あなたにもう一度毛布をかけるため   作:もしも=ロマンの可能性だよねッ!

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どうも皆さんもしロマです!
最近アメリカから帰ってきた叔母がMr.ビーストのチョコ『フィースタブルズ』をお土産に持ってきてくれてテンションMAX状態が続いている今日この頃……。甘くて最高です!
それでは続きをどうぞ!( ´ ▽ ` )つ


35話 ぶつかる憧れ 上

 魚人島を出た俺達は深海で深海魚を捕まえたり"白い竜(ホワイトストローム)"に流されたりアイラングクジラの群れに遭遇したりしてようやく"偉大なる航路(グランドライン)"の後半の海、「新世界」へと浮上した。

 

「ウオオオ~~!!ついに来たぞ「新世界」ィ~~!!!」

 

 この海にシャンクスが……!とルフィが呟く側で俺も同じようなことを考えていた。

 

 ここが四皇の統べる海。この海にカイドウが……。

 

 波は大荒れ天気は最悪。そして、目の前には燃える炎の海。その奥に島が見えており早速向かおうとした時、電伝虫の緊急信号がなった。

 

 緊急信号といってもその信憑性は低く、海軍の罠の可能性もあるがルフィにそんな忠告を聞くハズもなく受話器を取る。

 

 内容は寒いと嘆く男がサムライに仲間を次々と斬られてしまい助けて欲しい。場所は「パンクハザード」と最後に言い残し通信が途絶える。周りに他の島はないため目の前にある燃える島の事だろうとナミが推測する。

 

 受話器から聞こえてきた声はかなり慌てた様子でありただ事ではないのは明らかだ。なので、あの島に行く人をくじ引きで決めた。

 

 行く気満々のルフィを除く一味でくじを引く。そのくじではゾロ、ロビン、ウソップが決まり残る当たりくじはひとつ……。

 

「ギャアアアア!?引いちまったァ~!誰か代わってくれェ~~……ん?アルガ……?」

「お願いしますどうか当たりますようにお願いしますどうか当たりますようにお願いしますどうか当たりますようにお願いしますどうか当たりますようにお願いしますどうか当たりますようにお願いしますどうか当たりますようにお願いしますどうか当たりますようにお願いしますどうか当たりますようにお願いしますどうか当たりますようにお願いしますどうか当たりますように……」

「いやどんだけ行きてェんだよ!!?」

 

 俺は必死に神頼みをする。いや、まだ足りない。もっと確率をあげるためにも俺は全神経を集中させ"見聞色"で未来を見る。そして───

 

「いィィよっっっしャァァアアアア!!!!」

 

 当たりを引いた俺は全力でガッツポーズをした。

 

「あの島の何がオメーを駆り立たせてんだよ……」

 

 ウソップに呆れられながらもサンジから深海魚弁当を受け取り上陸の準備を始める。

 

「”ミルキーロード,,!!」

「お~~!!すげー!雲の道ができたー!!空島で見たやつできるようになったのか!!」

 

 島の回りは火の海で近づくことすらできなかったがナミが雲の道を作った。これならミニメリーで渡れる。

 

 うん、確かにすごい。原作でもこれを見て感心してたけど……。

 

「ナミ、その雲って空の気温や気象があってはじめてできるものなんじゃなかったの?」

 

 俺は疑問に思ったことを聞いてみる。だって、ウソップの持ってきた"雲貝(ミルキーダイアル)"だってそれが理由で地上では使えなかったし。

 

 空島から持ってきた雲のクッションだってそうだったじゃないか。あのショックは今だって忘れちゃいないぞ?

 

「そうね、空島みたいに長時間この雲を維持することはできないわ。これは雲の周囲にだけ空島と同じ空気層の膜を張ってあるの。結構大変なのよ?空島以外で地上の温度変化の調整や雲の性質を保って道を再現するの。だから効果は短いわ」

「…………???」

「聞いといて首傾げんじゃないわよ」

 

 ちょっと何を言ってるのか分からない。要するに不思議雲って事でオケ?(IQルフィ)

 

 結局、ナミの説明は分からなかったが準備もできたところで早速ミニメリーに乗りパンクハザードへと向かった。

 

「よし!偵察隊行くぞ~~!!頼むぞミニメリー!!!深海魚うんめ~~!」

『うんー!任せてよ~!』

「誰か代わってくれェ~~!……ん?今懐かしい声が聞こえたような?」

 

 雲の道を通っている途中で深海魚弁当を美味しくいただきつつ火の海を越えると陸が見えてきた。

 

 そこへミニメリーを停めると俺達は島へ上陸した。そこは火の海にも負けない程島も燃え盛っており皆この異常な暑さに堪えきれず上着を脱ぐ。

 

 目の前にはバリケードの壁がありどうもここは海軍と世界政府の島のようだ。しかし、そんなことルフィ達はお構い無しに扉をこじ開け中へと入る。

 

 最初は止めようとしていたウソップだったが、ルフィが止まらなかったので諦めヤケクソで弁当を食べ始める。

 

 そこからパンクハザードで不思議な生き物達と遭遇する。空想上の生物であるドラゴン、上半身がないのに何故か生きてる下半身、ケンタウロスなど、ルフィ達は見たことのないモノばかりで眼を輝かせていた。

 

 そしてしばらく進むと島の中心と思われる位置にバカでかい湖が見えた。そしてその湖の向こう側は灼熱の大地と打って変わって極寒の大地となっていた。

 

 電伝虫では寒いと言っていたのでおそらく被害があったのは向こう岸だろうと推測する。

 

「────ッ!!」

 

 いる!!!

 

 その時、俺は"見聞色"で誰かが遠くでこちらを見ているのを察知しバッとその方向を向いた。そして───

 

「うふふ♡」

「────…………」

 

 

 

 

 

 

 

「ええ~~~~~~!!?"ハートの海賊団"と同盟を組む~~!??」

「んあ……?」

 

 ……あれ?いつの間に寝てたんだ。というより周りがうるさいな。いったい何が……あ。

 

「あー!ローさん久しぶり!」

「ようやく目覚めたか鬼屋」

 

 2年前にお世話になったローさんが仲間達と一緒にいた。起きた俺を見てウソップとロビンが心配してくる。

 

「やっと起きたかコノヤロー!お前あの湖のとこからずっと気を失ってたんだぞ!?そのせいで一時は危うく凍死しかけてたし!」

「そうよ心配したじゃない。いったい何があったと言うの?」

「心配かけてゴメン。もう大丈夫だから。予測可能回避不可能だっただけ」

 

 いやー、まさか俺が気を失っている間にここまで話が進んでいたとは……。

 

「ハア?何言ってんだ?……いや、今はそんなことより!お前もルフィを説得してくれェ~!!」

 

 ウソップは慌ただしく泣きじゃくるのでロビン要点をまとめて説明する。あれから無事皆と合流できたのはいいが一時ナミ入りフランキーを拐われたのでルフィが取り戻しに行くと何故かローさんと海賊同盟を組むことになったらしい。

 

 説明した後ロビンもルフィに忠告する。

 

「ルフィ、私はあなたの決定に従うけど……海賊の同盟には"裏切り"が付き物よ。人を信じすぎるあなたには不向きかもしれない」

「え?お前裏切るのか?」

「いや」

「ほら!」

「あのなァ!!!」

 

 うん、ルフィのその純粋なところ好きだよ。でも、少しは疑う心も持とうよ。

 

 とはいっても原作を知ってる俺からしてもローさんは裏切る心配はないのでそこは特に何とも思わなかった。

 

 強いて言えば、ローさんの目的は「四皇」じゃなくてその手前のドフラミンゴまでなんだけど……。そこは、まあいっか。

 

「俺も同盟に賛成かな」

「アルガまで!!?」

「だってローさんは俺にとって恩人だもん。2年前の戦争で傷だらけだった俺を治してくれたからそのお礼もしたいし」

「そうだったのね」

 

 俺の話を聞いたロビンはウソップから離れルフィの方に付く。

 

「ならきっといい人ね。裏切りの心配もなくなった事だし同盟しましょう」

「ロビィィィン!?裏切り者ォオオオ!!!」

「…………」

 

 あ、ローさん仲間達のノリに若干引き気味になってる。

 

 ロビンが賛成派に加わったがまだウソップ、チョッパー、ナミが反対している。だが、ルフィの全面的な信頼発言をすると仲間達はこぞってテレてしまい呆気なく反対の意見はなくなった。

 

 この天然人タラシめ!

 

 かくしてここに"海賊同盟"が結成され最初のミッションとしてこの島の科学者シーザー・クラウンの誘拐を企てる。

 

 それにつけ加え、ルフィの要望で平行して子供達の投与された薬の詳細を調べたり、侍を元に戻す事も決まった。さすが身勝手さが四皇級と言われるだけある。

 

 そして、それを聞き入れてくれるローさんもやっぱめちゃくちゃいい人ッスわ。

 

 その後、子供達の薬を調べるチームと子供達を見守るチームとシーザー誘拐チームに別れて行動を開始する。

 

 その時、俺はチョッパーにひとつ頼み事をお願いした。

 

「──なんだけど、頼めるかな?」

「うん、分かった。一緒に調べておくよ!」

「ありがと!」

 

 ローさんとチョッパーを見送った後シーザー誘拐チームのルフィ、フランキー、ロビンも研究所へ向かう。

 

「そんじゃ、おれ達マスターとか言う奴拐ってくっからよ。ちょっくら待っててくれ」

「うん、気をつけて」

「おう!そんじゃフランキー、ロビンしっかり掴まってろよ?”ゴムゴムのォ~,,……!!」

「「あ……」」

「”ロケット,,ォオオオ!!!」

 

 2人はこの後の展開を悟ってしまい声が漏れる。ルフィは気にせずそのまま3人で研究所の方へ飛んでいってしまった。

 

 フランキー……ロビン……どんまい。

 

「さて、俺達は子供達を見張る役目だが……」

 

 俺達は子供達の方を見る。そこにはスヤスヤ眠っている子供達がいた。

 

「アルガは寝てて知らねェだろうが気をつけろ?今は大人しく眠っちゃいるがまた起きて暴れられちゃ手に負えねェ……」

「こんな子供達を……許せないわ」

「ナミ……あ!ウソップ!マズイ子供達が起きそう!」

「何ィ!?」

 

 感傷に浸るのも束の間、子供達がモゾモゾと動きだし目覚めようとしていた。そして、完全に目が覚めるとガシャンガシャンと鎖を鳴らし引きちぎろうとする。

 

 そこにウソップが再び”爆睡星,,を子供達に撃ち眠らせる。

 

「クソォ、もう目を覚ましやがったか。連発すりゃあ効果も落ちる。早ェーとこアイツら戻ってきてくんねェかな……」

 

 その後も子供達が起きては眠らせてを繰り返しているとついに免疫がついたのか全く眠らなくなってしまう。

 

「キャンディ~……!」

「頭がいたいよォ~……!」

「くさりほどけェ~……!」

「キャンディ~キャンディ~……!」

「チクショウもうダメだ!!いったいどうすりゃあ……」

 

 打つ手がなくなり困っていた時、アイツが現れた。

 

「大丈夫か?子供達……!シュロロロロロ。さァ帰ろう研究所へ……。ここは危険だ。いつもの……おいしいキャンディーを食べたいだろう……?」

『マスターだ~~~~!!!』

 

 シーザーが現れた事で子供達は笑顔に戻る。しかしその目はとても正気とは言えるものではなく、まさに中毒者が薬を手に入れた時の安堵した目だった。

 

 そんな子供達を見てナミはシーザーに怒りをぶつけるがシーザーは知らぬ存ぜぬといった様子で聞き流す。

 

 そうしている間に子供達が鎖を引きちぎりシーザーの所へと走って行く。止めようとしても子供達は止まらない。ならば、ここで元凶のシーザーを倒そうとウソップとナミが攻撃を仕掛けようとするが……。

 

「ナミ!ウソップ!ダメだ離れろ!!」

「えっ……どうし──ウグッ!?く、苦しいィ……!」

「い、息が……!?」

 

 シーザーの能力を知っていた俺はすぐにウソップとナミを止めようとしたが遅かった。シーザーが2人に近づくと回りの酸素を抜く。そして、2人は呼吸ができなくなり苦しみ踠く。

 

「シュロロロロロ!残りは"鬼の戦漢"てめェひと……ウォッ!!?危ねェ!?コイツ息を……!!」

 

 余裕綽々だったシーザーだったが息を止めた俺が目の前まで迫っていたので慌ててしまい反応が遅れ体勢を崩す。

 

 その隙を逃さず俺は手を伸ばし───

 

「シュロロロロロ!!流石は7億を超える首……一筋縄にゃあイカねぇか……。だァ~がァ~?」

 

 シーザーは俺から距離を取り2人の首を掴み持ち上げる。

 

「グッ……!てめェ!!2人を離しやがれ!!!」

「誰が離すかよォバカめ!!そんな事しちまったらおれはてめェにやられちまうだろうが。生憎と”無空世界(カラクニ),,を見破ったお前はおれァ倒せる気がしねェんだわ!」

 

 瞬時に俺との実力差を理解したシーザーは正面から戦うのをやめ2人を人質にした。

 

 俺は動くことができなくなり内心舌打ちする。クソ!こんな事なら出会い頭にぶちかましておくんだった!でも、それをしたら()()が……。

 

「そうだ、利口だなァ~!そこを動くんじゃねェぞ?”ガスタネット,,!!!」

「ッ!!?」

 

───ボカァアアアン!!!!

 

 周囲にガスが撒かれた瞬間大きな爆発が起きた。モロに爆発に巻き込まれた俺は吹き飛ばされ壁に激突する。

 

「ゲホッ!!くそっ……」

「ん~~、そういやここの施設はもう使われてねェから建物全体が脆かったよなァ~?そうだ、施設ごと潰されな!!”ガスタネット,,!!!」

 

 子供達や他の奴らもこの施設から出ているか出入口付近におり俺だけ奥に吹き飛ばされてしまったのをいい事に次は建物に向けて爆発させる。

 

「しまった!建物が……!?」

 

 すると建物全体が大きく揺れ天井が崩れ落ちてきた。その後も次々と瓦礫が落下してしまい俺は下敷きになってしまった。

 

 しばらく崩落が続き物音が止むと俺はモゾモゾ動き始める。

 

 あーチクショウ……ハデにやりやがって。こんな鉄骨やらコンクリやらを頭上に落とされちゃ……。

 

「流石に()()()()痛ェだろうがァ!!!」

「ウオッ!?アルガの奴生きてた!!?」

 

 バカでかい鉄骨やら鉄板やらを力業でどかし立ち上がるとさっきまで窒息しかけていた2人がいた。

 

「よかった無事だったのね!!」

「どこが無事じゃい!!見ろ!頭から血が出てるっての!!」

「いや、むしろ建物崩落に巻き込まれて何でその程度で済んでんのよあんた……。しかも、その前に敵の爆発もくらってるのに」

「ゾロばりに人間辞めてきたなお前……」

 

 非常に遺憾である。

 

 ウソップそれは流石に言い過ぎだろ。確かにこの2年の修行で肉体面はめちゃくちゃ鍛えられたけどさ。それに耐久面だけで言えばウソップも人のこと言えないだろ。

 

「それよりも、2人ともよく無事だったね」

「ああ、建物が崩れる途中で茶ひげの野郎が助けてくれてよ。その隙に身を隠したんだ」

「そいつもきっとこの瓦礫の下よ。早く助けて子供達を取り戻さなきゃ!」

 

 そうして、俺が"見聞色"で埋まっている場所を見つけ救出すると茶ひげはお礼と言い研究所まで乗せてってやると言ってくれた。

 

「ありがとう助かるわ!」

「ウォッホ!礼には及ばねェ!早く乗りな!!おれも早く研究所へ行って仲間達を助けに行かねェと!!」

 

 厚意に甘え茶ひげの背に乗り研究所へ向かった。途中、島を飲み込む勢いの紫色の煙が発生したり、その煙から小竜に乗って必死に逃げるゾロ達と合流し一緒に研究所へ向かう。

 

 そして、ちょうどゲートが閉まりかけており間に合いそうになかったのでゲートごと切り崩して無理矢理研究所内へ入り込むことに成功し安堵した。

 

「いや~、危なかった危なかった」

「危なかったじゃねェよ!!ゲート壊しやがって!?おれ達が塞がなかったら全員終わってたぞ!!てめェらのせいでこっちまで毒ガスにやられるとこだったわ!!!」

「それは……ありがとうございます。助かりました」

「いえいえ、そんなご丁寧に……じゃねェよこの角野郎!!!」

 

 チッ、ダメだったか。

 

 G-5の面々を落ち着かせようとしたが逆に怒らせてしまった。というよりノリツッコミいいなお前ら。

 

 まあ、何はともあれ無事に研究所内へ入ることができた。後はシーザーを誘拐するだけだ。

 

 ……いや、まだやるべき事はあるな。

 

 俺は改めてここへきた目的を再確認する。まあ、ひとつはチョッパーに任せてあるから俺はもう一方に力を入れよう。

 

 すると、ローさんがこの場にいる人たちに向けて2時間後に外の殺戮ガスが研究所内を埋め尽くしてしまうから全員「R-16棟」へ向かうよう指示する。

 

 最初はそんなの知ったことかとG-5の海兵達が襲ってくるが今いる棟のゲートが閉まり始めているのを見て慌てて停戦する。全員、一目散に次の棟へのゲートへ走り始めた。

 

 俺達は引き続き茶ひげに乗りゲートを潜り通路を走り続ける。流石に皆乗っているので茶ひげに怒られた。

 

 通路を進むとチョッパーが”化物強化(モンスターポイント),,で子供達をくい止めていたが追い付く頃には3分経ってしまい子供達が先へ行ってしまう。ランブルボールの副作用で動けなくなったチョッパーを回収しつつこの先のビスケットルームへと向かった。

 

 子供達の中で唯一正気を取り戻したモチャという少女が覚醒剤入りのアメを持って逃げているらしく早く追い付かなければならない。

 

 茶ひげは仲間を助けるためここで別れる。ウソップとブルック、侍の錦えもんも息子のモモの助を探すため別行動。そして、通路を抜けビスケットルームに着くと室内にも関わらず部屋は雪景色となっていた。

 

 そんな事できる人は……ひとりしかいない。

 

───ドクンッ!

 

「うふふ♡とうとうここまで来たようね。だけど、子供達の邪魔はさせない」

「何あれ!?人面鳥(ハーピー)!!?それにこの部屋すごく寒い……あの女の仕業なの?」

「気をつけてナミ、それに皆も……。あの人は"ユキユキの実"の雪人間。"自然系(ロギア)"だよ」

「"自然系(ロギア)"ですって!?」

 

 "自然系(ロギア)"と聞き皆は彼女と視線を戻すと気を引き締める。数でこちらが勝っているが彼女は余裕の笑みを崩さない。

 

「そこがまた……」

「え?アルガ何か言った?」

「へえ、あなた詳しいのね。会うのはこれで2回目の筈だけど?」

「そうだね、確かに会うのは2回目だ。だが、俺は貴女の事を知っている」

「何ですって……?」

 

 ここでようやく彼女の表情が変わる。ここでゆっくり話したい所だけど今は……。

 

 唯一正気を取り戻したモチャという少女が大量の詰まっているキャンディーを抱えてビスケットルームから出るとそれに続くように子供達がモチャを追いかけていく。

 

「ナミ!ロビン!チョッパー!子供達を頼む!!」

「子供達の事は任せておいて!」

「アルガ気をつけて」

「おう!ナミ早く追おう!モチャが心配だ!」

「行かせるとでも?”雪垣(ゆきがき),,!!!」

 

 3人も子供達を追いかけるために部屋を出ようとするが出入口を雪で被われてしまい通れなくなってしまう。しかし……。

 

「退いてろ!」

 

 ゾロが雪の壁を斬り崩し通路が開く。

 

「早く行け!」

「ありがとうゾロ!!」

 

 そこから3人は子供達を追っていった。

 

「あら、女1人に対して男が2人がかり?あまり感心しないわね」

「そんなセコいマネするかよ。てめェなんざおれひとりで充ぶ……アルガ?」

 

 刀を抜き臨戦態勢に入ろうとするゾロを制止させゆっくりと歩き始める。

 

「へえ、あなたが1人で相手するつもりかしら。確か、火の土地で私と目があって気絶した子よね。ホントは私の姿を見て恐いんじゃないの?」

「何?あの時、気を失ったのはコイツのせいだったのか?そういや、恐ェもの苦手だったなお前……」

「別に俺は恐くて気絶した訳じゃないよ」

 

 彼女の目の前で立ち止まる。それでも彼女は変わらず薄ら笑いをする。

 

「俺はモネさん……あなたに会いたかった」

「ッ!……さっき私の能力を見抜いてた辺り私を知ってるのは嘘ではなさそうね。でも、さっき言った通り会ったのは今日が初めての筈よ?」

 

「そうだ。これは俺が一方的に知っているだけ……だからこそ俺は今日という日を楽しみにしていた」

 

「楽しみ?じゃあいったい……何故私を見て気絶なんてしたのかしら?」

「それは───」

 

 

「あなたの美しさにやられてしまったからです!!!!」

 

 

 この瞬間、この部屋の空気が固まった。

 

「「………………ハア?」」

 

 少し間が空き脳の処理を終えた2人が同時に呆気にとられる。ああ~~、そんな呆けた顔も素敵だァ~♡

 

 コアラ、マーガレットさんに続き俺の推しであるワンピ三大ヒロインの最後のひとり、モネさんに会えたことで俺はテンションがぶち上がっていた。

 

 ひゃっほい!!!ついにモネさんとお話できたぞ!しかもこんなに近くで……!!ああ~!眩しいよォ~!モネさんの存在が眩しいよォ~!!

 

 しかし、不詳アルガ初めて会話する相手にこんなハイテンションで話すわけにもいかない。引かれたら最後俺は死ぬ。ここは冷静にいこう……。

 

 推しに会うと冷静さを欠けてしまうのは俺の悪い癖だ。マーガレットさんが九蛇の船員に選ばれたお祝いで話していた時の言葉を思い出せ。

 

『何だァ~、緊張してただけって聞いて安心したよ!話す時いつも小声だったから私の事苦手なのかと思ってた。でもねアルガ、仲良くなりたい人にはそんな態度じゃダメ!もっと堂々としていないと!』

 

 マーガレットさんの言葉を思い出した俺はモネさんと向き合う。

 

「まずは初対面で気を失ったことを謝罪させてくれ。確かに女性を見て気絶なんて失礼だった。だけど、それはあなたがあまりにも美し過ぎて目にした瞬間脳の処理が追い付かなかったんだ。それに……」

「おい待て待て!?何いきなり敵を口説こうとしてやがんだてめェは!!?」

 

 んもう!何さゾロ!俺とモネさんの会話に割って入ってきて!それに今のは聞き捨てならねェなァ!?

 

「ア"ア"??口説くなんて俗物な言い方をするんじゃねェぞゾロ!!!俺はただ目の前にいるモネさんの美しさを説いてるだけだ!!!」

「スゲーキレられた!?」

「と、突然何を言っているの……!動揺を誘う作戦かしゅら?」カアァ…

「そんで何でてめェもちょっとテレてんだよ!!!」

「……!」ハッ!

 

 やーん、テレてるのを指摘されてハッ!ってなるところカ~ワ~イ~イ~♡

 

 ホントに褒め言葉に弱いんだな~♡ならばその弱点を突こうじゃないか。モネさんに戦いで血は流れさせたくないし。

 

 俺の様子を見て完全に呆れ返ったゾロはため息を吐き部屋を出ようとする。

 

「アホな事言いやがって……。その女をひとりで相手してェんならおれはさっさとナミ達を追うぞ?」

「バッキャろう!!何のためにお前を残したと思ってんだ!!モネさんと2人っきりとか緊張でまた気絶するかも知れねェだろうが!!!」

「知るか!!?そんなアホな理由だったのかよとっととくたばっちまえ!!!そうすりゃあ後はおれがこの女叩き斬って終わりにしてやる!!」

「モネさんを傷つけようとすんじゃねェ!!!」

「てめェはどっちの味方だァアア!!!?」

 

 ゾロのツッコミが部屋全体に響き渡った。

 

 

 

 

 ヴェルゴとかいうクソ野郎からたしぎちゃんとついでにそのクソ部下共を守ったおれは何故かたしぎちゅわんからではなくクソ部下共に慕われてしまった。

 

「アニキ!奥に部屋がありやす!それに何故か寒ィ!?」

「関係ねェ!!ガキ共を見つけて研究所から逃がすんだ!!!そして、ナミさんとロビンちゃんから褒めて貰うんだァ!!!」

 

 通路の先に部屋を見つける。あの部屋は確か最初にガキ共と会った場所だな。それにしてもコイツらの言う通り吹雪みてェに冷たい風が吹いてやがる。

 

 ナミさんさっきコート脱いでたからな。きっと寒がっている筈……!そこへおれが華麗に登場し上着を渡そう。それで「サンジ君ありがとう!素敵!大好き!!」なァ~んて言われちゃったりしてェ~~!!

 

「デュホホホ~~♡」

「アニキ!顔がキモいッス!」

 

 ……今誰かおれの事をディスった気がしたがまあいい。今はあの部屋を突っ切るのが先だ!

 

「あの部屋の奥へ行くぞ!!突撃誰だァ~~~~!!!」

「何でお前が指揮執ってんだよ!!!」

 

 部屋に入るなり目障りな雑音が聞こえた。ああ、マリモか。通りで耳障りだと思ったぜ。

 

 とりあえずムカつくので野郎共と一緒に下唇を引っ張ってバカにする。おーおー、見るからに腹立ててやがる。良い気味だ。

 

「ナミとロビンならこの先だ。邪魔だから早く行け。それか早く逝け」

「おっとアホの癖にグッドインフォメーション!!よし!早く行くぞ野郎ど───」

 

 このまま部屋を通過しようとした時、おれはとんでもないものを見てしまった。

 

 後ろに美女!!!……と言うだけなら鼻血を出して倒れるだけで済んだがそれ以上に驚く光景があった。それは───

 

 

「モネさんの甘えてしまいそうな綺麗な声が素敵。モネさんの癖ッ毛ながらも長くて綺麗な髪が魅力的。それでいて髪の色も目に優しい緑なのがいい。モネさんは"雪女"なのにキャミソールにホットパンツという寒そうな服装にギャップを感じて尊い。モネさんのミステリアスなその瞳が美しくて吸い込まれそう。そんな瞳だけでもヤバイのに下マツゲが長いから見下す時ついドキッてしてしまう。モネさんのただでさえ完璧な容姿に加え"人面鳥(ハーピー)"という究極の組み合わせで妖艶の魅力を引き出している。その羽で優しく包まれたい。包まれたルフィマジ許せん。モネさんが何かを書いたり読む時は度数の強そうなグルグルの瓶底眼鏡をかけているのがあざとくて可愛すぎる。それにより普段は地味な子が眼鏡を外した瞬間美少女に変貌するというギャップステータスが加わりモネさんの魅力が止まることを知らない。モネさんが「うふふ」と笑う時語尾に♡をつけるのが色っぽくてスゴくいい。美しさの中に可愛さも見え隠れするモネさんという存在が尊すぎる。ああ、モネさんかわいいよモネさん」 

「も、もう分かったからっ……ヤメテェ……///」

 

 

 アルガの野郎がその美女を褒め殺しにしていた。

 

「アルガァアア!!!何やってんだお前ェ!!!!」

「ああ……ちょうどいいからコイツも持ってってくれねェか……?コイツがいちゃ戦いになんねェ……」

 

 何やらマリモが疲れ気味で頼み込んでくる。コイツがおれに頼み来るとか余程だぞ……。

 

 しかし、美女を前にそうなってしまうのは分からんでもない。おれだってそうだしな。

 

 よって、コイツの言うことを聞くのは癪だが連れていく事にした。おれの目の前で美女と良い雰囲気になることは許さん!!!

 

「そう、俺にとってあなたは──あっ!ちょ!?サンジいきなり何すんの!?HA☆NA☆SE!!!」

「ウルセー!!おれの目の前で良い雰囲気になってんじゃねェ!!!」

「さすがアニキ!!すげージェラシーだ!男の嫉妬は醜いッス!!」

 

 スゲー抵抗してきたがクソ野郎共と一緒に取り押さえ強制連行した。代わりにたしぎちゃんマリモと一緒に残り今度はあっちに嫉妬の炎を燃やした。

 

 無論、さっきおれの悪口を言った野郎はしっかりとしばきあげた。

 

 アルガの野郎も次第に抵抗をやめ気持ちを切り替える。

 

「ハァ~……モネさんの事はひとまず置いとくとしよう……ハァ~ア」

 

 前言撤回、全然切り替えられてねェわコイツ。

 

 こんな調子だったが、しばらく走り続けるとクソガキ共に追いつきすぐにチョッパーから注射器を複数借りて野郎共に注射の指示をした。

 

「サンジ君ありがとう!お陰で助かったわ!」

「いやァ~♡ナミすわんに褒められるなんて感激だなァ~♡♡……あ、そうそうアルガの奴さっき敵のレディーを口説いて骨抜きにしてたぞ」

「アルガ……??」

「ちょ!?人聞きの悪いことを言わないでよ!モネさんは褒め言葉に弱いっていう弱点があったからそこを突いただけで……ってロビン?何かスゴい顔が恐いけどどうしたの?待ってそのまま近づかないで恐いよ!?」

「モネ()()……随分仲がいいみたいね?」

 

 ナミさんに褒めて貰うついでにさっきの事をチクってやった。敵と良い感じになるなんて仲間から冷たい目をされて当たり前なんだよバカめ!

 

 それにしちゃあロビンちゃんの目が思ってたより凄みを感じたが……?

 

 …………余程大切な仲間が敵を褒めちぎるなんて許せなかったんだろうな!おれもおれ以外の野郎がレディーと仲良くなるなんて許せねェし気持ち分かるぜロビンちゃん!

 

「まあ、無自覚でそういう事しちゃうからねあいつ。いつか誰かに刺されるんじゃないかしら?」

 

 ナミさんの言っていることがイマイチ分からなかったが、とりあえず一通りガキ共の治療を終え今度は皆で脱出の段階へ入る。

 

 脱出をするためR棟へ向かうと何故か前方からたしぎちゃんを担いだマリモがやって来た。どういうルートを行きゃあそうなるんだ。

 

 つーかそれよりも何マリモの分際でキューティーなたしぎちゃんを抱えとるんじゃゴルァ!!!

 

 まあ、とにかくこれで残るはルフィだけだが……おっ!

 

 R棟に到着するとちょうどルフィがシーザーをブッ飛ばした所だった。そこへ他に別行動していた連中も集まり皆が集まった。

 

 後はブッ飛んでいったシーザーを拐えばミッションはクリアだ。ローとケムリ野郎が持ってきたクソでけェトロッコに乗り込み「R棟66番ゲート」から脱出した。

 

 途中、どこかで爆発しトンネル内が大きく揺れたが何とか持ちこたえ無事に島の外へ出る事ができたのだった。

 

 その時、皆は外で待っていたフランキーのロボに視線が釘つけになっていたがおれはある事に気づく。

 

「あり?アルガの野郎……どこ行きやがった?」

 

 

 

 

 

 第三研究所C棟、毒ガス兵器起動装置前。私はそこでジョーカー……若様の命令を受ける。

 

『全てを道連れに……死んでくれ……』

「了解……"若様"」

 

 爆発スイッチのカバーを外す。これで後はこのスイッチを押すだけ……。そうすれば、"若様"の野望は潰えることはない。

 

 私はこれから死んでしまうけれど、微塵も恐くなんてない。それが若様の野望に繋がるのなら。

 

 妹をひとり残していくのは心残りだけど……"若様"と一緒にいれば安心できる。

 

 さよなら若様。あなたこそが───"海賊王"になる男……!!!

 

「そのスイッチを押すのは勘弁願おうか」

「ッ!!?」

『……?おいそこに誰かいr──』

 

 誰もいなかった筈のこの部屋から突然何者かの声が聞こえた。声の方を向く瞬間、光線が飛んできて電伝虫の受話器を破壊された。

 

 動揺してしまったがすぐに敵を確認する。すると、視線の先には突き出したグローブの掌から煙を出す男がいた。

 

「これでゆっくり話せるな」

「ッ!?あなたは……!!!」

 

 何とその男はビスケットルームでさんざん私をハズかしめた男だった。しかし、あの時とは少し様子が違う。

 

「シーザーはルフィ達に捕まる。これ以上無駄な抵抗はするな。この戦い……モネさん、あんた達の敗けだ」

「……いいえ、まだよ。私がこのスイッチを押せば立場は逆転する」

「それを俺が黙って見てるとでも?」

「その位置からじゃ何をしたって無駄。私がスイッチを押す方が早いわ」

 

 そう、この男はまだ部屋の入り口付近。そこからじゃどう足掻いても私がスイッチを押す方が早い。いくら強くてもどうすることも───

 

「そうなると俺も手段を選べなくなる。あまりそういう事はさせないでくれると嬉しいな」

「えっ……あなた、それはまさかっ!!?」

 

 男が懐から取り出したのは心臓だった。その心臓を見た瞬間、私の胸が少し圧迫される感覚がした。つまり、あの男が持っているのは間違いなく私の心臓ということだ。

 

「な、何故あなたがそれを……」

「シーザーと戦った時に、ね。俺は手癖が悪いんだ」

 

 少し理解が追いつかなかった。そもそも何故シーザーが私の心臓を持っていたのか。ローの心臓と引き換えに渡した筈じゃ……。

 

 そんな事よりもこれはマズイ。このままでは私がスイッチを押す前に彼が心臓を潰してしまう。それでは目的を果たせない。

 

「今、目的を果たせないって焦ってるみたいだけど……ホントに果たす意味ってあるの?」

「どういう……意味かしら?」

「どういうも何も、モネさんが思っている程ドフラミンゴは命を張る男に値するのかって聞いてんだよね」

「───ッ!!!」

 

 今の言葉は許せない。一気に頭に血が上がりカッとなってしまった私は怒りで声を荒げた。

 

「あなたに若様の何が分かると言うの!!!」

「少なくともその"若様"って奴が"海賊王"になる気はさらさらねェってのは知ってる」

「~~~~!!!」

 

 なんて事を言うんだコイツは!!!若様が海賊王になる気がない?そんなワケないじゃない!!!

 

「私は若様が海賊王になると信じてここまでやって来た!!!その為に汚いことだって何でもやったわ!!子供を人体実験するのも見て見ぬ振りだってそう!全ては若様の為に!!!」

「あんたがこれまでどんな経験をしたかなんて知らないけど、ハッキリ言ってやるよ。ドフラミンゴがこれまでやって来たことは何ひとつ"海賊王"になる行動じゃない」

「何ですって……!?」

 

 怒る私に対し彼は冷静にそれでいて淡々と話を進める。

 

「振り返ってみなよ?これまでの奴の行動を。国を乗っ取って10年以上も王様気取り。その間でやっている事と言えば武器や兵器の製造に売買……これのどこが"海賊王"になるための行動なんだ?」

「そ、それは……!」

「しかも人工悪魔の実をカイドウに売り付けまくってるよな?"海賊王"を目指してるんならライバルになるハズの敵にそんな事するなんてとても考えられんな」

「それにもきっと若様には考えが……」

「ないよ」

「ッ!!」

「確かにドフラミンゴは何かを企んではいる。だが、それは崇高なものじゃない。もっと短絡的なものだ……世界をメチャクチャにしたい、とかな」

 

 違う……違う違う違う!そんな野蛮な事を若様が考えている筈がない!!かつて私達姉妹を救ってくれたあのお方が……そんなワケないじゃない!!!

 

「これ以上私の憧れた人を……若様を侮辱するなら今すぐにでもこのスイッチを押すわよ!?よく考えてみればあなたその心臓を潰せるの?私の事あれだけ褒めていたものねェ?」

 

 そうよ、思い返してもこの男は私に気があるのは明らか。だったらさっきの脅しはブラフ。できないに決まって───

 

「舐めんな」

「え……」

「確かに俺もこの心臓を潰すのは嫌だ。だがな、それ以上に俺は仲間の命の方が大事なんだよ。あいつらの命と比べりゃあ──一切の迷いはない」

 

 その男の眼からは冗談ではなく本気でやるとという意思を感じた。何なのこの子……?とてもビスケットルームであった人とは思えない……。

 

 男は一切怯む様子はなく少しずつこちらへ近づいてくる。

 

「だが、今言った通りモネさんの心臓を潰すのは忍びない。そこで──」

 

 男は悪巧みをするような感じで不適に笑った。

 

「モネさん、取引をしようじゃないか」

 




どうも皆さんもしロマです!
35話をご覧くださりありがとうございます!
もっとモネの可愛いところを書きたかったの一言に尽きますね。まだまだ書き足りませんが話が進まなくなってしまうのでまた次の機会にしましょう。
ではまた会いましょうでわでわ~( ´ ▽ ` )ノシ
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