あなたにもう一度毛布をかけるため 作:もしも=ロマンの可能性だよねッ!
いつも感想評価、誤字脱字報告、ここすき、お気に入りありがとうございます。
それでは続きをどうぞ( ´ ▽ ` )つ
ロケットマンで司法の塔に突撃したわたし達はなんとか中へ入る事に成功したが、ぶつかった事で壁は破壊されそのガレキの下敷きになってしまった。
「おいおめェらさっさと立ち上がれ!こんなもん平気だろうが!」
等とルフィのふざけた言葉が聞こえる。
そこには同じ状況に陥っているサンジ君がわたし達の気持ちを代弁してくれる。
「ゴ……ゴム人間のお前と一緒にすんじゃねェ……。な……生身の人間が、ハァハァ……こんな突入させられて……!!無事でいられるわけ……」
『あるかァーーーーっ!!!!』
「うし、全員無事だ」
「お前らもたいがいオカしいからなっ。一応言っとくけども」
ルフィの理不尽な言動にキレたわたし達は一斉にガレキの下から起き上がる。何かフランキーが言っていたようだが気のせいだろう。
全くルフィの奴、わたしはか弱い乙女なのよ!
内心怒りを抱いているとルフィは早速ロビンの元へ急ごうとする。
「あそこに階段がある!早くロビンとこいくぞ!!」
「待て」
『!!?』
「何だありゃ!」
その時どこからか声が聞こえる皆は一斉に声が聞こえた方に視線を向ける。すると、ひとりの男が部屋の高い壁にへばり着いていた。
「チャパパパパ……!侵入されてしまったーー!だが、問題はない。おれ達CP9には既にお前達を抹殺する指令が下っている。それに、今ニコ・ロビンを取り返したとしてもあいつを解放する事はできないのだ」
「何だとっ!!どういう事だ
男は何やら含みのある言い回しをしルフィが怒りながら聞くと男は懐から小さな物を取り出した。あれは……鍵?
「これを見ろ。これは今ニコ・ロビンを捕らえている海楼石の手錠の鍵だ!」
「じゃよこせ!!」
ロビンの鍵を見せるとルフィはすかさず腕を伸ばし鍵を奪い取ろうとする。しかし、男は一瞬にしてその場から消え床に移動していた。
「……あいつもあの技使えるみてェだ」
「慌てるなーー。まだこの鍵が本物だとも言ってないぞ」
「何だとォ!?」
男の言葉にルフィは慌てる。どうやらあの鍵はロビンの手錠の鍵とは限らないようだ。
「別の手錠の鍵かもしれない。チャパパパ……。この塔の中におれを入れたCP9の5人がそれぞれひとつ……鍵を持っている」
ここまで言われようやく敵の魂胆が見えた。どうやら向こうはわたし達と闘って時間稼ぎをしている間にロビンを連行するつもりなんだわ。
皆も理解したようでゾロもサンジ君もくだらない時間稼ぎだと吐き捨て男を睨み付ける。
マズイ、あいつの言葉で皆が少し熱くなり始めてきた。ここでの軽率な行動は慎まないと。
わたしは皆を冷静に戻すために語り始める。
「いいえ、先にロビンの方を急ぐわ!まず確実にロビン自身を奪い返して。鍵はその後でいい!あんなの放っておいて急ぎましょ!」
「チャパパパ。お前頭いいな。──でも、そんな事したらこんな鍵なんか海へ捨てちゃうぞ!チャパパパ」
「っ!!!」
そんな!?それじゃ、もしそれがロビンの手錠のだとしたら手錠を開けることができなくなる……!!
「おれ達はチャンスをあげているのだお前達に……ム?よく見たらひとり足りないな?」
「えっ?」
男の言葉に遅れて気付く。そういえばアルガが見当たらない。いったい何処へ……。
───ドゴォォォオオオオンッ!!!!
そう考えた瞬間轟音と共に塔が大きく揺れた。
「キャ!?何この揺れ!それに今の音……上からだわ」
皆は上を見上げる。すると、またもや大きな音が鳴り響く。これは……誰かが闘っている。まさか……っ!!?
「チャパパパ。どうやらお前らの仲間が既におれ達と闘い始めたようだな。音からしてさっきの場所か……なら皆いるかも?だとすれば哀れな奴だーー」
「何だとコノヤロー!!アルガを舐めたらブッ飛ばすぞ!!」
「おれは事実を言ったまで。だから同情する。何せ上にはカクやジャブラだけでなくあのルッチがいる。奴は道力
よほどの自信なのだろう。アルガがロビンの元へ行ってるハズなのにまるで慌てる様子はない。
あのルッチって男はそれ程までに強いのだろう。絶対的な信頼を寄せられるぐらいに……。
「チャパパパ。それにしてもまさか奴が自らやってくるとはこちらも好都合。ニコ・ロビンと共に政府の手土産にしよう」
「手土産……?」
男の言葉にわたしは疑問がよぎる。あいつらはわたし達の抹殺指令が下りたって言っていたのに……なぜアルガだけ?
「ちょっと!何でアルガもロビンと一緒に連れていこうとするのよ!ロビン以外は抹殺対象なんじゃないの?」
「なんだお前。ひょっとして本人から何も聞かされていなかったのか?」
「は?何の事よ……」
男は高らかに笑い転げる。
「チャパパパパ!これは傑作だーー。仲間に何も教えていないとはなーー!」
「だからいったい何をよ!」
「これは我々CP9が秘密裏に調査を行い最近判明した事でまだ上に報告していないのだが……特別に教えてやる」
この時、わたしの中に潜む本能が訴えてきた。──ここから先は聞くべきではないと。
『シャーーハハハハハ!!』
何故かはわからないけど無性に左肩の刺青が疼く。なので、わたしは左肩を押さえる。
男は口のジッパーを開け閉めした後アルガを見下すような言い方で真実を告げられた。
「奴は産まれながらにして一切の自由を許されない者。世界政府によって生まれた"世界貴族"の奴隷だからだ!チャパパパパ!!」
『!!!?』
瞬間、わたしを含めた皆が言葉を失った。
アルガが……奴隷……?
「かつて、世界政府はひとつの政策を作った。それは人身売買で用意する奴隷のコストカットを目的として自ら奴隷を作り出すと言うものだった」
男は淡々と語り始める。
そこで生まれた子供は幼少期の頃から己が奴隷であると思考を刷り込ますように教育を施すという。そんなの、もはや洗脳じゃない!
しかし、10年以上前……"世界貴族"が住む聖地にて襲撃事件が起きた。その際に大量の奴隷達が逃げ出した。アルガもそのひとりだったと言う。
「だからこそ奴をもう一度捕らえ"世界貴族"に献上するのだ。奴の本来いるべき場所へ……奴隷の世界に」
「フザケんなァア!!!」
そこまで言ったところで怒りが爆発したルフィが激昂した。
「お前らなんかにアルガを絶対に渡してたまるか!!!お前らを全員ブッ飛ばしてロビンも助けておれ達はここを出ていく!!!」
「チャパパパ。威勢がいいな。……だが、そう上手くいくかな?ニコ・ロビンと同様に奴にも決して逃げられない運命があるのだ!」
「今もその体に刻まれているハズだ。己が奴隷だと言う証──"天駆ける竜の蹄"の焼印が!!」
「……え?」
その言葉に反応したのはチョッパーだった。
「どうしたのチョッパー?」
「おれ……それ知ってる……」
「なんですって!」
チョッパーの言葉に皆が視線を向ける。
「アラバスタで……闘いが終わった後、アルガに誰もいない場所で治療してくれって言われて。だから……人のいない部屋で診察のために背中を見たんだ……。そこで……」
『なあアルガ。このマークって……?』
『フフン、かっこいいだろ?このマークはな"天駆ける竜の蹄"っていうんだぞ』
「おれ……おれェ……!」
「チョッパー!!大丈夫よ!あんたは悪くない!」
アルガの掘り返してほしくない過去を突ついてしまった事実にチョッパーは悔やみ泣き出す。わたしはすぐに諭すように宥め抱き締めた。
「慰めているところ悪いがいいのか?そんな事をしている間にも奴はひとりで闘い疲弊していくぞ?そして奴が倒れ目が覚めた時……映るのは奴隷の地獄だ。じゃあな。チャパパパパ!!」
「あっ!待てコノォ~~!!」
男はわたし達を嘲笑うように立ち去っていく。一瞬にして姿を消してしまい追えなくなったルフィは苛立ちを隠せずにいた。
すぐに追いかけようとしたルフィをゾロが止める。
「おい待てルフィ!」
「放せくらァ!!」
「焦る気持ちはわかるがまずは状況の整理が先だ!!」
こうしてわたし達のこれからの行動を決め始める。手錠の鍵を持っているのは5人。その中にロビンの手錠の鍵がある。
誰が持っているかはわからないから確実にロビンを助けるには全員倒さなければいけない。
しかし、モタモタしていたらロビンが正義の門を通過してしまう。そうなってしまえば全てが終わる。これは時間との勝負だ。
なら、するべき事はひとつ。
「敗けは時間のロス。全員死んでも勝て!!!」
「おう!!!」
こうしてわたし達は走り出す。鍵を奪い取りロビンを救い出すために。
俺は今ロビンを取り戻すためにCP9と交戦していた。
「”
「”
「”
カリファの斬撃に俺も斬撃を飛ばし相殺する。そこにクマドリが俺の背後から現れ杖を構える。
「よよい!さァさァさァ!一突きであの世に送ろうぞォ~!!”
「前口上長すぎんだよっ!!ウラァ!!!」
「ピョゴッ!!?」
杖で突かれる瞬間、振り返らずその場にしゃがみ武器を金棒に切り替え相手の顔面に叩き込んだ。
「アルガ!!」
「ロビン。もうちょっと待っててね。絶対に助けるから──っ!!」
奥でスパンダムに囚われているロビンが俺を呼ぶので俺は優しい笑みであやすように言う。
その時、見聞色で頭上からカク。その後にジャブラが襲いかかる未来が見えたので再び武器を刀に切り替える。
「”
「
───ギギギギギギギギン!!!
降り注ぐ無数の斬撃を全て叩き斬ると「人獣型」となったジャブラの重い拳が俺を襲う。
「
「”
相手の攻撃に合わせ俺も拳を振り抜き互いの拳が激しくぶつかると周囲に余波がビリビリと飛び交う。
「ヌウッ!コイツ……!!」
まさか止められると思わなかったのかジャブラは眉をひそめ瞬時に距離を取った。
「やるじゃねェかガキ。にしてもまさかおれ達の獲物がテメーからやってくるとはな!用意した情報とも一致する」
「情報だと?何のことだ」
その呟きに気になることがあり聞き返す。
「ルッチやカクがいねェ間、おれ達は別である事を調査していた。そして先日おもしれェ事がわかってよォ……お前、天竜人の奴隷だろ?」
「っ!……よく知ってんな」
「ぎゃ~~ははは!!とんだマヌケがいたもんだぜっ!!政府の奴隷が自らこの政府の玄関へ脚を踏み入れるとわな!」
チィッ!まさか俺の過去をここまで調べあげられていたとは。
ジャブラが盛大に笑っていると後ろからとてつもないプレッシャーを感じ振り返る。そこにはルッチが歩み寄っていた。
「騒ぐな鬱陶しい」
「アン?んだとこの化け猫が!!」
「元よりそいつの正体など知っていた」
「は?」
ルッチの言葉にジャブラは笑いが止まりしかめた表情をする。
「おいおいウソ言ってんじゃねぇぞ。そこのガキが奴隷だって事を教えたのはお前らが帰ってきたついさっきの事だぜ?こればっかりはフクロウにも口止めをしてある。誰も知るハズがねェ」
「普通ならば……な」
「なに……?」
そしてルッチはおれの近くまで来ると歩みを止めおれを見てくる。そして、次のルッチの言葉に俺は驚いた。
「おれは貴様と……以前に会ったことがある」
「はっ!?」
俺と……ルッチが?いつの話だ?
困惑する俺を気にせずルッチは語る。
「何故おれがあの時貴様を殺さず外へ放り投げたと思う?」
「……あの時は俺に殺す価値もないとか言ってただろ」
「ああ、そうだ。本来の実力ならばあんなものではないと知っていたからだ。ここまで来れば余計なことも考えず闘えると思い見逃した」
「本気も何も俺はお前と会った記憶はない」
「だろうな。あの時、貴様は縛られていてまともに周りを見れていなかったのだろう」
縛られ……そんなことをされたのなんて……っ!?まさか……!!
俺の顔を見て察したのかルッチは嬉しそうな顔になる。
「どうやらわかったようだな。貴様の想像通りだ。かつてあの女を逃がすために囮となり政府に捕まったあの事件。その現場におれもいた」
「あそこにお前が!?」
「と言ってもおれが到着した時には既に貴様は気を失い捕まっていたがな」
驚きを隠せずにいた俺に構わずルッチは話を続ける。
「しかし、おれは驚いた。当時10にも満たなかった貴様が六式を習得したサイファーポールを相手に10人あまりを倒したのだからな。そんな男があれから長い時を経てどれ程強くなっているのか……おれは気になって仕方がなかった」
ルッチはニヤリと笑い「人獣型」に変形し体が大きくなった。
「そして結果、ここにいるCP9を相手にしても後れを取る事はなかった。期待通りだ。今ここで貴様と闘える事に感謝しよう。”
大きくなった体が一回り小さくなる。……来る!!
「貴様がマリージョアから逃げ出した事を知って以降おれはより一層鍛練に励んだ。貴様と殺し合う──この日のためになっ!!!」
「グッ!!お前からの熱愛なんざお断りだっつーの!!!」
見聞色でルッチが俺の腹をぶち抜く勢いで殴る未来が見えたので金棒でガードを取る。瞬間襲ってきた衝撃はとても金棒越しからとは思えなかった。それ程までに……重い!!
すぐに攻撃に転じ金棒を振るうも既にそこにルッチの姿はない。──上っ!!
「”
「”
巨大な斬撃が降ってくるが武装色を纏わせた金棒で打撃を飛ばす。互いの攻撃は激しくぶつかり相殺された。
「フハハ!強力な覇気だ。そうだ、おれはその覇気を超えるために誰よりも六式を極めたんだ!」
「知るか!お前の事情なんか!!」
原作でも戦闘狂なとこあったけどお前どちらかと言えばそこそこクール系だっただろ!熱くなりすぎてないか?!
そもそも、何でそんなに俺の事気にかけてんだよ!?下手なストーカーより恐ェよっ!!
「”
「ウオッ!?」
っぶね!?かすっt──。
「ハアッ!!!」
「ブッ!!?」
顔面にルッチの拳が炸裂し俺は後方へブッ飛んだ。
……な、んで?未来は見えてた……ハズ……。
「不思議そうだな。何故避けられなかったのか」
「グッ……!」
「答えは単純。貴様がどれだけ先を読もうと、行動する前におれがそれよりも速く動いただけ。覇気は強力だが万能ではない。その驕りがこの結果だ」
脳筋かよ!!クソ、頭がクラクラしやがる。
だが、ルッチに痛いとこを突かれたのも事実。いくら先が読めても動けなければ意味はない。
さながら今の状況はルフィVS九蛇姉妹の闘いと似ている。ルフィは先を読まれても相手が追い付けないスピードで闘い勝利を収めた。まさに今がそんな感じだ。
クソ、俺にもっとこの覇気を十分に引き出せるほどの力があれば……!!
俺は改めて自分の未熟さを悔やむ。しかし、今はそんな事ばかり考えている暇はない。ここでわめいたところで敵は待ってはくれないのだから。
「オイ、何ルッチばかりに気を取られてやがる?”
「わしらがおる事を忘れてもらっちゃ困る。”
「ウオッ!!?」
後ろから十本の指で俺の体を貫こうと襲いかかるが寸でのところで躱すとカクがすかさず無数の斬撃を飛ばしてきた。
まさか自分事攻撃をされると思わなかったジャブラは慌てて避けるとカクに突っ掛かっていった。
「カクてめェ!!今おれごと攻撃しやがったな!?」
「わしは隙を見て攻撃をしたまでじゃ。あんな所でボーッと突っ立ってるお前さんが悪い」
「んだとォ~!!」
なんか向こうで喧嘩が始まった。まあ、こっちからすればありがたいし放っておこう。
ゾロとサンジみたいだなァと思いつつすぐに思考を切り替える。既に背後で構えているルッチに反撃するために。
「フッ!!!」
「グオッ!!」
相手が攻撃を仕掛けると同時に体を捻り金棒でカウンターを決める。ヨシ!これで互いに一発づつ!!
「確かにフィジカル面はお前の方が上だと認める。だがな、全く反応できないワケじゃねェんだよ!」
「グフッ……。フフフ、流石だ。こうでなければ面白くない!!」
ルッチはまた仕掛けてくる。そう思った時だった。
「ウォォオオオ!!!ロビィ~~~~ン!!!!」
遠くでロビンの名を叫ぶルフィの声が聞こえた。その声に真っ先に反応したのはスパンダムだった。
「ギャァァアアアア!?!?海賊共が来やがった!!マズイ早く正義の門へ急がねば!!おいルッチ!!いつまでそんな奴と遊んでいやがる!そのガキは一先ず後回しだ!!」
「…………」
「嫌そう!!?」
スパンダムがそう叫ぶとルッチは分かりやすく嫌そうな顔をしショックを受けていた。お前そんな顔できたの!?
「そんなにソイツと闘いたきゃ先ずはおれの身の安全を確保してからだ!!これから"英雄"となるおれの身の安全は何よりも優先させる!来い!!」
「それをさせねェために俺がいんだろうが!」
「クマドリ!カリファ!」
「「はっ!」」
「うおっ!なんだっ!?」
ロビンを連れてこの場を離れようとしたスパンダムに向かおうとした瞬間、足場が急に滑り立ってられなくなる。カリファの能力か!!
そこにクマドリの髪が俺の両腕を拘束する。クソッ!足は滑るし腕は動かせねェ!!
しくじった!ロビンを連れ去れてれしまうと焦って冷静さを欠けて見聞色が乱れた。早くこの髪なんとかしないと!!
俺を見ていたルッチは少し考えた後にスパンダムの元へ行く。
「フン、この闘いは後に取っておくとしよう。貴様との再戦は長官を送り届けた後だ」
「オイ待てェ!!!」
俺の叫びも虚しく聞き流されスタスタとスパンダムの元へ行きロビンを連れてこの場を後にした。
「長官もニコ・ロビンを連れてったし、とりあえずおれ達はどうする?身動きがとれねェこの奴隷のガキでもいたぶるか?ぎゃははは!」
「阿保か。もう作戦を忘れてしもうたか?わしらはなるべく散々で闘い時間を稼ぐ手筈じゃろう」
「チッ。うるせーな、わかってるよ。おいクマドリ、カリファ。おれ達ァ別の部屋へ行く。その奴隷のガキ任せたぞ」
「了解」
「よよい!ああ!ああ!あいや!任されェ~たァ~~!!」
そういうとカクとジャブラもどこかへ行き残されたのは俺とクマドリとカリファ。とにかくこの髪さえなんとかすれば……刀は腕が縛られて動かせない。
唯一、動かせると言えば足だが…………いけるか?
俺はひとつあることを閃く。
足場は滑りやすくなっているからか拘束はされなかった。そこを上手く突けば……。
「フッ!」
「あら?」
「よよい?」
俺は試しに足を振り抜く。何度か試すとカリファとクマドリが呆れた様子で見ていた。
「何をする気か知らないけど、無駄な足掻きはよしなさい。貴方はここで大人しくしている事ね」
「男がァジタバタと見ぐるしィ真似はよし!よしよしなさァ~れェ~~!」
「フッ!フッ!フッ!……もうちょいな気がするんだけどなァ~……こうか?……おっ?」
二人の言葉を聞き流し止めることなく足を蹴りあげる。足は腕の4倍の力があるって言うし後は感覚の問題だと考えた俺は先ほどのCP9の動きを思い出しては蹴る。
そうやってトライ&エラーを繰り返していたら──。
───シュッ……スパッ
「お!ちょっとできた!ならここを……こうか!」
「っ!?まさか貴方!!……クマドリ!奴の両足も拘束しなさい!早く!!」
「よよい!!りょ~う~か~い~しィ~~」
───シュルル……スパン!!
クマドリの了承の言葉を言い切る前に俺は腕を拘束していた片方の髪を斬った。
できた!足で飛ばす斬撃!!名付けるなら……。
「”
───ズパァアン!!!
もう片方の腕を拘束していた髪を足から生み出した黄緑色の斬撃で斬り裂き身動きがとれるようになる。そして、床に着地する前に俺は刀を構えた。
「
床に斬撃を叩き付け飛び上がった俺は滑らない床へと着地した。さすがに土壇場で”月歩,,を試すのは危ないからな。そもそもやり方知らんし。
拘束から抜け出し自由になった俺を見て二人は慌て出す。
「クッ!見誤ったわ。まさか貴方が六式のひとつ”
「こいつァ~敵ながらあっ!天晴れと言うしかあるめェ~~よォ!!よよい!」
「抜け出しゃこっちのもんだ。それに……」
どうやら来たみたいだ。
「ロビ~~~~ン!!!あれ?ここじゃねェのか?」
「オイ待てルフィ!無暗に走り回ったって追い付かねェぞ!チョッパーの匂いを辿ってだな……っ!!!」
「クンクン。でも匂いは残ってる。まだ新しい……まだ近くにいるかも!……サンジ?」
最初に現れたのはルフィだった。それを追うように後からサンジとチョッパーがやってくる。
「ん~~……あ!よかったアルガ無事だったんだな!ロビンどこ行ったか知らねェか?」
「おールフィ。実はさっきまでいたんだけど連れていかれちゃって……でも、行き先は多分わかる」
「ホントか!?」
「ああ、だけど……」
俺は目の前にいるカリファとクマドリに視線を向ける。
「アイツらが邪魔して追えないんだ」
「なるほどな。ウシ!さっさとアイツらをブッ飛ばしてロビンとこ行くぞ!」
「待てルフィ」
ルフィが戦闘態勢に入ろうとするとサンジが待ったをかけた。
「ここはおれが引き受けた。お前は早いとこロビンちゃんの元へ向かえ。ロビンちゃんが待ってる」
「そうか!なら任せる!アルガ案内できるか?」
「ああ、でも敵は女性もいる。サンジだけじゃ」
「おれも一緒に闘うよ。だから安心してくれ」
カリファ相手にサンジは相性が悪すぎる。それを懸念したのかチョッパーもここに残ると言ってくれた。
「アルガ、ロビンを頼む。……あとゴメン」
「チョッパー?おう、任せろ」
最後の謝罪が何を指しているのかわからなかったがとにかく今はロビンの救出が先だ!
この場は二人に任せて俺とルフィはロビンを助けるために部屋を飛び出した。
「ヨォ~~シ!待ってろよロビ~~ン!!!」
俺達はロビンを助けるために階段を駆け降りていた。
「地下通路?そんなのがあんのかここには」
「ああ、正義の門へ行くための支柱がこの司法の塔からだと遠すぎる。船で行こうにも海は大きな渦巻きが幾つもあってとてもじゃないがわたれないんだ」
「……つまりどういう事だ?」
「つまり、正義の門へ行くために地下から行く通路があるハズってことだ」
「ははァ~ん……不思議通路だな?」
「……まあ、そんな感じ」
ルフィに詳しい説明をしても意味ないだろうと俺は諦めてルフィを肯定する。すると、下からナミがやってきた。
「よかった!ルフィと合流できたのね!全く!ひとりで先走らないでよ!ルフィじゃないんだから」
「ウッ、返す言葉もありません」
怒っているナミにはどうしても低姿勢になってしまう。日頃のナミの説教(暴力)の賜物だね……。
「ン?今何か失礼な事考えなかった?」
「そのようなことがあろうはずがございません」
え?ナミ見聞色目覚めた?思考を読まれて恐いんだけど。とりあえず、話題を逸らさねば。
「ちょうどよかった。実はナミにお願いがあって」
「わたしに?」
「うん、実はさっきまでロビンとCP9がいた場所で今サンジとチョッパーがCP9二人と闘ってるんだ。ナミもそっちに加勢してほしい」
「サンジ君とチョッパーが!?でも、サンジ君がいれば何とかなるんじゃ」
「その内のひとりが女性。それもあの美人秘書」
「ああね」
戦闘面に関しては絶大な信頼をよせいているサンジだったが相手が女性と聞き一瞬で納得した。ナミは呆れた表情でため息を吐く。
「確かにこれはちょっと危険ね。わかったその女はわたしが引き受けるわ」
「ありがとう。危険だけど頑張って」
「ロビンのためだもの。命の一つや二つ張らないと!」
ナミはそういい気合いを入れ直す。すると次の瞬間、塔全体が揺れ思わず転びそうになったナミを抱き寄せる。
「キャッ!?ありがとうアルガ。にしても何よ今の……えっ!?」
ナミが下を向くと階段が……いや、塔全体が傾きズレていた。
「ウオッ!?何だこりゃ!!!」
「こんなことができる技はひとつしか……てことは!」
俺は原作を思い出すとすぐにナミに指示を出す。
「とにかくナミは上のサンジとチョッパーをお願い!俺達も急ぐから!」
「ええ、わかったわ!」
「ルフィ急で悪いんだけど先に地下へ向かってほしい。多分一階まで降りればなんとかなると思うから。俺は急用ができた……ちょっと嫌な予感がする」
「おう、わかった!んじゃ先行く!」
こうして俺達は別々に別れた。ルフィがちゃんと階段を下るのを見届けた後に俺も動き出す。
俺は塔が斬れた発生源である部屋に辿り着き部屋へ入ると案の定ゾロとウソップが手錠に繋がれたままカクとジャブラに追い回されていた。
「ゾロ!ウソップ!大丈夫!?」
「この状況で大丈夫なわけねェだろ!!」
「おお!アルガいいところに!頼む2番の鍵を探してくれェ~~!!」
必死に逃げながらSOSを出すゾロとウソップ。その声に反応してカクとジャブラも俺の存在に気づいた。
「オイオイ、何であのガキがいやがんだ?クマドリとカリファの奴はどうした。ったく、使えねェ奴らめ」
「じゃが、これで獲物はふたつになったな」
そういい二人が俺の前に立ち塞がる。相手はどちらとも「人獣型」になっており中々のサイズ感だった。
「どけよ。アイツらの手錠を外しに来たんだ」
「ほう、既に誰か倒して鍵を奪ったのか?」
「いや鍵は持ってない」
その言葉を聞きその場の全員がわかりやすく落胆する。
「おいアルガ!悪いんだが鍵が無ェとこの手錠は外せねーんだ!早くここから逃げて鍵をっ!!」
「まあ、せっかくだ遊んでけよ。獲物がひとつになっちまって困ってたところだったんだ。”
襲いかかるジャブラの攻撃を避けるとジャブラはニヤリと笑いペロリと舌を出す。
「ぎゃははは!逃げるのがウメェじゃねェか。流石は奴隷として生まれ政府から逃げ続けてきたガキだ。逃げ足はお手の物ってか?」
「てめェ!!!」
ジャブラの挑発にゾロが激怒した。
あの様子……。そうか、どうやらもう知ってるみたいだな。俺の過去を……。
あれだけ怒っているゾロには悪いけど、俺のためにそこまで怒ってくれるのは……嬉しいな。
「ゾロ。落ち着いて……平気だから」
「アルガ……」
「そこのクソ狼はどうやら相手を逆撫でするのが好きみたいだ。なら勿論自分がされるのも覚悟しないとな?」
俺の言葉にジャブラはイキイキとした感じで俺を見下す。
「ああ~?何の事だか……おれは事実しか言ってねェんがな~♪」
「そうだよな~。昨日好きな女にフラれて気が立ってんだよな~?そりゃ何かに当たり散らしたいよなァ~♪」
「何でてめェがそれを知ってんだよ!!!?」
「落ち着けジャブラ。冷静さを欠けてしまえば相手の思うツボじゃぞ?」
「ウッセェぞ!!黙ってろ!!」
ジャブラは傷口に塩を塗られたように一瞬にしてその顔は苦渋なものへと変わってしまう。挙句に気に入らないカクに諭されてしまい余計に怒りのボルテージが上がる。
「まあ、落ち着けって。確かにフラれた理由も"男は顔"でルッチに惚れてたからで傷心になる気持ちはわかるが大丈夫!次があるって!……顔を磨けばw」
「マジでどこで知りやがったテメェエエエエ!!!」
「お?お?どしたん?怒った?なあ、知ってたか?人ってホントのことを言われるのが一番イラつくんだぜ?」
トドメの一言を受けジャブラは怒りで全身の毛が逆立ってきた。うは、やりすぎたw
「落ち着けと言っておろうが、怒るでない。フラれたのも顔が悪いのも事実なんじゃし」
「よしわかった先ずはてめェから仕留めてやるよカク!!」
「ほほう、上等じゃ。いくら気の長いわしでも理不尽に当てられてはそろそろ怒ってしまうぞ?貴様相手でも容赦はせん」
「長ェのはその首だけだろ」
「「ブッ殺す!!!!」」
なんか向こうで喧嘩が始まった。デジャヴ?とりあえず、そそくさとゾロとウソップの元へ駆け寄る。
「よし、これで少しは時間を稼げるな。ゾロ、ウソップ大丈夫だった?」
「いやまあ、問題は無かったが……」
「お前、言葉でたまにえげつねェ切れ味出すよな。正直、口喧嘩になったら勝てる気がしねェよ」
ゾロはハッキリと言わず濁す感じだったがウソップがバッサリ思っていたことを言う。
「待ってウソップ。それじゃ俺が論破好きなディベート野郎みたいじゃん」
「さっきのお前まさにそれだったぞ」
実に遺憾である。
まあ、そのことは一先ず置いといてまずはこの手錠からだ。
「よし二人とも動くなよ」
「おい何する気だよ?」
「手錠を壊す。任せてこれ得意なんだ」
「……ハ?アルガ知らないみたいだから教えるがこの手錠はロビンの手錠と同じ海楼石でできていて──」
───グシャ!
「外れたぞ」
「「えっ!!?」」
無理だと思っていたのか二人はギョっとした様子で繋がれていた腕を二度見する。
「本当に外れた……」
「ね、言ったでしょ?得意だって」
「ひょっとしてこれも覇気なのか?」
「おっ、ゾロよくわかったね。正解」
ゾロが改めて覇気のすごさに感心しているとウソップが何か気付いた様子で俺に尋ねる。
「なあ思ったんだが……お前のそれがあればロビンの手錠の鍵を集める必要無くねェか?」
「…………~~っ!!?」
「想像だにしてなかったんかい!!!」
ヤッベ、そうじゃん!原作のウソップの活躍が眩しすぎて完全に盲点だったわ。
そうとわかればさっそく俺もルフィを追いかけないと!!
そう考えすぐに部屋を出ようとしたが……。
「オイオイ、マジで二人の手錠が外れてやがる。そろそろ遊んでる場合じゃなくなってきたようだな」
「わしは元より遊んどるつもりはない。貴様と違ってな」
「ケッ!無駄に真面目ぶりやがって。癇に触る野郎だがまずは敵を片付けてからだな」
どうやら喧嘩は収まったようで標的を俺達へと変えた。まあ、そんな上手くいくワケ無いよな。
仕方がない。ここは相手をするしか……お?
そう思っていた時、ジャブラの背後から黒い影が現れた。そして──。
「ぼへ!!!?」
ジャブラは突如現れた何者かに蹴り飛ばされてしまう。蹴り飛ばした者はタバコに火をつけ一服吸う。
「イチチチ……。誰だァてめェはァ~~っ!!!」
「"狩人"」
その者……サンジはタバコの煙を吹かしニヤリと笑った。
「サンジ!」
「ようアルガ。オメーまだこんな所にいやがったのか?さっさとロビンちゃんを救出に行きやがれ。コイツはおれが仕留める」
「ああ、助かる」
よく見るとサンジの体はボロボロでありカリファとの戦闘で相当苦戦したのだと予想がつく。ナミと代われたようでよかった。
よし、これで俺もロビンを追える。だがその前に……。
「ウソップ。ここを出る前に頼みたいことがある」
「頼みたいこと?」
あの後、カクとジャブラをゾロとサンジに任せ俺は一階を目指し急いで駆け降りる。
その時だった。この塔全体から……いや、この島全域からスパンダムの声が響き渡った。
『よりによって……「バスターコール」をかけちまったァ~~っ!!!』
そこから始まるのはスパンダムとロビンの会話だった。最初は動揺していたスパンダムだったが「バスターコール」をかけたことでむしろ海賊達を全滅できると高笑いをする。
しかし、そんな生易しいことでは済まないとロビンが必死に訴えかける。海賊は愚かこの島にいる全員が砲撃によって焼き尽くされ跡形も残らないと。
だが、スパンダムはそれが正義のための犠牲ならたとえ何千人死のうが構わないと言う。あと、出世のためとも。
そして、この会話が全て島全域に放送されていたことに気付くとルフィのマネを始めた。見苦しいぞオイ。
そこに、ロビンが島中の人々に避難するように告げるとスパンダムは余計な事を言うんじゃねェと怒り叩かれた音が聞こえた。
───バキィッ!!ドサァッ!!ブツッ、ツーツー……
その時、俺はスパンダムに対し怒りが沸いてきた。
「あの野郎……今ロビンを……!!!」
俺はさらに加速し階段を下る。いや、もう階段なんか使ってる場合じゃねェ!
そう思い俺は階段から飛び降りた。そして、みるみる落下しあっという間に一階へ降り立った。
少し足裏が痛いが気にしてる暇はない。一刻も早くロビンの元へ向かわないと!!
俺は周りを見渡すと何やらペンキで矢印と文字が書かいているチムニーとゴンベ、そして、ココロさんがいた。
「おやァ?おめェさんこんなとこにいたのかい」
「あ!海賊にーちゃん!!」
「ニャー!ニャー!」
「ココロさん、ちょうどよかった」
俺はさっそく地下通路の場所を教えてもらうとすぐに走り出した。そして、教えてもらった道を進むと鉄の扉が破壊された通路を見つける。
ここだな。よし!待ってろよロビン!!
先が暗くて見えないこの一本道の通路をしばらくの間駆け抜けると光が見えてきた。広めの部屋があるようだ。……つまり。
俺は部屋へ辿り着くとそこにはルッチと闘うルフィとフランキーの姿があった。
「ルフィ!悪い遅くなった!」
「ウオー!アルガよく来てくれたな!今あの鳩の奴に苦戦してんだ」
「おれはこいつに頼まれて早ェとこあの扉の先に向かいたいんだが……思いの外強くてよ」
「わかった、ならここは俺とルフィで抑える。フランキーはその隙に行ってくれ」
「スーパー任せろ!」
これからの方針を決めるとルッチは嬉しそうな顔で俺を見て目が輝く。
「ようやくこの時が来た……!待ちわびたぞ!これで思う存分に闘える。さァ……殺し合いを始めよう」
「……お前、俺ばっかりに気がいってるみたいだが……あまりウチの船長を舐めてると痛い目見るぞ?」
「ン~?ルッチがオメーにやたらとご執心の様だが何かあったのか?」
「理由は聞いたけど理解はしてない」
「なんじゃそりゃ?」
誰があんな戦闘狂の思考なんか理解できるかよ。今はそれよりも……。
「さっさと隙つくってフランキーを行かせよう。アイツは強い。俺とルフィ二人がかりでいこう」
悔しいが、さっきの闘いでわかったことがある。それは、このルッチが確実に原作以上に強くなっているということだ。
正直、ギア2のルフィがどれだけ対抗できるのかわからない。だから、俺も一緒に闘おう。ロビンは心配だがコイツを放っておくと後々マズイことになるかもしれん。
「準備はいい二人とも?」
「「おう!!!」」
「よっしゃ!行くぞ!!!」
「来い!!!!」
全員が同時に床を蹴った。己の正義、目的をために強く握る手に想いを込めて。
どうも皆さんもしロマです!
18話をご覧くださりありがとうございます!
前回のアンケートの結果、532票で見事新しいタグは「人タラシ系主人公」に選ばれました!
投票してくれた皆さまアンケートにご協力してくれてホントにありがとうございます!!
もしロマ「よかったねアルガ!」
アルガ「投票は嬉しいが喜べねェ!?」
ではまた会いましょうでわでわ~~( ´ ▽ ` )ノシ