという人心掌握術……。

 

「お前いつの間にわたあめなんか用意したんだ?」

「さっき作った。わたあめ機はローグタウンで買ってたからすぐ用意できたよ」

 

 そういってトニー君の頭を撫でる。ニッコニコで喜ぶトニー君を見てると少し羨ましく感じる。可愛い……。

 

「それじゃ、私達は向こうでカルーを叱っておくからゆっくりしてて」

「オッケー。行ってらっしゃ~い」

 

 そういい私はカルーを引きずり女部屋まで移動した。

 

 さっ、アルガさんは優しいお説教だったけど、私達は私達のやり方でお話ししようね♪

 

「フフフフフ」

「ZZZ~~♪」

 

 穏な寝顔だがその後その顔が真っ青になることをカルーはまだ知らない。

 

 

 

 

 

 やっぱ幸せそうにわたあめを頬張るチョッパーは可愛いなァ~~。

 

 値は張ったけどローグタウンでわたあめ機を買って正解だった。今度また作ってやろう。

 

 その日はチョッパーを少し愛でていつもの役割をこなし終了する。そして、それから数日が経った頃、アラバスタの近くまできたからか後ろからいくつもの船がやってきた。

 

 すべての帆にはB・W(バロック・ワークス)のマークがある。ビビが言うには『ビリオンズ』の船らしい。もうじきアラバスタへ着くので俺たちはマネマネの実対策として各自左腕に包帯を巻く。

 

「よし、とにかくこれから何が起こっても左腕のこれが……」

 

 俺達は包帯を巻いた左腕をつきだす。

 

 

「仲間の印だ」

 

 

 こうして俺達はアラバスタ王国へ上陸した。

 

 

 

 

 アラバスタ王国の港町『ナノハナ』に上陸した俺達はさっそく砂漠を渡るための服と数日分の水と食糧を調達する。

 

 ルフィだけは上陸早々メシ屋を求めどこかへ消えてしまった。

 

 探すだけ無駄と判断した俺達は物資を調達後ナノハナの外れに集合しサンジが買ってきた服に着替える。

 

 さっそく買ってきた食糧で昼食をとっているとチョッパーが鼻を抑えて倒れている。どうやら香水の匂いにやられたようだ。

 

 その様子を面白がりナミはさらに香水をかけチョッパーが泣きながら怒る。ついでにサンジは勝手にメロリンして倒れた。

 

「ねーえアルガ、あんたはどう思う?」

「匂いもいいし悪くないと思うよ。でも、ナミはみかんが好きだし柑橘系の香水とかいいんじゃない?」

 

 俺は懐から香水を取り出しナミにあげた。

 

「はい、みかんの香水。長旅で疲れるだろうしリラクゼーション効果も見込めていいかなって思ったから買ってみた」

「ありがと……相変わらずねあんた」

「なにが?あ、それと、ビビにも」

「えっ、私も?」

「うん、ナミだけにあげるのはあれかと思って」

 

 そういい彼は懐からもうひとつ香水を取り出し私にもくれた。

 

「ブルージャスミン。暑い場所ですごく人気のある香水だからアラバスタの人達には好評だったよ。ビビも気に入るといいな」

「ええ……ありがとう。あのナミさん、アルガさんって……」

「アルガは気遣いがスゴいから気を付けなさい。わたしも一時堕落しかけたことがあるわ」

 

 何やらこっちを見てコソコソ話をしている。何を話しているのだろう?時折指をさされて遺憾である。

 

「ていうか、なんであんたも香水を買ってるわけ?」

「あーー……職業柄っすかね?」

「あんたは海賊でしょうが」

「んー、何て言えばいいか……。昔マッサージ系の仕事をしてた時期もあったから」

 

 実は転生する前はリラクゼーション関係の仕事に就いていたのでこういった商品を見るとつい買ってしまう。香水も調合次第でアロマを作れてリラックスするのに最適だし。

 

「マッサージ……。こいつのマッサージなんて絶対ダメになりそう。でも、気になる……」

「ナミさん考えるのはやめておきましょ」

「そうだ、今度ウソップにマッサージ用の施術台作ってもらおうかな?……ん?」

 

 俺がそんなことをぼやいていると何やら町の方が騒がしくなり町の方を覗くとルフィが海軍に追われていた。

 

「ゲッ!ルフィが追われてる!皆マズイ急いで荷物を持ってここから逃げるんだ!」

「何やってんだあのバカ!っておい待て!?こっちに来るな撒いてからこい!!?」

 

 ゾロがそう叫ぶも遠くからルフィは俺達を捕捉しこっちへ走ってくる。当然、後ろの海兵達も一緒に。

 

 そして、後ろからスモーカーも現れ煙に変えた腕を飛ばしルフィを捕まえようとする。しかし、すんでのところで突如謎の炎が燃え上がりルフィと海兵の間を壁のように隔てた。

 

 あれってまさかまさかまさか!!?オオッ……オオオォオオォオオオオ!!!

 

 内心俺のテンションが爆上がりしているとルフィが俺達に追い付き一緒にメリー号まで走っていく。アァ……もう少し見たかったなァ……。

 

 そして、メリー号へ着くと皆は出航の準備をする中ビビはカルーに手紙を渡していた。そこで俺は声をかける。

 

「あっ、待ってビビ。俺もカルーについていくよ。気になることがある」

「ええ?アルガさん?」

「あら、どうかしたの?」

 

 船に乗らない俺達を見てかナミもこっちへやってきた。

 

「ああ、今からカルーだけ王宮へ行かせようとしたから俺もついて行こうとしてね」

「それで何でアルガも一緒になの?」

「カルーの身の安全もあるけど……この戦争を止めるためにどうしてもやらなきゃいけないことがあるんだ」

 

 俺は考えていたことをナミとビビに伝える。

 

「この前に読んだ新聞の内容は覚えてる?」

「ええ、勿論」

「このタイミングで30万人もの国王軍が反乱軍に寝返るのはタイミング良すぎだと思わない?」

「どういうこと……?」

「ハッキリ言うと俺は国王軍にB・W(バロック・ワークス)が潜んでいるんじゃないかと睨んでる」

「「っ!?」」

 

 俺の推測……というか原作知識で知っている内容を2人に伝えると驚き息を呑んだ。

 

「いや、下手すれば反乱軍にも……つまり両軍にいると考えた方が現実的だ」

「……確かに、膠着していた戦況が今になって一気に変わるなんて不自然だわ。それこそ内部にスパイでもいない限りね」

「そんな!王宮にいる味方を信用できないなんて……!!」

「落ち着いてビビ。この仮説が正しかったら王宮にいるビビのお父さんも危ないんだ」

「パパが?」

 

 俺は頷きながらこれから起こるであろう出来事を話す。

 

「Mr.2が王様に化けるタイミングはいつか分かる?」

「え、それは本人がいない時に……まさか!?」

「うん、ビビの想像通り戦争が近づけばそれに乗じてビビのお父さんは誘拐され成り済ますかもしれない」

「そんなことになったら敵のやりたい放題じゃない」

「うん、だから俺もついていきバレないようにB・W(バロック・ワークス)を見つけながらビビのお父さんを守るよ」

「アルガさん……ありがとう!分かったわパパをお願い」

「任せて」

 

 そういわれ俺も準備を始めるとひとりの男性の声を聞こえた。

 

「おーー、ここにいたか。探したぜ」

「えっ?誰ェェ……ェェエエエ!!?エッエッエッエッエ~~~~ッ!?!?」

「落ち着けェ!!驚きすぎて9割エしか言えてないわよあんた!えーと、確かさっき助けてくれた人よね?ありがとう助かったわ」

「いえいえ、此方こそバタバタしてしまい名も言えずじまいで申し訳ない。おれの名はエース宜しく」

 

 見た目に反してあまりにも丁寧な言い方に少し圧されるナミ。するとルフィが船から大声を出しこちらにやってくる。

 

「ああ~~!!!エースじゃんか!!ひっさしぶりだなァ~~!!」

「おう、ルフィ。相変わらず元気そうでよかったぜ」

「ルフィこのエースって人と知り合いなの?」

「ああ!おれの兄ちゃんだ!」

『に、兄ちゃん!!?』

 

 ルフィがエースとの関係を教えると皆は同じリアクションになり驚いた。

 

「あー、こいつァどうも皆さん。ウチの弟がいつもお世話に」

「や、まったく」

 

 全くもってその通りのために一同は否定することなくそう答える。原作でもあったけど地味にツボるわこれ。

 

「エース、何でこの国にいるんだ?」

「ん?何だお前、ドラムから伝言聞いたわけじゃねェのか」

「ドラムで?」

「あー、いいさ別に。大した問題じゃねェから。とにかく、まァ会えてよかった」

 

 エースはそういいルフィを勧誘してきた。

 

 ルフィ含めた俺達全員を白ひげ海賊団に入らないかどうか。もちろんルフィはこれを断った。エースは分かっていたのか「だろうな」といいながら笑う。

 

 そして、エースはここへきた目的である1枚の紙をルフィに渡した。

 

「なんだ、紙きれじゃんか」

「そうさ、その紙きれがお前とおれをまた引き合わせる」

 

 エースからビブルカードを受けとるとルフィは大事そうに紙きれを仕舞った。

 

 そいえばふと思い出したけど、バギーがシャンクスの場所を知ってるが知らんみたいな矛盾をいってたけど……。

 

 あれってシャンクスのビブルカードを持ってるから方角は分かるが場所までは知らないってことなのかな?

 

 仮にそうならめちゃくちゃ初期の段階でビブルカードの伏線が張られていたことになるけど……もしそうだったら尾◯先生ヤベェな。

 

 それにしてもエースのビブルカードかァ。あれ作ったのって鬼姫様だったよな確か……。

 

『そう!この紙きれが僕と君をまた引き合わせてくれる!!』

 

 鬼姫様のセリフを思い出す。

 

 ………………。

 

「ねえルフィ。その紙きれ俺にも別けてくれない?」

「え?やだ」

「別けてくれたら今晩の俺の分の肉ルフィにあげるよ」

「乗ったァ!!!」

「シャアオラッ!!!」

 

 鬼姫様~~の手っ作り~~♪

 

「妙にその紙に拘るわね。その紙きれに何かあるの?」

 

 俺がガッツポーズをとるとナミが尋ねてくる。なので、俺はこの紙きれについて説明する。

 

「あー、エースさんが今渡したこの紙きれってビブルカードでしょ?」

「おっ、なんだ知ってる奴がいたのか」

「ビブルカード?何それ?」

「ビブルカードは別名"命の紙"と呼ばれ対象の安否が分かるんだ。しかも、これのスゴいところはその紙きれは少しずつ対象の元へ戻るように動くから対象がどの方角に居るのかが分かる」

 

 試しにルフィの掌に紙きれを乗せると少しずつエースの方に進み始める。それを見た皆は驚いた。

 

「ホントに動いた!不思議ィ……」

「おんもしれェ~~!!」

「だろっ。それをずっと持ってろよ?できの悪い弟を持つと……兄貴は心配なんだ」

 

 皆がビブルカードに興味津々になっているとエースは目的を果たしたからかここを出ていく準備をする。

 

 元々ここへ寄ったのは用事のついでだったのでビブルカードを渡したエースはルフィ達に別れを伝えルフィをまっすぐ見た。

 

「次に会う時は……海賊の高みだ」

 

 その言葉にルフィが頷くとエースは思い残すことはないと言わんばかりにニッと笑いメリー号を降りた。

 

 そして、自分の船に乗るとみるみる離れていき何処かへ行ってしまった。

 

 ルフィがまたなーと叫んでいる間、皆はエースの礼儀のよさにルフィと同じ兄弟なのか疑っていた。いや、気持ちは分かるんだけどね。

 

 そうこうしている間に俺もカルーと行く準備ができたのでここで皆と別れる。

 

「それじゃ、俺達も行くとするよ」

「ええ、アルガさんパパをお願い」

「任せて」

 

 ビビから任され気合いを入れ直す。そして、俺はカルーに乗って砂漠の大地を駆け抜けるのであった。

 

 

 

 

 俺の原作知識を利用して事前にコーザがやってくるナノハナに待ち伏せする方法は考えていた。ビビとコーザを会わせれば反乱を止める可能性があるから。

 

 しかし、人の心とはそう簡単に切り替えられるものではない。長年募らせてきた国王への疑念、自分達の境遇……とてもコーザの一言で反乱をやめるなんてことはできないだろう。

 

 それに、仮に止められたとしても国王を誘拐されては意味がない。クロコダイルの目的はあくまでプルトンの場所を記した"歴史の本文(ポーネグリフ)"なのだから。

 

 だからこそ俺は真っ先にアルバーナへ向かうのだ。誘拐を止めればその間に起きる国王のナノハナ襲撃に矛盾が生じるから。

 

 なんとしてもこの誘拐だけは阻止してやる!

 

 そう決意しルフィ達と別れた俺とカルーは半日かけようやくアルバーナへと辿り着いた。

 

 最初は兵士達に警戒されたがカルーのお陰で待合室のような部屋に招かれた。そして、しばらくすると部屋にいきなり大物が部下を連れてやってきた。

 

「これは……まさかあなた様がわざわざ来るとは思いませんでした」

「ほう、国の者ではないのにこの私を知っておるとは見聞があるようだな。だが一応名乗らせていただく。私がこのアラバスタ王国国王ネフェルタリ・コブラだ」

 

 国王ネフェルタリ・コブラはそういい向かいの席へと座った。その後ろでは副官のチャカとペルが護衛している。

 

「カルーから頂いたビビの手紙は読ませてもらった。君が我が娘ビビをアラバスタまで送り届けてくれた海賊だね?」

「はい、アルガと申します」

「うむ、まずはビビをこの国に送り届けたことについて礼を言おう」

「いえ、此方としても見逃せる状況ではなかったので」

 

 ビビヘの件をお礼するコブラ王はさっそく本題へ入る。

 

「して、手紙の内容だが……クロコダイルが黒幕とは最初は私も驚いた。まさかこんな身近に驚異が潜んでいようとは」

「相手はただの海賊ではありませんから。時間をかけて信頼を築き上げてきた者を疑うのは難しいでしょう」

「ああ、だが君たちのお陰で私達も鎮圧していた状況から行動に移すことができる」

「その件なのですが、少しお話しをしたいことがあります」

 

 俺はここへきた目的を伝える前にひとつ確認をとる。

 

「と、その前に……この部屋の声は外から聞こえませんか?」

「アア、その心配は要らない」

「分かりました。では、私がここへ来た理由を今から教えます」

「教えてもらおう」

 

 只事ではない雰囲気を察したかコブラ王は身構えて俺の話を聞く。

 

「手紙にかいていたB・W(バロック・ワークス)の者が既にこの王宮に潜入している恐れがあります」

「なっ、なんだと!?」

「もしこれが事実ならこれから事態は一気に変わるでしょう。なのでそれをくい止めるためにも協力してほしいのです」

「何か策があるのだな」

「はい」

 

 時間はもうほとんど残されていない。迅速に動かなければ。

 

「時間がありません。もう少し人手が必要です。最低でもクロコダイルがやってくる以前から務めていて信頼のできる強い兵はいませんか?」

「それならば我が国を誇る精鋭の兵士ツメゲリ部隊を手配しよう」

 

 おっ、ツメゲリ部隊は知ってる。確かにあの人達なら裏切られる心配もないしそこそこ強そうだったから使えそう!

 

「ではお願いします。さっそく今後の策についてですが……」

 

 俺が講じた案はこうだ。まず、兵士を5,6人の小隊に別ける。この数はチャカは言わずもがな、ツメゲリ部隊のひとりが余裕をもって制圧できる数だ。

 

 そして、その別けた小隊を一室に招き身体検査を行う。その時にB・W(バロック・ワークス)の刺青があればそいつがスパイだ。

 

 原作でも分かりやすく腕や肩などに刺青があったので見つけるのは簡単だった。そして、スパイを見つけ次第叩き着実にスパイを減らしていく。

 

 チャカとツメゲリ部隊うまくいけば全員合わせて一度に5人のスパイを叩くことができる。

 

 ペルもいてくれたらもっと効率がよくなるが彼にはアルバーナの偵察と生き埋めになるであろうルフィを連れてくる役目があるためここにはいない。

 

 スパイが何人かは分からんがこんな大掛かりな仕事をミリオンズにさせるとは思えない。なのでビリオンズの総勢200人からこの前エースが潰した50人を引いて150人。

 

 そこから追加でアラバスタへやってくる者、反乱軍へスパイをしている者を考えると兵士として潜り込んでいるスパイは決して多くはないハズ。

 

 この作戦を決行して既に20人近く見つけることができた。しかし、兵士の数は30万人。とても、今夜までに全員見つかるとは思えない。

 

 だが、まだ問題はない。例え全員見つけられなかったとしても検査で疑いの晴れた兵士を南門の砲台場所に配置したりなど重要な場所へB・W(バロック・ワークス)を行かせないようにすれば邪魔される心配はない。

 

 それに、スパイを減らしていた目的は他にもある。

 

 その日の夜、深夜を回るぐらいの時間帯に事件は起きた。

 

 何者かが城内に潜入したとのこと。それからしばらくして王の部屋へ男女二人の暗殺者が現れた。

 

「やあ、予定より遅かったんじゃない?ひょっとして案内するはずだったビリオンズがいなくて手間取っちゃったかなァ~~?」

「何だい何だい!王の部屋にはビリオンズが見回る手筈だったのにそれを台無しにしたのはお前さんかい!このバカが!このバッ!バッ!」

「フォ~~~~オォ~~~~」

「セリフがおっせェんだよ!もっとハキハキ喋んなほれ喋んなやれ喋んな!」

 

 俺がニヤニヤした顔で歓迎すると二人は漫才を始めた。そういや、この二人が誘拐チームだったな。

 

「アルガ君。彼らは……?」

「あの者達はB・W(バロック・ワークス)オフィサーエージェントMr.4とMs.メリークリスマス。ビビの敵です」

「ならば、すぐに応援を……」

「その必要はありません」

「なに……?」

 

 俺はすぐに動き二人の顔を掴む。そして窓を割って外へ出た。

 

「ぐあっ!?」

「フォ!?」

「とりあえず王のいる場所で闘えない。広い場所に移すぞ」

 

 そのまま落下して大きな庭へ着地した。二人は先程俺に掴まれたことに驚き警戒する。 

 

「お前さんただ者じゃねェな……。いいぜ相手になってやるよ!いくよMr.──ッ!?」

「悪いが時間がない。一瞬で終わらせる」

 

 すばやいMs.メリークリスマスを先に潰すために懐へ潜り込み金棒を構える。こいつら相手なら覇気を使うまでもない。

 

「オラァ!!」

「ゴフゥ!!?」

「フォッ!?」

 

 咄嗟の出来事にMr.4は反応できずMs.メリークリスマスは庭の壁にめり込み意識を失う。Mr.4は4tバットを構え振り抜いた。

 

 いいぜ!力比べといこうか!!

 

 俺もそれに合わせて金棒を振りバットと衝突して──バットが砕けた。

 

「"(ワン)力鬼(リキ)"ィ!!!」

「フォオオオオオ!!?」

 

 そのままMr.4にぶちかましさっきと同じく壁にめり込んだ。そして、Ms.メリークリスマスの上に覆い被さるように倒れる。

 

「うし、終了!」

 

 二人仲良く気を失ったのを確認すると上の窓にいるコブラ王へ顔を上げた。

 

「侵入者は片付けました。一先ずはこれで大丈夫かと」

「ご苦労。見事であった」

 

 俺が金棒を仕舞うとチャカが兵士を連れてやってきた。

 

「アルガ殿、国王をお守りいただき感謝いたします。あそこで倒れている者達は例のB・W(バロック・ワークス)の幹部ですね?」

「はい、なので逃げられないよう拘束してください」

「そのように。して、アルガ殿。実は先ほどスパイ全員を捕縛完了しました」

「えっ!もう?早いですね」

 

 正直間に合わないと思っていたスパイの全員捕縛をたった一夜にして終わらせたことを聞き驚いた。

 

 なんでも、スパイがいると分かっていれば後は相手の目をみてその者の忠誠心が分かるとか。この人もある意味スゲェな……。

 

 でも、この時点で王国軍側の敵を殲滅できたのは大きい。これなら原作でもあった国王軍側の白旗作戦もできそうだ。

 

 原作では国王軍にまだB・W(バロック・ワークス)が潜んでいたせいでコーザが撃たれ戦況はさらに苛烈になってしまったからな。

 

 コブラ王も同じことを考えていたらしく降伏の準備を行っている。最初は手紙を読み全軍連れてアルバーナへ向かう予定だったが、己が誘拐されると知った後、失敗した今此方から向かわずともクロコダイル自ら乗り込む可能性が高い。

 

 ならばここで待ち構えて黒幕を倒そうというのだ。状況を察して即座に策を切り替える。流石は名君と呼ばれているだけはある。

 

 その後、念のためにアルバーナ国民を夜明けが来る前に隣の町に避難させクロコダイルに備え迎撃の準備を始める。

 

 もちろん、国民にはそのまま伝えるのではなく反乱軍に備えてとの建前で。じゃないと国民もパニックを起こしてしまうから。

 

 その間に俺は時計台に潜むMr.7ペアをぶっ倒し兵士に引き渡しと巨大な砲弾の爆弾処理を任せた。

 

 原作では時間がなかったからあんな方法しかできなかったが、この国でも爆発処理の技術はあるらしく時間をかければこの時限式は解除されるとのこと。

 

 それを聞いた時はホントに安心した。この爆弾はマジでヤバイからな。この段階で処理できてよかった。

 

 おっしゃ!!この調子でクロコダイルの作戦を全部ぶっ潰してやる!

 

 

 

 

 あれから日が射し始めた頃、準備は整った。

 

 アルバーナ内での不安要素は全て消した。後はここへ来る反乱軍とクロコダイルだが、王宮前の広場ではチャカ率いる兵士達がクロコダイルに備え迎撃態勢に入っている。

 

 クロコダイルがどんな手を撃ってくるかは分からないがまず対応できるハズだ。気を抜かず引き締めていこう。

 

「国王様報告します!南門側から反乱軍が見えてきました!」

「うむ、どうやら先に現れたのは反乱軍のようだな。ならば、そのまま南門を通過させ広場に入れよ!」

「はっ!」

 

 俺とコブラ王は王宮の庭から達の様子を伺う。そして、兵士から先に反乱軍が来たと報告が入ったので広部へ迎え入れるよう指示を出した。

 

 ……おかしい。あまりに順調すぎる。

 

 このまま反乱を止められるのならそれに越したことはないが……クロコダイルがそれを邪魔しないとは到底思えない。

 

 そう、考えた時……嫌な予感が的中した。

 

──ズズ……ズズズズズズッ!!!

 

「なっ!?なんだありゃあ!!?」

「バカな……!」

 

 俺とコブラ王は眼を疑った。

 

 アルバーナ近辺まで迫ってきた反乱軍は突如発生した巨大な流砂に呑み込まれていく。

 

 王宮前の広場と変わらない範囲の巨大な流砂。それもひとつだけではない。このアルバーナを囲む様に無数の巨大な流砂が発生した。

 

 しかし、それだけでは終わらなかった。今度は巨大な砂嵐が王宮を囲む様に襲いかかる。近くの広場にいた兵士達は次々と吹き飛ばされていった。

 

 あまりの想定外の出来事に理解が追い付かない。

 

 マズイ!このままじゃ反乱軍はここへ来ることも、王国軍がアルバーナから逃げることもできなくなってしまった!!

 

 こんなことができる奴なんて決まってる!だが、あまりの規格外な規模に開いた口が塞がらない。

 

『砂漠の戦闘でこのおれに敵う者はこの世にいない』

 

 確かにあんなこと言ってたけどさ……これは戦闘というより…………災害じゃねェか!!?

 

 こと砂漠の上では奴にどれだけの軍隊をぶつけても意味がない。それを痛いほど痛感させられた。

 

 そして……目の前でこの異常気象が発生したと言うことは──。

 

 

「よう……随分とナメたまねするじゃねェか」

 

 

 声の聞こえる方を振り向く。すると王宮の屋根に奴が──王下七武海サー・クロコダイルがいた。

 

「……お前こそ随分と出し惜しみなく能力を使ったな。思い通りにいかず癇癪を起こす子供みてェだぜ?」

「弱小海賊の船員(クルー)風情が……。もちろん死ぬ覚悟はできてんだろうな?」

 

 俺は決して動揺を表に出さないように虚勢を張りわざと挑発した。

 

 

 さあ、ここからが本番だ。

 




どうも皆さんもしロマです!
9話をご覧くださりありがとうございます!

今までは1つの島に1話ずつ書いてきましたが今回は流石に収まりきれなかったので分けて書かせていただきました。
ウイスキーピークからアラバスタは飛ばしすぎじゃないかって?実は途中まで書いていたのですがほとんど原作と流れが同じで書く意味があまり無かったので一気にアラバスタ編まで飛ばさせていただきました。
改編要素なんてせいぜい、リトルガーデンを出航して高熱を出したのがナミじゃなくてアルガだったり、その看病でナミと少しいい感じになる程度だったので。

それではまた会いましょうでわでわ~( ´ ▽ ` )ノシ
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