あなたにもう一度毛布をかけるため 作:もしも=ロマンの可能性だよねッ!
ンアアアアアアアア!!!今朝のアニワンのマァ~~ガレットちゅわァ~~ん!!可愛いぃいい!!!凛々しいぃぃいい!!!!♡♡♡
おいS-ホークゥウ!!何やってんだお前ェ!!!!
…………あ、それと今回の話はONE PIECEでもかなり最新のネタバレを含みます。まだ、エッグヘッド編をお読みでない方は先に原作を見てからご覧を勧めます。スン
それでは続きをどうぞ( ´ ▽ ` )つ
聖地マリージョア。ここには世界で最も偉いとされている世界貴族「天竜人」が住んでいる。
そして、そこにいる奴隷達は劣悪な環境下で日々道具のように働かされていた。
「グズグズするなえっ。このノロマめ!」
「グッ!申し訳ありません」
天竜人に荷物を運ぶのが遅いと叱られハンマーで叩かれる。しかし、顔をしかめることは許されないので無理矢理口角を上げ引きつった笑みをする。
……いや、明らかに道具以下の扱いだろ。
訂正。道具以下の扱いを受けていた。
俺は聖地マリージョアに連れていかれると再び馴染みのある手錠と首輪を嵌められまた奴隷としてコキ使われていた。
そんな生活も気付けば1年が経過している。それでも、俺はめげずにマリージョアで行動していた。
全てはあの人……ジニーを救い出すために。
そんなある日、1年以上かけて探していた俺はついに見つけることができた。
「え、あれって……まさかっ!」
空は快晴、心地いい風が花を優しく揺らすこの空間。マリージョアにいくつも整備されている綺麗な花の庭園。彼女はそこにいた。
天竜人に連れ去られ身籠り最期は子を抱えひとり寂しく逝ってしまったあの───。
「ジニー」
綺麗な衣装に身を包み首には特別製の首輪を嵌められているその女性……ジニーは暗い顔をしながら道を歩いていた。
俺に気付いたのか暗い顔は消え俺の方へ歩いてきた。
「あれ~~?キミこんなところでどうしたの?見たところ奴隷だよね?ダメだよ主人のところに居なきゃ」
「えっ!あ、ええっと……」
探していたとは言え突然現れた原作キャラを前にし俺はテンパってしまう。
いや、えっ!どうしよう!?探すことに必死になり過ぎて会ってから何を言えばいいのか全く考えてなかった!!てか、奴隷の俺が口を聞いて言いいいのか!?
アワフタしてるとジニーの方から話かける。
「あ、ウチが天竜人の妻だから不用意に口が開かない感じ?うんうん、その年で奴隷の身分を理解しているとはキミは中々に利口だねっ」
「…………え?」
俺はジニーの言葉に一瞬だけ思考が止まってしまった。
…………は?今、なんて言ったこの人……。俺が知ってるジニーは口が悪くとも貧富を気にせず平等で芯の強い人だったハズだ。だが、今のはまるで奴隷がいることを特に気にしていない奴の台詞じゃないか……。
『おーーい。くまちー!帰ってきたよ!
前世で読んだジニーの台詞を思い出す。
この一言で多くの読者がジニーの受けた仕打ちを考察していた。あんなに正義感の強い人がナチュラルに下界と言ったのだ。それを踏まえ連れ去られた2年間で人間から天竜人の思考に塗り替えられてしまった彼女の身にいったい何が起こったのだろう。
だけど待ってほしい。俺の記憶が確かならジニーが妻として連れ去られたのは去年のハズ……。つまり、まだ追放される2年間の半分しか経っていない。
たった1年で人はこんなにも変わってしまうのだろうか?いや、
俺は考えれば考えるほど恐くなってしまいまともに彼女の顔を見ることができなかった。
「ありゃ、無駄に恐がらせちゃったかな?ごめんね。まともに話せる人がいなくてつい話しかけちゃったんだ」
「あ、いえ……」
ジニーはそういって再び歩き始める。
「あ、あのっ!」
「……?なァに?」
その場を去ろうとしたジニーを咄嗟にとめてしまった俺はひとつだけ聞いてみることにした。
「行きたい場所って……ありますか?」
「行きたい場所……?」
「はい」
「え~~、そうだな~。ここは下界と違って空気が清んでるし料理は豪華で美味しいし良いことずくめだからな~~」
自分の元居た場所を比較的する発言に何の躊躇もない様子に眉を寄せる俺だったが「でもね」と続けた彼女の目は人間味を帯びていた。
「戻りたい場所なら……あるかな……」
「戻りたい場所……ですか」
「うん。もう戻ることができない……ウチの大好きだった居場所に……」
「そうですか。お答えしてもらいありがとうございます」
「フフ、大丈夫だよ。それじゃそろそろウチは行くよ」
お別れを告げる彼女に対し俺は最後に一言。
「決して……負けないでください」
「……何に対してか分からないけど……ありがとね」
彼女はそういうと今度こそ歩きだしこの場を後にした。その時見た彼女の顔は間違いなく人をゴミのように見下す天竜人ではなく、一人の人間の顔をしていた。
俺はそんな彼女を見て一筋の希望を見出だす。
まだ、ジニーの心は死んでいない……まだ間に合う!
正直もう見つからないのかとヒヤヒヤしたが今日をきっかけに計画を経てるとしよう。まずはジニーの住んでいる所を調べなければ。
大丈夫すぐ見つけられる。
ジニーと初めて会った日から数日後、その深夜に俺は作戦を始める。
「いよいよだな。今夜で全てが決まる……。覚悟を決めろ」
瞳を閉じ心を落ち着かせる。ここで産まれてからトラウマでしかないこの地獄はいわば乗り越えなければならない壁。もう、ここにいる必要はない……
バクバクなっていた心臓の音は徐々に穏になり俺は息を吐く。
「よし、いくかっ」
見ててくれよ。父さん。母さん。
──グシャ!ビュッ!…………ピピピドゴォォォオオン!!!
「なんだ!!何の爆発だ!!?」
「火の移りが早い!消火を急げ!増援を呼ぶんだ!!」
「畜生!いったい誰の仕業だ!!」
まだ日も落ち月光が地上を照らす時間帯。そんな時間に突如謎の爆発が起きる。近くにいた衛兵達は何事かと慌てて駆けつけると先程の爆発で近くの草木が燃え始める。
そんな不足の事態に衛兵達は増援を呼び掛け早急に消火の準備に取りかかった。
しかし、爆発はこれだけでは終わらなかった。
──ピピピドゴォォォオオン!!!
──ピピピドゴォォォオオン!!!
──ピピピドゴォォォオオン!!!
「なっ!?また爆発だと!!?」
「なんだァ!いったい何が起こっているんだァ!!」
「クソッ!我々だけでは火が消せん!応援を呼べ!」
最初の爆発をきっかけに次々と至る所で爆発が起き始めた。衛兵達は消火を急ごうとするが事態はさらに悪化する。
「グハッ!?」
「どうした!!……っ!?お、お前らは奴隷共!こんなことをしてただで済むと……なっ!?」
「へへへ。おれ達がどうなるって?」
なんと茂みから現れたのは天竜人の奴隷達。衛兵達はすぐに制圧しようとするが異変に気づく。
そう、無いのだ。奴隷達に付けられているハズの爆破装置の着いた首輪が。それに気づいた時には遅く首輪で大人しくしていた奴隷達は報復といわんばかりに衛兵達に襲いかかった。
「ギャハハハハ!首輪が無けりゃあこっちのもんだ!今までの礼をたっぷりしてやるぜ!」
「ウワァアアアアッ!?」
事態は阿鼻叫喚。燃え盛る森の中、次々と現れる奴隷達……。その誰もが元は海賊だった凶悪な男達が一斉に暴れだしたのだ。
…………まあ、解放したのは俺なんすけど。
俺は遠くからその光景を覗き見ていた。イヤァ~~派手にやってるね~~。それじゃ俺もそろそろ動きますか。
元々産まれた時からここにいた俺はこの数日間でマリージョアの地形を把握して同じ奴隷の中でも血気盛んな者達に交渉し続けていた。
『その首輪を外してやる代わりにマリージョアで暴れろ。その間にさらに奴隷達を解放して大パニックを起こす。そうすればお前らも逃げやすくなるだろ?』と……。
結果、交渉は成立し現在こうして暴れることで注意を引きつけている。まあ、今までの憂晴らしもあるんだろうけど。
よし、これだけ注意が削がれていれば俺ひとりで行動するには十分だ。早い内に鍵も見つけておきたいな。覇気はできるだけ温存しときたい。
そうして俺は森の中に姿を潜み行動を開始した。
時計の針が12時を指してから大分経つが今日もウチは眠れず窓の外を眺めていた。寝れば夢の中で皆に会えるが目が覚めるといなくなり余計に現実が辛くなってしまうから。
なぜこうなってしまったのだろうと考えるのはこれで何回目だろう。ここへきてからずっとだから途中で数えるのもバカらしくなった。
「そーいえば、この前会った子どうしてるかな?」
庭園で少しだけ話した奴隷の子供。あの時はここへ来てからまともに話せる人がいなかったからつい声をかけてしまった。
その帰り際に言われた言葉が今でも記憶に残っている。
「行きたい場所……かァ」
そう呟くとウチの頭にはかつて共にした中間達やくまちーのことを思い出す。でも、ウチはもうあの場所へは帰れない。……いや、
でも……もしも叶うのならウチは───。
そう耽っているとなにやら窓の外から声が聞こえる。それも一人や二人ではない。もっと大勢の声が……。
「なんだろう……っ!?」
窓から外を見ると遠くの森から炎が広がり煙が上がっているのが見える。それだけではない。今まで静かだった外には奴隷達が次々と逃げ出しているのだ。
何が起こっているのか分からない。いったいなぜこんな事態になっているのか。そんなことを考えていると逃げ出す奴隷の中から一直線にこの豪邸に走ってくる者がいた。
そしてウチの窓の前までやってきて───。
───パリィィィン!!
「キャッ!何……っ!?キミは……!」
「一階に住んでて助かった~。おかげで簡単に入れた。やあ、また会えたねお姉さん。会えて嬉しいよ」
なんと以前の庭園で会った少年が窓を割って入ってきた。そして、その眼はとても奴隷とは思えないほど綺麗で希望を宿した瞳でウチを見てくる。
最初は驚いていたが俺の顔を見て思い出したようだ。数日前に少しだけ話した程度なのに覚えていたらしい。
「お姉さん久しぶり。俺のこと覚えててくれて嬉しいよ」
「まさかこんなところで会えるとは思わなかったけどね」
「実は俺もお姉さんのこと忘れられなくて助けに来たんだ。今は大勢の奴隷達も解放されて逃げてる。これはチャンスなんだ!一緒に逃げよう!」
俺が手を差しのべる。しかし、彼女はその手をとることはなかった。
「ごめんね……行けないや」
「……えっ?」
意味が分からない。なぜジニーはここを出ようとしないのか。ここにいたいハズがないのに……。
「っ!?ちょっと待って!ねえ!なんで!なんで来ないの!?ここにいても天竜人の玩具にされるだけなんだぞ!?死ぬまで!!」
「フフ……そうだろうね。でも、ごめん。やっぱ行けないや……」
「だからなんで……っ!!」
必死に問いただす俺にジニーは半場諦めの顔で苦笑する。そして、お腹をさする仕草ですべてを察した。
「もしかして……お腹に……?」
「キミ子供なのに物知りなんだね。お姉さん感心するよ……。でも、これで分かったでしょ?」
「~~っ!!そんなの関係あるかよ!お前言ったよな!戻りたい場所があるって!そこに待ってる人がいるんだろ?だったら戻ってやれよ!!」
「できるわけないじゃん!!!」
ここで初めてジニーは感情的になり声を張り上げた。
「お腹にいるのは天竜人の子なんだよっ?そんな子を連れて戻ってみんなが……くまちーが受け入れてくれるハズない!!」
前世で読んだ時も確かにジニーは地上に戻ったことを伝えはしたが子供のことは話さず隠していた。結局くまに居場所はすぐ気づかれ子供を育てることにしたが、ジニー自身はそのことを知らない。
こんなにも感情を昂らせるジニーの姿は前世でも見たことがなかった。その悲痛な顔に大粒の涙を流し主張を続ける。
「キミみたいにさ……ウチや仲間達も昔は天竜人の奴隷だった。だからその仲間達からこの子に憎しみの目を向けられるのが恐いの……」
……そうか。だからジニーは地上へ戻ってきた時ドラゴンに連絡を取るだけで居場所も教えず基地には戻らなかったのか。
革命軍の仲間から敵の血が流れている我が子に敵意を向けられるのが恐くなって……。
「…………じゃあ、なんでお姉さんはそのお腹の子を憎まないの?」
俺が聞くとジニーはお腹をさする。
「どんな人とできた子供でもさ……ウチはこの子の母親だから……」
その時ジニーは涙ながらも笑った。
「産まれてくる子供に……罪はないでしょ?」
「…………」
『わたしはパパと出会えたこと。そして何より……あなたが産まれてきてくれて幸せだった』
母さんの言葉を思い出す。やっぱり母親って偉大だなとつくづく思うよ。だけど……だからこそ腹が立つ!!
俺も我慢していた怒りを爆発させた。
「ふざけんな!!子供に愛情を注ぎたい親の気持ちは分かるが会いたくない理由はテメェの憶測じゃねェか!!」
「そうだよ憶測だよ!!でも、やっぱり恐いんだ……もしもくまちーが……」
「不安な気持ちの言い訳にくまを使うんじゃねェ!!!!」
「っ!?」
俺の怒りは激しさを増し気づけば俺はジニーの目の前にまで来ていた。
「くまがどれだけ心優しい奴なのかはずっと一緒にいたお前が一番分かってんだろうが!!子供がいるからとか仲間に向けられる敵意が恐いとか理由を付けて逃げるのはヤメロよ!」
「だって……!」
「俺が聞きたいのはそんな建前じゃねェ!!お前が何をしたいのかを言えって言ってんだ!!!!」
「───っ!?」
言いたいことをいい終えるとジニーは力が抜けるように座り込み、かぼそい声だがハッキリと答えた。
「アニキや仲間に……くまちーにあ"いだいっ……!」
「なら一緒に行こう」
「でも、もし受け入れてもらえなかったら……」
「じゃあ逆に聞くがくまは小さな赤子を邪険にするほど心の狭い奴なのか?」
「……!!違う……そんなことない!くまちーは世界で一番優しいんだ!!ウチが何度も結婚を申し込む男なんだぞ!!!」
「なら答えは決まってるじゃん」
「あ……そうだね。うん、ありがとう……」
ジニーが力なく笑い俺もついつられて笑ってしまう。そして、彼女は涙を拭きながら立ち上がる。
「さっきの察しの良さといい今の気迫といいとても子供には思えないねキミ。実は大人だったり?」
「HAHAHAHAHA!何イッテルノカ分カラナイ」
「無駄に怪しい言い方すんな~~。でも、プッ、アハハハ!面白いねキミっ」
そんなことを話していたら部屋のドアが突然開いた。俺達は一斉に振り向くとそこには衛兵がいた。
「貴様!奴隷がなぜここに!」
「そこの女性はこの屋敷の妻であらせられるぞ!離れろ!」
「ウワッ!もう警備の人が来ちゃった!!」
衛兵達が来たことで焦りだすジニー。だが、俺は気にせず質問する。
「お姉さん、ひとつ聞きいてもいい?」
「なに?」
「もし、ここでお姉さんはあの人達に助けを求めたらこの場は助かるけど……どうする?」
「さっきあんなこと言わせた癖にその質問は性格ひん曲がってんじゃない?ゲスい子供ね」
「口悪っ!?……一応最終確認だよ。それでどうなの?」
「決まってるじゃん」
ジニーは俺に視線を送りニカッと笑った。
「一緒に逃げるよ!!」
「了解!!」
「なっ!?」
ジニーが答えた瞬間、俺は武装色を両手に纏って彼女の首輪に手を添えた。
──グシャ!ビュッ!…………ピピピドゴォォォオオン!!!
『ギャァァアアアア!!?』
首輪は簡単に外れ爆発する前に投げる。そして、衛兵達の前に飛んできた首輪は廊下にいた衛兵達を巻き込み爆発した。
俺達は爆発する前になんとか窓から飛び出しことなきを得る。
「アハハハハ!キミやるねェ~~!」
「いやァ~~エヘヘ……痛っ!!?」
「でも、ああするなら事前に言え!ウチらまで爆発に巻き込まれるところだったぞ!!」
「ハァイ……スミマセン……」
ジニーは相談もなしに室内で爆発させたことに激怒していた。確かにこれは俺が悪かったがもうちょい拳骨手加減できんのか。ワレ9歳ぞ?
「ったく!にしても天竜人の衛兵相手に爆弾投げるとかキミも中々なテロリストだよ」
「でもスッキリしたでしょ?」
「…………まあね」
悔しがりながらも燃える豪邸を見てジニーはどこか満更でもないように笑っていた。
聖地マリージョアは未だに森火事の消火が行き渡らず奴隷達も脱走しており大混乱になっていた。
そんなパニックの中、衛兵達が気を取られている内に森の中を隠れながら進む二人の少年と女性がいた。
「シャア!作戦は順調順調!ここらの兵隊共はうまい具合に火事の方へ目が行ってやがる」
ここが聖地で安全だからって普段からロクに統率をとらないからこうやって女子供を取り逃がすんだよヴァ~~~~カァッ!!ゲラゲラプギャー!
「キミ今なかなかに悪い顔してるよ?」
俺はこれまでの鬱憤を吐き出すように連中を嘲笑いながら走り続ける。
「さあて、こっからは監視用でんでん虫に注意して進むわけだが……」
特に問題はない。ここら一帯のでんでん虫は何年も住んでいるのだから熟知している。仮に知らないところに配置されていたとしても俺にはこれまで培ってきた見聞色がある。見つかる前に発見し回避するぐらいお手のものだ。
「ウチの首輪を外した時も思ったけどすごい覇気の練度ね。まだ子供なのに」
「むしろ小さい頃から極限状態にいたから覇気が強くなったんですよ」
「あ~~なるほど」
そうやって俺は記憶と見聞色を駆使しなんとか港まで辿り着く。
「よし、なんとかここまで来れた。後は適当に船を盗んで……っ!?」
「ここで何をしているえ?奴隷……」
港が見えたことで気が抜けてしまい見聞色を怠ったせいで目の前にいた集団に気づけなかった。
そこにいるのは衛兵数名と……天竜人。クソ、あともう少しなのに!しょうがない……これを使うか?
「女は服を見るに誰かの妻かえ?なぜここにいるえ?主人がいやならワチキの所にくるえ!……それとお前ェっ!!」
「えっ?俺……?」
天竜人の姿を見てジニーは無意識に体が震えている。きっとトラウマが呼び起こされたのだろう。
だが、天竜人はジニーを見た後視線を俺に変えてきた。なんでだ?こいつ俺と何か接点でもあったか?
「お前知ってるえ。元養人場にいた奴隷だえ。なぜ反抗の意思があるえ!意思を持たないようワチキが政策をしたハズなのにィ!!」
「えっ……じゃあお前が……」
あの奴隷生産政策は天竜人が提案し実行したのは知っていた。だが、どこの誰がそれを実行したのかは知らなかったが目の前のこいつが……。
「お前らそこを動くなえ!もし動けば貴様の首輪を爆発するえ!ワチキは養人場生まれの奴隷の首輪をいつでも爆発できるえ!」
「えっ!?マズイよ早くその首輪を……?」
「フ、フヘヘ……」
俺はひとついいことを思いつきニヤケた口が戻らない。ジニーは俺の様子にがおかしいことに気づくが俺は気にせず両手を首輪に添えた。
「そこの
「なっ!?奴隷の分際でなんて口ぶり……!?」
空は夜。周りの建物の窓ガラスは割れ外は火事で地獄のよう。よし、ここから抜け出すのだから
俺は両手に武装色を纏って……。
───グシャ!ビュッ!…………ピピピピ
「この支配からの 卒業~~♪」
「だええええ!?首輪がこっちにィ~~っ!!?」
───ボカァァアアアンッ!!!
首輪は天竜人と衛兵を巻き込み大爆発した。
「あばよォ!俺のトラウマ~~!!さあ、お姉さん今の内に船へ!」
「う、うん!」
この隙を逃すまいと俺達は即座に船へ乗り込み出航する。なぜかジニーは若干引き気味だったが気にしないことにした。
さっきの爆発を見て俺の心が軽くなった気がする。もう、俺を縛っていた物は無くなり晴々した感じ。そんな気分だ。
父さん。母さん。俺……やっと自由になれた気がするよ。でも、俺がやりたいことはこれからなんだ。
だから……これからも俺を見守っていてくれよな。
"
「アルガ……ホントにするの?」
「ここまできて何言ってんのさジニーさん。覚悟決めたんでしょ?」
「そーだけど!……ウゥ、やっぱ恐いィ……」
弱音を吐くが既にバルティゴへの通信電波はキャッチしておりいつでも連絡が可能になっていた。いや、知ってはいたけどジニーさんのハッキングスキルってヤバくね……?
そしてジニーさんは大きく深呼吸をして気持ちを切り替えた。
「よし!いくぞ!」
───プルプルプルプル プルプルプルプルガチャ
「えと……もしもし。聞こえるかな?ウチだけど……」
『その声っ!?まさかジニー!ジニーなのか!?』
「うん、その声はドラゴンかな?久しぶり……」
突然かかってきた声の主がジニーと分かると向こうで慌てた様子でドタバタ音が聞こえる。そして、ジニーさんの聞きたかった人の声が聞こえてきた。
『ジニー!?』
「おーーい。帰ってきたよ!下界h…痛っ!?」
「おいコラ!また出てるぞ!ちゃんと地上って言え!」
「イタタ……。ごめんごめん、まだこの癖が抜けきれてなくて」
「これからその癖をしっかり直さないとな」
『そこに誰かいるのか?』
ジニーさんが天竜人の言葉を使いそうになった瞬間、俺は頭をスパァーーン!と叩きいい音が出た。ジニーさんは痛がり会話を中断されたことでくまがジニーさん以外の存在に気づく。俺はそれに答えるように受話器をとった。
「はい。現在ここにいるジニーさんと一緒に聖地マリージョアから逃げ出してきた者でアルガと言います」
『そうか。ではアルガ、君達は今どこにいるんだ?』
「今は"
『分かった。こちらもすぐに迎えの準備をしておく』
「それとひとつお願いがあります」
『なんだ?』
くまが聞き返し俺はジニーさんの額を見る。そこには
「ジニーさんの帰る場所である教会の窓を全て光が差さないよう塞いでください。今ジニーさんは"青玉鱗"という病気に侵されています」
『なっ!?病気だと、ジニーは大丈夫なのか!』
マリージョアへ出るまでは症状がでなかったから安心してしまった。元々、"青玉鱗"になるのは連れ去られる2年後だと思っていたからその心配はしていなかった。
だが、海へ出てしばらくするとジニーさんの額が青く固まってしまったためすぐに船内の窓を塞ぎ今はランタンの光で船内を照らしている。
細かい描写がなかっただけでホントはこの時期からかかっていたのかもしれない。それが全身に回って気色悪がられて捨てられた……あのクズ共ならあり得そうだな。
「はい、今のところは問題ありません。ですがこの病気は日光や月光などの自然の光を浴びると皮膚が青く固まっていく病気です。なので、教会内で光が差さないように窓を塞いでほしいのです」
『了解した。君達が戻ってくる前にこちらで全て済ませておく』
「ありがとうございます」
『いや、むしろ此方こそそんな状態のジニーを看てくれてありがとう。それでいつ頃やって来るんだ?』
「この調子だと後2日で着くかと」
『分かった。君達がくるのを待っていよう。それまでジニーをよろしく頼む』
「はい、任せてください」
用が済むと俺はジニーに受話器を渡す。手に取ったジニーさんはくまに話しかける。
「くまちー。久しぶり、さっき話した通りウチ病気になっちゃった」
『ああ、それでも君が戻ってこれるようで安心した。この1年君を忘れた時はない……ホントに心配したよ』
「うん、ごめんね。……ありがとう」
ジニーさんはお礼を言うと一度呼吸を整え意を決する。
「くまちー。実は帰ったら伝えたいことがあるんだ。この病気よりもっと重要なこと……」
『そうか、おれも君に帰ったら伝えたいことがある。待ってるよ』
その言葉を最後にでんでん虫がガチャっといい通信は切れた。受話器を持つ手がまだ震えている。覚悟はしたがまだ恐いのだろう。
俺は落ち着かせるために暖かいコーヒーを注ぎジニーさんに渡す。
「ジニーさんこれ」
「うん、ありがとう。でも大丈夫……絶対に乗り越えるから」
そういうジニーさんの手はまだ震えている。明らかに強がっているが、それを俺には見守ることしかできなかった。
この恐怖を取り除けるのは俺じゃない。うまく行くといいな……。
そして、それから2日後。無事にソルベ王国に辿り着いた。念のためジニーさんには黒いローブで羽織ってもらう。完全には防げないが教会までの距離ならこれで十分だろう。
教会のある南海岸に船を停めるとそこに住んでいる人達がやってきた。
「ああ!ジニーちゃん帰ってきたのかい!?よかったよォ~!」
「あれから心配したんだからね!」
「アハハ、ありがとね。お婆ちゃん」
「ああそれとね、この前くまも帰ってきて今は教会にいるよ!早く顔を見せれやんな」
そういうとくまとの再会を邪魔しないようにと空気を読み囲っていた人達は帰っていく。ホントにいい人達なんだな……。
「それじゃ行こう」
「うん」
そうして俺達は教会の前までやって来た。見ると窓には厳重に鉄板で塞がれており日が差し込める場所は見当たらなかった。
「これなら問題なさそうだね」
「うん、入ろっか」
中へ入るが暗くて何も見えない。教会にくまがいるって言ってたのになぜだ。迎えの準備をするって言ってたよな?
そう疑問に思っていると後ろのドアが突然バタンと閉まった。そして───。
『おかえり~~!!ジニィ~~~~!!!!』
「えっ!?」
部屋がいきなり明くるくなったと思ったら周りには大勢の人がおり皆がジニーを祝福した。
「待っていたっチャブル!!ヴァターシは心配で心配で倒れ……倒れ…………倒れな~~いっ!!」
「倒れねェのかよ!」
「一本取られたよ!」
「アニキ……ッ」
その中にはイワンコフもおりジニーは涙を堪える。そして奥からジニーの会いたがっていた人が現れた。
「ジニー」
「くまちー」
感動の再会に涙が溢れるがジニー必死に手で拭き取り一度俺に眼を向けた。
…………まさか、ここで言うつもりなのか?
てっきりくまと2人の時に伝えるつもりなのかと思ったが違うようだ。この大勢の中であれを伝えるのはさすがにプレッシャーがでかいだろうに……。
誰かひとりでも嫌な顔をするかもしれない。そんな不安があるハズなのに……。ジニーさん、あなたは……。
どうやら俺はジニーさんの覚悟の大きさを理解できていなかったようだ。だが、俺ができるとこは変わらない。
最後まで見届けよう。ジニーさんの覚悟を……。
「くまちー、あの時言ったよね。伝えたいことがあるって」
「ああ、教えてくれ」
ジニーさんの顔に恐怖や迷いなどは最早なかった。
「実はウチのお腹に……いるんだよね。天竜人の子が……」
「……うん。ジニーはどうしたいんだい?」
「憎い敵の血を引いた子供だけど……産まれてくる子に罪はない。だからウチはこの子を産んで育てたい」
ジニーさんの言葉で周りは一気に静かになる。くまも「そうか」と一言いいジニーさんを見詰め……優しく笑った。
「ならその子はおれの子でもあるワケだ」
「えっ」
「おれからも伝えたいことがあるって言ったよね?君が居なくなった1年おれは激しく後悔した。自身の種族を言い訳に君の思いを拒んでしまったことに。……だが、もうそんなことは関係ない」
くまはジニーさんに近づき膝を突いた。
「今後おれの種族のしがらみが君を襲ったとしてもおれが絶対に守る。こんなに返事を遅らせた不甲斐ないおれを許してもらえるのならなんでもする!だからジニー……」
「おれと結婚してくれ」
くまが小さな箱を取り出すと中には小さな宝石の詰まった指輪が入っていた。結婚指輪だ。ジニーは一瞬何を言ったのか理解できない顔をしていたが徐々に顔が歪み……。
「……遅ェんだよォ、バガァ……ウン、ウチをくまちーのお嫁さんにしてください……」
その瞬間、周りは歓喜の声に包まれた。
「ウォォオオオオ!!やったなコロヤロー!」
「幸せになれよ~~!!」
「急いでベビーベッド買わねェと!!」
「バカ!気がはえェよ!まずはランドセルを!」
「お前の方が早すぎるわっ!?」
皆が皆、2人を祝福してくれている。そして、子供にも……。
皆に子供を笑顔で受け入れてくれたことにジニーさんの眼から涙がさらに流れた。
「ね?大丈夫だったでしょ?」
「うるせェ。テメェがウチの仲間を語るなよキショイなァ」
「口悪っ!?」
「でも……ありがとな」
「うん」
そうしてジニーさんの帰還祝いは翌日まで続き、その数日後には革命軍総出で結婚式の準備を行っていた。
そして、結婚式当日。
教会だからか雰囲気はこれ以上ないほどの出来になっており席には革命軍の人達が座っている。ついでに俺も。
すると後ろの扉が開きでてきたのは、純白なドレスに身を包んだジニーさん。あまりの綺麗さに皆は目が離せず釘付けになっている。
そのままゆっくりと真っ直ぐ歩き祭壇へ向かう。その先にはタキシードを着たくまが待っていた。
そして、この結婚の神父を行うのはお忍びでやってきたコニー王太后。……女性だがやりたいと駄々をこねるので了承したらしい。まあ、当人達は喜んでいたからいいか。
「エェ~~と……健やかなるときも、病めるときも──」
誓いの言葉が始まり俺達一同は見守る。
「──これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」
「「誓います」」
「では誓いのキスを」
くまはベールを上にあげジニーさんの隠れていた顔が現れる。そして───。
この日、何年も願っていた"夢"が叶いジニーさんにとって一生忘れない思い出となった。
「もう行くのか?」
「うん、2人の結婚式も見れたしここに長居する理由はないからね」
「勿体無ェな~~。お前の覇気なら革命軍でも十分やっていけるだろうに」
俺はこの島を出るために
「革命軍もいいけど俺がなりたいのは海賊だからね。しばらくは島を転々として修行の旅に出るとするよ。10年ぐらいしたら海賊やろうかな」
「そうか、少し寂しくなるが応援するよ」
「ありがとう。ジニーさんをよろしくね」
「ああ、おれは革命軍を辞めてこれから世界中の人に病気について聞いて回るとするよ。ドラゴンさんも宛のある人に聞いてくれるらしい」
それを聞いて安心する俺に対しジニーさんは少し不機嫌だった。
「ウチを置いて行くのかよーー。守るっていった癖にーー」
「ごめんよ。だが、どうしてもキミは連れていけないんだ」
「分かってるよ。その代わりちゃんと定期的にここへ帰ってこいよ?子供も産まれるんだから……」
「もちろん」
…………あ"あ"~~~~!!マジてえてえ。この光景を見るために頑張った甲斐があったわァ……。
一読者としてジニーさんのこの笑顔を見れて満足だ。
「それじゃ、行くとするよ」
「ああ、いつかまた会おう」
「ウチもウチも~~!」
「うん!」
そうして俺は別れて海岸へ向かった。
「よしっ。俺にできることはやれた。後はくまさん達で何とかするだろう」
原作でもくまは世界中を周り病気について調べていた。そして、しばらくしてドラゴンからDr.ベガパンクの研究所が移り変わるにあたって警備が手薄になるという情報を貰い会いに行ってたな。
そこでの会話は覚えてる。
そして、俺が知っているONE PIECEの知識はそこで終わる……。それ以降は何が起こるかは俺には分からない。
特に原作で本来いるハズのないジニーさんがこれからどうなるのか心配だが、政府だってくまの
一抹の不安を感じたが信じることにし港に着いた俺は船に乗り帆を張った。これから待っている冒険に胸を膨らませて。
そして、時は流れ原作が始まる。成長した俺は今"
さあ、ここからが俺の冒険の始まりだ!!俺は鬼姫様の従者だがあの人達とも冒険がしたい……だから!
「海賊王のクルーに俺はなる!!!」
どうも皆さんもしロマです!
3話をご覧くださりありがとうござ───
「ハァ~~イ!そんなワケで今回から始まるあとがき企画!『◯◯から一言!』を初めちゃいまァ~~す!司会はわたし、ソールと……」
「解説兼付き添いのおれリベルがお送りするぞ!誰か喋ってた気がするが……まあいっか!」
「このコーナーは前回で出番が終了となったわたし達があのままいなくなるのは勿体ないと考えたもしロマさんが急遽建てた企画となります。やったわねアナタ!」
「ああ!ここでアルガの勇姿を見守るぞ!後、このコーナーはその回で重要だったキャラや一言伝えたいキャラが自由に発言できる場となっている!」
「そんなワケで今回登場するゲストは~~こちら!!」ババン!
「アハハ~~!ジニーだよ。よろしくな惚気夫婦共っ」
「う~~ん、口悪い!そんなジミーさんから一言どうぞ!」
「そうだな~。伝えたいこともくまちーに言えたけどやっぱ……『くまちーと結婚できて幸せだった』!!」
「アッハッハッハ!キミも大概な惚気夫婦だなっ」
「エヘヘ、まあねェ~~♪」
「それではまた次回お会いしましょうでわでわ~~!」
セリフとられた……( ;゚A゚)