あなたにもう一度毛布をかけるため   作:もしも=ロマンの可能性だよねッ!

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どうも皆さんもしロマです!
いつも感想評価、誤字脱字報告、ここすき、お気に入りありがとうございます!
ほぼ1ヶ月投稿できなかったお詫びとして今回はもしもアルガとルフィが全力で戦ったらどうなるのか?と言うお話を書きました。
それでは続きをどうぞ( ´ ▽ ` )つ


番外編~アルガvsルフィ~

 ルスカイナ島へやって来て2年が経った。明日はいよいよハンコックさん達がこの島へ迎えに来る。

 

 でも、その前に俺達は修行の最終調整のためにこの島での最後の稽古を始めようとしていた。

 

「いよいよだね。長いようで短いような……修行キッツかったよなァ」

「だな~。だけど、お陰でおれ達は強くなった。これで"新世界"でもやっていける!」

「だな……ウシ!やるぞルフィ!!最後の試合だ!!」

「おう!!」

 

 そうして俺達は向き合い戦闘体勢をとる。 

 

「おれよォ、2年前この修行を始める時に誓ったんだ」

「何を?」

「冒険をする度に強くなっていく実感があったのに、お前はいつもその先にいた。おれァ船長なのに……一番強くなかった」

「ルフィ……」

「だから、おれはあの帽子に誓ったんだ。───この修行で必ずお前に追い付くってな!」

 

 そう言いルフィは闘気に溢れた笑みをする。

 

 そんな事を考えていたのか。素直に嬉しい、ルフィにそこまで評価してくれていたなんて。

 

 だけど……。

 

「だからってこの試合を譲る気はねェぞルフィ。俺にも目標があんだ。全力で勝ちに行く!」

「ああそうだ!全力じゃないと意味がねェ!!行くぞアルガ!!!」

 

 両者構えると……次の瞬間、同時に動いた。

 

「”ギア2,,!!”ゴムゴムのォJET銃(ジェットピストル),,!!!」

「今更そんな単発が当たるかよ!!」

 

 ルフィは腕を振りかぶりその反動で”ギア2,,を発動させる。そして、俺に高速の殴打を繰り出すも"見聞色"で完全に見きっていた俺は躱しつつ一気に接近した。

 

 それと同時に金棒に"武装色"を纏わせて勢いよく振りかぶる。

 

 今度はこっちの番だ!さあ、この攻撃をどう裁く!?

 

「”雷鳴八卦(らいめいはっけ),,!!!」

「──グッ!!?」

 

 金棒を振り切るとそこルフィはおらず空中へと跳んで回避していた。いや───

 

「ウッ!」

「避け損なったな」

「いきなりソレ使うか。危なかった……未来見えてなきゃやられていた」

 

 着地したルフィの額からは血が流れていた。それに気づきゴシゴシと血を拭うと不満の声を漏らす。

 

「お前その技覚えてからはバンバン使うよな。確かにつえーけどよォ」

「ルフィにはこの技を完璧に見切れるようになって欲しいからね。特別だぞ?」

「んな特別いらねーよ!!!おれ最初の頃はこれですぐやられちまったんだぞ!!!」

 

 お陰で"見聞色"鍛えられてよかったじゃん。原作じゃまだこの段階では"未来視"できなかったんだぞお前。

 

「コノヤロー!!絶対にぶっ飛ばす!!!"武装色"「硬化」!!”ゴムゴムのォ~~,,!!!」

「──ッ!!とか言ってお前ももうそれ出すのかよ!!いいぜかかってこいや!!!”降霊(こうれい)鬼火(おにび)」,,!!!」

 

 ルフィは腕を後方に思いっきり伸ばし勢いをつける。次何をするのか未来を見た俺は対抗するように拳に"武装色"と蒼い炎を纏わせる。

 

 そして───

 

 

「”火拳銃(レッドホーク),,!!!!」

「”煉獄(れんごく)朧突(おぼろ)き,,!!!!」

 

 

 赤い炎と蒼い炎の拳が衝突した。

 

「ンギギギギギギギギ!!!」

「グッ!ォォオオオオ!!!」

 

 両者互角のぶつかり合いで力が拮抗するが同時に2つの拳は弾かれた。

 

「ん!!流石につえーな……ってドワァ!?」

「何油断してんだルフィ!パンチ力は互角でも俺の鬼火はまだ終わってねェぞ!!」

 

 距離を取ったルフィにすかさず鬼火の火球を飛ばして攻撃する。最初は戸惑っていたがすぐに冷静になり"見聞色"を発動させ避け始める。

 

 まあ、2状態のアイツにただの火の玉が当たると思っちゃいねェよ。本命はこっちだ!

 

「”鬼炎八卦(きえんはっけ),,!!!」

「ぐっ!”ゴムゴムの(イーグル)バズーカ,,!!!」

 

 無数の火球でルフィの動きを制限し、その間に距離を詰めた。そして、蒼い炎を纏わせた金棒でぶん殴る。

 

 決まったと思ったが流石ルフィ。一瞬で体勢を整え反撃に転じた。しかし、焦ってしまい不安定な姿勢だったせいか力が入りきっておらず力負けしたルフィはそのまま吹っ飛ばされた。

 

「ウワアアア!?」

「今度は当てる!!”降霊(こうれい)鬼火(おにび)」,,!!!」

 

 再び無数の蒼い火球を作り出す。今度はさっきより一回り大きく威力も桁違いに上がっている。百はくだらん大量の火球がルフィに狙いを定める。

 

「火だるまになりな!!”百鬼夜行(ひゃっきやこう),,!!!」

 

 吹っ飛ばされた場所に集中砲火。次々と打ち続けると一瞬火のエネルギー収縮され……次の瞬間、爆発的な勢いで火柱が上がった。

 

 "見聞色"でも命中したのは確認している。いくらルフィでもあれだけの攻撃を食らえば───ッ!

 

「ウォリャァアア!!まだまだ~~!!!」

「ちっとは堪えろよ。アレ単発でもそこそこ威力あんのに……」

 

 まるで勢いが止まらないルフィは上空へと跳び上がり”ギア3,,で両腕を巨大化させる。そして、"武装色"を纏わせ俺に襲いかかった。

 

「”ゴムゴムの~~象銃乱打(エレファント・ガトリング),,!!!」

 

 雨のように降り注ぐ巨大な拳の連打。"見聞色"で避けるのとはできるが……一気に勝負に出るか。

 

「”降霊(こうれい)呼憑(よびつ)き,,!!!」

 

 全身から淡い光が溢れると全身から力が沸いてくる。そして、次々と繰り出してくるルフィの拳を容易に避け……一瞬にしてルフィの背後を取った。

 

「───ッ!?早ェ!!」

「気ィつけな。モロに当たればタダじゃ済まねェぞ!!”鬼奈落(おにならく),,!!!」

「グァッ!!───ガハッ!!?」

 

 金棒を振り下ろし上空から地面へ叩きつける。咄嗟に"武装色"で固めた腕を交差させガードを取ったがそれでも受けきれず砂煙が立ち混んだ。

 

 よし、この一発はデカイ!必勝パターンに入った!!ルフィは未だこの”降霊・呼憑き,,状態の俺に有効打を与えた事がない。

 

 このまま一気に勝負を着け───

 

「”ゴムゴムのォ……潜る大蛇(シーサーペント),,!!!」

「──ブッ!!?」

 

 畳み掛けようと砂煙に突っ込もうとした俺は突如襲われる謎の衝撃に意識がボヤける。何、だっ!?真下から、顎を……殴られ──脳が……っ!!腕ェ!?

 

 視界が朦朧とする中、凝らしてよく見ると真下の地面から拳が一直線に伸びていた。そして、砂煙が晴れるとそこには姿を変えたルフィがいた。

 

「ま、さか……!!!」

「”ギア4,,「蛇男(スネイクマン)」!!!その技には散々やられたからなァ。”ギア4,,の新形態!!スネイクマンなら戦える!!!」

 

 マジか!?いつの間にスネイクマンを覚えたんだよコイツ!!一度も見たことねェぞルフィの奴隠してたな!!

 

「今度はこっちの番だ!!”ゴムゴムのォ~~ツインJET大蛇砲(ジェットカルヴァリン),,!!!」

「2発同時かよ!!?どわ!?あっぶね!!」

「まだまだァ!!追え!!”双大蛇(タイパン),,!!!」

 

 一度避けた2発の拳が高速で軌道を変え再び襲いかかる。このまま直撃してしまう。

 

「グッ!クソ、舐めんな!!”飛龍翔(ひりゅうしょう),,!!!」

 

 空中を蹴り上げ迫り来る拳を寸でのところで回避する。よしよし行けるぞ!"見聞色"で未来を見れば何とか回避は可能だ!!

 

 そのまま攻撃を回避しつつ俺はルフィの元へ直進した。

 

「アッハッハーー!!どうしたどうしたァ!!こんなもんかよォ!!?」

「クソ!覇気で先見てんのに……!!もっと……もっと攻撃だァアア!!!」

 

 一度ルフィは攻撃を中断したかと思えば今度は追尾ではなく連打に切り替えた。

 

「”ゴムゴムのォ……黒い蛇群(ブラックマンバ),,!!!」

「グォ!?これは──マズイ!!!」

 

 その圧倒的な手数に俺は慌てる。カタクリと違い体を変化させ流動回避する術がない俺は徐々に攻撃を避けきれなくなる。

 

「だったら……捌ききる!!!桜木二刀流!!”桜華乱舞(おうからんぶ),,!!!」

「ウオオオオオオオオオオ!!!」

 

 武器を小回りのきく刀に切り替え止まない拳の雨を一つ一ついなし続ける。

 

 集中しろ!神経を研ぎ澄ませ!!一発でも当たればたちまち形成を逆転されてしまう!!!ルフィに流れを掴まれると厄介だ。絶対に主導権を譲らせるな!!!

 

「マジか……!!おれの攻撃を全部……負けるかァ!!!」

「ウォラァアアアアアアア!!!」

 

 少しづつ距離が縮まるがルフィの攻撃の勢いがどんどん増していく。このままでは──ッ!!

 

「ン"ン"ガァ"ア"ア"ア"ーーッ!!!」

「──ッ!!しまっ───」

 

 無意識からなのか、絶対に負けないと言うルフィの気迫が"覇王色"となり俺を威圧した。あまりの存在感に一瞬硬直してしまう。その一瞬が命取りとなり隙を突かれ攻撃を食らってしまった。

 

「アガ!?ガハッ!ブハッ!!イギッ!ガッ!!ッ!ッ!!」

「ウォリャァアアアアアアア!!!」

 

 チャンスと見たルフィはすかさず連撃を続けた。その選択は正解であり、俺はたちまち危機に陥る。

 

 このまま攻撃が止まらなければ俺は意識を飛ばされ敗ける。だが───

 

「ブッ!このッ……調子に──乗んじゃねェ!!!」

「ッ!!?」

 

 俺は全身に"武装色"を纏い防御力を上げる。それでもルフィの拳は強くノーダメージとまでは行かないが……体勢を整え反撃に出るには充分!

 

 俺はルフィの両手を掴むとグイッと引っ張りハンマー投げの要領で回転した。

 

「グァアァァアア~~!!?目が回るゥ~~!!」

「散々ボコスカと人をぶん殴りやがって!!今度は俺が!!!」

 

 手を離すと風を切る音と共にルフィはブッ飛んでいった。そのスピードはもはや音速を超え勢いよく岩山に衝突しメリ込んだ。

 

「ぶちのめす!!!」

「ガッ!オォ……ッ?」

 

 目を回したルフィはぐわんぐわんと頭を揺らす。ああ、そうだよな。ゴム人間にジャイアントスイングしたってダメージゼロなのは知ってるよ!!

 

 だが、脳が揺れりゃあ覇気も使えねェだろ!

 

「スネイクマンか!!面白ェ……だったら蛇勝負と行こうや!!!」

 

 確かブラックマンバって世界最速の蛇だったか。なら俺も最速の技をお見舞いしてやるよォ!!!

 

 

「”神足(しんそく)黒蛇駆(こくじゃく),,!!!!」

「ガッ……ハッ……!!!」

 

 

 金棒を天にかざし覇気を込める。そして、刀のように居合の構えで突撃すると俺の気迫が巨大な黒蛇へと変わり無防備なルフィに突っ込んだ。

 

 振るった金棒が腹を捉えルフィは悶絶する。そして、ルフィの後ろにあった岩山が粉々に砕けその威力がどれだけのものだったのかを物語る。

 

「ゴフッ!!ハァハァ……うぷっ!」

「何を我慢してんだ?辛いんだろ?だったら吐き出せよ!!その力ごとなァ!!!」

「んブッ!!?ン"ン"……ブヒュ~~~~!!!」

 

 必死に口元を押さえるが俺が追い打ちで殴り飛ばすとルフィはたまらず口から大量の空気が漏れる。そして、”ギア4,,が解かれ戦況が大きく傾いた。

 

「ヤベェ、しばらく覇気が使えねェ……!!」

「”ギア4,,の難儀な点だよなァ!勿論、手は抜かねェぞルフィ!!」

 

 とはいえ、一旦ここで全身武装を解く。”降霊・呼憑き,,状態でこれを続けると消費が激しいのだ。今のコイツならこれで充分。

 

「クソッ!一旦逃げねェとマジィ!!」

「ハァー……あのなァ」

 

 俺が"武装色"を解いている隙にルフィは180度方向を変え逃走を図る。だが……。

 

「今のお前が、俺から逃げられるワケねェだろ」

「ッ!?ダメだ!やっぱ早ェ!!」

 

 一瞬で先回りされたルフィは驚き苦い顔をする。そして、意を決して”ギア2,,で対抗しようとして来た。

 

 確かに俺とルフィの基本ステータスはほぼ一緒。そこに”ギア2,,で強化すれば俺より強いだろう。

 

「”ゴムゴムのォ~~,,……!!」

 

 だがな、それでも有り余るぐらい……俺の覇気はお前を凌駕する。

 

「”JET銃弾(ジェットブレッド),,!!!」

 

───ガキィン!!

 

「何してんだ?」

「──なっ!!?」

 

 顔面に一発。しかし、その驚異的な硬度にルフィは思わず絶句してしまう。まさか全く通用しないなんて思わなかったのだろう。

 

 悪いな、この2年で一番飛躍したのは"覇気"なんでね。それに加えて今は”降霊・呼憑き,,も使ってる。今の俺に覇気の込もってない攻撃は通じねェぞ。

 

「迎撃の選択はよかった。だが、それにゃ文字通り迎え撃てるだけの強さがねェとなァ?”(カイ)力鬼(リキ),,ィ!!!」

「ブホォッ!!?」

 

 覇気を込めた金棒でフルスイング。ルフィはなす術なく直撃しブッ飛ばされてしまった。

 

「覇気が戻るまで後3分ぐらいか?ここで粘らねェと……終わるぞ?」

「ハァ……ハァ……。やっぱつえーな。アルガは」

「あん?」

 

 何とか立ち上がったルフィは場違いな抜けた声でそんなことを言う。何だ?時間稼ぎか?そう思ったがルフィの目はいたって真面目だった。

 

「追い付いたと思えばすぐ遠くに行きやがる。だからおれも負けじと追いかけて来たが…………違った」

「違うって、何がだよ……」

 

 ルフィはスタスタと歩き始めある場所へと止まった。夢中になってて気づかなかったが、そういやここは……。

 

()()()()()、なんて弱腰じゃいけねェよなァ~。おれはお前の船長だ。誰よりも強くならねェといけねェ……()()()()()()()いけねェ!!!」

 

 ルフィは木に置いていた()()()()()を掴み深々と被った。

 

「改めてこの帽子に誓うぜアルガ!おれはこの勝負何がなんでも絶対に勝つ!!!そして言ってやんだ!!胸張って「おれはお前の船長だ!」ってなァ!!!」

「ルフィ……!!」

「2年前、お前には何度も救われた。だから今度はおれの番だ!!アルガにどんな危ねェことが起きても、救えるぐらい強くねェと───おれは海賊王にはなれねェんだ!!!!」

 

 そう言ってくれるだけでも…………充分だ。

 

 そもそも俺はルフィを下になんて思っちゃいない。どこまでも成長し続け強くなるお前を侮ることなんてできるワケがない。

 

 俺は胸が熱くなるのを感じた。ルフィにそこまで言ってくれたのが、ルフィにそこまで想われていた事が嬉しすぎて。

 

 だけど、この勝負を譲ってやる気は一切ない。むしろそんなルフィに俺は更にやる気を出した。

 

 この高ぶりはもう自分じゃ止められない。全力でぶつかって───ルフィ、お前に勝つ!!!

 

「だったら!!!まずは残り時間生き残るこったなァ!!!」

「ああ!!!必ず耐えきって……お前に勝つ!!!」

 

 この時のルフィは今まで見てきた中で一番麦わら帽子が似合う男に見えた。俺は無意識に笑い……突撃した。

 

「全力でブッ倒す!!!ハアアアアアッ!!!」

「”ギア3,,!!!”ゴムゴムの,,ォ~~!!!」

 

 俺は金棒に力を込める。ルフィは”ギア2,,の状態から更に重ねがけで”ギア3,,を使い両腕を巨大化させる。そして───

 

 

「”軍茶利(ぐんだり)龍盛軍(りゅうせいぐん),,!!!!」

「”巨人のJET銃連打(ギガントジェットガトリング),,!!!!」

 

 

 目に見えない程高速に迫ってくる巨大な拳の連打。それに対し俺は打ち合いお互い一歩も譲らない殴り合いが始まった。

 

「ハァアアアアアアアアッ!!!」

「ウォオオオオオオオオッ!!!」

 

 なるほど、それがお前の選択か。

 

 ルフィはこの連打で近づけさせず残り時間を生き残ろうと考えているわけだ。確かに速さも質も申し分ない。だがな、いつまでも続けられると思うな!

 

 連打ってのは無呼吸運動。そう長時間続けられる技じゃねェんだよ!!少しでも勢いを落とせばすぐに……!!

 

 その時、俺は忘れていた。

 

「……!?何でだ?何で……勢いが止まらない!?」

 

 いや、それどころか勢いが増して───

 

「ンギギ……!!ンガァァアアア!!!」

「──ッ!!そうか、そうだったな。お前はそう言う男だった……!」

 

 何で忘れてたんだ俺は。お前は、どんな逆境にもこうして食らいついてたなよな。

 

 忘れていた。そして、思い出した。

 

 ルフィの諦めの悪さを。どんな事があっても折れない心の強さを。コイツの───底知れないド根性を。

 

 

「アアアアアアアアアアアッッ!!!!」

「───ッ!!!」

 

 

 勢いは際限なく増していきとうとう、俺の連撃を打ち破り一発……一発の拳が直撃した。

 

「グッ!フゥ……!!」

 

 その攻撃は威力はあれど俺を倒すには程遠かった。だが、それ以上に打ち負かされたことに驚きを禁じ得なかった。

 

 まさか、打ち負かされるなんて……!?”降霊・呼憑き,,状態なんだぞ!!それを覇気なしの攻撃に!!?

 

「ハァ!ハァ!……んお?来た!来た来た!!回復したぜおれの覇気ィ~~!!!”ギア4,,「弾む男(バウンドマン)」!!!」

 

 覇気が回復したルフィは直ぐ様”ギア4,,を使い今度はバウンドマンに変身する。そして、弾力で宙を飛びこちらへ突っ込んできた。

 

「こっから挽回だ!!ウォオオオオ!!!」

「チッ!一発当てていい気になってんじゃねェ!!”竜刃(りゅうじん)(らん)壊風(かいふう)」,,!!!」

 

 スネイクマンより数段素早さの劣るバウンドマンにこの大量の斬撃は躱せまい!勢いを止めて流れを変えてやる!!

 

 この時、覇気なしのルフィとの純粋な殴り合いに負けたショックと焦りのせいで気づいていなかった。"見聞色"を欠いていた事に。

 

 それにより回避できてたハズのルフィの次の一手に俺は出し抜かれてしまう。

 

「ッ!!今だ!!!「スネイクマン」!!!」

「なっ!?形態を変えた!!?」

 

 バウンドマンをフェイントに使いスネイクマンにシフトチェンジ。それにより俺の斬撃が当たる直前に回避され姿を見失う。

 

 その時ようやく"見聞色"を欠けていることに気付いた俺はすぐに発動した。しかし───

 

「”ゴムゴムのォ~~,,……!!」

「───ッ!!?」

 

 いくら未来が見えようが、対応できなければ意味がない。未来を見た時には……既に手遅れだった。

 

 

「”王蛇(キングコブラ),,!!!!」

「が……は……!!」

 

 

 あまりの衝撃に意識が飛びかける。視界がボヤけ体勢を崩す。最後のチャンスとルフィは一気に勝負へ出た。

 

「「バウンドマン」!!!”ゴムゴムのォ,,……!!!」

「……ッ!!!」

 

 マズイ!!来るぞ!!動け!回避をォ───ッ!!!

 

「”犀榴弾砲(リノシュナイダー),,!!!」

「フギッ!?」

 

 俺が動くより早くルフィが蹴り跳ばし、更に追撃をかける。

 

「”大蛇砲(カルヴァリン),,ッ!!!」

「グホォ!!」

 

 まだ跳ばされ硬直している俺に拳が迫ってくる。このまま殴ってくるのかと思いきや、拳は軌道を変え俺の真上から腹にめがけて勢いよく直下し俺は地面に叩きつけられる。

 

 そして、何が何だか分からなくなってきた俺は血反吐を吐き完全無防備な状態で迫り来るルフィをただ見上げることしかできなかった。

 

 そして、ルフィ渾身の一撃が繰り出された。

 

「”獅子(レオ)バズーカ,,ァァァ!!!」

「ガハァアアアアッ!!?」

 

 ルフィ怒涛の大技コンボが炸裂。フェイントをした後、素早いスネイクマンで怯ませその隙にバウンドマンの強力な技で決めに行く。

 

 ここへ来て、冷静さを欠けていたのは俺の方。対してルフィは勝つための算段を練り実行したのだ。

 

 もう素直に褒めるしかない。単純にここまで”ギア4,,の切り替えをスムーズにできるなんて思ってもいなかった。

 

 きっと隠れて相当努力を重ねたんだろう。俺を超えるために……。

 

「ど~だ!効いたかコノヤロォーーッ!!!」

「ゴフッ!ゼェ……ゼェ……!」

 

 口から血を吐き出す。ベチャア!ボタボタ……と決して少なくない量の血が流れ止まらない。

 

 この内側から感じる痛み。間違いない、ルフィの"武装色"は……内部破壊の域まで達している。

 

 未来視に加え流桜習得とか、ルフィの奴強くなりすぎだろ。そのステータスは原作じゃ鬼ヶ島でのカイドウ再戦時の強さだぞ?

 

 ……にしても、今の攻撃はヤバかった。正直、倒れてしまうかと思ったが……まだ、終わらすワケにはいかねェよなァ……。

 

「ッ!!?アルガの奴……あんだけ食らってまだ……!!なら、もう一発!!!」

 

 ふらふらと立ち上がる俺を見てルフィは驚愕する。しかし、気持ちを切り替えトドメに入ろうと突撃してくる。

 

「…………」

 

 俺は心のどこかでまだ余裕を感じていたのかもしれない。

 

 今のルフィならまだ勝てる。俺の方が強い。そう息巻いている自分がいた。……そんな自分に改めてこう思う。

 

 

───フザけんなッ!!!!思い上がるのも大概にしろ!!!!

 

 

 目の前のルフィを見てお前はどう思った?何を感じた?いつまでも原作知識なんぞに振り回されてんじゃねェ!!!目の前にいるルフィはもう、俺の知るルフィをとうに超えてんだよ!!

 

 それなのに、いつまでも原作では原作ではって…………いい加減理解しろ!ルフィや皆が煽てるからっていつまで格上気取りでいやがる!?

 

 俺は、ただの───

 

「この世界に生きる……"麦わらの一味"!!アルガだァアア!!!」

「───ッ!!?何だ!?どんどん覇気が強まって……!!」

 

 殴りかかって来るルフィだったが、みるみる体が膨張していきバチッ!バチッ!溢れ出る俺の覇気に圧倒され動きが止まる。

 

 そして、俺の体は今のルフィと同じぐらい大きな体格となりさっきまで見上げていた俺はは同じ目線でルフィを見定めた。

 

「悪かった。別に勿体振っていたワケじゃない。これはまだコントロールが利かなくてな……扱いが難しいんだ」

「すげェ……。つえー覇気がビリビリ感じる!!」

「未完成だが今のお前に勝つために俺も捨て身で行く。覚悟しろよ?これが"覇気"最大出力フルMAX!!俺の最強形態!!!その名も───”「武装龍鬼(ぶそうりゅうき)流桜武神(りゅうおうぶしん),,!!!!」

 

 まるで別人のように変わった俺の圧倒的な姿を見てルフィは息を呑んだ。

 

「それが、お前の全力か。いいねェ……面白くなってきた!!!」

「さて、この状態は燃費が悪いんだ。一気に決着(ケリ)をつけよう!!!」

「おう!!!」

 

 同時に飛び出し両者拳を振り上げる。

 

「”ゴムゴムのォ,,……!!!」

「”地獄(ジゴク),,……!!!」

 

 俺は覇気を込め、ルフィは腕を膨らませ拳を大きくする。振り上げた拳に覇気が迸しり───そして次の瞬間、ぶつかる拳から生み出される衝撃波で周りの木や岩が吹き飛んだ。

 

「”大猿王銃(キングコングガン),,!!!」

「”(マン)力鬼(リキ),,!!!」

 

 この瞬間、両者だけは気づかなかったけどが……森が───いや、島全体が揺れた。

 

 そんな桁違いな攻撃のぶつかり合いはそう長くは続かなかった。ルフィが、殴り飛ばされる結果となって……。

 

「グアアアアア!!?」

「どうした!!こんなもんじゃねェだろ!!!」

 

 俺も跳躍し飛ばされるルフィの足を掴むと引き寄せアッパーカットで天高く打ち上げた。

 

「ガッ!?オ"……オ"ォ"……ッ!!?」

「もっと……上げてけやァアア!!!」

 

 一瞬意識まで飛ばされていたルフィは上空で意識が戻りその場に止まる。空中にいるルフィに俺はひとつ宣言した。

 

「聞こえるかーーー!?ルフィーーー!!!」

「──ッ!」

「この形態、そろそろ限界だから次が最後の攻撃だ!!!だから───お前の出せる最大火力で来い!!!どっちが上か決めようじゃねェか!!!」

 

 俺の言葉が聞こえたのかルフィはニヤリと笑みを浮かべ更に上空へと飛び上がる。何をする気だ?と身構えたが…………マジかよ。

 

 少しづつ膨らむそれはどこまでも大きくなり続け……やがてそれは身の毛もよだつ程に破壊力を秘めた巨大な拳へと変貌した。

 

「これなら……負けねェ!!!」

「スタンピードかよ。だが……上等だァァアアアアアア!!!」

 

 巨大な拳を携えルフィは勢いを加速させ一直線に俺に向かって落ちてくる。それに対し俺はありったけの覇気を拳に込めた。

 

「”ゴムゴムのォ,,~~~~……!!!」

「ありったけの覇気を……この一撃にィ……!!!」

 

 これから繰り出されるはただの攻撃に非ず。

 

 2年間の修行に渡る両者の信念が籠った全力の一撃。その拳が放たれ今───衝突した。

 

 

「”大大大猿王銃(キングキングキングコングガン),,!!!!」 

「”桜憑鬼(おうつき)朧突(おぼろづ)き,,!!!!」

 

 

 この日、ルスカイナ島の地形はかつて地図に載っていたものとは大きく変わり……島の何割かが海へと沈んだ。

 

 

 

 

 修行最終日の夜、俺達は動かず……いや、動けずその場に倒れ込み星空を眺めていた。

 

「修行もこれで終わりだな」

「だな~、にしてもハラ減ったなァ~……」

「相変わらずだな……って言いたいが正直、俺もかなり減ってる……」

 

 お互い全エネルギーを消費してしまったせいで体力を使い果たしまともに食事もできないでいた。

 

 え?まさかこのまま餓死で終わったりしないよね?そんなの死んでも死にきれんのだが??

 

 そんなバッドエンドの未来を恐れているとルフィから声をかけられる。

 

「なあアルガ」

「ん?」

「強かっただろ?おれ」

「まあな」

「にしししし!」

 

 素直に答えるとルフィは嬉しそうに笑う。

 

「だからよ、安心しろよな」

「何を?」

「さっきも言ったけどよ。もし、アルガにどんな危ねェことが起きても……おれが絶対に助けてやっからな!」

「っ!!」

 

 そう言われ、不意に俺も口元が緩んだ。

 

「あ、嬉しそうだなァ」

「……お前の"見聞色"って感情も悟られるから苦手だ」

「そんなん使うまでもねェよ。おれはお前の船長だからな!」

 

 そんな他愛もない会話は二人が寝落ちするまで続いた。

 

 

 

 そして、現在───

 

 

「ハハ、アハッ……アハハハハハ!!!!」

 

 

 

「待ってろよアルガ。今、助けてやっからな!!!」

 

 




どうも皆さんもしロマです!
番外編をご覧くださりありがとうございます!
お詫びで書いたともうしましたが、ホントはどこかで2人の対決はガッツリと書いてみたかったのでここで張り切っちゃいました!
でも、まさか2人の戦いを書くだけで1万文字を越えるとは……(^_^;)
次回からは本編に戻りますので宜しくお願いします!
ではまた会いましょうでわでわ~~( ´ ▽ ` )シ
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