あなたにもう一度毛布をかけるため 作:もしも=ロマンの可能性だよねッ!
ホントはウタとの出会いを書こうと思ったのですが話がまとまらず没になってしまったのでこのまま話を進めようと思います。ウタのエピソードはまたの機会に!
それでは続きをどうぞ( ´ ▽ ` )つ
ルフィと共に修行を始め早2年、無人島「ルスカイナ」を出た俺達は無事「シャボンディ諸島」の近くまでやって来た。
万が一にも俺達が九蛇の船から降りるところを目撃されるわけには行かないのでここからは小舟でシャボンディへと行く予定だ。
「もうすぐだねルフィ」
「ああ!早く皆に会いてェな~!」
早速九蛇の船から降りようとするルフィをハンコックが止める。
「待つのじゃルフィ。そなたは見つかってはならぬ身。このマントとひげを着けるのじゃ」
「おー、ありがとー!でもよ、流石に付けひげはいらねェよ。そこまでしなくてもよ~」
「……あれ?俺は??」
ハンコックは献身的にルフィへフード付きマントを羽織らせパンパン詰め込んだリュックを持たせる。
今に始まったことじゃないけど、扱いの差があからさま過ぎやしないでしょうか?
対応の違いに不満を感じていると横から
「はい、アルガのマント!フリルがいっぱいで可愛く仕上げたよ!」
「一生大切にします」
「ホント?嬉しい!」
ん"あ"あ"あ"あ"あ"あ"~~♡♡♡♡
この笑顔を見るだけでもう他がどうでもよく思えてきちゃう。でも、ここでお別れなんだよなー。……え?もう会えないの???
「…………マジ病む」
「突然どうしたの!?」
「何やってんだアルガ?行くぞ~」
ルフィが消沈している俺を引っ張り2人で小舟に乗りシャボンディ諸島へと向かう。上陸してもなお俺の心は荒んでいた。
「もう少し一緒にいたかったなァー。でも、あんまりしつこいと迷惑かなァ?船にいる間ほとんど一緒だったし……。でも……」ブツブツ
「何ブツブツ言ってんだ?ホラ着いたぞ……ん?この匂い……うっひょ~!メシだメシメシィ~!」
「そういや、昨晩は九蛇の船員に選ばれたことを祝して2人でお祝いしたっけ……推しとの一時は最高だったなァ……ん?ルフィ?」
俺が正気に戻ると既にシャボンディ諸島へと上陸しており近くにルフィがいない……アイツ迷子か?
「仕方ない集合場はビブルカードで分かるしゆっくり向かうとしますか」
こうして、俺は懐かしきシャボンディ諸島を歩み始め約束の場所へと向かう。
「あ、あのっ!」
「んお?君は?」
その道中、小さな少女が声をかけてきた。
今はマントとフードをしているので俺の正体は分からないハズ。そもそも相手は一般人の少女なので警戒はしなくても大丈夫そうだ。
「た、たすけてください!」
「助けてって……何かあったのかな?」
今にも泣き出しそうな少女を宥めるように聞いてみると話はこうだった。
少女はこのグローブに住んでおりペットの子犬とお散歩していた。しかし、散歩の途中で海賊と遭遇してしまい少女は怯え動けなくなっている隙に子犬が何処かへ行ってしまったらしい。
その子犬は普段大人しいが海賊が何やら揉めていたらしく発砲しその音に驚き慌てて走っていったとのこと。
「いっしょにさがしてくれませんか?」
「まだ時間もあるし、いいよ」
「ほんと!ありがと!」
俺が了承するとさっきまで悲しそうだった少女の顔がパアッと明るくなる。時間もそうだが個人的にも犬好きの俺としてはこれは見逃せない。
それに──
『おじさーん!』
「おにいちゃんどうかしたの?」
「ううん、少し懐かしい事を思い出しちゃって」
あの頃の鬼姫様と年齢が近いせいかこの子を放っておけないんだよな。
そして、一緒に探す事となったが気になることがあり少女に聞いてみた。
「それにしても、何で俺に声をかけたの?」
ぶっちゃけ、今の俺の格好はマントにフード。そして、刀2本に金棒を背負っている。はい、控え目にいって不審者です。
ホントよく声かけられたね君。
「いっぱいぶきもってるから……かいぞくさんにおそわれてもぶちのめせるとおもって」
「カワイイ感じで中々に物騒な言い方だね」
無垢そうな少女からぶちのめすなんてワードを聞いたのは初めてだよ。
にしても子犬かー。見知ってる生物だったら見聞色で探せたけど対象を知らないから地道に探していくしかないねこれは。
そうして、少女との子犬探しが始まり数十分後、なんとか見つけることができた。
「フェンリル~!」
「きゃんきゃん!」
「その子にその名は重すぎない?」
見つかった子犬は真っ白でふわふわなポメラニアンのような犬だった。サイズも俺の掌に収まりそうなぐらい小さくこの子にフェンリルは可能性を見いだし過ぎではなかろうか。
その辺で拾ったねずみにティラノサウルスと名付けるアイスバーグさんと似た雰囲気を感じる。ひょっとしてこの子将来大物になるのでは……?
「何にしても見つかってよかったね」
「うん!ありがとおにーちゃん!」
「きゃん!」
犬も一緒にお礼してもらいついニヤけてしまう。この子犬可愛いわ。
「へっへっ!」
抱き締める少女の腕から降りるとちょこちょこと俺に歩み寄り足にスリスリしてくる。か、可愛い……。
「撫でて欲しいのか?」
「きゃん!」
「そうかそうか~。それじゃ遠慮なく」
「きゃふふ」
あまりに可愛いかまってアピールに拒否ることなんてできず思いっきり撫でまわした。
……それにしても白い犬か。昔を思い出すな。
ふと、俺は前世の事を思い出す。あれはまだ俺と鬼姫様が一緒に修行していた頃の事だった。
一面真っ白な雪が積もる森の中、いつものように鬼姫様と人気のない場所で修行をしているとそれは現れた。
「おじさん見て~!しろ~い!ふわふわ~!」
「白い狐……ってことはコイツ。にしても何でこんなところに?いや待てよ、そういや最近……」
「コーン!」
鬼姫様が抱き締めて撫でると白い狐は少し嬉しそうにする。可愛い、俺も撫でてみたい……。
「こんなところに狐なんて珍しいですね。では私も……」
「ゴン!」ガブリ
「ははは、テレ屋ですね」
「おじさんすごい噛まれてるよ?」
確かにすごい勢いで噛んでくる。まあ、俺がカイドウの部下の格好をしているからだろうね。
しかし、可愛いから許す。甘噛みと思えば何てことはない。少しズッキンズッキン激痛が走るだけだ。……うん痛いわ。
「おじさんってキツネが好きなの?」
「狐と言いますか、犬全般が好きなんです。狐は犬科ですので実質犬です」
「そっかーこの子イヌなんだー」
「ゴン!?」
あ、噛みつきが止まった。
「付け加えるなら白くてフワフワな毛並みの犬が非常に好みです」
「へー、確かにこの子かわいくてぼくも好きだなー!」
一旦修行は中断し鬼姫様は白い狐と戯れる。こんなにも楽しんでおられる姿は珍しい。ならばうんと楽しんでいただけねば。
しばらくして満足した鬼姫様は遊び疲れたのか日向ぼっこを始め日光を浴びながら大の字で心地良さそうに昼寝する。
俺は鬼姫様の寝顔を見守る白い狐に声をかけた。
「おい」
「……ぐるるる!」
案の定威嚇される。分かってはいたけど可愛い子に嫌われるのってツラいなァ……。
でも、確認しないとな。
「最近、ここらでカイドウの部下が次々に襲われると報告が入っている。……お前だな?」
俺の問いに白い狐は威嚇をしつつもコクリと頷く。やはりか、となるとコイツの狙いは……。
「俺を襲うのは結構だがここじゃ鬼姫様に迷惑がかかる。それにお前には俺も個人的な用があった。着いてこい」
「…………」
無言だがしっかり俺の後を着いてくる。流石にコイツも小さな女の子の近くで大事にはしたくないようだ。
お互い何も喋らず移動する。すると、池のある拓けた場所へ着き池の近くに生えてる木の下へと向かう。
「えーと、確かここに……あった」
「……っ!」
木の下には何か埋めらた痕がありそれを掘り起こすと中から木箱が出てくる。白い狐は掘り出した木箱から何かを感じ取ったのかピクッと反応した。
「もし、最近の騒動の犯人がお前だったらコイツを渡そう……いや、返そうと思っていたんだ」
「……コン」
木箱を開くと中には2本の刀が入っている。それを見ると白い狐は少しずつ歩み寄る。俺は白い狐の側に木箱を置いた。
「悪かったな。お前の主人を捕まえた際にこっそり持ち出せたのはいいが返す機会が中々なくてここに隠していた」
「コー……ン?」
「……何で俺がって感じだな。それはな……頼まれたからさ。お前の主人に」
「……っ!!」
白い狐は目を見開く。そりゃ驚くよな。俺もあの時は驚いた。まさか敵の俺に頼みを言ってくるなんて……。
岩屋から脱出したあの侍たちはカイドウ様に戦いを挑み敗れてしまった。
その時、倒れた侍達を処理しろと命令され既に亡くなっていると思っていた侍、霜月牛丸を担ぎ「鬼姫様をお救いして頂き感謝いたします」と呟くと──。
『あの子の従者とは……お主であったか……』
『っ!?驚いた、まだ意識が……』
『ゲフッ……貴殿に頼みたいことがある……!』
「その時、霜月牛丸はこう言ったよ。『おれの分まで"ワノ国の夜明け"を見届けて欲しい』とさ」
「コ……ォン……!」
「別に刀については何も言われなかったが……刀は武士の魂って言うだろ。だから、せめてコレだけは返してやりたいと思っていたんだ」
白い狐はポロポロと涙を流し2本の刀を咥える。そして、ゆっくりと歩きだし森の中へ入ろうとするがその手前で立ち止まり一度だけ俺の方を振り返る。
コクリ……と一度だけ深く頭を下げると今度こそ用が済んだのか再び歩きだし森の中へと消えてしまった。
「確かに返したぞ。"オニ丸"」
その後、俺は鬼姫様の元へ戻ると既に目を覚ましており俺を見てプンプンに怒っていた。
「もう!起きたらおじさんがいなくて驚いちゃったよ!」
「申し訳ありません。私も少しあの狐さんと戯れておりました」
「それでキツネさんは?」
「もうお帰りになられました」
「えー!」
少し不貞腐れた様子だったがいつかまた会えますといいなんとか機嫌を直してもらった。
「では、本日はここまでとしましょう。そろそろ見回りの方が来てしまう頃です」
「そっか……」
空も夕暮れになってきた。これ以上一緒に入るのはマズイ。名残惜しいが鬼姫様とはまた次回──。
「ね、ねえおじさん!」
「はい、如何なさいましたか?」
突然声を張り上げる鬼姫様に俺は首を傾げた。
「そういえばおじさん前にいってたよね。ぼくがいつかこの国のために、ぼくの自由のために父と闘う日が来る。そのためにも強く生きてって」
「はい」
「じゃあさ!」
鬼姫様は少し声が詰まるが意を決した様子でまっすぐ俺を見つめた。
「約束して!その時はぼくだけじゃなくて……おじさんも一緒に戦うって!!!」
その瞬間、私は……いや、俺は鬼姫様の強い瞳に魅入ってしまい視線を外せなくなった。
「ぼくはおでんだ!でも、洞窟に閉じ込められた時某さんに日誌を読んでもらって分かったんだ。おでんはひとりであんな立派なお侍さんになったわけじゃないって。回りにすごい従者がいて支えてくれたから……おでんはもっともっとすごいお侍さんになれたんだ!」
鬼姫様は手をギュッと強く握り締め俺に想いをぶつけた。
しかし、そのまっすぐな想いを俺は素直に受け止められずたじろいでしまう。
「だからおじさん!」
「で、ですが……それ……は……」
鬼姫様の想いを言う度に俺は心を痛めてしまう。それは何故か……知っていたからだ。俺が何者なのか。俺の運命がどうなってしまうのか。
近い内に俺は鬼姫様といられなくなってしまう。だから、あの時そう言ったんだ。俺がどうなろうとこの方だけはまっすぐに強く生きて欲しいから。
でも、まさかそんな考えになってしまうとは……。
しかし、俺の想いなんてお構い無しに鬼姫様はこう言った。
「ぼくの夢はおでんになること!でも、それだけじゃダメなんだ。ぼくの"夢の果て"にはおじさん!おじさんがいないとダメなんだ!!」
「───っ!!!」
"夢の果て"……鬼姫様からそんな言葉が出るなんて……。
「だからお願い!ぼくと一緒に戦おうよ!!!」
「…………」
しばらく無言が続く。そして、俺は軽くため息を吐き鬼姫様と向き合う。
「ハア……人の気も知らないで。分かりました約束しましょう」
「ホント!?わーい!」
最終的に俺が折れてしまい鬼姫様とそんな約束を交わしてしまった。
そうなると少なくとも近日中にカイドウ様を退くぐらい強くならないといけない。普通に考えれば無理ゲーだけど……。
鬼姫様のこの笑顔を見ちゃったらな……。
「約束だよ!」
「ええ、一緒にカイドウ様を倒しましょう」
この日、俺は改めて強くなろうと誓った。
そして、その1週間後───カイドウ様に呼び出され俺の命は潰えた。
……懐かしいなァ。
「……?おにーちゃん?」
「っとと、ゴメンね。少し懐かしい事を思い出しちゃって」
「またー?」
少女の声で我に返る。
「いっしょにフェンリルをさがしてくれてありがとう!」
「いや、気にしなくていいよ。犬が見つかってよかったねお嬢ちゃん」
そういうと少女は少し不機嫌になる。何故?
「むー、おじょうちゃんじゃないもん。スキィーヌってなまえだもん!」
「そっか、それじゃスキィーヌちゃん。さっき話してた海賊も近くにいるかもしれないから今日はもう──」
「オイ」
帰りなさい。そう言おうとした時、後ろから声をかけられた。振り返るとそこにはひとりの大男がいた。片手に銃を持っており後ろには金棒、頭には角のカチューシャ……。まさかコイツが……!
「"でけェリュック"はしてねェがそのマント……怪しいな。お前がウチのお頭が探していた"マントの小僧"か?」
「誰やねん」
メタボリックなブサイクがいた。
「ひっ!このひとさっきじゅうをうってた……!」
どうやらこの男は犬探しの元凶だったらしくスキィーヌちゃんは男を見るなり恐がっている。
「スキィーヌちゃん、早くお家に帰りな」
「で、でもおにーちゃんが……」
「俺は大丈夫。こう見えておにーちゃん強ェんだぞ?」
少しでも気を軽くするためにニカッと笑う。少女は恐がりつつも頷き子犬と一緒にこの場を離れた。
「オイオイ、ガキを逃がすためにわざわざ残ってくれたのか?泣かせるじゃねェか。だが、相手は見て選びな。おれァ泣く子も黙るあの"麦わらの一味"の"鬼の戦漢アr───」
「いや、あの子泣きっぱなしだったじゃねェか。むしろ泣き止ませたの俺だし」
名乗りを遮ると男(俺擬きw)はぶちギレた様子で銃を俺に向ける。
「よっぽど死にてェらしいな!だったらお望み通り殺ってやるよ!!この"鬼の戦──」
『"鬼の戦漢アルガ"を捕捉……』
「~~!またおれの名乗りを邪魔しやがって!!今度はどこのどい……つ……」
男(俺擬きw)はたまらず声の聞こえた方を見るとそこにはくまさん、いや……。
「パ、パシフィスタ!!?ヒ、ヒエェ~~!!殺されるゥウウ!!!」
「"鬼の戦漢"が逃走を開始!PX9奴を逃がすな!!」
いつの間にか海兵もゾロゾロと現れ指示を受けたパシフィスタは逃走した男……ではなく俺に手を向けた。
「なっ!?ち、違う!!とまれPX9そっちじゃ……えっ!!?」
パシフィスタはレーザーを放つ。俺は首を傾けさっきまであった顔の位置をレーザーが通過した。
「ギャァァアアア!!!」
「あ、悪ィ……うおっ」
後ろで逃げていた俺の偽物が直撃し爆発する。その爆風でうっかりマントのフードが外れ顔を見られてしまった。
「そ、その顔は……!?手配書と……同じ顔ォ!!!」
「なら、今逃げていた男は偽物だったという訳か……!!」
「おのれよくも騙そうと……!」
「バレたのは仕方がないにしても……よくあれを俺と認識できたなお前ら」
非常に遺憾である。
というか、ここに戦桃丸はいないのだろうか?やっぱルフィの方に行ったのかな。だとすると俺の相手は……。
俺はパシフィスタに視線を向け少し物足りなさを感じた。
「……まあ、景気付けにはなるか」
「何を言っているかは知らんが問答無用!!PX10!奴を抹殺しろォ!!!」
ここの指揮官と思われる海兵が命令するとパシフィスタは動き出した。
「2年前ならお前を見て葛藤とかしてたけど……」
もう、その姿に動揺はしない。ジニーさんやボニーちゃんだって割り切ったんだからな。もう迷いはない。コイツはくまさんじゃなく、ひとりのパシフィスタだ。
『目標を捕捉。直ちに"抹殺"する』
「見つかって即"抹殺"って穏やかじゃないなァ。"捕える"じゃねーの?」
「何を言っておる!貴様に生捕りの選択肢などない!!」
「……え??」
何故に?そう考えた瞬間パシフィスタがレーザーを放とうとしており思考を切り替える。まずはこっちを片付けますか。
「やれェエエ!!!」
「"武装色"「硬化」……」
俺は拳を握ると腕に武装色を纏わせる。今さらレーザー相手に──武器を使うまでもない。
───ピュン……グニィ……
飛んでくるレーザーに合わせて拳を振るう。レーザーは腕に触れることなく軌道が変わりあらぬ方向へと飛んでいった。
───ズドォォオオオン!!!
「なっ!!?レーザーを……!!!」
爆発と同時に俺は地面に亀裂が入るほど踏み込み爆風にも劣らぬ速度で駆け抜ける。そして、パシフィスタが再びレーザーを放とうとするも既に俺は金棒をかまえていた。
金棒に"武装色"を纏わせると過剰な程バリバリッと周囲に覇気が迸る。
以前まではパシフィスタ相手に二撃で倒していたが……。
見せてやるよ。これが俺の2年間だ。
「”
直撃した瞬間、パシフィスタは轟音と共に飛んでいく。ホームランを打たれた野球ボールのようにみるみる遠くまで飛び遥か先のマングローブにめり込み爆発した。
よほど遠くまで飛んだのか爆発は見えず上空に上がる煙しか見えなかった。
「パシフィスタが……たったの一撃だとっ……!!?」
「それに何だ……あの飛距離は!?いったいどれだけ遠くに……!!!」
「っ!!く、来るぞ……構えろ!!!」
「うっ……あァ……」
パシフィスタが破壊されたことに周囲の海兵は動揺を隠せずにいた。そして、ゆっくりと歩み寄る俺を見て怯む。
『いいかいアルガ君。別に"覇王色"を持たずとも人は似たようなことができる』
『相手を"威嚇"し怯ませる……これは感情を持つ生物には皆平等に持つ力だ』
『ならばどうすればいいか?答えは単純───己は絶対的強者なのだと相手に知らしめれば良い』
レイリーさんの教えを思い出した俺は近付き海兵に一言……。
「どけよ」
『ヒッ……!』
パシフィスタを一撃で倒したことにより俺はお前らよりも強者だと知らしめた。ほとんどの海兵は俺の圧に怯み戦意を失ってしまう。
その瞬間を見逃すハズもなくすかさずこの場にいた海兵を全員蹴散らした。幾ら数があろうと戦意のない者ほど楽な相手はいない。
俺は改めて"威嚇"の強みを知った。
「よし、これで全滅だな」
一仕事終えた俺はいい汗を……いや、汗一滴も出なかったな。
「海軍も動いたってことはそろそろ皆も集まっている頃か。んじゃさっそく向かうとしますか」
ビブルカードは方向が分かるだけで皆がどれぐらいの距離にいるのかは分からない。なので俺は目を瞑り"見聞色"を発動した。
「距離は……うん、そんなに離れてない。これなら数分も走れば行けそうだ」
この2年で鍛えたのは肉体だけではない。勿論、覇気も同様だ。
俺はこの2年間で"武装色"だけどなく"見聞色"も鍛え今では5秒先の未来が見えるだけでなくその範囲は5キロ以内であれば誰がどこにいるのかも把握できる。
空島の神官達にもできたのだ。なら、俺にもできない道理はない。そう確信しここまで鍛え上げたのだ。
まだまだカイドウには程遠いが少なくとも地盤は完成した。後は決戦までに磨き上げるだけだ。
そう思い俺は鬼姫様の言葉を思い出す。
『約束して!その時はぼくだけじゃなくて……おじさんも一緒に戦うって!!!』
「ええ、勿論です。約束……しましたからね」
思えばこの言葉こそ俺が今まで強くなろうとした原点……俺の"オリジン"だ。
「鬼姫様待っていてください。約束の日は……もう直です」
「アルガァ~!どこ行ってたんだよォ。メシ食ってたらいつの間にか居なくなってんだからよォ」
「おいアルガお前が最後だぞ」
「うるせェよマリモ!!どんだけ自慢だ!!!」
サニー号へ到着した俺は既に集結していた仲間に歓迎された。久々の再会に俺も嬉しくなってしまう。
「アルガ、また会えたわね」
「ロビン、うん久し振り!」
俺は改めて皆に顔を向け言いたいことを伝える。
「みんな遅れてゴメン!それと……ただいま!!!」
『おかえりアルガ!!!』
皆から笑顔で出迎えてもらい心が暖かくなっている。だが、そこへ海軍の軍艦がやって来た。空気読めよ……。
しかし、チョッパーと一緒に来た巨大な鳥やハンコックの助けにより無事に出航の準備を終える。
サニー号が膨らんだシャボンに包まれ徐々に海へと沈み始める。そこへルフィが皆に伝える。
「ほんじゃ野郎共!!!ずっと話したかった事が山程あるんだけど!!とにかくだ!!2年間もおれのわがままにつき合ってくれてありがとう!!!」
そして、最後に息を大きく吸い込み……。
「出航だァ~~~~~~~~~~!!!!」
そして、船は沈み海底へと向かった行く。
「行くぞォ!!!魚人島ォ~~~~!!!」
『オオオオオオ~~~~!!!』
こうして俺達の航海は再び動き始める。野望を胸に秘めて……。
「おかーさんただいまー!」
「きゃんきゃん!」
「あらお帰り。ちょうどよかったわ。何でも今近くに海賊がいたって話よ」
「うんしってる!でもおにーちゃんがまもってくれたの!」
「え!?海賊に会っちゃったの!?無事でよかったわ……それにしてもおにーちゃん?誰の事かしら……?」
「いっぱいぶきもってるけどすごくやさしいフリフリのふくきたツノのおにーちゃん!!」
「海賊とは別のベクトルで危なそうな人ね」
どうも皆さんもしロマです!
32話をご覧くださりありがとうございます!
補足として今回登場した少女の名前の由来について。
スキィーヌ=スキ(好き)+ィーヌ(犬)
以上!
そして最後に……
堀越先生今まで10年間お疲れ様でした!!!!推しはミルコです!!!
ではまた会いましょうでわでわ~~( ´ ▽ ` )シ