あなたにもう一度毛布をかけるため   作:もしも=ロマンの可能性だよねッ!

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どうも皆さんもしロマです!
先日YouTubeでもアニメ6週目で空島編をやってたので観ててワクワクしてました!
最後まで見たかったけど……仕事やから深夜は寝なきゃなんだよなぁ……リアタイで見たかった。(-""-;)
それでは続きをどうぞ( ´ ▽ ` )つ


13話 約束の鐘の音 上

 "突き上がる海流(ノックアップスクリーム)"により到着した場所は一面真っ白な幻想的な世界だった。海も周りの全てが純白に広がる世界。

 

 陸のような雲は足を踏み入れるとフカフカで今まで使っていたソファーや布団より快適だった。いや、ヘタすれば転生前の人を駄目にするクッションの比じゃないほどにフッカフカ!

 

 せっかくなので寝具にしようと少しばかり斬り取って船に乗せた。

 

「アルガ!これは地上で絶対売れるわ!もっとじゃんじゃん船に積みなさい!!」

 

 訂正。ナミの要望により大量に斬り取った。ナミはお金に結び付くものには眼がないねェ。

 

 その後はしばらく進むと大きな門が見えてきた。ここへくる道中に色々あったな。空島特有の生物や仮面のゲリラ(確かワイパーだっけか)の襲撃に空の騎士の出現、一味は驚かされてばっかりだ。

 

 そして、いよいよここからスカイピアへ行くのか……ワクワクが止まらない!

 

 にしてもHEAVEN'S◇GATE◇……ヘブンズゲートか。転生前はデ◯エマをやってたからどうしてもそっちに頭が引っ張られちゃう。

 

 まあ、気にせず先に行こう。

 

 俺達は未だにここの通貨について知らないのでそのまま門を通過する。……ダジャレじゃないぞ?

 

 それに、不法入国扱いの方がさっさとメリー号を神の島(アッパーヤード)に持っていけるから都合いいし。

 

 すると、海面から巨大な海老「特急エビ」がメリー号を掴みまるでジェットコースターのような勢いで更に上空へ疾走する。

 

 そして、ついに俺達は辿り着いた。夢の空島スカイピアに。

 

 

「島だ……!!!"空島"だ~~!!!!」

 

 

 浜辺に着いた俺達は初めて見る光景に我先にと次々に上陸していく。普段は落ち着いた感じのサンジでさえハイテンションで回転ダイブする程だ。いいなァ~俺もしたい。

 

 みんなでビーチを楽しんでいるとどこからか音楽が聞こえた。綺麗なメロディーに耳を傾けるとそこにはひとりの女性がいた。

 

「へそ」

「へそ」

「え?アルガお前意味わかんのか?」

「いやノリ」

「ノリかよ!?」

 

 ウソップからツッコミが入る。だって詳しくは知らんし。エネルが雷だからそれが由来で挨拶がへそになってるとかそんなんじゃない?転生前にそんな正式な発表は無かったから知らんけど。

 

 楽器を鳴らしていたコニスと名乗る女性が近づきビーチにある物を色々と教えてくれた。カボチャのような実の飲み方やウェイバーという乗り物に(ダイアル)の存在。

 

 地上にはないものばかりで俺はルフィと一緒に眼を輝かせる。

 

 いやね、漫画で知ってたとしてもさ。実物を見るのとは全くの別物なのよ。でも、ここで一番驚いたのは海雲かなァ。ビーチで実際に触れて気づいたけど、海雲って普通の水よりメチャクチャ軽いの!

 

 なんて言えばいいんだろ?水蒸気が纏わりついてる感じ?地上の水と比べてとにかく重さを感じなかった。

 

 コニスさんの家にお呼ばれした俺達は空の幸をご馳走することになった。サンジも初めて調理する食材に目を輝かせ空の幸をふんだんに使ったサンジ特製コースがやってきた。

 

「んまほ~~~~!!!」

「ヤバイ!箸が止まらない!!特にこのロブスターは絶品過ぎる!!?」

「おいアルガ!!ひとりで先に食うんじゃねェ!!おれにも食わせろ!」

「ルフィより先に食らいつくなんて珍しい……そんなにウメェのか?」

「ウソップも食ってみな……飛ぶぞ」

 

 俺が勧めるとウソップも一口料理を食べる。すると、両手をあげて空へ舞い上がった。まあ、ここ室内だけど。

 

「ウンメェ~~!!?なんじゃこりゃ!?肉厚がしっかりあるのに口の中ですぐとろける!!それでいてウメェ~~……ってゴルァ!ルフィひとりで全部食おうとすんじゃねェ!!」

「うまうま!!」

「うまうま!!」

「アルガお前もか!!?おれ様の分も残しやがれ!!モグモグ……」

「「「うまうま!!」」」

「空島の料理お口に合ったようでよかったです」

 

 俺達が料理に夢中になっているとコニスさんが笑う。調理を終えたサンジは窓からナミを探し始めるが姿が見えなくて心配し始める。

 

 そこにコニスさんが居なくなった可能性のひとつとして"神の地"に近づいたのではと冷や汗をかく。

 

 そこは絶対に足を踏み得れてはならない場所。そう教えるとルフィがワクワクし始める。その時、みんなの気持ちがひとつになった。

 

 ああ、絶対入る気だ……と。

 

 料理を堪能した後、またビーチにやってきてナミを探すため船をだそうとした時変人軍隊が匍匐前進でやってきた。

 

「何で匍匐前進してんだあいつら」

「わからねェ……たぶんあいつら変態だ」

「ヘェーーあれが変態か」

 

 こらこらウソップ!チョッパーに変なことを教えない!!純粋チョッパーが汚れちゃうでしょ!そういうのはチョッパーにはまだ早いの!せめてウォーターセブンまで教えないで!!

 

 変人軍隊がやってきて色々難癖を始める。最終的に罰金刑となったが帰ってきたナミが激昂しウェイバーで隊長を引き倒した。

 

 公務執行妨害により刑が執行されるも既に空島の環境に順応したルフィ達の敵ではなかったのであっという間に制圧。見事返り討ちにした。

 

 しかし、これが引き金となりイカリを上げた瞬間、巨大な海老「超特急エビ」がメリー号を抱え俺達を神の聖地「神の島(アッパーヤード)」へ導かれてしまった。

 

 そして現在──湖が囲む祭壇の上にて俺達は状況を整理する。

 

「今わかることはここが"神の島(アッパーヤード)"の内陸の湖だって事。まるで生け贄の祭壇ね」

「船を降ろすにしても湖にはサメが大群……それに、メリー号の船底が……」

「何にしてもまずは情報収集だね。モグモグ……うま」

「だな。モグモグ……意外とイケルな」

「あんたらよくあれを食べる気になれるわね……」

 

 祭壇には雲のクッションがあり船が置かれたさいに傷は付かなかったものの運ぶ道中で巨大な海老が船底に穴を空けやがった。

 

 もちろん報復に怒りの"鬼鏑"を食らわせて今は美味しくゾロと一緒に海老の丸焼きを食べている。

 

 サンジが作ったあのロブスターには劣るけど焼いて塩をかけるだけでも十分うまい。量もあるのでルフィも羨ましがるだろうなァ~。しょうがない、来るであろうルフィ達の分は残しておこう。つーかこれ全部は食いきれん。

 

「アルガ、これだけデカいんだ。焼くだけじゃ味気ねェ。刺身にしてもいいんじゃねェか?」

「ハッ!?確かに!よっしゃ醤油持ってくる!!」

「いい加減メシから離れろォ!状況をみろ状況を!!」

 

 さすがに能天気に食事を楽しみすぎたせいでナミにどつかれた俺とゾロ。グォオ……痛い。

 

 とりあえず、探索にでる者と船番する者で別れる。俺はチョッパーと一緒に船番することを希望する。

 

「あら、珍しいじゃない。あんたが進んで留守番なんて」

「ナミの話を聞く限りこの島には強そうな奴が少なくとも4人居るんでしょ?なら最悪船に俺かゾロどっちかは居た方がいいと思う。だからゾロ、2人をお願い」

「おし、任せろ」

「それに、探索しなくてもこの島の正体はおおよそ見当がついてる」

「なんですって?」

 

 ロビンがそう聞き返してきたので俺はクリケットおじさん達に聞かせたジャヤの正体を話す。原作でもこの後すぐに知ることになるし、別にこれぐらいなら話してもいいかな。

 

 俺が仮説という提で話し2枚の地図を合わせる。すると皆は驚愕する。

 

「つまり、この島は元々ジャヤだった……てこと!?確かにそれならあの家が海岸ギリギリに建てられていた理屈が付く……」

「うん、ここに着いた時に気づいたんだ。まだ仮説の段階だけどね。だから皆にはそれについて調べてきてほしい」

「ということはこの島に黄金が……フヒヒッ」

「ナミの眼がお金に変わった!?」

「よ~~し!アルガまっかせておきなさい!!わたし達で正体を暴いてくるわ!その仮説が正しければわたしは……わたし達は億万長者よ!」

「今わたしはって言わなかったか?」

「うん言った……」

 

 ナミの言い直しに反応するゾロとチョッパー。しかし、ナミの含みのある笑顔に畏怖しこれ以上なにも言えなくなった。

 

 さっそく木のツルでターザンをして湖から出ていった皆は森の奥へ進み見えなくなる。俺達は2人で船底の修繕を始めた。

 

「チョッパー、一応安全を期してこの笛は持っときな」

「うん、そうするよ。空島こわいし……」

 

 スカイピアへ来る前に出会った空の騎士を呼べるホイッスル。一回呼ぶのに500万エクストル。ベリーにすると500ベリー……ワンコインで助けてくれるって安すぎない?この島の物価どんだけ安いんよ。

 

 しかも、初回は無料という……生活できてるのか心配になるわ。

 

 チョッパーはさっそくマストにかけていたホイッスルを首にかけると少しだけ安心そうな顔になる。

 

「よ、よし!もしもの時はこれで空の騎士を呼べるぞ」

「何だ。殺していい生け贄はお前ら2人だけか?」

「ピィイイ~~~~!!!」

 

 おそろしく速いホイッスル。俺でなきゃ見逃しちゃうね。

 

 なんてこと考えてる場合じゃないな。……でも、あまりに綺麗なフラグ回収の流れに少しウケた。

 

「チョッパー!離れてろ!ウラァ!!」

「背後から金棒の大振り」

「えっ!?」

 

 鳥に乗った男に目掛けて死角からの攻撃。しかし、相手は振り向くこと無く難なく躱した。チョッパーは男の言葉通りに俺が攻撃したことに驚く。

 

「アルガ!あいつ今!?」

「驚くなチョッパー。珍しいことじゃない」

「やれフザ」

「クーカカ!!」

「鳥の口から炎を吐く」

「なにっ!」

 

 今度は俺の言葉通りにあの鳥の口から炎を吐き出す。しかし、俺は武器を刀に切り替え斬撃を飛ばすことで炎の攻撃を中断させた。

 

「……コイツ。おれと同じく"心綱(マントラ)"をっ!?」

「ウォオオ!!アルガすげェ!!!」

「ね?これぐらいなら俺でもできる……でもにしては」

 

 俺は少しある違和感を覚え考える。あれ?今のって……。

 

「おれを前に考え事か!舐められたものだな!!」

「……()()()?」

「──なっ!?グハッ!!?」

 

 俺は男の攻撃どころかその先の行動さえ見えてしまい即座にカウンターを決めた。

 

「……間違いない」

 

 アラバスタを出て以降使っていなかったから気づかなかったけど……俺の見聞色──未来予知レベルに上がっている。

 

 心当たりがあるとすれば、間違いなくクロコダイルとの一戦だろう。あの時は久しく死にかける程にボロボロとなった。それにより見聞色が昇華したのだろう。

 

 未来予知といってもせいぜい3秒程度だが……それでも十分使えそうだ。

 

「グフッ……くそっ!一度距離をとれフザ!」

「クカカ!!」

「あいつあんなに高く!」

「あーー、いくら先が見えてもあんなに高く飛ばれると……」

 

 さすがに相手も馬鹿ではなかった。自分に分が悪いと理解するとすぐに頭上高く上がり距離をとった。

 

 一応"紅枝垂"の射程範囲だが向こうの"心綱(マントラ)"で避けられてしまうだろう。地味に困ったな。あー、俺も飛べたらなァ~。

 

「やれフザ!」

「クーカカカッ!!!」

「あんなとこから火を!?マズイ船が!!」

「問題ない。桜木一刀流(さくらぎいっとうりゅう)!!"紅枝垂(べにしだれ)"!!!」

 

 鳥の炎は俺の斬撃でかき消した。あれぐらいなら全然対処できるけどこっちからの攻撃手段がない。このままじゃいたちごっこだな。

 

 でも、そろそろ……来た!

 

「少々待たせた」

「空の騎士~~!!!」

「チッ……!こりゃ珍しい客が来た……ガン・フォール!!!」

 

 空から甲冑を着込んだ老人、ガン・フォールがやってきた。

 

 そして、そのまま2人の空中戦が始まった。序盤は拮抗するが徐々にガン・フォールが相手を圧し始める。

 

 相手も負けじと槍で突くがガン・フォールの頬を掠めるだけに終わり顔に掌をかざされる。すると、次の瞬間目には見えない衝撃波に襲われ相手は吹き飛んだ。

 

「グフッ!!?」

「もうひと押し必要だ。ピエール!!ゆけ!」

「ピエ~~!!」

「ハァハァ……おのれ。わかっていてここへ来たのだろうが……!お前はすでに犯罪者なんだぜ……!?あァ腹立たしき愚か者への怒りの愚行、思い知れ。──紐の試練!!!!」

「クカカカ!!!」

 

 空中での闘いは激しさを増しお互いの槍捌きの早さにチョッパーは目で追うことさえできなくなっていた。

 

「……もはやお前達と交渉できるとは思っておらぬ!!」

「フン!!相変わらず生ぬるい!!」

「おおおおおおおお!!!!」

「あァあアアアアア!!!!」

「何やってんだかわかんねェ……。スゲェ……」

「でも、このままじゃ空の騎士は危ないな」

「えっ?」

 

 俺の言葉にチョッパーは首を傾げる。お互い互角の攻防を繰り広げている2人になぜそう言いきれるのかわからない様子だ。

 

 しかし、その疑問はすぐにわかることとなる。

 

「──!!?」

「む!!?……おのれ!!何をした!!!」

「かかったな!」

 

 あれだけ縦横無尽に飛び回っていたガン・フォールは鳥と共に空中で動きが止まってしまう。踠くも何かに囚われてしまったように身動きがとれず相手はこの隙を逃すまいと一気に距離を縮めた。

 

「死ぬ者に──答えは要るまい」

 

 相手は槍を振り上げガン・フォールに狙いを定める。そしてガン・フォールの体に目掛けて──。

 

「じゃあ、答えは要るな。死なないんだから」

「なにっ!?」

 

──ガキィイイン!!!

 

 相手の槍を俺は刀で受け止めた。

 

「貴様っ!!どうやってここまで!!?」

「どうも何も目の前でご丁寧に紐をそこら中に張り巡らせておいて何いってんだか。お宅のご自慢の紐があまりに頑丈なもんでここまで来れた」

「まさか……紐を足場に!!?小癪な!!」

 

 標的をガン・フォールから俺に切り替え槍で猛攻撃を始める。しかし、空中の紐を利用し難なく躱す。そして、すかさす攻撃に転じた。

 

「グアッ!?クソッ何故だ!?紐は肉眼では見えぬ程細いと言うのになぜ場所がわかる!?」

「お前がこれまでの闘いで飛行していていたルート、紐同士で絡まない位置は既に割り出した。………もうお前に逃げ場はない」

 

 己に有利なフィールドにしたハズがそれを逆手にとられ逆に追い込まれてしまう敵。それでもまだ納得のいかない顔をする。

 

「それにしてもだ!同じ"心綱(マントラ)"を使ってなぜこうも一方的におれだけが追い込まれる!?」

「それこそわかりきってることだろ。桜木一刀流……」

 

 俺は敵の頭上に飛び上がりそこに張り巡らせていた紐を足場に踏み込み蹴った。

 

「"桜華一閃(おうかいっせん)"!!!」

「グハァッ!!?」

 

 俺は一瞬にして相手を斬り捨て祭壇に着地する。斬られた相手は体から血飛沫が舞い鳥と共に落ちていった。

 

「単純にお前の"心綱(マントラ)"より俺の"見聞色(けんぶんしょく)"が上だっただけだ」

 

 たまったもんじゃないよな。俺もバラティエで同じ経験してるからわかるよ。

 

 俺の一閃により空中に張り巡らせていた紐は全て斬られ動けるようになったガン・フォールはこちらへやってきた。

 

「すまぬ。助けに来た筈が逆に助けられてしまうとは……。我輩としたことが情けない」

「いや、俺ひとりじゃ倒せなかった。あんたが来てくれたお陰さ。ありがとう」

 

 闘い終えた俺はメリー号の船底の修繕作業に取り掛かり、チョッパーはガン・フォールの傷を手当てしてもらう。その途中でナミ達が戻ってき、更にルフィ達もやってきた。

 

 その後、一味全員でキャンプをはった。ガン・フォールは手当てをしてもらったがチョッパーから安静にと言われ船で寝ている。

 

「えーー、皆色んな報告をありがとう。それぞれの情報で色んな事がわかってきたな。だが、何と言っても今回の目玉情報はコレだ!!この島は猿山連合軍が探し求めていた"黄金郷"だったのだ!!」

「マジで~~!!?モグモグ……サメもウメェがデカエビもイケルな!」

「でしょ!モグモグ……醤油あるけど刺身食う?」

「食う~~~~!!」

「さっき言ったばかりでしょ!!それとあんたらさっきから食い過ぎよ!!」

 

 それぞれキャンプを楽しみつつ情報を共有し明日からの方針を決める。ゾロは敵の相手の動きを読む力に興味を示している。

 

「──で、そのマントラってのは何なんだ?」

「知らねェよ。動きを読みやがるんだ」

「あ、それおれも知ってるぞ。確かアルガもやってたよな?」

「なんだと?」

 

 サンジの説明に身に覚えのあったチョッパーは俺に話を振る。サンジとゾロも揃って俺に視線を向けた。

 

「うん使えるね。相手の気配を感じとり先読みする力。ここでは"心綱(マントラ)"と呼ばれているけど地上ではこれを"見聞色(けんぶんしょく)の覇気"と呼ぶんだ」

「"見聞色(けんぶんしょく)"……ん?その言い方だと覇気ってのは幾つか種類があんのか?」

「ゾロ正解。覇気は大きく別けて2つある。一応もうひとつ種類はあるけどこれは使える人が少ないから省こう。そして、"偉大なる航路(グランドライン)"を進めばだいたいの強者は皆これを使えるんだ。──もちろん鷹の目もね」

「…………ヘェ」

 

 ゾロは含みのある笑いをすると俺の刀に視線を向ける。

 

「今まで聞く機会がなかったしちょうどいい。お前鷹の目の攻撃を防いだ時その刀と腕が黒くなったよな。それも何か関係があるのか?」

 

 的確な質問に俺は少し驚いた。ゾロは戦闘に関することになると途端にIQが上がるな。普段はああなのに……。

 

「さすがゾロ……よく気づいたね。そう、その黒くなる正体こそ2つ目の覇気"武装色(ぶそうしょく)の覇気"だ」

「"武装色(ぶそうしょく)の覇気"……」

「この覇気は体や武器に纏わせることで単純に攻撃力、防御力の上昇だけでなく無敵と言われる"自然系(ロギア)"の対抗手段にもなる。あの流動する体だって実態として捉えることができる」

「じゃあ、それが使えりゃ前に闘った砂ワニやケムリンにも攻撃が当たるってことか!?」

 

 俺の説明を珍しくルフィが聞いていたのかそんな質問がとんで来た。

 

「その通り。"自然系(ロギア)"の弱点を除けばこれが唯一の手段なんだ。俺がクロコダイルと闘えたのはこの2つの覇気が使えるからだね」

「なあアルガ。それって特訓すりゃおれにも使えるようにできるのか?」

「うん、生半可な修行じゃないけどこの2つは努力次第で使えるようになるよ。でも、まだゾロには早いと思う」

「なに?」

 

 俺がそういうとゾロは少し怖い顔で睨んでくる。止めてよただでさえ元から悪人面なのに。

 

「これには理由があって、覇気は鍛えればどこまでも強くなる。でも、それは土台がしっかりしている場合に限る」

「土台?」

「そう、簡単に言えば覇気は加算される力。つまり使用する者の地力が強くないとその覇気の力は十分に発揮できないんだ」

 

 俺の説明にゾロは納得する。

 

「なるほどな」

「今でも十分ポテンシャルはあると思う。けど、ゾロはまだこれからも成長し強くなる。覇気はその下地がもっとできてからでも遅くないよ」

 

 正直、ここで教えて覇気を使えるようになってもまだ"鬼気九刀流"も覚えていないゾロでは中途半端な状態になってしまうだろう。

 

「俺はとある事情で先に覇気だけを鍛えちゃったから覇気の力を最大まで引き出せない。だから中途半端な実力なんだ。ゾロにはそんな轍を踏ませたくない」

「アルガ……」

「まあ、その中途半端な俺にさえ稽古で勝てないゾロは少なくともまだ覇気は早いかなァ~。せめて俺から一勝はとらないと♪」

「上等だ今すぐにでもその鼻っ柱叩き斬ったらァ!!!」

 

 刀を構えて俺を斬るき満々のゾロ。ヤッベちょっと煽りすぎちゃった。

 

 でも、ゾロが俺から一勝をとるのはきっとそう遠くないだろう。覇気抜きの実力なら既にほぼ互角なんだから。エニエス・ロビーが終わる頃には多分抜かれてるだろうね。

 

 しばらくゾロと(ある意味)ドキドキの追いかけっこをした後、色々話し合った結果、黄金探しは明日という結論に出た。

 

 しかし、島には神官にゲリラなど周りは敵だらけ。明日は黄金を賭けたサバイバル戦になりそうだ。

 

「よ~~~~しやるか!!!黄金探し!!!!」

 

 

 

 

 

 ここは空島でも更に上空に位置する場所。"神の島(アッパーヤード)"「神の社」。そこに2人の神官が訪れ……その場に跪く。跪いた先には我らが唯一神、(ゴッド)・エネルがいた。

 

「我が神なり。お前達を呼んだ理由は何かわかるか?」

「いえ……」

「よかろう。本日、この神の島に足を踏み入れた不届き者が現れた」

「ハッ!シャンディアの連中ですね。ご安心を、奴らならしっかり私達で追い払いました」

「その通り。……だが」

 

 エネルはそこまで言うと口が渇きリンゴを噛った。

 

「モグモグ……それだけではない。あの男ガン・フォールも現れた」

「なんと!?」

「まあ、奴はシュラとの闘いで負傷している。すぐに行動には移さんだろう。問題はその爺と共にしている青海人」

 

 たった数人の青海人になぜそこまで警戒をと首を傾げる神官のゲダツとオーム。

 

「1日で我が神官が2人もやられた。シャンディアの連中やガン・フォールにではなくてだ」

「な……っ!?」

 

 ゲダツとオームは驚く。これまで闘ってきたシャンディアではなく突如現れた数人の青海人に2人も神官がやられてしまったことに。

 

「そして、奴らの狙いは黄金。明日には動くだろう。シャンディアも再び攻めて来る……シャリ……モグモグ」

 

 エネルはリンゴを食べながら明日の予定を伝える。

 

「そこで明日はこの"神の島(アッパーヤード)"全域をお前達に解放しよう。シャリシャリ……どこにどう"試練"をはろうと構わん。ルール無用に暴れていいぞ」

「…………なぜ急にそこまで?」

 

 ゲダツが疑問を口にする。本来、神官には自分用の試練に区域分けされている。それをこの"神の島(アッパーヤード)"全域で行うなど過去に一度とて無かった異例中の異例。聞かずにはいられなかった。

 

 その疑問に対しエネルは答える。

 

「実はな……もうほぼ完成している。「マクシム」がな……。さっさとこの島に決着をつけて───旅立とうじゃないか。夢の世界へ」

 

 

 

 

 

 明日の目標を立てた私達はコックさん特製の石焼きシチューを美味しく頂くと日が落ち始め夕立になる。

 

「夜も更けたわ。用のない火は消さなくちゃ、敵に位置を知らせてしまうだけよ」

 

 私がそう皆に伝えるとルフィは呆れたように長鼻君と話し始める。

 

「バカな事を……。聞いたかウソップあんな事言ってらァ……。火を消すってよ」

「仕方ねェさ、そう言ってやるな。ロビンは今まで闇に生きてきた女……知らねェだけだ」

「?……どういう事?」

 

 私は彼らの言っている意味がわからず聞いてしまう。彼らが知って私には知らない事……それは一体……。

 

「キャンプファイアーするだろうがよォ普通!!!」

「キャンプの夜はたとえこの命尽き果てようともキャンプファイアーだけはしたいのが人道~~っ」

「バカはあんたらだ」

 

 ルフィと長鼻君が項垂れ拳を地面に叩きつけ私に訴えかける。しかし、その様子を見た航海士さんに一蹴された。

 

 そこからルフィと航海士さんがキャンプファイアーをするしないの押し問答。しかし、そうしている間に他の男性陣がキャンプファイアーの組み木を立てた。

 

「組み木はこれぐらいでいいか?」

「あんたらもやる気満々か!!!」

 

 普段はあんなに仲が悪かった2人がキャンプファイアーひとつでここまで協力的になるなんて……本当にキャンプファイアーには人の心を動かす人道があるのかしら?

 

 そうこうしていると猛獣の群れがやってくるが何故か意気投合し一緒にキャンプファイアーを楽しんでいる。

 

───ドントットット♪ドントットット♪♪

 

「ノッて来いノッて来い!!黄金前夜祭だ~~!!!」

「いただくぞお宝~~~~!!」

「黄金!!!ひゃっほ~~~~!!」

 

 航海士さんもヤケになったのかお酒を飲み宴に参加する。辺りは真っ暗な夜だがここだけは明るく騒ぎ歌って踊り楽しい時間を過ごしている。

 

 途中から空の騎士もやってきてこの様子を一緒に見届けているとアルガが雲ウルフの背に乗ってきた。

 

「おお、騎士さん起きたんだ。騒ぎ過ぎちゃったかな?」

「いいや、構わん。それにしても雲ウルフを手なずけるとは」

「エヘヘ~~かわいいでしょ~~♪」

 

 そういいアルガは雲ウルフを満面の笑みで抱きしめナデまくる……。

 

 笑顔のアルガと可愛い犬……微笑ましいわ。

 

「なんだアルガお前犬好きだったのか?」

「そだよォ~♪こんな可愛いんだもん!…………あ、だからゾロも犬には優しくしてね?どんなに大きくて凶暴でも虐待紛いな命令も絶対ダメ。やったら"鬼鏑(おにかぶら)"だから」

「急に真顔に戻るな恐ェよ……。待てわかった!やらねェからその顔で近づいてくんじゃねェ!」

 

 アルガと剣士さんのやりとりを見て改めて思う。あなたはこの一味と仲良くやれてるようね……よかった。

 

「いつ敵が来るかわからないのに……本当呑気な人達」

「それが俺達だからね」

 

 アルガは笑いながらそう答える。その顔を見てかつて共に航海していた時の顔と重なって見えた。

 

『まだ見たことのない世界を冒険して一喜一憂し時には仲間達と唄ったりして楽しいことばっかりじゃん!それに何より自由!それが海賊だからっ!』

 

 本当にあなたはあの時と変わらない。

 

「……ええ、あなたがこの一味にいる理由がよくわかるわ」

「うん、でもね……それはロビンにも言えることだよ」

「え、私にも……?」

 

 アルガの言葉に首を傾げると彼は星空を見上げて答えた。

 

「まだ心に壁があるかもしれない。仲間と打ち解けきれないかもしれない。今はそのままでいいよ。でも、いずれその壁を壊す時は必ず来る。だからその時は──俺達と一緒にバカやろうな」

「……アルガは不思議ね。たまに貴方が歳上なんじゃないかと思う時があるわ」

「案外歳上だったりしてね」

「ええ、もしそうなら今度少しだけ甘えてみようかしら」

「機会があればね」

 

 彼はそう言うけれど……私が心を開く時は来るのかしら?……いや違う。正直今でも私は彼らの空気に惹かれている。

 

 けれど、そう思えば思うほどに私の運命は彼らを襲うことになるだろう。私の感情なんかお構い無しに無視をして。

 

 はたして私は……真の意味でこの一味になれる日は来るのだろうか?

 

 そして、私も一緒に星空を見上げる。その星々の輝きはまるで眩く照らす黄金のよう。私達は寝静まるまでこの綺麗な光景を眺め続けた。

 




どうも皆さんもしロマです!
13話をご覧くださりありがとうございます!

主人公のプロット公開にて【投稿しなかった話のワンシーン】より『11話 チョッパーの独白』を追加しました。
ショートストーリーで話は短めですがヒマ潰しによければどうぞ。

ではまた会いましょうでわでわ~~( ´ ▽ ` )ノシ
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