あなたにもう一度毛布をかけるため   作:もしも=ロマンの可能性だよねッ!

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どうも皆さんもしロマd……

ナミ「で……?先週投稿されなかった理由は?」
もしロマ「え、それはその……これには深い理由が……」
ナミ「大丈夫。怒らないから安心して」ニコッ
もしロマ「連泊で北海道に旅行してました!」
ナミ「ゴルァ!!!!」バキィッ!!
もしロマ「ブベラッ!!!ちょ!やめっギャアア!!?」ボコスカッ!!
ナミ「それで、読者様へ何か言う事は?」
もしロマ「投稿遅れてズビバゼンでじだ…」ボロッ

ナミ「コホンッ、それでは続きをどうぞ」ニコッ


15話 あなたに一言いいたくて

 空島を出た俺達は無事に最後までタコバルーンを萎ますことなく海面に着水した。よかったよかった。下手すればここでメリー号が大破する可能性もあったからな。

 

 仲間は地上の青い海を見てどこか安心した様子になりつつも空島でのことを思い返していた。

 

「……しかし、すげーとこに行ってたんだな」

「落ちてみると……また遠い場所ね……」

「夢でも見てたみたい……」

「夢の国だもんなー……またいつか行けるかな?」

「死にゃ行けるんじゃねェか?近くまで」

「ゾロ、お前天国に行ける気でいんのか?」

「ブフッ!ちょwウソップwwそれは……ダメ腹が捩れるwww」

「おう言ってくれるじゃねェかウソップ……。後アルガてめェは笑い過ぎだ!!!」

 

 ゾロが激情に駆られ俺とウソップに怒鳴り付ける。

 

 ごめんゾロ。でもね、来るってわかってたけど……ダメだwここの会話好き過ぎて耐えられん……ww

 

 予測可能回避不可能ってこのことなんだろうなと思いつつツボにハマっていると、さっそくルフィがみんなに号令をかけた。

 

「よーーし、野郎共~!帆をはれ~~!!いくぞ次の島~~!!」

 

 元気いっぱいのルフィはさっそく次の冒険へ向けて船を動かそうとみんなの呼びかけるがウソップとチョッパーがもう少し休みたいと異議を唱える。

 

 しかし、普段から"偉大なる航路(グランドライン)"の気象の厳しさを肌で感じとっているナミはそんな甘い考えは持っておらずみんなに船の指揮をとる。

 

「甘い甘い!そんな事言ってられる海なら誰も苦労しないでしょ?少し波が変なの」

「んなコト言ってもおめー」

「さァみんな動いて!とり舵!……ほら来た」

「うおああああああ!!?」

「全速前進ーーっ!!!」

 

 ナミの言葉通りすぐに異変が起きた。後方から大波が襲ってきてみんなは一斉に行動を始めた。大波の中に猿もいたがそんなものに気を取られている暇はない。

 

 俺達は急いでこの場を後にした。

 

 大波から逃れ気象も落ち着いたところで、各々空島で手に入れた物を整理する。ナミは地上の海でもウェイバーが使えるかどうか。ウソップは"(ダイアル)"を一通り試したが"雲貝(ミルキーダイアル)"以外は全て使えたっぽい。

 

 ……うん、あそこの雲は空島の環境がないと形を保てないもんね。地上の着くまでの間に俺の雲クッションも蒸発したから痛いほど理解したよ……こんちきしょうめ。詳しくは『投稿しなかった話のワンシーン』をチェックしてね(宣伝)

 

「おっ。アルガ、オメーも"(ダイアル)"貰ったんだな」

「うん、お願いして貰ったんだ」

 

 ウソップの言う通り、俺の手にはひとつの"(ダイアル)"を持っていた。

 

 これは、先日の大宴会の時にある人に頼んで譲り受けたものだ。この航海で手に入れたかったアイテムのひとつだったから貰えてよかった。

 

 そして、空島での成果といえば何と言ってもこれだろう。

 

「さて、お待ちかねっ!海賊のお宝は山分けと決まっているわ!これだけの黄金だもの。すごい額よ!」

 

 そう、空島で手に入れたお宝の山分けである。船内に戻った俺達はテーブルに置かれた黄金の山を見てテンションをあげた。

 

「イよォッ!!」

「待ってたぞー!銅像買うんだおれは!!」

「本買っていいか!?」

「新しい鍋とフライパンと……食器に巨大ねずみ取り」

「酒飲み放題だなコリャ」

「俺はサーモン買う!丸かじりするんだ!」

 

 何を隠そう俺は無類のサーモン好きである。転生前からそれは一緒でわざわざサーモン料理を求めて北海道まで旅行していた程だ。

 

 転生後もワノ国では鮭がよく捕れたので鬼姫様にも食糧難になった時のために絶好の穴場を教えては収穫し共に食べていたものだ。

 

 焼いて炙るのもウマイがサーモンはやっぱ生が一番だ。よく一緒に生のサーモンを丸かじりしたっけ懐かしいなァ~。

 

 次の島では買い物できないだろうしウォーターセブンの市場とか売ってるかな?生でいきたいから鮮度のいいやつを食べたい。

 

 そんな感じでみんなが各々何を買おうか目を輝かせ黄金を見詰める。そして、ナミは黄金の配分を決めた。

 

「まず、わたしのへそくりが8割」

『いやちょっと……』

 

 初っぱなから納得のいかない配分にみんなは待ったをかける。すぐに冗談よと笑うも何割かは本気だったと思う。

 

 でも、そのへそくりの内容がメリー号の修繕費用と知るとみんなは納得した。

 

 修繕費用がどれぐらいかかるのか分からないため山分けの話は一旦保留となり昼食をとりながらメリー号の話が始まる。

 

 原作で起きた破損イベントは俺が事前に守ったお陰で目に見える程ボロボロではないが、それでも"偉大なる航路(グランドライン)"を進んできたせいもあり所々修理が必要な箇所はある。

 

 元々メリー号は遊覧船。長期間の船旅には向いていないんだ。それでここまで来れただけでも十分すごいがやはりこれ以上となると厳しいのかもしれない。

 

 そこでルフィはひとつ提案をする。

 

「"船大工"仲間に入れよう!!」

 

 メリー号は俺達の"家"で"命"。そんなこの船を守ってくれる船大工を探そうとみんなに伝える。

 

 みんなもルフィの提案に賛成しこれからの旅で船大工を探すことが決まったのだった。

 

「あと"音楽家"!!!」

「いやそれはおいとけ」

 

 

 

 

 船大工を仲間に入れることを決めてから数日後ようやく次の島が見えた。

 

 ここへ来る少し前に奇妙な船があった。帆も旗もなければ船長も航海士もいないなんとも纏まりのない連中だった。

 

 みんなは首を傾げていたが、俺だけは原因を知っていたのでなんとも言えない気持ちになった。

 

 デービーバックファイト……。俺達も次の島で気を付けなければ。

 

 深かった霧が晴れ島全体が見えるようになるとそこには見渡す限りの草原が広がっていた。

 

 綺麗な芝生にルフィとウソップとチョッパーは我慢できず転がりはしゃぎだす。そして、冒険欲が溢れたのかルフィ達は俺達に目もくれずウソップとチョッパーを引き連れて何処かへ行ってしまった。

 

 いつもことだしどうせ夕方には戻るだろうと考えて他のみんなはルフィ達を放っておくと海から大きな海賊船がやってきた。

 

 大きな船はメリー号の行く手を挟み、仲間は警戒心を高める。

 

「やるんなら降りて来い!」

「さっさと出てこい!!相手になるぞ!!」

「我々は"フォクシー海賊団"。早まるな、我らの望みは……"決闘"だ!!!」

 

 そういうと相手は俺達にデービーバックファイトを申し込む。ナミとゾロはそれが何なのかを知らず首を傾げるとサンジとロビンが説明してくれた。

 

 デービーバックファイト。それは、船長同士の合意の元で執り行う海賊のゲーム。勝てば相手の舟乗か海賊の誇りである海賊旗(シンボル)を奪うことができ敗ければ奪われる。

 

 説明が終わるとどこからか銃声が二回聞こえた。ルフィがゲームを承諾した合図だとわかり敵船は雄叫びをあげナミは唖然とする。

 

 まあ、ナミ以外は全員その気になっていてワクワクしている様子だけど。

 

 こうして始まったデービーバックファイト。戦闘でも始まりそうな雰囲気だった相手はさっきとは打って変わり島に上陸するなり屋台やステージを即行で建て始めた。

 

 せっかくなので屋台を色々回ってしまう。屋台なんて転生前でしか思い出がなかったのでつい懐かしさで楽しんでしまった。

 

 やっぱ屋台といえば焼きそばだよね!

 

 そいえば、途中でフォクシーに会ったけど……改めて見るとやっぱり太った筋肉質のボヤッ◯ーにしか見えない……。

 

 世代だししょうがないよね?

 

 一通り楽しんだ後はデービーバックファイトの開催式が始まり会場は盛り上がった。式が終わるとゲームの出場者を決めることになったが……。

 

「出場者は3ゲームに7人以下……つまりひとり余ると……うわ、仲間外れみたいで寂しい」

「アルガ、そんなに出たきゃおれ様の出番を譲ってやるよ!」

「ズルイわよ!わたしだってできるものなら出場したくないわよ!女でか弱いのよ!!」

「バカ野郎!!おれの弱さを見くびんなよ!」

「空島でもそうだったけど変わった喧嘩をするのね……」

 

 出場者に選ばれたくないのかウソップとナミが喧嘩を始めロビンが呆れた様子で見ている。そういや、空島のホイッスルの時も同じ喧嘩をしてたね。

 

 結局、出場者はくじ引きで決めることとなり3ゲームの出場者が決まった。内心ワクワクしていたが現実とは残酷だ。

 

 これが原作の修正力と言うのだろうか。3ゲームの出場者は原作と同じ結果となり終わった。

 

 心のどこかで期待していたこともあって少しいじけてしまったが決まったものはしょうがない。大人しく観戦しよう。

 

「ギャーーーッ!!?畜生!さっそく一回戦目からかよついてねー……」

「まあまあ、落ち着いてウソップ。ある意味これでよかったと思うよ」

「なんで?」

 

 発狂するウソップを慰めてそういうとウソップは尋ねる。

 

「だって、二回戦と三回戦のメンバーがあれだよ?敗ける要素がない。つまり一回戦でわざと敗けて二回戦で勝てば奪われた仲間を取り返せる。そうすれば三回戦で勝って海賊旗を奪えば相手の船員(クルー)も入らず仲間も奪われない」

「オオー!言われてみりゃ確かにその通りだ!イヤ~そうとわかればだいぶ気が楽になってきたぜっ」

 

 ウソップはそういい気が楽になったのか楽観的に笑う。俺はそんなウソップにひとつだけ忠告した。

 

「でも、向こうは俺達の情報をしっかり持っている。だから、ウソップ達にはなるべく相手の情報を引き出しつつ戦ってくれ。例えば、敵の誰かが能力者だったりとかね」

「なるほど、今後のゲームのためにも敵の情報は欲しいところだ。ウシ!任せとけ!」

 

 そして、一回戦のレースが始まった。スタートと同時に敵の一斉射撃が来ることはわかっていたので銃を取り出す前に全滅させた。

 

 事前に伝えていたサンジはナミとロビンに銃を向けるとわかっており怒りで俺以上に張り切って敵を蹴り倒していた。哀れウソップ。

 

 しかし、ボ……フォクシーの妨害は続きお互い一歩も譲らない展開が続いた。

 

 そして、レース最終局面。ウソップ達がゴールに王手をかけていたがボ、フォクシーのノロノロビームにより形勢は逆転され一回戦の勝者はボ、フォクシー海賊団となった。

 

 よしよし、ここでボヤ……フォクシーがノロノロの実の能力者だってことがみんなに伝わってよかった。

 

 下手に俺が立ち回って能力を出す前に勝ってしまったら三回戦目のコンバットでルフィが初見殺しを受けるハメになる。搦め手の相手は苦手だからなルフィは。

 

 一回戦で敗けてしまった俺達はボヤ、フォクシー海賊団にチョッパーを奪われてしまう。しかし、二回戦ではゾロサンジチームの活躍により見事勝利を掴み無事チョッパーを取り返した。

 

「「えっ?おれの出番一文で終わり?」」

 

 うん終わり。だって原作と流れ変わんなかったし。てかモノローグに入ってこないでよビックリしたわ。

 

 そして迎えた最終戦。船長同士のコンバット、舞台はボ?ホ?……ホクシーの船と決まり互いに衣装替えをし飛び出してくる。

 

 ルフィは腹に炎を彷彿とさせるドクロマークのタトゥーに己がチャンピオンとでも言いたいような見事なアフロの姿で登場。対するボクシーも上着のコートを脱ぎアップを終え体を暖めていた。

 

 セコンドも船から降りいよいよ闘いのゴングが鳴った。

 

 ボヤッ……クシーに有利なフィールドなだけあり序盤はルフィが翻弄されるがああ見えて億クラスの賞金首。すぐに巻き返しボヤクシーに反撃する。

 

 すると、ボヤッシーは船内へ逃げルフィもそれを追い船内へと入る。仲間はそれが罠だと忠告するが聞く耳を持たず行ってしまった。

 

 それからしばらく状況がわからずにいた。時々爆発音が起こりその度に仲間は心配そうな顔になる。

 

 そして、船内から出てきたらそこには黒焦げとなったルフィが倒れその側でボヤッ……あ、フォクシーが両手をあげて勝ち誇っていた。

 

 もはや結果は目に見えている。そう思っていた時、意地で立ち上がってきたルフィがファイティングポーズをとりみんなは驚愕した。

 

 とても立っていられる状態ではない。それでも立ち上がる。その姿にみんなは胸打たれルフィコールが上がった。

 

 

「おれの仲間は……誰一人……!!!死んでもやらん!!!!」

 

 

 そして、コンバットの最終局面。互いの意地を賭けたラッシュの応戦。徐々にフォッキーが圧され遂に"ノロノロビーム"を放つが……ルフィが隠し持っていた鏡の破片に跳ね返され逆にフォヤッキーがノロマになってしまった。

 

「"ゴムゴムのォオオ~~……連接槌矛(フレイル)"!!!!」

 

 その隙を逃すわけもなくルフィは最後に渾身の一撃を繰り出し、30秒後──ボヤッ◯ーは船から場外までぶっとばされ見事ルフィが勝利を収めた。

 

 全ての試合が終わりルフィはチョッパーに怪我を診てもらっていると眠っていたルフィは目を醒まし試合の結果を慌てた様子で聞く。

 

 ゾロが勝ったことを伝えるとルフィはパタンと倒れよかったと安心した顔で笑った。

 

「フフ……」

「お、ロビン嬉しそうだね」

「まあね。……素敵ね、仲間って」

「そりゃそうだ」

 

 これまでの人生で仲間がどんなものか経験の無かったロビンは短くそう呟くと俺は笑った。

 

 そこにボヤッ◯ーがやってきて勝負後の握手を求める。しかし、それは騙しで悔し紛れの一本背負いを仕掛けるもゴム人間のルフィは腕が伸びただけで自滅してしまう。

 

 その後は勝者の特権として相手の海賊旗を選ぶもそれでは航海ができないからとマークの上にルフィが新しいマークを描いた。

 

 最初はルフィの優しさに感動していたがあまりの下手な絵に船長一同落ち込んでしまう。俺はそんな彼に近付きポンと肩を置く。

 

「まあ、これもある意味芸術かもよ?それにルフィの直筆だから将来的にプレミアがつくかも……だから気を落とさないでボヤッ◯ー」

「誰だよボヤ◯キーって!!?おれの名はフォクシーだ!!!」

 

 あ、イケね。いつの間にか変わってた。でも、許してくれ。その鼻を見るとどうしてもそっちに思考がいっちゃう。同じ世代の人なら共感してくれるハズ……。

 

 こうして、フォクシー海賊団とのデービーバックファイトは幕を閉じた。あと、最後に名前を覚えられてよかった。

 

 

 

 

 ゲームが終わり爺さんの家へ向かった俺達は奪った海賊旗を見せ勝負がついたことを伝えた。怪我をした馬の仇をとってくれて礼をする爺さん。

 

 お詫びにチーズ(10年物)をあげようと家のドアへ行くとドアの前に長身の男が立ったまま寝ていた。

 

 みんなは誰だかわからずに首を傾げるとロビンは呼吸困難になるほど息を荒くしへたり込む。

 

「ロビン!?」

「どうしたロビンちゃん!」

「っておいアルガお前もか!?」

 

 元々知っていた俺はみんなが気づく前からその男を見て汗を流し体を硬直させていた。……眠っているから威圧を飛ばしている訳じゃないのに……緊張で体が動かない。

 

 そして、眠っていた男が目を醒まし俺達を見て懐かしい人にでも会ったように笑いかけた。

 

「……あららら。コリャいい女になったな。……ニコ・ロビン」

 

 ロビンの様子を見て警戒心を最大限にあげるみんな。徐々に冷静さを取り戻しロビンはこの男について説明する。

 

 この男こそ海軍本部に在籍する世界政府"最高戦力"と呼ばれる者のひとり──"大将"青雉。

 

 そう聞いた瞬間みんなは驚愕した。そんな奴がなぜここに?そう疑問がよぎるも警戒は怠らない。

 

 しかし、そんなシリアスな雰囲気だったが青雉のマイペース過ぎる会話に流され完全にウソップとサンジがツッコミ役に変わった。

 

 その後は爺さんの事情を知った青雉は爺さんを島のみんなに会わせるために身仕度を済ませ海岸へ訪れた。

 

 その間にすっかり打ち解けみんなはワイワイと楽しく会話が弾んでいた。

 

 海岸へ着くと青雉は片手を海に浸ける。すると近海の主である海王類が突如と現れ青雉に襲いかかる。

 

 しかし青雉はその場を動かずみんなは慌てて助けようとするがその瞬間──。

 

「"氷河時代(アイス・エイジ)"」

 

 海王類ごと辺り一面の海上は凍りつき氷の大地へと変わった。

 

 みんなが驚く中、青雉は立ち上がり爺さんに温かくしていきなさいなといいスタスタと歩いていった。

 

 爺さんは未だに起きた現実を受け止めきれずにいると島のみんなに会える、そう実感がわき始め涙を流す。何度も離れていく青雉にお礼を伝え俺達にも礼をいう。

 

「ありがとうなーー!!この恩はずっと忘れねェよーー!!」

「ヒヒーーン!!」

 

 こうして爺さんは馬を連れて出発した。俺達も手を振り盛大に見送った。爺さん達が見えなくなる頃にはすっかり体が凍えてしまいそそくさと凍っていない海岸へ戻った。

 

 するとそこにはどこかへ行ったハズの青雉が座って俺達を待っており改めてここへ来た理由を話した。

 

 青雉の目的。それはロビンを一目見ることだった。そして、さっきまでと雰囲気が変わりまるで別人のように俺達を見詰めこう呟いた。

 

「──やっぱお前ら……今、死んどくか?」

『!!!?』

 

 みんなは驚くが相手は海兵、俺達は海賊なのだから当然の判断だ。しかし、なぜ今になってと困惑していると改めて手配について説明を始める。

 

 懸賞金はその者の強さだけでなくその危険度も表している。そんな中、僅か8歳という年齢で7,900万もの賞金を懸けられたロビンが如何に恐ろしい存在かを教えた。

 

「厄介な女を抱え込んだと後悔する日もそう遠くはねェさ。それが証拠に……今日までニコ・ロビンの関わった組織は全て壊滅している」

『!!!』

「その女ひとりを除いてだ……何故かねえニコ・ロビン」

「何が言いたいの!!?私を捕まえたいのならそうすればいい!!"三十輪咲き(トレインタフルール)"!!!」

 

 青雉にそこまで言われるとロビンは血相を変え激情に駆られる。そして青雉の体から30本の腕が咲き間接技を決める。

 

「"クラッチ"!!!」

 

 背骨を折った。そう思った瞬間、青雉の体は氷となりバラバラに崩れた。しかし、すぐに元の姿に形勢されダメージを負った様子はない。

 

 そして、ロビンに近付こうとした青雉にルフィ、ゾロ、サンジが一斉に襲いかかる。しかし、一瞬にして全員一部の手足を凍らされその場に踞ってしまう。

 

「「「ぐわああああーーーっ!!!」」」

「いい仲間に出会ったな……。──しかしお前は……お前だニコ・ロビン」

「違う……私はもう……!!」

 

 ロビンは最後まで言いきる前に青雉に抱きつかれる。すると、みるみる凍っていきロビンは全身氷結にされてしまった。

 

「うわあああーー!!?ロビーーン!!!」

「お前ェ~~っ!!!」

「わめくな……。ちゃんと解凍すりゃまだ生きてる。ただし……体は割れやすくなってるんで気をつけろ。割れりゃ死ぬ」

 

 そういうと青雉は凍ったロビンに向けて拳を振り上げる。

 

「例えばこういう風に砕いちまうと……」

「ウゥ!!やめろォ!!!」

「ロビン!!!」

 

 そして、拳を振り下ろしたその時──。

 

「流石にこれ以上は許容範囲外だ。青雉」

「あららら、そう恐い顔なさんな兄ちゃん」

「なるに決まってンだろ。ロビンは俺達の仲間だ……金棒を顔面にブチ込むぞ?」

 

 ロビンに当たる前に俺が金棒で防ぎなんとか事なきを得た。みんなは安堵し俺はすぐさまロビンを担いでメリー号へ走り出す。

 

「俺は急いでロビンを解凍する!正しい解凍法がわからないからチョッパーついて来てくれ!!」

「わかった!!」

 

 俺がそういうとチョッパーが此方へやってくる。そして、ロビンが心配なのかウソップとナミも一緒について来た。 

 

 その後、メリー号に急いで戻った俺達は風呂場へ行き冷水で少しずつ溶かし始める。

 

 しばらくするとゾロとサンジが戻って来てルフィはどうしたとウソップが聞くとなんと青雉と"一騎討ち"をしているという。

 

 それを聞き少しウソップとサンジが喧嘩をするがゾロがそれを止める。

 

「今……一味の瀬戸際だ。この決断があいつの気まぐれだろうと何だろうと……もしもの時は、それに応えるだけの腹ァくくっとけ!」

 

 ゾロがそういうと俺はひとり船を飛び降りる。

 

「お、おい……どこ行く気だ?」

「勝つにせよ敗けるにせよ……この闘いでルフィは無事では済まないだろう。二人は重症なんだから安静にして待っててくれ。どんな形であれ必ずルフィを連れてくる」

 

 俺はみんなにそう伝えルフィの元へ向かった。念押しでゾロとサンジに来ないように言ったのにはちょっとした私情があった。

 

 個人的に……あいつとは一度話し合いたいことがあるんだ。

 

 

 

 

 俺が近くまでやってくると既に決着がついていた。ルフィが全身凍らされている。つまりこの一騎討ちはルフィの完敗だ。

 

 俺は茂みに隠れると青雉はポリポリと頭をかきその場に座った。

 

「……まいった、ハメられた。"一騎討ち"を受けちまったからには……この勝負はおれの勝ちでそれまで……そういう事か?これ以上他の奴らに手を出せば……ヤボはおれだわな。なァ……船長(キャプテン)

 

 そういい青雉は不敵な笑みをする。

 

「──それとも、本気でおれに勝つ気でいたのか?」

 

 立ち上がるとパンパンとズボンの汚れを払い落とす。

 

「これだけは言っとくぞ。お前達は……この先ニコ・ロビンを、あの女を必ず持て余す。ニコ・ロビンという女の生まれ落ちた星の凶暴性をお前達は背負いきれなくなる。──あの女を船に乗せるという事は……そういう事なんだ!!モンキー・D・ルフィ!!!」

 

 ガシャーーン!!と砕けた音が響くがそれはルフィの隣の氷を蹴り砕いた音だった。

 

「このまま砕いて命を絶つのは造作もねェが……借りもある。これでクロコダイルの件はチャラにして貰おうじゃないの。──そこの兄ちゃんも異論はねェな?」

「……やっぱしバレてたか」

 

 俺は茂みから出ると青雉と対面する。

 

「話は以上だ。これ以上おれからは何もしねェからさっさと船長を連れていきな」

「ルフィが勝手に言い出したことなのに律儀な人だね」

「おれのモットーは"ダラけきった正義"だ。必要以上の労働はしねェのさ」

 

 そんな青雉に俺は近付きその場に座った。

 

「あん?何のつもりだ?」

「まあ、闘わないならちょうどいい。せっかくの機会だし少し話さない?実はあんたに用があってね」

「用だァ?兄ちゃんがおれに?」

「うん」

 

 青雉は面倒さそうな顔で頭をかき仕方がなくといった感じで座りお互い海岸の氷結された海を眺める。

 

「実は俺、10年ぐらい前にもロビンと一緒に航海していた時期があって友達だったんだ」

「へえ、あの女に友達ねェ……。随分と歳の違う友達じゃない」

「友達に年齢は関係ないよ」

 

 まあ、精神的には俺の方が歳上なのだけど。

 

「ま、確かにな。それで?」

「だからって訳じゃないけど……俺は"ロビンの過去"を知っている。一方的にだけどね」

 

 そういうと青雉は目の色が変わり俺を見る。

 

「……そうか。まあ、あいつが自分からいう奴じゃねェわな。それで?」

「過去を知っているという事は当然あんたとロビンの関係も知っている。当時のロビンからしたらあんたはサウロの仇と思っているかもしれない。──けど、ホントは違うんだろ?」

「っ!?……オイオイ、流石にこれをただ知ってるって言い分じゃ納得できねェぞ。オメーさん……いったい何者だ?」

 

 自分しか知らないであろう秘密を俺みたいな子供に知られていることに驚き青雉は俺を静かに睨み付ける。しかし、俺は怯まずハッキリとこう応えた。

 

 

「ロビンの"友達"──そして"仲間"だ」

 

 

「…………そうか。だがな、さっきも言ったがあの女と共にするなら覚悟を持てよ?」

「覚悟ならとっくにできてる。だから安心しな。話を戻すが、俺の用はあんたに一言いいたいことがあったからだ」

 

 俺は青雉に向き合い頭を下げた。そう、土下座だ。俺は今できる最大の誠意を示すために頭を下げると青雉は俺の予想外の行動に驚いた。

 

「あの時、サウロの件やロビンを逃がしてくれた件についてロビンの友達として礼を言わせてほしい。ありがとう」

「──っ!?……海賊が海兵に頭を下げるモンじゃねェぞ。それに礼を言われる筋合いはない。あれはおれの正義を通したまでだ」

「それでもだ。これから敵になる相手に今を逃せばもうこんな機会はないから」

 

 俺はそういって笑うと青雉は立ち上がり歩み始めた。

 

「ま、どうこうするのもお前の勝手だがひとつだけまだ疑問が残る。詳細は聞かないが応えろ。お前は結局何者なんだ?」

 

 青雉の問いに俺は空を見上げ再び青雉に視線を戻す。

 

「ただのファンだよ。"この世界"のね」

 

 

 

 

 

 目を醒ますとそこは天井があった。とても暗く辺りがよく見えない。どうやら今は夜中みたいね。

 

 徐々に視界が慣れてくるとここはメリー号の船内だということがわかった。そして、私とルフィを囲うようにみんなが雑魚寝している。

 

 私は起き上がり気持ちよく寝ているみんなを起こさないように静かに船内から出る。外に出ると少しだけ冷たい風が私の体を冷ましていく。

 

 けれど、どこか懐かしい感覚。この一味に入る前はよくこんな風を浴びていたわね。

 

 この生活にもすっかり慣れてしまった私は久しぶりに感じるこの風にしばらく当たっていると流石に手が悴んできた。

 

 そして、私は自身の体を暖めるように両手にハアーと息を吹きかける。すると、背中に何をかけられ冷えてきた体に温もりを感じた。

 

「さっきまで全身凍ってたんだからこんな寒い場所にいたらダメでしょ」

「……アルガ」

 

 私に気遣う優しい声が聞こえ振り返るとそこにはトレーを持ったアルガがいた。どうやら彼が冷えた私に毛布をかけてくれたようだ。

 

「ありがとう、とても暖かいわ。用意がいいのね」

「寒がっている女の子には毛布をかけてあげるのが俺の信条なんでね。それと、これも飲んで暖まるから」

 

 そういってトレーに乗せたマグカップを渡してくる。この香り、どうやら中身はコーヒーのようだ。

 

「ええ、いただくわ。あなたのコーヒーを飲むのは久しぶりね」

「いつもはサンジが淹れるからね。俺よりうまいからあまり比べないでね?」

 

 そういいアルガは少し自信無さげに渡すが私はそんなこと微塵も思わずに美味しくいただいた。口に広がる苦味と温もりで私の冷えた体が暖まる。

 

「フフ、比べたりしないわ。どちらも美味しいもの。あなたの淹れるコーヒーも私は好きよ」

「エヘヘ~、嬉しいこといってくれるね~」

 

 アルガがテレると私はマグカップをトレーに置き夜空を眺める。

 

「不思議ね……」

「なにが?」

「貴方とこうしてまた航海できることがかしら。正直、もう二度と会えないと思っていたから」

「何いってんのさ。手紙に書いてたでしょ?また会えたらたくさん話しましょって。友達なんだから約束は守るさ」

 

 そういい彼は私に優しく微笑みかける。その笑顔に私はあの頃何度救われたことか。

 

 でも、だからこそ考えてしまう。──私はこのままアルガやこの船のみんなと共にしていいものなのか……。

 

「それじゃ中へ戻ろう。ここにいたらまた凍えちゃうよ」

「……もう少し私はここにいるわ」

「え?」

「ひとりで居ると……少し落ち着くの」

「……そっか」

 

 彼は何かを察したのか少し考えた後にひとりで部屋に戻った。そして、またひとりの時間が訪れ冷たい風を浴びる。

 

 このひとりでいる空間は私を落ち着かせてくれる。誰にも心配かける必要がなく気楽だから。

 

 なのに、少し前まではこの状況も悪くなかったのだけれど……今は少しだけ……。

 

「……さびしいわね」

「当たり前じゃん」

「っ!?」

 

 私の呟きに後ろから声が聞こえ驚き振り返るとさっき戻っていったハズのアルガがいた。

 

「なぜ戻ってきて……」

「一時ならまだしもずっとひとりで居るのは何よりツラいもんだよな。ホラ、おかわりのコーヒー注いできたぞ」

 

 彼はそういい私にまたコーヒーを渡し、隣で自分用に注いだであろうコーヒーを飲み始める。

 

「嫌なことを考えてると大勢の場所じゃなくてひとりで静かになれる場所にいたいよな。気持ちわかるよ。でも、人ってのは矛盾した生き物で心のどこかではそれが寂しくも感じちゃうんだ」

 

 よく見ると彼はさっきよりも少し厚着をし体を冷やさないようにしていた。

 

「だから、ひとりにはさせないが二人ぼっちで我慢してくれ。気持ちが落ち着くまでは一緒にいてあげるから」

 

 そういいコーヒーに再び口をつける。そんな彼を見て私は先程まで感じていた寂しさが嘘のように消えていた。

 

「…………ありがと」

「おう」

 

 それから船内に戻るまで一言も話さなかったがそれがどこか心地よく想いしばらくの間二人して揺れる波の音を聴きながら美味しくコーヒーを飲むのだった。

 

 

 

 

 

 ここは"偉大なる航路(グランドライン)"のとある島の一室。そこで男は1枚の手配書を見ていた。

 

「この顔……まさか……」

「どうかなさいましたか?」

 

 部屋に秘書がやってきて尋ねてきた。どうやら、休憩は終わりのようだ。男はその手配書を机に置き立ち上がった。

 

 

「……ンマー、何でもない。仕事に戻ろう」

 




どうも皆さんもしロマです!
15話をご覧くださりありがとうございます!

この度は投稿が送れてしまい申し訳ありません。これからも気を付けていきたい所なのですが、実は資格試験が迫ってきているので今回みたいに投稿できない週があるかもしれません。
楽しみにしている皆様には本当に申し訳ありませんm(_ _)m

ではまた会いましょうでわでわ~~( ´ ▽ ` )ノシ
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