あなたにもう一度毛布をかけるため 作:もしも=ロマンの可能性だよねッ!
10連引いても当たらず代わりに金ピカのアルセウスが当たりました……。
リーフィアex持ってる人がいたら交換して欲しい……(*´-`)
「戻ッッッッたァァァァアアアアアアアア!!!!」
モネさんのお陰で全てを思い出した俺は雄叫びを上げるとモネさんは嬉しそうに微笑む。
「フフ、一時はどうなるかと思ったわ。はいこれ」
「あ!"鬼嫁"に"花州"!!それにポーチまで!!持っててくれたのか!!」
「ええ、記憶のフィルムがあった部屋と一緒にね。感謝してよ?重かったんだから」
「うん、ありがとう!マジで助かった」
早速モネさんから受け取ると金棒を背に刀2本とポーチを腰にかける。うっし!これで戦闘準備も万端!さてさて、まずは……。
準備を整えるとすぐに周囲を見渡し状況を整理する。
海の向こうに見える艦隊……透明な何かで固められたサニー号……そのサニー号を掴んで離さないビッグ・マム……両腕のペロス・ペロー……。
ポク…ポク…ポク…ポク…ポク………チーン!
「現状把握だガネ」
「何一人でブツブツ言ってやがる!!記憶を取り戻して早々目の前の絶望に気でも狂ったか!」
「絶望、ねェー……」
「すまない、アルガ」
「ペドロ?」
ペロス・ペローの言葉にペドロは苦い顔をして俺に謝罪する。
「機を伺って奴の能力を無力化しようとしたんだが……不覚を取られてお前を危険な目に──ウ"ッ!?」
アホな事を言い出したので俺は思わずゲンコツをお見舞いする。ペドロは何で殴られたのか分からない様子で頭を押さえる。
「無力化ってのはその全身に巻かれたダイナマイトを点火して自爆する事か?」
「グッ!あ、ああ……皆にはスマナイと思ったがもうこれしか……」
俺は短くタメ息を吐くと呆れ気味に説教した。
「いいか?ペドロよく聞け。お前が俺達を助けたいように俺だってお前がピンチな時は助けたいんだよ。それに、ベポとも約束したしな。「ペドロに何かあっても必ず俺が守る」って」
「ッ!!そう、だったな……」
ゾウを出る直前でベポと約束したし言葉を思い出しペドロはハッとなり小さく呟いた。
「うん、だからよかった。何とかギリギリ間に合って。これでお前を失うことなくこの島を出られる」
「失う……ハッ!そうだ聞いてくれ!今ブルックとチョッパーが不味いことに!!」
「くくく、今頃思い出してももう遅い。てめェらがグダグダやってる内に二人が死ぬまで後1分もねェ。失うことなくこの島を出られる?キャンディじゃねェんだよ。甘く見てんじゃねェガキ!!ここは「四皇」の島だぞ!!!」
俺の舐めた言葉にムカついたペロス・ペローはここがどこで誰の島なのかを改めて突きつけた。
「もうお前らに逃げ場も、未来も、希望すらない!あるのは目の前の絶望だけ!!わかるか?この圧倒的なまでの戦力差を!!!ペロリン♪」
「絶望絶望うるせェなー。つってもお前……」
確かにマズイ状況ではあるが……。
「言う程か?」
「アア!?」
小馬鹿にするようにジト目で嘲笑すると癇に触ったのかペロス・ペローは……長いな舌長でいいや。舌長は目蓋をひくつかせワナワナと怒りに震える。
「てめェ……おれ達を誰だと……!」
「まず、お前にもの申したい事があるんだが」
小馬鹿にしていた俺の顔は一変し落胆に変わる。まるで存在その物が恥だと言わんばかりに。
「自分で7億とか自慢気に言う割には…………ショボくね?」
「なっ!~~んだとクソガキァア!!!」
「いやだってェ~、今さらダイナマイトの爆発ぐらいでビビリまくるとかァ~www億超え賞金首としてェ~w恥ずかしくゥ~wないんでっすかァ~~??」
「ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!何だコイツ!!?記憶が戻った途端くっそ腹立つ!!!」
ゲラゲラぷぎゃーwww
だってさー、原作じゃあペルが直径5キロの爆破をゼロ距離で食らっても四肢の欠損なんてなかったし、ウォーター7でウソップが明らかにダイナマイトよりもデカいガス爆発を起こしたにも関わらずルフィはピンピンしてたぞ。
爆発で欠損ダメージを負うネームドキャラってコイツぐらいじゃね?全く、億超え賞金首の恥晒しめ。
「それに、苦しみ踠く歪んだ表情のまま固めてアメ人形にするって……やってること
「何をォ!!そもそも誰だよだガネって!?」
ここまで来るとコイツがショボいのか3兄さんがスゴいのか……どっちだろ?まあ、やることがMr.3の二番煎じでインパクトに欠けたのは事実だが。
「そこまでデケー口叩くんならその実力を見せて……」
舌長が何か言いかけたが気にせず俺はナミに声をかけた。
「ナミ!!!」
「っ!?え、わたし!?何っ!?」
「クードバーストの準備!!すぐに出航するぞ!!!」
「わかったわ!!」
「てんめェ~!人の話を遮るたァいい度胸──」
「──ッ!ペロス兄!!気を付けろ!!」
カタクリが"見聞色"で次に俺がする事を見通したのか明らかに焦り始め舌長に警告する。カタクリが焦るってことはつまり───この状況は5秒で方が付くと言う事だ。
事実、ここまで煽りまくって冷静さを欠かせたコイツは……何ら驚異にもなりゃあしない。
「は?どうしたカタクリ?いったい何が見えたって言うん───」
「”
「ゲブォウ"ッ!!?」
気が逸れた隙を狙いノーモーションで拳に蒼い炎を纏わせて奴の腹を思いっきしぶん殴る。さっきはああ言ったがコイツだって腐ってても7億の賞金首。キャンディのように舐めてかかりはしない。
バキバキ!と腹から固いものが砕ける音がする。それはコイツが身に纏っているアメの鎧。それが俺の炎の拳により砕けてしまう。
「火、だとォ……ォォ……!?」
「悪いなァ。さっきお前が言った通り二人がもう危ないんでな。───速攻で終わらせる」
腹にメリ込む拳を振り抜くと舌長は吐血しぶっ飛ばされる。そして、周囲に幾つもの火の玉を出現させそれらをサニー号と二人に纏わりつくアメに飛ばした。
「”
───ボボボォォォオオン!!!……ドロォ……
鬼火はアメに纏わりつくように燃え盛りみるみる溶けていき、ドロリと溶け奴の能力が解除された。
「ぶへほゲホゲホ!」
「ぶわァ~~!じ……死ぬかと思っだ~~!!」
「チョッパー!ブルック!無事でよかったァ」
アメで全身を固められた二人も何とか無事に救いだし事なきを得る。サニー号もアメの拘束から抜け出しこれでいつでも出航可能となった。
「よし、次は……。───」
ポーチから
「うし、さっさと乗り込むぞ!二人とも掴まってろ!」
「ええ!」
「了解した!」
二人を抱えサニー号に乗り込むとそこへカタクリが襲いかかる。しかし、ルフィが立ちはだかりカタクリの動きを止める。
「そこをどけ麦わらァ!!よくもペロス兄を!!!」
「いやだね~!お前らこそおれ達の邪魔すんな!!」
未来を見通す力を持っていても同じ力を持つルフィにどうしても阻まれてしまう歯痒さを覚えるカタクリ。
さっきも長舌を助けようとしたがそれをルフィに止められてしまい警告しかできなかったみたいだしこれは相当俺にヘイトが溜まってそうだな。
「ルフィ!これを!!」
「ん?これって……」
さっきの
「──ッ!?ママを……!!?」
長男がやられ俺に怒りを覚えるが、未来視で俺の次の行動が見えたカタクリは血相を変えた。
「”「
まるで雷が落ちたような衝撃が周囲に駆け巡る。そして、皆は思わず目を閉じ顔を覆い再び目を開くと、そこには巨漢となった俺がビッグ・マムに向かっていた。
「何ですかあのお姿!?アレがアルガさん!?」
「何て強力な覇気じゃ。大気が震えておる」
「ウエ~~ディングゥ~~!!ケェ~~キィ~~!!!」
「よお、ビッグ・マム。……って聞いちゃいねーか。でも、お前がいつまでも掴んでっと出航できないんで……ブッ飛ばす!!!」
ついでに今の俺がどこまで「
バチバチィ!と覇気が拳から迸る。そして、俺は今出せる最大出力の覇気を纏い全力でぶん殴った。
「”
───ゴッ!!バリバリ!!ドゴォォオオオオン!!!!
「ウ"!!エディング……!!!ケー……───」
直撃した瞬間、ビッグ・マムは一時的に踏ん張るが掴んでいた甲板のフェンスごと剥がれ森へと突っ込む。
しかし、その勢いを止まらず木や地面を、森そのものを抉り奥へ奥へと吹っ飛んで行く。やがて勢いが収まる頃には……森が分断するように一直線の大きな抉れた道ができていた。
「あ、ヤベ……フェンス壊しちゃった。フランキーに謝らないと」
『えええェェエエエエェェエエエエ!!!?』
「ママァァアアア!!!」
「うっひょ~~!やるなアルガ!!それじゃおれもコイツとケリ付けるとすっか!!!」
俺の一撃の破壊力に驚愕する仲間達。ビッグ・マムがぶっ飛ばされ嘆くカタクリ。そんな中、ルフィだけは楽しそうに笑いカタクリを掴んだ後、鏡から現れたブリュレを掴んで鏡の中へと飛び込む準備をする。
「お前ら!!必ず戻る!!!アルガ!!皆を頼んだ!!!」
「ああ!とっととソイツ倒して戻って来い!!待ってるぞ」
お互いその言葉を最後にルフィは鏡の中へと姿を消した。カタクリと共に。
「さあ皆、飛ぶわよ!!何かに掴まって!!!」
そこへ準備を終えたナミがそう叫ぶとジンベエがレバーを引きコーラエンジンを点火した。そして……。
『”クー・ド・バースト,,!!!!』
皆の掛け声と共にサニー号は空を飛び俺達を取り囲んでいた艦隊の包囲網を抜けるのだった。
一時的に難を逃れた俺達は現在「
「この度は誠に申し訳ありませんでしたァァアアアア!!!!」
皆に全力で土下座していた。
記憶を抜かれたとは言えまさかこんな終盤まで何もしないどころか足を引っ張る事になるなんて、穴があったら入りたい。
てか、記憶を抜かれたのだって俺の油断が招いた事だしマジで申し訳無さ過ぎる。
「確かに胸ぐらを掴まれて「仲間じゃねェ!」なんて言われた時はホントに傷ついたわ~」
「ウ"ッ」
「私なんて敵に掴まってた所を命かながら助けたにも関わらず「お前誰だよ?」なんて言われたわね」
「グハッ」
ごめんよゥ……。
「まーまー、お二人ともそこら辺で。そろそろ罪悪感でオーバーキルしちゃいますよ。それに記憶を盗られていたのですから仕方ありませんって」
「ブルックゥ~!」
「やーね、それぐらい理解してるわよ。でも、アルガの性格じゃ何も言わないのはそれはそれで気まずくなるでしょ?だから少しからかっただけじゃない」
「ごめんねアルガ♡」
「二人とも……」
全く、この二人には頭が上がらない。俺の性格を見抜いてあえて小言をいうことで俺の気持ちを軽くしようとするなんて気遣いが完璧すぎでしょ。惚れてまうぞ?
あと、片目瞑って舌をペロッと少し出した仕草で可愛く「ごめんね♡」するモネさんが尊すぎる……///
「さて!これでわだかまりはチャラって事でそろそろ方針を決めましょう!」
ナミがパンと手を叩き仕切り直す。あの包囲網から逃げ出せたとはいえここはまだ敵の海域内。油断は禁物だ。
「あの時カタクリを放置していたら間違いなくこの船はメチャクチャにされていた。だからルフィは一緒に「
「ええ、ルフィさんが戦っている間に私たちはケーキを作るサンジさんと合流する必要がありますね」
ナミが現状の整理をするとブルックが補足を入れる。そこに俺はひとつ提案する。
「その前にやっておくことがある」
「やっておくこと?」
「今は追手が来ていないけどそれも一時的なだけですぐに俺達に追い付くだろう。その前に不安要素の鏡を全て割る」
「えっ!?鏡を全て!?」
「ああ、向こうにはブリュレがいる。船内の鏡から火矢でも射たれたら堪ったもんじゃない。だから追手が来る前に割る必要がある」
船内の鏡を全て割ると言うとナミを含め皆が驚く。なので割る必要性を説明すると納得してもらった。
でも、ブルックがひとつ懸念をあげる。
「でも、そうなるとルフィさんが帰ってこれなくなるのでは?」
「安心してくれ。既に対策は打ってある」
そういい俺はポーチから
「な~にそれ?」
「これは
「なるほど……確かに今から最速で向かってもそれぐらいに着きそうね。カカオ島ではサンジくんがケーキを作ってる。上手く合流できればそのまま逃げられる」
「流石アルガさん!抜け目がない!」
「ほう、やるのう」
「うへへ、そんな褒められるとテレる」
ホントは原作知識を使っただけだけど。でも、これにはひとつ不安要素がある。
「ただ、問題があるとするなら……ルフィが予定より早くカタクリを倒してしまう可能性だな」
「何でだ?早く倒す分には問題ねェんじゃ?」
「ルフィの事だ。倒した後素直に指定時間までじっとしてるハズがない。最悪のケースとして敵陣がカカオ島で待ち伏せしてたらそのまま連戦なんて事は十分あり得る。そうなると流石のルフィでもキツイかもな」
「あ~~……あり得る」
疑問に思ったチョッパーに説明すると苦い顔で納得する。他の皆も深いため息を吐いてうんうんと頷いた。
「ルフィですもの……」
「ルフィさんですもんねー」
「ルフィ君の性格はわしももう理解しとる」
「麦わらは一度動くと止まらないわよね」
「ルフィはいつも元気いっぱいだもんね♪」
「それが問題だと言っているんだキャロット……」
満場一致じゃないか。
そうなんだよなァー。だからカカオ島が見えた時点で俺が直接向かった方がいい気もするんだよな。ヘタするとサンジとすれ違う可能性もあるし。
それだけ、ルフィの実力は分かっているつもりだ。確かにカタクリは強敵だ。苦戦もするだろう。
だが、現時点でルフィの覇気は───原作を超えている。
そもそも麦わらも鬼の戦漢も一度は我々に捕まってしまう程度の男。底は知れている。
そう、底が知れていた筈だった。なのに───
「あ!まただ!麦わらの奴またカタクリ様の攻撃を躱しやがった!?」
「どうなってやがる!?あのお方は三将星最強の男!未来をも見透し常の先手を打つお方!!」
「なのに……何故あいつは互角に渡り合っているんだァ!!?」
戦いに巻き込まれないように後方でおれの戦闘を見ている者は開いた口が塞がらない程に驚いていた。
おれも会場では同じ反応だった。だが、潔く認めようじゃないか。クラッカーを倒したその実力。おれと同じ
コイツは……おれと同格の存在だ。
「”モチ
「フン! 」
必要最低限の動きで体をのけ反り上げた片足を器用に回転する槍"
まただ。またいなされた。
奴の行動先は"見聞色"で未来を見て把握している。にも拘らずこうもおれの攻撃を捌かれてしまうとは……。
だが、それは此方とて同じこと。
「”ゴムゴムの~~
目にも止まらない超速の拳が幾重にも飛んでくるが、"見聞色"で先読みし当たる直前に体を変形させ素通りさせた。
「くそ!やっぱ当たらねェか。未来が見える奴と戦うのアルガとレイリー以外じゃ初めてだ」
「おれも同じだ」
未来が見える敵ってのは、こうも煩わしさを感じるものなのか。なかなか攻撃が当たらない。
「ストレスだ」
「ししし!わかる、おれも最初はそうだった」
「なに?」
「そーだよなー。未来で次の動きが見えてんのにアルガもおれの攻撃を避けたり止められたりしてよー。でも、まあ……」
さっき突き立てた槍を踏み台に麦わらはおれの腹のど真ん中に飛びかかると既に伸ばしきっていた腕に"武装色"を纏わせた。
「だから、お前みたいに攻撃を見透す奴の対処にも慣れちまった。”ゴムゴムの~~,,!!」
烈火のごとく燃え盛る拳を振り抜いた。
「”
「───ッ!!」
来る!だが、慌てるな。奴の攻撃は見えている。それに合わせてまた体を変形させて攻撃をすり抜───
「”
「グァアアッ!?」
拳がすり抜けた直後、拳こそ当たらなかったがそれを纏う炎の火力が上がりおれの身を焦がした。
「お~、上手く行った」
熱い!何だこれは!?こんな攻撃未来じゃ見えなかったぞ……。
「未来視レベルの"見聞色"を使える奴同士での戦い方は主に4つある。分かってても対処できない攻撃するか、動揺を誘うか、常に直感と思いつきで戦うか……相手よりも先の未来を見透すかだ」
「ベラベラと……。一発入っただけで調子に乗るなっ!」
「お前は強ェよ。でも、こればっかしは経験の差だな。因みにおれは今の中だと3番目が得意だ。アルガは2番と4番目」
麦わらの話を一通り聞きコイツらの危険度を再認識する。
麦わらの他にも未来を読める奴がいるなんて……。それに、奴の口振りからして鬼の戦漢の実力は少なくとも麦わらに並ぶ戦闘力。全く、嫌になる。
やはり、オーブンが連れてきたあの時に囮に使おうとせず即座に始末するべきだった。
となると向こうも心配になる。流石にあの攻撃でママが倒されることはないが他は違う。アレをまともに受けられる奴はウチにはいない。
あの一撃を間近で見ていたおれは背筋が凍ってしまった。おれでさえアレを食らえば間違いなく無事では済まない
あの威力は「四皇」に迫るモノだった。
姉弟達が心配だ。早くコイツを倒して後を追わねば。
「お兄ちゃん!そんな奴さっさとやっつけてよ!!」
「ブリュレ」
「枝」
「ブリュレだよォ!!!今お兄ちゃんが名前言ったのに間違えてんじゃないよ!!」
殴られないように安全を期して鏡の中から妹が煽るように叫ぶ。
「アンタじゃ決してお兄ちゃんには敵わない!!大人しくやられちまいなァ!!!」
「何だとォ~!!」
「いいかい麦わら!お兄ちゃんはね!シャーロット家の最高傑作!!産まれてこの方一度も地に背をつけたことのない"超人"なのよ!!!」
「よせブリュレ……」
麦わらの戦意を削ごうとブリュレはおれについて語りだすがその言葉に少し罪悪感を抱いてしまい妹を宥める。
だがスマン。毎日モチの社で寝そべりながらドーナツを食べているんだ。
「うるせェ枝!!黙ってろ!!」
「何をォ~!!」
妹へ心の中で謝罪していると麦わらは対抗するように宣言した。
「相手が超人だろうが関係ねェ。おれは海賊王になる男だ!!!!」
…………ッ!
「フン!お前がどうのたまおうが未来は変わらない!!さっさとやっちゃってねお兄ちゃん!!!」
そう言い残し鏡の中にいたブリュレは姿を消した。そして、おれは妹に返答せず小さく呟いた。
「海賊王、か……」
「ん?」
たとえ勢いで口走ったとしても……今の言葉は頂けないな。実力は認める。コイツは強い。
だが、それとこれは別だ。
「この島でそれを口にしていい者は、一人しかいない。その傲慢、万死に値する!」
おれは無双ドーナツで左右からドーナツ状の餅を出現させるとその穴から餅の腕を作り出した。
「貴様の強さは理解した。だが、それでおれに勝てる道理にはならない。貴様との戦いをさっさと終わらせて他の連中も葬り去るとしよう」
「こんなところで終わる気はねェよ。お前をブッ飛ばして……おれはこの国を出る!!!」
「それが傲慢だと、言っている!!!」
麦わらは懐に仕舞っていた貝を取り出し少し見つめた後再び仕舞う。そして、決意を固めた顔になると腕に"武装色"を纏わせ噛みつき空気を入れようとする。
今のは戦いの序盤で耳に当てていた貝か?あれが何なのかは分からないが今は戦いに集中だ。
……バウンドマン?ほう、面白い技だ。だが───
「”ギア
「”
"見聞色"で奴がパワーアップする未来が見えたためその前に餅の腕で殴り飛ばし阻止した。
「みえみえの強化を敵が黙って見ているとでも?」
「ぐ、クソ!なら距離をとって───ッ!?何だ!?足場が!!?」
「”
能力の覚醒。それは自身の能力を周囲にも影響させる力。それにより麦わらの足場をモチに変え身動きを止めた。
その隙に奴の周囲の地面や壁を変形させ餅の触手を作り出す。そして、先端に武装色の覇気を纏わせた複数の触手が奴の頭上目掛けて降り注ぐように攻撃する。
「”
「なめ……んなァ!!”ゴムゴムの
不安定な体勢でも抵抗しようと次々に襲いかかる触手を撃ち落とす麦わらだったが……無駄だ。
「幾ら未来が見えようと上回る物量の前には無力。己の無力さを嘆き潰れろォ!!!」
「グオァァアアアアッ!!?」
数秒後、奴の抵抗はむなしく散り何十を超える触手が奴に直撃するのだった。
「対処できない攻撃をする、だったか?ありがたく参考にさせてもらった」
「ウォオオオオ!!!カタクリ様が麦わらを倒したァ~!!」
「流石カタクリ兄さん!!」
勝負が着き遠くで見ていた兵士や妹弟達が喝采の声を上げる。
とはいえおれもかなり消耗してしまった。デザートの時間もだいぶ過ぎてる。一度
───ゾクゥ!
「───ッ!!?……呆れた生命力だ」
「ウオオオオオオッ!!!」
『ギャァアアアア!!?麦わらの奴まだ生きてたァ~~!!?』
完全に勝利気分でウキウキしていた者達は元気よく立ち上がる麦わらを見て驚愕しこの場から逃走した。
「イテテ……今のは効いたァ~」
「今のを食らってまだ立てるか……しぶといな」
「まあ、何てことねーよ。しっかし”ギア4,,になる前に止められるなんて……」
さっきの攻撃を何てことない呼ばわりに少しカチンときたが、戦況はこちらに軍杯が上がる。冷静に対処しよう。
こんな事で心を乱すとはおれもまだまだだ。早くドーナツを食べたい。
「ああ、会場で一度見たからな。あれは厄介だ。故に変身はさせない。これで貴様の切札は封じた。だからもう諦めて……」
「でも」
「ん?」
これ以上の戦いは無駄だと言い奴に降参を勧めるが……その眼には一切の諦めがなかった。
「悪いが……それは対策済みだ!」
「何だと……?」
「修行してた頃な。”ギア4,,をする前に叩く。アルガもよくやってた戦法だった。だからおれも特訓したんだ」
「……ッ!ああ、それは全くもって面倒だ」
未来を読み奴の次の言葉を知るとおれはついワンテンポ先に小言を漏らしてしまう。そして、わかっていても止めなければならないおれは未来通りに攻撃を仕掛けた。
「”ギア4,,のコントロールを───ちょっと”ギア4,,!!!」
「”
そうしなければ……より悪い未来に繋がってしまうから。
「”ゴムゴムのォ~
片腕だけを変身させる事で時間を短縮しおれの攻撃に合わせて拳を繰り出した。ぶつかり合う拳だったが……あまりの威力に押し負けてしまう。
「グオ……ォッ!?──フン!!」
吹き飛ばされてしまったおれだったが、倒れる直前に頭で地面を叩く。それにより勢いを殺してバク宙で体勢を整えると背中から倒れることなく足から着地した。
戦いにおいて、決して地面に背中は付けん。
しかし、そうしている間に奴は変身を済ませていた。
「”ギア4,,「
「油断した。まさかあんな戦い方をするとは……」
「ああ、アルガも最初は驚いてた。「え?それ小出しできんの!?」ってな。あん時のアイツの顔ウケたな~」
あっけらかんと笑うがおれの方は笑えない。唯一警戒していた奴の変身を許してしまったのだから。
「…………」
だが、何故だろう。無性に胸の鼓動が高鳴る。ここまで戦える相手は初めてだからか?
「ん?何だよ!」
「別に、ただ……」
おれと対等に戦える敵と出会う笑えない状況。なのにおれは奴との戦いを確かに楽しんでいた。笑っていた。
「お前をひとりの敵として……本気で勝ちに行きたくなった」
「そうか、おれも同じだ!覚悟しろよ。こっから勝ちに行く───カタクリィ!!!」
「いいだろう。貴様の全てを捩じ伏せる。来い───麦わらァ!!!」
───ボッ!!!バリバリバリィ!
そうしてお互いの気迫が"覇王色"となって激しくぶつかり合う。もし、さっきの者達がここにいたら皆泡を吹いて倒れていただろう。
今ここには奴とおれだけ。気にする必要がなくなったお陰で戦いに集中できそうだ。
「無双ドーナツ!!!」
「”ゴムゴムのォ~~,,!!!」
同時に地面を蹴ると一気にお互いの距離が縮まる。そして、両者の握り締めた拳を振り抜いた。
「”
「”
一歩も譲らないラッシュの応戦。どちらも退くどころか前へ前へと前進した。
「ウオオオオオオ!!!」
「ハアアアアアア!!!」
にじり寄る度にラッシュの勢いは増していく。そして───
「お前はおれが───」
「貴様はおれが───」
「「ブッ倒す!!!!」」
ルフィがカタクリと戦っている間、こちらも状況が変化していた。艦隊率いる舌長とビッグ・マムに追い付かれてしまう。
一度はビッグ・マムの産み出した高波に飲まれるもジンベエの操舵技術により乗りきるが再び追い付かれると今度は前方にも艦隊が現れ挟み撃ちにあってしまう。
しかし、時刻は既に夜。綺麗な満月を見たキャロットとペドロは”
そして、舵輪を破壊する事で次々と船の機動力を奪う活躍を見てブルックと俺も参戦する事にした。
「ヨホホ、舵輪を壊すとは名案ですねェ。微力ながら助太刀します!」
「俺も行くよ。ちょうど仕返ししたい奴がひとり」
「また敵が来たぞ!!迎え撃てェ!!!」
ブルックは海の上を走り、俺は空を飛んで艦隊へと突っ込んだ。俺達に気づき大砲や銃を撃とうとするがブルックがバイオリンを弾き眠らせる。
眠っている内に舵輪を斬り舵を取れなくすると同じように隣の船に跳び移っていった。
「さっすがブルック。さてさて俺は~っと……お!いた!」
俺は周囲を見渡すと目的の人物を見つける。そいつはキャロットに向かって攻撃していた。
「おのれペドロに子ウサギめェ~!!真っ二つにしてくれる!!!行け!!魔人!!!」
「来るぞキャロット!!気を付けろ!!」
「”
ペドロの声を聞きキャロットは頭上に現れた魔人に襲われる。魔人が薙刀を振り下ろす直前に俺がキャロットの前へと立ち塞がった。
───ガキィィイイイン!!!
「何っ!?魔人の一撃を受け止めやがった!!」
「アルガ!?」
「キャロット、コイツの相手は俺がする。借りがあるんだ」
「わかった~♪」
剣で薙刀を受け止めダイフクが驚く中、キャロットにコイツの相手を譲ってもらった。承諾した後キャロットは次の船へと向かっていった。
「おのれ逃がすか!!」
「おいおい、俺を無視すんじゃねェよ。ちっと相手してくれや!!」
「チィ!こざかしい!!てめェは一度おれ達にやられてんじゃねェか。また痛い目に遭いたいか?」
「逆に聞くがお前とカタクリ舌長短気野郎の4人がかりで倒した相手にお前ひとりで倒せるとでも?」
「ッ!!舐めるなァアア!!!」
何でコイツらってこうも煽り耐性が低いんだろうね。「四皇」だからってプライドが高過ぎるのは問題だね~。プークスクスw
「今度はもっと強い攻撃で来いよォ~?じゃないと俺は倒せんぞォ~w」
「言われなくとも!!やれ、魔人!!!」
「”
「せっかくのリベンジマッチだが……」
ダイフクは激昂し魔人の標的を俺に変える。そして、あえて煽ることでさっきよりも力を込めて振り上げられた薙刀を見てほくそ笑む。
俺はポーチから貝を取り出し"
「”
「この後の事を考えると力は温存しときたいんで──」
───ヒュン
「なるべく
「は?てめェ今、何をした……!?」
振り下ろされた薙刀に手をかざすと勢いが止まり魔人の攻撃は通らなかった。まるで攻撃を中断されたような不自然な光景にダイフクは困惑する。
そんな隙だらけな奴に俺は接近し今受け止めた手をダイフクの腹に添えた。
そして……。
「”
「ガハァアア!!?」
魔人の斬撃をそのままダイフクに食らわせると腹から血飛沫が舞い吐血した。
「さすが魔人!中々に強烈な一撃だったな!」
「待……て……!逃がして、たまる……かァ!」
「へー、主力のひとりなだけはあるが……お前、手が止まってんぞ?」
「ッ!!」
俺の忠告にダイフクは魔人が消えている事に気づく。
コイツの能力は擦り続けないとあの魔人は出てこれない。だから攻撃を受けて手が止まれば魔人は消滅してしまう。
だがまあ、自分の攻撃でやられるのは不憫すぎるか。そんなワケでトドメの一撃。
「”
「オ"ォ……!!?チク……ショ……ゥ」
蒼い鬼火と"武装色"を纏わせた後ろ回し蹴り。一瞬にして蹴り飛ばされたダイフクは腹を焦がし数隻先の船に落下しピクピクと体が痙攣していた。
舌長同様コイツも今の一発じゃ倒せないだろうが時間がないし今回はこのぐらいにしとくか。
「これで舌長に続きコスコスハゲにも借りは返せたな」
俺は育ちが悪いんでね。やられたら分はキッチリ利子付けて返すのだ。
カタクリはルフィに任せるとして残りは頭オーブン野郎だな。
「それにしても……」
久しぶりに実戦で"
……ん?何かどこからか「そんな便利なら普段から使えよ」みたいな声が聞こえた気がするが言い訳させて欲しい。
普段、俺は"
だから、これは今回みたく力を温存したい時や私生活で使っている。はい、言い訳終わり!
「よし、他の皆は……お!」
既にほとんど無力化されており舵の利かなくなった船はみるみる波に流されていた。これなら十分逃げられそうだ。
キャロットは疲れてしまったのかブルックに抱えられぐったりしていた。ペドロもサニー号へ向かっており俺も一緒に戻ることにした。
それにしてもペドロの”月の獅子,,化は原作でも見たことなかったからわからなかったけど……めちゃくちゃカッコいいな!
「皆おかえり~!!キャロットもペドロもスゴかったわ!お陰で逃げられそうだわ!!」
「エヘヘ~……それならよかったァ……」
「キャロット、お前は中で休んでいろ。後は我々で何とかする」
「うん、ありがとうペドロ……」
疲労しぐったりするキャロットはそういい船内へ移動させ休ませた。道も開きこのままカカオ島へ向かおうとしたその時……後ろから奴がやって来た。
「ウェディングゥゥウウウ!!!ケェェエエエキィィイイイ!!!!」
ズシィン!とサニー号に乗り込み最大の敵が現れ場の皆は戦慄する。そして、先程までとは違うその禍々しい姿に息を飲んだ。
「ビッグ・マム……!!?」
「何だか痩せてません!?」
「何と言う飢えた姿……。あれはわしでも見たことがない」
そして、息を飲んだのは俺も同じだった。
「来るとわかっていても、こうも違うのか」
本で見たモノと現実で見たモノとではまるで違う。空気が重い……この圧倒的な威圧感に飲まれてしまいそうだ。
やれるか?さっきは見栄張って最大火力でビッグ・マムをぶっ飛ばしたが……。
実は茶会の時に無茶苦茶したせいなのか体力がだいぶ消耗していた。なので”流桜武神,,はもう使えない。
はたして、今の状態でどこまで持つか……。
「アルガ君!あの時みたくビッグ・マムを殴り飛ばせんか?」
「ゴメン、あれはかなり体力を消耗するからもう使えない。でも……」
「何か策が?」
「ああ、ナミ!ブルック!頼みがある!」
俺はナミとブルックに向けて叫ぶと向こうも気づき此方を見る。
「何とかして船から追い出すからアイツの機動力を断ってくれ。魂を斬れるブルックと雷を操れるナミならやれるだろ?」
「ッ!そういう……ええ、了解しました!」
「任せて頂戴!!」
俺の意図に察した二人は頷くと持ち場に就く。よし、後はあの巨体を出すだけなんだが……”降霊・呼憑き,,でやれるか?
巨人族でもぶっ飛ばせる力はあるが何せ相手は四皇。上手くいかなきゃ……ッ!?
「ケーキをォ!!寄越しなァアアアア!!!」
「うおっ!?ヤッバ……ッ!!」
長時間の食い患いにより痩せこけたビッグ・マムがおもむろに俺に向かって手をのばす。咄嗟のことで武器を構える暇がなく素手で対応する。
「”
「……ッ!」
両腕に"武装色"を纏いビッグ・マムの手を受け流す。左右下じゃダメだ!船を破壊されてしまう!上に払い除けるようにして……ッ!!
「ンォラァアア!!」
「んあ?」
「……ほう」
上手いこと頭すれすれでビッグ・マムの手から逃れる。それによりバランスを崩したビッグ・マムは腑抜けた声が漏れジンベエが何やら興味深くこちらを見ていた。
「うおっとと!ガキが……おイタすんじゃねェよ!!」
今後は握り拳を振り上げて俺を見下ろす。あの拳を振り下ろされたら船の底まで穴が開きかねない。
もうやるしかねェ!
「”
「おや?何だい眩しいね?変身したり光ったり……曲芸師かてめェはよォ!!!」
拳を振り下ろそうとするもそれよりも速く床を蹴り跳躍する。あまりの速さに目を追えずビッグ・マムの視線が俺に向く時には奴の拳を殴って殴打を中断させた。
「”
「チッ!すばしっこいハエだねェ。真っ二つにしてやるよ!!”
「ああ、そうさ。パワーの"
それに”降霊・呼憑き,,なら武器も扱えるしなァ!
俺は空中で踏み込むと一気にビッグ・マムの首めがけて駆け抜けた。
「”
「”
神速の居合抜刀。俺が通過した瞬間奴の首に一筋のメリ込み跡が残る。喉への衝撃に思わずえずくビッグ・マム。
「オエッ、おれの首を狙うたァいい度胸だ。ケホッ」
「今ので斬りキズなしとかマジで硬すぎんだろ」
使ってんのは木刀じゃないんだぞ。分かってはいたが防御力バグり過ぎだろ。
「だったら、効くまで攻撃あるのみ!!桜木二刀流!!」
「ンン~?」
俺は二本目の刀を抜きビッグ・マムに突撃し怒涛の剣術ラッシュを繰り出した。
「”
「グ、オォッ!?」
「”
「ガッ!!」
「”
「アバ!」
「”
「ヌッ!ウゥ!」
「桜木二刀流奥義!!!」
「”
どれも並の威力ではない俺の剣技を全て真正面から受けたビッグ・マム。最後に至っては渾身の技だ。
流石に無傷では───
「……いつまで付き合わせる気だい?ガキのチャンバラごっこに」
「嘘、だろ……」
まるでダメージが通った様子がない。ちっとは痛がれよ。自信失くすぞ?
いや、でも流石にコレはおかしい。かりにも内部破壊の"武装色"も使ってたんだぞ?それで無傷ってのは幾らなんでも……。
「2回だ」
「は?2回?何の話だ?」
唐突に呟くビッグ・マムに思わず聞き返す。
「おれがお前に吹っ飛ばされた回数さ。1回目は茶会で。そして、2回目は海岸で……不覚にもあの時は驚いた。何十年振りかの痛みになァ」
プロメテウスで燃え盛っていた髪のように目も闘志に燃えていた。いや、実際に燃えている。
あの姿、どこかで……。
「てめェはムカつくが認めているんだぜ?だから光栄に思いな。このおれが自身の
「……ッ!!そうか、やけに硬すぎだと思ったらそういう事かよっ」
合点が行った。コイツ、ここに来る前に自分の寿命を使って強化してやがったんだ。原作のキッドとトラ男さんの最終戦のように……。
…………いや、大人気なさすぎだろ!?俺ひとり相手に命削ってまで戦ってたん!?殺意マシマシじゃねェか!!
「てめェは一人の敵として、おれが直々に相手して殺してやるよォオオ!!!」
「グッ!アレだけ食らってまるで怯まねェ!なら違う武器で!!」
俺は刀をしまい金棒を掴むと覇気を纏い思いっきし振り抜いた。
「”
「ッ!?この技は……!!」
ズドォン!を重い音が響き直撃するもビッグ・マムはただ呆然と立ち尽くしていた。おいおいおい!これでもダメなのかよ!?
「おい」
「ぐあ!しまっ……!?」
俺の技がことごとく通用せず本格的に焦ってしまうとその一瞬の隙に大きな手が俺の胴体を掴みあげてしまう。
ギュウゥゥ!と強い握力に俺の肋骨がミシミシと軋み悲痛な声をあげると周りから心配の声が聞こえる。
「ガァァア!?」
「アルガッ!!?」
「つくづくてめェには驚かされる。おい、その技どこで覚えた?」
「わ、技……?」
「ああそうさ、その技はてめェみたいなガキが使っていい技じゃねェんだよ!!!」
「ガッ!ア、アァァアアア!!?」
ヤバい!ホントに折れそう。骨だけじゃない。圧迫されて内蔵が破裂しそうだ。も、もう……。
「”
「ッ!!?」
「ギャーーー!!!あち!!あち!!畜生!水が急に!!」
「ジンベエさん!!」
突如上から大量の海水が降ってきた。それによりビッグ・マムの頭を燃やしていたプロメテウスが苦しみ思わずマムの頭から離れる。
ビッグ・マムも突然の事に動揺し握力が緩んでしまう。その隙に何とか手から抜け出した。
「大丈夫か?すまぬ、助けるのが遅れた」
「いや、そんなことないよ。ありがとうジンベエ。助かった」
「ジンベエ……邪魔しやがってェ!!」
今のでキレたビッグ・マムは拳を握るとバリバリ!と黒い稲妻が迸る。それを見た時ただの"武装色"でないことが分かるとブワッと嫌な汗が流れた。
いや待てそれって"覇王色"も……!!?
「まあ、いいさ。二人まとめてブッ潰れちまいな!!!」
「ジンベエ!!アレは不味い!!早く逃げて……ぐっ!」
「アルガ!!く、やるしかあるまい……来い!!!」
立ち上がろうとした時、さっき握られたダメージが俺を襲い思わず膠着してしまう。それを見たジンベエは俺が避けられないのを察すると覚悟を決め受けの構えを取る。
「”
「待て!!無茶だ!!!」
「ハッハ~~~~!!!」
───ドッ!!!!バリバリバリィィィ!!!
俺の制止の声も虚しくビッグ・マムの強烈な一撃の前に掻き消されてしまう。周囲に黒い稲妻が駆け巡りまるで台風を前にしているかのように強風が襲う。
「グッ!ヌゥゥウウウ!!!」
そんな中、ジンベエはひたすら耐え続ける。そして───
「おや、驚いた。今のを耐えるかい。二人まとめて殺すつもりだったのに」
「ハァハァ!グッ!ア"ァ"ア"ッ……」
「ジンベエ!!?」
すぐにジンベエに駆け寄り腕を見ると片腕が酷く腫れており下手をすれば折れている可能性も高い。とてもじゃないが戦える状態ではなかった。
「ヒドイ痣だ!?早くチョッパーに診てもらわないと!」
これではまともに戦えない。それはつまり、もうジンベエは原作通りにビッグ・マムをぶっ飛ばすことができなくなってしまったと言うことだ。
「俺の……せいでっ!!」
「気にするな。今のを片腕の犠牲で済んだんじゃ。安い代償じゃわい」
「でも!!」
「まあ、聞けい。それだけの価値をお前さんから感じ取ったんじゃ」
「え……?」
「つまりこの戦い、わしはアルガに賭けたんじゃ」
ジンベエが脂汗を流しながら小さく笑い俺に尋ねてきた。
「時にアルガ君ひとつ聞きたいんじゃが、ハックと言う魚人を覚えておるか?」
「え?ハックさん?そりゃまあ……一応体術の先生だったし」
「実はハックとは古い友人でのう。今でもたまに連絡を取り合うんじゃ。そこではいつもお前さんの話をしておった」
「ん?」
何故ここでハックさんの名が?と話が見えず首を傾けるがジンベエは語り続ける。
「そこでじゃ、あやつがそこまで気にかけるお前さんの可能性を……わしにも見せてくれ」
「へ?それってどういう……」
「構えと技術はこれまでの戦いを見てきて問題はなかった。ならば後は実戦あるのみ。前方にはおあつらえ向きの強敵もおる」
「あの~?ジンベエ……さん?」
構え?技術?実戦??いったい何を……。
「お前さんにはこれから───魚人空手の真髄を伝授する」
「…………?……??…………ン"ン"ン"ン"!!!?」
唐突な申し出に思わず驚愕した。
へあ!?魚人空手!?誰が!?俺が!!?
「む、無理無理!無理だって!?だって俺覚えきれなかったから今の我流になってる訳だし!!」
「それも聞いておる。じゃが、今のお前さんになら使えるハズじゃ」
「何を根拠に!?」
「強いて言えば……そうじゃな。気が散る要素がここにはいないから……とか」
「気が散る要素?」
ちょっと曖昧な言い回しに疑問を覚えるがジンベエは「とにかく!」と説明を強行した。
「初めての戦い方で戸惑うだろうがわしがサポートする。じゃからお前さんはドンと構えて戦えばよい」
「でも……」
「それとも、ここで終わる気か?」
「───ッ!!」
ジンベエの一言でハッとすると真っ直ぐな瞳で俺を見つめる。
「別に無理にとは言わん。じゃが、現状奴と真っ向から戦えるのはもうオヌシしかおらん。ならばやるしかあるまい。力とは実戦でこそ開花する。お前さんのその半端な武術を一流に変える手伝いをわしにさせてくれんか?」
「ジンベエ……」
俺はハックさんにあれだけ親切に付きっきりで指導してもらったのに水の真髄を身につけられなくて罪悪感を覚えていた。
だから、無意識に苦手意識があったのかもしれない。でも、ジンベエにここまで言われて……踏み止まる理由なんてあるのかよ。
……ねーわな。
「ジンベエ」
「ウム」
「俺の武術が半端だって?」
「そうじゃ。本当のことを言ったまでじゃが……悔しいか?」
「ああ」
「フフ、そうか悔しいか」
「うん悔しい。だからジンベエ」
分かりやすい挑発に乗った俺は不敵に笑いジンベエに頼み込んだ。
「俺に、魚人空手を教えてください」
「よかろう!」
ぶっつけ本番の実戦指導。上等だ、ここで魚人空手を習得して更に強くなってやろうじゃないか。
内部破壊の"武装色"に加え、大気中の水から体内の水へ衝撃の波動が駆け抜ける魚人空手が合わさればいくら硬い皮膚を持つビッグ・マムでもきっと攻撃が通るハズ……!!
「ベラベラと随分余裕だねェ…。茶番はもういいかい?さっさと殺しちまいたいよ」
ビッグ・マムの声が聞こえ振り向くと今にも殺されそうなプレッシャーが全身に浴びる。
「殺したい、ねェ……」
小さく呟くと俺はビッグ・マムの殺害予告に対し……。
「ハッw」
「ア"ア"?」
鼻で嗤ってやった。
「悪いなビッグ・マム。おあいにく俺はまだ死ねないんだわ」
俺は身軽になるために武器を全て外す。そして、軽く準備運動をすると張り切って構える。ゾウでの約束を思い出して……。
『生きてアルガ』
「約束したからな」
どうも皆さんもしロマです!
46話をご覧くださりありがとうございます!
そして、長らく投稿できずすみませんでした。次回はもっと早く投稿したいと思います!WCI編も次回で終わる予定なので楽しみにお待ちしてくれると嬉しいです!
では、また会いましょうでわでわ~!( ´ ▽ ` )ノシ