あなたにもう一度毛布をかけるため 作:もしも=ロマンの可能性だよねッ!
いつもより遅い時間に投稿してしまい申し訳ありません!
春休みを楽しんでいる学生さんなどもいると思い明日まで我慢できず急いで書き上げて投稿しました!
それでは続きをどうぞ( ´ ▽ ` )つ
嵐で波も荒れ狂う天候の中、ウォーターセブンの橋の下倉庫にレインコートを着込んだ子供がひとりいた。
『……このレバーで水を流せるんだね。よし!』
少年は倉庫の扉を開きレバーを下ろした。すると、倉庫の塞き止めていた水が外に流れ始め船が進み出した。
『僕だって一緒に闘いたいんだ。例えこれが最後の航海だとしても……』
これは、僕を大切に思ってくれる皆を裏切る行為かもしれない。僕のワガママだって事もわかってる。
けど、仲間を連れ去られて黙っていられる者は……あの一味には誰ひとりとしていないじゃないか。
僕だって──一味の仲間なんだ!
『だから待ってて……みんな』
そうして飛び出した船は勢いよく海へと繰り出すのだった。
『あああああ!?ここ思ったより高かったァ~~ッ!!?』
…………早くも少年の船出の雲行きは現在の天候のように危うかった。
初めて会ったのは奴が気を失い拘束されていた時だった。
天竜人の奴隷が政府に捕まるという事がどういう物なのかはわかっている筈……なのに、なぜかコイツの口元は笑っていた。
当時、おれは海へ逃げたニコ・ロビンを追うために船を出航させるところだったが突如島にある全ての政府の船が爆発した。それも船を動かせないよう舵の部分をだ。
最初はあの女の仕業かと思われたがすぐに届いた緊急用電伝虫を受け犯人は別の人物だと知る。
そして、その犯人がまだこの島に残って我々政府の役人と交戦中との事。この緊急で届いた連絡も増援を頼むものだった。
あそこにはニコ・ロビンを確実に捕まえるために最も人員を配備している場所。そこから増援の連絡がくるという事はそれだけ敵が手練れだと推測ができる。
久々に武者震いしたおれはすぐに持ち場を離れ増援に向かった。
しかし、着いた時にはおれより先に着いていた増援のサイファーポール達が犯人を取り抑え拘束していた。
この時、ここで闘っていた犯人はたった一人の子供だったと知りおれは少し驚いた。
パッと見ておよそ10歳かそれ未満だろうか。おれよりも若い。そのあまりに幼い姿を見て改めて周囲を見渡す。
この子供がやったのかサイファーポールの役人達があちこちで倒れていた。ここにいた者達は皆六式を習得しており生半可な者では太刀打ちできない筈。
そんな精鋭達を……こんな子供が?
後から聞いた情報によれば捕まった子供は覇気を使用しており、とても子供とは思えない闘いぶりにその場にいた誰もが驚愕していたという。
それを聞いたおれは悔やんだ。この頃はおれもまだ若く、それを見越してか覇気使いの者との戦闘は止められていたから。
おれの実力は既に政府も認められていた。だが、それでも政府は頑なに覇気使いとの実践の機会を与えてはくれなかった。
もし、救援に間に合っていればおれも闘えたかもしれない。そう思うとおれはぶつけようのない感情が沸き上がった。
そんな感情を抱きつつおれは拘束された子供を見る。ちょうど付近の島で待機していた政府の新しい船で奴隷の子供を連行しているところだった。
その時、おれは見てしまった。奴の瞳を……。
目を覚まし現状を把握したであろうその子供の眼からは一切の絶望が写らず、寧ろその先にあるであろう何かを達成しようという熱い意志を奴の眼から感じた。
何故アイツはそんな眼でいられる?奴隷が政府に捕まればどうなるかなんてわかりきっている筈だ。
いったい何故……?
この時のおれには理解できずにいたが、それから1年と経たずして世界を揺るがす大事件が起きた。
少し前に起きたマリージョア襲撃事件の再来だ。いったい誰の仕業なのかわからないが今回もまた大勢の奴隷達が解放され聖地から逃げ出した。
前回の襲撃とは違い今回の騒動では犯人が誰なのかは未だにわかっていない。
しかし、おれは新聞に写る一枚の写真に目が入る。
写真に小さく写る子供の姿……間違いない。あの時の子供だ。それに……。
おれは写真に写る子供の顔を見てある予想が頭に浮かぶ。
このしてやったりと言わんばかりの不敵な笑み……まるで、この騒動は自分が起こしたかのような。
勿論こんなものは憶測だ。こんな子供にそんな大それたマネができるとは到底思えない。仮説もいいところだ。
だが、船で連行される時に見たあの眼……。とても無関係だとも思えなかった。
何はともあれ、あの子供が逃げ出したのならいずれ合間見える事もあるかもしれない。そう思うとおれの中の冷えきっていた心に火が着いた気がした。
それからだ。今まで以上に鍛練に磨きをかけたのは。次会うことがあればきっとあの子供も成長しより強くなっている筈。
ならばおれも更に六式に磨きをかけいつかアイツと殺し合いをしたい。アイツの血を見たい。
それから長い時を経てウォーターセブンにスパイとして送り込まれていた時だった。おれは奴の手配書を見つけた。
カリファに少し探ってもらったところ、海軍の情報によれば先日"王下七武海"を失脚されたクロコダイルと互角に渡り合ったと聞いた。
そして、そいつを乗せた船が今このウォーターセブンに近付きつつあるという事も。
武者震いが止まらなかった。ついに来た!奴と相対する時が……!!
実はあれ以降、覇気使いと闘う機会はあったが皆それほど大したことはなく酷く落胆していた。だが、七武海と渡り合えるお前ならきっと満足のいく殺し合いができる筈だ!
そう思いおれはいずれ訪れる闘いに期待を寄せ胸に秘めたのだった。
「待っていろ。お前と闘える時を楽しみに待ってるぞ……アルガ」
ためらいの橋へ続く第一支柱地下内部、ここでおれは3人の犯罪者と闘っていた。本当はアイツ一人と闘いたいのだがこれも任務。致し方無い。
さっさと二人を蹴散らして奴と心行くまで殺し合うとしよう。
「おおォッ!!!」
「”
「ぐえっ!!?」
麦わらの体に無数の”指銃,,を食らわすがゴム人間にはあまり効果はない。しかし、勢いまでは吸収しきれず部屋の端までブッ飛んでいった。
「麦わらァ!!クソッ!そこ退きやがれ!!”ストロングハンマー,,!!!」
「”
「っ!!?」
フランキーが拳を振り上げるとおれはその場に立ち止まり体に力を入れる。そして全身を固く硬化させ奴の拳を受けるが殆どダメージは無かった。
自分の攻撃が効かないことにフランキーは驚く。
「何だビクともしねェ!"チャパパ"は充分吹き飛ばせたんだがな……」
「成程、フクロウを破ってここへ……だが残念。おれの道力は──奴の6倍以上だ」
そう教えた後に奴の腹を殴るとフランキーはその場で崩れ落ちる。
「フクロウを倒せたのは見事だ。お前も充分に超人の域にいる。だが……死ね」
元より設計図を持っていないコイツにはもう生かす意味はない。トドメを差そうと”指銃,,の構えをとると──。
「”
「グハッ!!?」
まず一人目を葬ろうと他に意識が薄れてしまい死角から思わぬ一撃をもらう。おれはブッ飛ばされ部屋の端の木箱へ突っ込んでしまう。
「クッ……」
上体を起き上がらせるとフランキーの側には奴が立っていた。
「大丈夫かフランキー?」
「ああ、何とかな。助かったぜ」
「何故邪魔をする?おれは早く貴様と本気で闘いたいからそこの邪魔な二人を殺そうとしているだけだ」
「それを黙って見過ごすワケねェだろ」
それに……と付け加えおれを見つめる。
「さっきも言ったがあまりウチの船長を舐めてると痛い目見るぞ?」
「なに?」
「”ゴムゴムの,,……!!」
先程麦わらを吹き飛ばした方向から声が聞こえ視線を向けた瞬間、目に見えない何かがおれの顔面を直撃しまたもブッ飛ばされてしまった。
「”
「ブハッ!!?」
埋もれた木箱を払いのけおれは顔を擦る。今のは効いた……。いったい何が起こった?
麦わらの方を見ると体から蒸気を発していた。
「麦わら!?お前そりゃあいったい!!」
「”ギア
「よし麦わら!!何だか知らんがそれであいつをタタんじまえ!!」
「そうはさせんと……言った筈!!」
成程、強ちハッタリでもなさそうだ。あの二人が襲いかかるとなるとおれも出し惜しみをしている余裕はなさそうだ。
おれは麦わらの実力の認識を改める。おれも本気に成らざるを得ないと再認識し「人獣型」へと姿を変えた。
「ウオッ!?そうだコイツも能力者だった!!チィ!ただでさえ変身前も強ェってのに……!!」
「まずお前から消そうフランキー!!」
弱い者から殺る。これぞ殺しの鉄則……。早いとこ1人目を仕留めるとしよう。
瞬時にフランキーに襲いかかろうとするがおれとフランキーの間に麦わらが現れた。
「”ゴムゴムの
「ムン!!」
「なにっ!?」
横から目で捉えられないほど速く伸びてきた足を掴み攻撃を止める。すると麦わらは自身の攻撃を見極められ驚く。
「ほう、その動き……お前も”
「ウォアァッ!!?」
掴んだ足を振り上げ遠くへ飛ばす。すると麦わらも釣られてブッ飛んでいった。
「さあ、邪魔が入ってしまったが先にお前からだフランキー!!」
「させねェって言ってんだろうが!!」
──ガキィィイイイン!!!
おれの攻撃を奴は金棒で受け止める。しかし、徐々に押し負けていくと奴は眉を寄せる。
「チィッ!ホントに強いなてめェ!!」
「無論だ。これも全ては貴様と殺り合うために!!」
「マジでその執着心何なんだよ!?想定外な強さに成りやがってェ!!こん……のォッ!!!」
奴は根性で無理やり押し返すとおれに飛びかかった。
「”
「”
頭上から振り下ろされた金棒が当たる直前におれは筋肉を膨らまし体を硬化させる。
”鉄塊,,によるカウンターだ。常人の拳なら砕き割ることができこれで奴の金棒を破壊しようとしたがあまりの衝撃におれの”鉄塊,,は破られた。
この内側から感じる痛み……これは相当覇気の練度が高そうだ。
「ウォーターセブンで簡単に金棒を壊せたからって油断しただろ?俺の覇気は内部に浸透するぞ」
「ゲフッ……らしいな。これは効いた。久しく忘れていた痛みだ。だが、フフッ……こうでなくては面白くない!おれはそんな貴様と闘いたかったのだ!!”
”月歩,,と”剃,,の合わせ技であるこれは空中でも目で追えないスピードで移動することができる。それでおれは奴の背後をとった。
だが、同時に腑に落ちない疑念が残る。
覇気には相手の動きを先読みする力がある。ならなぜこうも容易く背後をとれたのか?
「避ける必要がないからな」
「なっ!?」
「今、俺だけに目がいったな?」
思考を読まれた!やはり何かを企んでいる。だが、何かする前におれが奴を──。
「”
「ガハァッ!!?」
攻撃を仕掛ける前に突如現れた麦わらがおれ横から両手を突き出す。奴ばかりに気を取られ完全に虚を突かれたおれはたまらずブッ飛ばされてしまった。
クソ、奴が無防備だったのはこれのせいか!
そして、その隙にフランキーがためらいの橋へと続く扉を開く。
「フランキー!!!ロビンを頼むっ!!!!」
「スーパー任せとけ!!!!」
そうして、扉の先へ行ったフランキーを見て奴と麦わらはニヤリと笑う。
「ハァ……ロビンの事はフランキーに任せた。ハァハァ……」
「ウカツだった……。まさかお前がこれ程の力を持っていたとは……。だが、ずいぶん息が上がってるようだが……その蒸気のせいじゃないのか?」
「お前に勝てればそれでいい」
「成程……どうやら見くびり過ぎたようだ。お前もまた奴と同様に強者だと認めよう」
奴しかおれとまともに張り合える者がいないと思っていたおれは胸の高鳴りが激しくなっていくのを感じた。
この場にはおれと闘えるものが2人もいるとは……笑いが込み上げてしまう。
「フフッ……ハハハハ!」
「何だよ急に」
「嬉しいのさ。こうしてお前達と闘えることがな。さァ、もっと楽しもうじゃないか!!」
「そんなの知るか。こっちは楽しんでる暇はねェんだよ。おれ達はロビンを助けに来ただけだ!!」
麦わらがそういうと二人で一斉に襲いかかってきた。おれは口角が上がったまま二人にめがけ突撃したのだった。
私は今、手錠をかけられ縄で縛られ身動きがとれない状態で橋の上を引きずられていた。
この橋の奥にある小さな門。あれを潜ればその先は地獄へと繋がる護送船だけ。恐怖にかられたまらず逃げ出してしまうが抵抗むなしくすぐに捕まってしまう。
そのままズルズルと引きずられる中スパンダムは私に語り始める。サウロの事、お母さんの事、そしてオハラで何が起こっていたのかを。
この男は全てを知っていたのだ。何故なら20年前に「バスターコール」を発令したのはこの男の父親だから。
そして、私に賞金を懸けたのもその人だった。私は悔しくて涙が止まらなくなる。
「20年経った今……息子のおれが最後の生き残りであるお前を狩り……オハラは幕を閉じる!オハラは……敗けたんだ!!!」
『この島の歴史は!いつかお前が語り継げロビン!!オハラは世界と闘ったんだでよ!!!』
かつて私にそう言ったサウロの言葉を思い出す。そうだ……オハラはまだ終わっていない!!
「まだ私が生きてる!!!!」
「そのお前が死ぬんだろうがよ!!!!」
いいえ死なない!今の私はひとりじゃないから!私と共に歩んでくれる仲間ができたのだから!!私は───。
───ボカァァアアアン!!!
突如後ろから大きな爆発が起きた。その爆発の中から現れたのは何とフランキー。しかし、爆風に飛ばされてしまい彼は橋の下へ落ちてしまった。
私を……助けに……!
感傷に浸っているとスパンダムは焦り始め急いで私を引っ張り門へ走り出す。
「こりゃいけねェ!万全を期していてよかった!急ぐぞ!!来い!」
「あう!」
「船を出せ海兵共!飛び乗るぞーー!!」
「はっ!了解!出航だァ!!」
今の私には抵抗する力もない。何て無力なんだ。悔しくて涙が止まらない……!
「よく見ておけ!この一歩こそ歴史に刻まれる英雄の!!第一……」
橋の小さな門を潜ろうとしたその時だった。
「──ポガバッ!!!?」
「長官殿ォーー!!?」
突然スパンダムが爆発し門の先の階段へと落ちていった。
衛兵達は何が起こったのか理解できず周囲を警戒する。すると、今度は周りにいた衛兵達が次々と爆発し始めた。
「ブホッ!ゼーゼー……うおい!!何やってんだてめェら!揃いも揃って!!」
「しかし長官!敵が確認できません!!」
明らかな敵からの攻撃に皆が血眼になって周囲を見渡す。しかし、近くに敵の存在は確認できずにいた。
出来るわけがなかった。衛兵達を狙い撃ちしているその男はここではなく……もっと遠くにいる。
私はその男を見た瞬間、先ほどまで流していた悔しさで流していた涙から嬉しさの涙へと変わる。
衛兵達もその存在に気づいたのか一斉にためらいの橋の……その先にある司法の塔の屋上を見ていた。
「長官あれを!!……司法の塔のてっぺんに!!!」
「司法の塔だと!?あんなトコから何が出来るってんだよ!!?」
その場にいた誰もが彼を見て戦慄した。銃すら届かない距離から的確に狙い撃ちしてくるあの男の存在に。
「何だあいつはァ~~~~っ!!!?」
長鼻君……!!!
『頼みって何だよ?』
『お前がロビンを救出して欲しい』
『ハアッ!?』
『ウソップの言う通り、確かに俺ならロビンの手錠を外せる。けど、CP9の中にひとり俺に固執してる奴がいる。そいつに当たれば俺は助けに行けるかわからないんだ』
『だけどよォ。おれにできるかどうか……』
『ウソップ、強さと救える事はイコールじゃないんだ。だから頼む。俺が助けられない状況が来た時のためにウソップが手錠の鍵を届けてくれ』
アルガにあそこまで言われちゃやらねェワケにはいかねェだろ。
おれは今、司法の塔の屋上から連行されていたロビンを救出するため周りの敵共を狙撃していた。
ひとまずロビンの周囲の敵は撃ち倒したがまだ油断はできない。おれの手元にある鍵をどうにかして渡さなければ。
クソッ、せめて橋に誰かひとりでも味方がいれば……マズイ!
チャンスを思ってかロビンは走って逃げ出すとそれを阻止するべく衛兵達が銃を構えてロビンを狙っていた。
射たれる前に何とかしないと!そう思った時だった。
「ん?あれは!」
何と橋にフランキーが現れロビンを身を呈して守った。あいつはサイボーグだから銃弾も効かない。よかったロビンは無事のようだ!それにナイスタイミング!!
おれは赤い布を橋に飛ばす。そして、電伝虫を通じてフランキーに伝える。
今飛ばした赤い布の中には鍵が入っておりフランキーの持っている物と合わせれば全て揃う事。
そして、ロビンは紛れもなくおれ達の仲間、思うように闘えばいいと。
すると、向こうから脱出の手段は用意するから早くこっちへ来いとのこと。おれはすぐ了承し連絡を切る。
ロビンの手錠も外れたと言ってたしこれでミッションコンプリート。さて、おれ達も急いで向こうへ行かないと。
そう思った時……。
『──────』
今、誰かが何か言っているような気がした。
ルッチとの死闘は続き戦況は二転三転と変わる。
最初は優勢だったが途中でルフィの”ギア2,,が切れ著しく動きが悪くなり形勢が傾きかけてしまう。その間にルッチが壁を斬り裂き海水を流し込んだりした。
その後、部屋が海水で満ちる前に上階の部屋へ移り戦闘を再開する。だが、”ギア2,,が切れたルフィではルッチの動きについてこれず苦戦を強いられていた。
しかし、ルフィのもうひとつの戦法”ギア3,,により形勢は逆転された。
ルフィは巨大化した腕で殴りルッチは”鉄塊,,で身を固めるもそのあまりの破壊力に後ろの塔の壁ごと吹き飛ばされてしまう。
そこからは近くに通りかかった軍艦の上で戦闘するも周囲にいた他の艦隊から砲撃を受け一時離脱した。
そして、”ギア3,,が切れ使用後のデメリットで体が縮んでしまったルフィを担ぎさっきの支柱上層階の部屋へ戻る。当然、俺達を見つけたルッチは追いかけてきた。
とりあえず、この状態のルフィでは闘えないので俺がひとりで相手をしていると元に戻ったルフィは覚悟を決め最後の”ギア2,,を発動した。
「これで最後だ。お前を倒すまでこれは解除しねェ」
「力を使い切って死ぬ気か?」
「先の事はわからねェ。だが、お前を倒さねェと先すら見えねェんだ。──”ギア
こうして身体能力が爆発的に上がったルフィは俺と共にルッチと戦闘に参加する。全員一歩も譲らない攻防戦を繰り広げる。
「”
「”ゴムゴムの
「”
「”
「”ゴムゴムのツイン
各々の大技の応酬に瞬きひとつする暇もない。そして、ルフィの両手の拳が炸裂するとルッチは苦悶の表情で耐える。
クソッ、原作じゃあ盛大に吹き飛ばされていたくせに耐えきりやがった!やっぱり強ェなこいつ!!
俺は見聞色で先の未来を見た瞬間、背筋が凍った。それは数秒後にルフィが膝から崩れ落ち”ギア2,,が切れ倒れる未来が見えてしまったから。
間違いない!あの技がくる!!
ルフィの方を見ると今の攻撃で少し立ち眩みフラつく。そして、それを見逃すほどルッチは甘くなかった。
「見せてやる。六式の全てを極限にまで高めた者の……最強の体技!!「六式」奥義!!!」
「しまっ──」
「ルフィィイイイ!!!」
ルッチはルフィの腹に両手の拳を突き出す。俺はとっさに反応が遅れたルフィを突飛ばし俺が攻撃の的となってしまう。
「”
「ガッ!!!?」
「アルガァアアアッ!!!?」
──ドク……ン。
瞬間、心臓の鼓動がおかしくなる。堪らなくなり俺は膝と両手が床に着き視界が揺れた。
「ゲボッ!オォ……ゲェ……!」
体の中がぐちゃぐちゃになったような錯覚に陥った。いや、実際今の攻撃で体の中はボロボロだろう。
「アルガ大丈夫か!?スマネェ……!!」
「ハァ……ハァ……大丈夫だ。これぐら──ブハッ!」
「情けない……。仲間に助けられてしまっては立つ瀬がねェな」
「ぐっ!!」
ルッチに諭されるように言われるとルフィは何も言い返せず俺を抱き締めルッチを睨み付ける。
確かに今のはルフィの油断で起きたことだ。だが……!!
「ルフィ……気にすんな。ゼェ……ゼェ……」
「アルガ!?無理に喋んじゃねェ!」
俺はルフィの手を払いのける。いいや、喋らせてもらう。
「よく聞けよルッチ。
呼吸を整え少し落ち着いてきたところで足に力を入れる。
「それにな、効かねェよ……こんなんじゃ」
「何だと?」
今のは自分の最強の技だったからか俺の様子からみえみえの虚勢と感じ取ったルッチは怪訝な顔になる。
そして、ようやく立ち上がった俺はかつて闘ったあの男の姿を思い出していた。
「俺は昔、最強生物の一撃を食らったことがある。あれはホントに重かった……マジで全身の骨が砕け死にかけるほどに……」
まあ、その後ホントに死んだけど。
「それに比べりゃてめェの攻撃なんて軽いんだよ!!比べモンにならねェほどになァ!!!だからそんなモン幾らくらおうが……俺は絶対に倒れねェ!!!!」
「フン!戯言を……。貴様との決着がこんな形で終わるのは少々残念だが……満足だ。これよりこの手で貴様を葬り去るとしよう!!」
ルッチが構えると俺達も警戒態勢に入った瞬間部屋の壁が爆発し崩れ落ちた。そして、崩れたことで大きな穴が空きそこから途切れたためらいの橋が見える。
橋の上に誰かいた。それは仲間達だった。
「ルフィーー!アルガーー!ここだーーっ!!」
「全員、無事橋へ着いたぞーーっ!!」
「こっちは心配いらないぞルフィ君!アルガ君!」
「ロビンちゃんも助けたァ!!」
「後はお前……!!」
『そいつに勝て!!!生きてみんなでここを出るんだァ!!!』
みんなの声に不思議と体の痛みが和らいでいる気がし力が湧いてきた。そうだ、後少しなんだ!
ルフィと俺は無言で頷く。そこには俺達の勝利を確信したような強気な笑みがあった。
それを見ていたルッチは感心したような顔で俺達を見る。
「お前らが言っていた通り全員生きてたな。たいしたものだ……。だが、数分後に同じ顔をしていられるかどうか見物だ。──"悪"はこの世に栄えない!!」
「上等だ。かかって──」
「アルガ」
「え?ルフィ?」
俺が気合いを入れ直し構えようとすると横からルフィが話をかけてきた。
「さっきはありがとう。助かった……だが、こっからはおれひとりでやらせてくれ」
「なっ!?」
「向こうで仲間達がヤバくなりそうだ。お前もそっちに行って欲しい」
「だけどあいつはマジで強いぞ?」
「ああ、わかってる。
確かに、橋の上では海軍の将校達が仲間達を襲っている。あまりの戦力差に心配しているのだろうか。ルフィは何かを悟ったのか俺にそう言ってくる。
「こいつはおれが必ずぶっ倒すからよ。頼む……おれだけでこいつと闘わせてくれ」
「ルフィ……」
ルフィの眼からは覚悟を感じた。それを見た俺は頷き了解する。
「わかった。お前は船長だ従おう。だが約束しろ……絶対に勝てよ」
「ああ」
「もし、敗けそうになった時は……残っている気力体力のありったけを拳に込めろ!」
「おう!!」
言いたいことを伝え終えると俺は大穴へと駆け出す。それを見ていたルッチは焦ったように俺を追おうとしてきた。
「待て……おい待て待て!何処へ行く気だ?行かせない!!まだおれとの決着はついていないぞ!?お前はおれの獲物だ!!誰にも渡さない!!!」
「”ゴムゴムの
「グホッ!!?」
慌ててしまい周囲が見えなくなったのか俺に迫るルッチはルフィの攻撃に対応できず吹き飛ばされてしまう。
それでも俺に手を伸ばすルッチ俺は言ってやった。
「お前の熱烈な告白なんざ嬉しくもねーわ。悪いが行かせてもらうぞ。俺はお前よりも仲間が大切なんでね。最後にひとつ──今のルフィは俺より強いぞ」
「待っ──」
ルフィ、仲間は任せろ。だから……後は任せたぞ。
俺は刀の衝撃波で空中へ飛び上がり千切れていた橋の上へと着地する。橋の上は既に戦場と化しておりみんなが必死で闘っていた。
「アルガ!?ルフィはどうした!!」
「まだ闘ってる!けど大丈夫!必ず勝つって言ったから」
「……へっ。そうかよ!」
ルフィの言葉だからか納得したゾロはニヤッと笑い敵を斬り倒す。
「じゃあルフィが勝つまで持ちこたえねェとな!!」
「ああ!だが、悪いけどこの場は任せてもいい?」
「アン?どこか行く気か!?迷子コックもどっか行ったってのに!」
「ルフィが勝った後であの軍艦の数相手するのは危険すぎる。何隻か主砲だけでも破壊して逃げやすくしよう」
「おい大丈夫かよひとりで!?」
「そこは激励のひとつでもくれよ」
正直、今の体で単独で乗り込んで無事で済むかわからない。だが、心配させないためにも返答をはぐらかす。
「……そうかよ。アルガ、てめェ……死ぬなよ」
「もちろん」
そう言い俺は一番近くに迫っていた軍艦に飛び込んだ。まさかひとりで来るとは思わなかったのか甲板にいた海兵達は俺を見て驚いていた。
「なっ!?こいつたった一人で乗り込んできやがった!!」
「気を付けろ!こいつは"麦わらの一味"の「鬼の戦漢アルガ」だ!!」
「だからどうした!!所詮相手は一人!囲んで終わりだ!!やっちまえ!!!」
『ウオオオオオッ!!!!』
船に着地した俺は瞬く間に囲まれてしまい全方位から海兵が襲いかかってきた。しかし、俺は焦らず刀を構えた。
「
「グアアアアッ!!?」
「ぐっ!飛ばされ──ギャア!?」
「この竜巻に触れるな!!斬られるぞ!!」
俺は桜舞い散る大きな竜巻を発生させ周囲の海兵を吹き飛ばし斬り裂いていく。次々に斬り飛ばされていく海兵を駆け抜け軍艦の船首にある砲台へ向かう。
「よし着いた!まずはひとつ目!!フーーー……ッ!
居合で刀を抜いた瞬間、軍艦の主砲は綺麗に真っ二つに斬り裂いた。
「えええええ!!?」
「あんな刀一本で主砲を斬り落としやがった!!!」
「ウソだろっ!!?」
「おい向こうの軍艦も狙う気だ!!行かせるなァ!!」
ウシ!次っ!!
続けて俺は隣の軍艦へ飛び移りさっそく二隻目の主砲の狙いを定める。しかし……。
「させん!!」
「グッ!?」
俺の首筋に刀身がかすめ思わず立ち止まってしまう。そして、俺の目の前に立ち塞がるのは……。
「向かいから見えたが貴様の実力はたいしたものだ。悪いが二人がかりでいかせてもらう」
「モモンガ中将か!いや、二人……?まさかもうひとり!?」
「そりゃあそうさ。何せこの船の担当は私だからね」
振り返るとそこにはヤマカジ中将がいた。
「これ以上貴様のような海賊に好き勝手にはさせない」
「覚悟するといい」
「チッ……中将が二人か。これは骨が折れそうだ」
中々思うようにはいかないものだと中将を前に俺は悪態を着く。
中将はみんな覇気を習得しておりその上「六式」も使える奴が多い。このモモンガ中将も原作で”剃,,や”月歩,,などを使用しておりその剣術の腕も本物だ。
一筋縄ではいかない相手だ。今の体でどこまでやれるかわからないが……やるしかない!!
そうして俺は踏み込み相手に向かって駆け出し武器を振るう。大切なものを守るために。
クソッ!腹の虫が治まらん。まさか、奴を逃がしてしまうなんて……!!
おれは目の前の男に当たり散らすように睨み付ける。
「へへっ、悪いがこっからはおれが相手だ。お前をブッ倒しておれ達はここを出ていく!!」
「ならば何故あの男を行かせた?二人がかりならもっと勝算も上がっていた筈……それなのに!!!」
おれは麦わらに対して不満をぶつける。
「そもそも何故お前はおれに固執する!?仲間を救いたいのであれば貴様があっちへ行けばよかったではないか!!貴様は確かに強い。だが、それでも奴と比べればまだ未熟!何故奴に任せなかったんだ!!!」
おれは言いたい事を言い終えると麦わらは一時俯いた後に顔を上げる。
「ああ、知ってるさ。あいつがおれより強ェことぐらい」
「ならば何故……!」
「けどな、それはおれがお前と闘わない理由にはならねェ……!」
「…………っ!!」
麦わらは己の弱さを認め歯を食いしばる秘めていた想いを叫んだ。
「アルガがおれよりも強ェならおれがもっともっと強くなればいい。おれはあいつの船長だから……誰よりも強くなって仲間を守れる男にならねェと───おれは海賊王にはなれねェんだ!!!!」
そういい麦わらは拳を床に着け今まで以上に蒸気を発した。どうやら、奴も限界が近いのだろう。既に息もあがっている。
「それは決して叶わぬ願いだ。貴様はここでおれに殺されてしまうからだ!!」
「おれはお前には殺されねェ!お前を越えてこの先の海へおれ達は進む!!」
「ほざけェ!!!」
「ウオオオオオ!!!」
おれ達は縦横無尽に駆け回り互いの攻撃が交差する。
「”ゴムゴムの
「”
麦わらの攻撃を空中で避け一気に奴の間合いに入り込む。そして、両手の人差し指を立てる。
「”
「グッ……!ウォォオオオオ!!!」
おれの連撃に麦わらも応戦する。しかし、技の切れが落ちてきたのか奴は徐々に圧され始める。
「そろそろ限界のようだな。所詮貴様らにはこのエニエス・ロビーは越えられん!たとえこの島の形が滅んでも「世界政府」の志向を邪魔するあの女は地の果てまで追っておれが消し去る!!───"闇の正義"の名の元に!!!」
「そこからロビンを……逃がすためにおれ達は来たんだ!!!ハァハァ……!”ゴムゴムの
明らかに先ほどと比べスピードが落ちておりおれは紙一重で避けてから奴の腹に両手を突き出す。
「”
「っ!!?」
「”
「ゲボッ!!?」
食らった瞬間、奴からおびただしい量の血反吐を吐き白目を向く。フラフラと千鳥足で歩く姿を見て勝利を確信した。
これで終わりだ。倒れた瞬間奴の命は意識ごと消えてなくなるだろう。
おれは決着がついたと思い背を向けてためらいの橋へと歩み出す。残りの奴らも皆殺しにするために。
その……筈だった……。
「──っ!!?」
後ろから背筋が凍るような視線を感じた。まさかと思い振り返ると……麦わらはまだ倒れておらずおれを睨み付けていた。
バカな……!!あり得ない……っ!!!
「”ゴムゴムの,,ォ~~……!!」
「っ!?て、”
おれの中の本能が危険信号を鳴らす。この攻撃は危険だと。奴の気迫に圧され足が竦んでしまい慌てて身を固めるが無理にでも避けなければいけなかったと後悔する。
「”
「っ!?ッ!……オゴッ!!ゴフッ!ブハッ!……っ!っ!?」
雨のように奴の拳を浴びる。一発一発が重くおれの”鉄塊,,はまるで意味を成さなかった。
そして、壁まで追いやられても止まないこの連打はついに後ろの壁ごとおれを吹き飛ばした。
「ウォオォォオォオオリャァアアッ!!!!」
「ガ……ハ……!」
おれの視界には暗雲立ち込める空が映る。意識が飛びそうだ……。このままおれは……終わって……っ!!!
「いや……まだ……だっ!!!」
おれは気力を振り絞り意識を無理やり覚醒させる。そして”月歩,,で空中にとどまり奴を見ると力を使い果たしたのか腕をダランと下げ今にも倒れそうだった。
「……ハ、ハハッ!ハハハハ!!!惜しかったな麦わらァ!!後もう一押し足りなかった!危なかったが耐えた!耐えきったぞォ!!これで貴様を殺して終わりだァ!!!」
「”ギア……
「なにッ!?」
おれを見た瞬間、戦意を失いかけていた奴の瞳に光が戻り片腕を伸ばすと手に空気を入れ先程みたいな巨大な腕が出来上がる。
コイツ!!まだ諦めて……っ!!!だが!!!
「先におれが仕留めれば済む事!!”
完全に奴の意識を絶ち切るにはもう命ごと刈り取るしかない!!それには今まで以上の圧倒的なパワーが必要だ。
上等!!ならばおれの最大出力で今度こそ貴様の命を絶ち切る!!!
おれは奴の腕が振り抜かれるよりも先に両手の拳を突き出した。
「六式奥義……最大輪!!」
「ご……”ゴムゴムの,,……」
既に瀕死の状態───遅いっ!!!
「”
「ブハッ!!!?」
衝撃は奴の体を貫き後ろの壁に大きな穴が空く。確実に決まった……。これでコイツは死──。
「あ……を…………て……」
「~~っ!?」
何かを呟く声が聞こえた。いや、あり得ん!!今のコイツがこれを食らって生きてられる筈が……っ!!?
「ありったけを……拳に込めてェ……っ!」
もはや奴に意識はない筈。だが、白目を向き血反吐を吐き尚も倒れることはなかった。そして、無意識なのかそれとも本能なのか奴は雄叫びをあげると腕に力を込めた。
「ウオォォオオ"オ"オ"ォォオォオオッ!!!”ゴムゴムの,,ォ~~……!!!」
『あまりウチの船長を舐めてると痛い目見るぞ?』
『最後にひとつ──今のルフィは俺より強いぞ』
麦わらが腕を振り抜く瞬間、おれの脳裏に奴の言葉が甦る。そして──。
「”
目の前から迫ってくる奴の巨大な
軍艦の上では3人の影が激しくぶつかり合う姿があった。甲板からマストへと駆け上がり迫る二本の刃が俺の首を狙う。
「”
「ぜえいっ!!!」
「グッ!!」
何とか二人の剣を捌くが気は抜けない。一瞬でも油断すればその時点で終わりだ。
「バカめ!我ら相手に空中戦を選ぶとは!政府の役人ではないからって六式を使えないと思ったか!!」
「その言葉そっくり返すわ」
「なっ!?」
優位に立ったと油断したモモンガ中将は俺の動きに呆気を取られる。
「”
「グォッ!?」
足から斬撃を放つと思わぬところからの攻撃にモモンガ中将は動きが固まる。その隙を逃すまいと俺は金棒に覇気を込めた。
「”
「グァアアアッ!!?」
俺はモモンガ中将を真下の甲板に叩き付けた。その様子を見てヤマカジ中将は冷や汗をかく。
「まさか海賊が”
───ボコォォオオオ……ン!!!
遠くで何かが崩れる音がした。ヤマカジ中将は何事だと呟くとアナウンスが聞こえてきた。
『ぜ……全艦へ報告!全艦へ報告っ!!第一支柱にてCP9ロブ・ルッチ氏が……たった今!!海賊"麦わらのルフィ"に──敗れましたァ!!!!』
「何だとォ!!?」
誰も予想できなかったルッチの敗北に一同驚きを隠せずにいた。目の前のヤマカジ中将さえも。
「まさかそんな……っ!?」
「ようやく乱したな?心を」
「しまっ──」
「”
「ゴハァッ!!?」
俺を前に冷静さを欠いてしまったヤマカジ中将はモロに食らい後ろのマストにぶち当たる。だが、勢いは止まらずそのままマストはへし折れ先頭の主砲に衝突する。
あまりの衝撃に主砲の中にめり込んでいったヤマカジ中将は主砲の爆発に巻き込まれた。
「ヤマカジ中将ーーっ!!?」
「ウソだろ!?相手は海軍本部中将だぞ!!?」
「それを二人相手に……あんな子供が!?」
よし!ルフィの方も決着がついた事だし早いとこ回収しに行かないと!!
「待てェ!!好きにはさせんと言った筈だっ!!!」
さっき叩き落としたモモンガ中将が飛んでくる。あれじゃ弱かったか。けど……そろそろ限界だ。
「いいや、悪いが通してもらう。正直もう限界なんだわ。これ以上は流石にキツイ。だから……これで終わらせる!!」
俺もモモンガ中将に近付き距離を縮めた。勝負は一瞬。そして、互い間合いに入った瞬間──。
「
「ガッ!!?……バカ……な……!」
俺はモモンガ中将の居合を掻い潜りバツ印に斬り裂き血飛沫が舞い散った。ゾロの”鬼斬り,,を模倣し俺の技として昇華させることに成功した俺は内心喜ぶ。
そして、同時に安堵する。今の立ち合いはほんの僅かの差だった。見聞色の読み合いはどれだけ相手の動きを読めるかどうかによる。そして同じ見聞色使いでも未来が見える俺の方に軍配が上がったようだ。
しかし、斬られたモモンガ中将にはまだ意識が残っており必死な表情で俺に手を伸ばす。
さすがは中将。まだ倒れないか……だが、かなりのダメージなハズ。ここを何とか離れれば逃げられる!
「ま、待て……行かせは……」
「互いにもう闘える状態じゃない。決着は今度にしよう。
空中に斬撃を叩き付け俺は橋へ戻ろうとする。その時、俺の方に何かが飛んできた。
砲撃か!?……いや違うあれは……えっ!!?
「ルフィ!!?」
「ブヒュ~~~~!よォ……アルガか……。ハァハァ。鳩の奴に勝ったぜ……」
口から空気を吐き出しその勢いでここまで飛んできたようだ。体が縮んでる。……というより何で縮んでんの?フィニッシュ技は”JET銃連打,,じゃなくて”ギア3,,技で決めたの?
とにかく俺は動けなくなったルフィを担ぎ上げ労いの言葉を贈る。
「お疲れ。信じてたぞルフィ」
「しししっ……。んじゃ後は……スゥ~~……」
ルフィは笑うと大きく息を吸い上げ大声で叫んだ。
「一緒に帰るぞォ!!!ロビ~~~~ン!!!!」
俺は橋の上に着地すると近くにいたロビンは涙を流し俺達を見ていた。
「待たせたなロビン。さァ、一緒に帰ろう」
「グスッ……ええ!」
しかし、次の瞬間橋の奥で大きな爆発が起きた。その方向には護送船があり、どうやら近くにいた軍艦がその船を破壊してしまったようだ。
「うそっ!?脱出船が!!!」
唯一の脱出手段を絶たれてしまいみんなは焦り出す。そして、次々に砲撃され橋のほとんどが破壊されてしまいとうとう追い詰められてしまう。
全方位から軍艦の主砲がこちらに向けられる。絶体絶命の中俺はある方向を見た。
よく見たら全方位じゃない!
「みんなあっちを見て!」
「あっ!あそこの軍艦は主砲が壊れてる!!」
そう、俺がさっきまでいた軍艦であそこ二隻は主砲が壊れていて砲撃ができない状態だった。
『砲撃5秒前……』
「だが、他から砲撃されてもおれ達はおしまいだぞ!!どうすんだ!?」
一斉砲撃のカウントダウンが開始されフランキーがそう言った時……不思議な声が聞こえた。
『大丈夫』
「えっ!誰っ!?」
『下を見て』
「下を見ろって──っ!!?」
『4秒前……』
謎の声にみんなは困惑したが下を見た瞬間全員目を見開いた。ある者は固まったまま動けず、ある者はただただそれを見詰め、ある者は……涙を流した。
そして、それを見た瞬間誰よりも早く反応したウソップがみんなに向けて叫ぶ。
『3……』
「畜生……お前って奴ァ……ホントに……!!海へ飛べェーーーー!!!!」
ウソップの声にみんなも続くように海へと叫び周りは俺達が血迷ったのかと動揺する。
「ルフィしっかり掴まってろ!」
「おうっ」
「私もいいかしら?」
「もちろん!」
『2……』
そうして俺は二人を抱き上げ海へと飛び降りた。
「ルフィ達に続けェーー!!!」
「おおーーー!!!」
『1……砲撃!!!』
俺達に続くようにみんなは一斉に海へと飛び込んだ。砲撃により橋は完全に破壊されたがもう遅い。
そして、飛び降りた先には……。
『──帰ろうみんな。また……冒険の海へ!』
「メリー号に!!!乗り込め~~~~!!!」
「メリ~~~~!!!!」
『迎えに来たよ!!』
こうしてメリー号に乗り込んだ俺達は脱出に向けて準備を始める。突如現れた海賊船に海軍は驚いていたが、俺達はその隙に行動を開始した。
その時、スパンダムがロビンを逃すくらいなら一緒に撃ち殺せと命令する。青雉の指示だと嘘をついて。だが、その嘘の命令により周囲の砲口がこちらに向けられる。
軍艦に囲まれているこの状況。一斉砲撃でもされれば一溜りもなかったがサンジの気転により正義の門が閉じ始め巨大な渦巻きが発生する。すると、軍艦は波に舵を取られまともに照準を合わせられない様子だった。
その隙に俺が先ほど大砲を破壊しまくった軍艦の方へ向かう。そこからなら比較的危険は低く逃げられやすいから。
渦潮は俺達にも危ないものだがそこは我らが航海士ナミの出番。あっという間に渦潮の流れを掴みどんどんスピードが上がっていく。
そして、俺達の様子を見て悔しがるスパンダムが見えると俺は笑いロビンに言ってやった。
「かましたれ」
「ええ」
ロビンが構えると遠くにいるスパンダムの体から複数の腕が咲き……。
「”クラッチ,,」
奴の背骨は真っ二つにへし折られた。
「ナイス」
「でしょ」
その後、逃走完了まであと少しと言ったところで道を阻もうと前方から軍艦が来る。しかし……。
「フランキーお願い!」
「おっしゃ!!スーパー任せな!”
フランキーの”風来砲,,により阻まれる前にメリー号は空を飛び軍艦を抜き去った。空を飛ぶメリー号を見て海軍はあり得ないと驚愕する。
「コイツの経験値を甘くみるな!メリー号は上空1万mを飛んだ船だ!!
ウソップが撃ち込んだ玉から特大の煙幕が出てきて軍艦の視力を奪った。渦潮で舵も利かず追うこともできない。それでも負けじと砲撃を続けるが俺達には当たらなかった。
こうして、俺達は無事エニエス・ロビーから脱出するのだった。
エニエス・ロビーから逃げてきた俺達はウォーターセブンに向かい船を進めていた。
「しっかし、何でこの船が?コイツは確か倉庫に停めていたハズ……いったい誰が?」
フランキーはメリー号の謎に頭を悩ませる。
「結局、船には誰も乗っていなかった……どういう事だ?」
「だから!メリー号がおれ達を助けに来てくれたんだよきっと!!なあそーだろメリー?」
「ルフィ」
「ん?」
ルフィはそう言うがメリー号は何も反応しなかった。そこにロビンがみんなの前に立ち改めて礼を言った。
「アルガ、それに皆……助けに来てくれてありがとう。……本当に嬉しかった」
「ししし!気にすんな。おれ達は取られた仲間を取り返しただけだ!」
そして、ルフィも船首の上で改めて声を張り上げた。
「このケンカ!!おれ達の──勝ちだァ!!!!」
『ウオオオオオオオオッ!!!!』
ルフィの勝利宣言と共に俺達もまたこの勝利に歓喜したのだった。
『……みんな、今までありがとう。一緒に冒険できて僕は楽しかった』
どうも皆さんもしロマです!
20話をご覧くださりありがとうございます!
この時期、学生などは春休みですかね?いいなぁ~~私も長期休暇が欲しいです……(切実)
ではまた会いましょうでわでわ~~( ´ ▽ ` )ノシ