あなたにもう一度毛布をかけるため   作:もしも=ロマンの可能性だよねッ!

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どうも皆さんもしロマです!
ようやくヤマトが一味に加入したので今回はエッグヘッド編を書く前にヤマト成分多めの前章編を書きました。所々に今後の伏線もありますので時間があれば探してみてください。
それでは続きをどうぞ!( ´ ▽ ` )つ


2話 束の間の平穏

 ワノ国を出航した夜、男部屋のハンモックの上で寝転びながら俺は未だにサボさんの件で不安を募らせていた。

 

 ああー、やっぱり不安だァ。一応、ドレスローザで保険はしてあるけど無事とは限らんし……。

 

「おじさーん一緒にねよー」

「はいどうぞ」

「わーい」

「おいコラ待てクソアルガ」

 

 突然サンジがものすごい形相でやってくる。こわっ、どうしたんだろう。

 

「え、何サンジ?」

「そりゃこっちのセリフだよ!!何サラッとヤマトちゅわんと一緒に寝ようとしてんだオロすぞ!?」

「……………………」

 

 ………??……………………………?…………………っ!?

 

「はっ!?しまったつい昔のクセで!」

「マジで気付かなかったんだな。脳の処理だいぶかかってたぞ」

 

 呆れた様子で半笑いになるウソップ。俺もあまりに自然な流れだったから流されてしまった。

 

 そもそも、なぜ鬼姫様が男部屋にいるのかと言うと「僕はおでんだから」と言う本人の希望だ。温泉も男湯に入っていた事もありそこは意外とすんなり了承を得ていた。

 

 だけど、こればかりは少し了承しかねる。とにかく、まずは鬼姫様を説得せねばと一旦鬼姫様を降ろして諭すように説明する。

 

「いいですか鬼姫様。同じ部屋で寝るのは問題ありませんが同じハンモックで寝るのはいけません」

「えー、いいじゃん」

「ダメです。おでんだって従者と同じ布団では寝ないでしょう?」

「っ!むぐぐっ……」

 

 おでんはしないという言葉は予想通り鬼姫様には効果てきめんだった。

 

 普段の俺なら鬼姫様の言う事は全肯定するがこればかりは譲れない。だって普通に理性が保たんもん。

 

 とりあえず、これで一緒に寝るのは避けられたと思われたが……。

 

「ねえ、おじさん……だめ?」

 

 ふるふると寂し気に俺の袖を掴む鬼姫様。今にも泣き出しそうなその目は俺の決意を揺らぐには十分だった。

 

「そ、それ……はァ……でも、いやァー……」

「オイめっちゃ歯切れ悪くなってきたぞコイツ」

 

 ウソップシャラップ。

 

「僕、おじさんと会うまでずっと独りで鬼ヶ島にいたんだよ?ご飯の時も寝る時も……」

「うっ」

 

 確かにそうだ。俺が死んだ後鬼姫様は約20年ほど鬼ヶ島と言う狭い世界でしか生きられなかった。エースと出会えたのだってほんの数年前の一度きり。

 

 それ以外はずっと孤独に……。

 

「……っ!!」

 

 いや待て!早まるなアウローラ・D・アルガ!一時の気の迷いで決断を揺らぐんじゃない!ここでヨシとしたら今後ずっと鬼姫様と寝ることになるんだぞ!

 

 それをお前───邪な気持ちを一切抱かずにいられると思っているのか!!

 

「おいウソップ、アルガの顔スゲー変わりまくってておもしれーな」

「あれがホントの四面楚歌ってやつか」

 

 外野の声すら聞こえず心の中で葛藤していると鬼姫様がシュンと落ち込んだ様子で呟いた。

 

「そりゃ体は女だけどさ……もし、それでダメって言うなら……」

 

 そう前置きするとシュルルルと体を変化させ───

 

「これなら問題ない?」クゥーン…

 

 舌を出し期待を寄せたつぶらな瞳をした毛並みの良いもふもふの大型犬(もふわふちゃん)へと変わった。

 

 ………………。

 

「コホン」

 

 一度、咳払いをし呼吸を整えた俺は……。

 

「一緒に寝ましょう」

「わーい」ヘッヘッ♪

「ン"ン"ン"ン"ッ゙!!」

 

 可愛いいいいいいいいいいっっっっっ♡♡♡♡

 

 犬の可愛さの前に己の覚悟など無に等しかった。

 

「あ、そういやコイツ犬好きだった」

 

 

 

「…………」

「どうかしたの?本進んでないわよ」

「次の島にイヌイヌの実とかないかしら」

「ロビン??」

 

 

 

 

 

 翌朝、おじさんは朝が早いのか起きた頃には男部屋にいなかった。時刻はもう9時を過ぎた頃だろうか。まだ寝ているのはルフィやウソップ、チョッパーなど昨日の夜遅くまで騒いでたメンバーだった。

 

 まあ、僕もそのひとりだったからこの時間まで寝てたんだけどね。

 

「ふわァ〜。んん〜っ」

 

 大きな欠伸の後固まった筋肉をほぐすように腕を上げ背伸びをする。改めて部屋を見渡しかけられていた毛布を見るとつい笑みが溢れてしまう。

 

「えへへ」

 

 寒さで起きなかった。寂しくもない……これが、これからも続くんだ。

 

 朝から嬉しさで元気いっぱいになった僕は三人を起こさないよう静かに男部屋から出る。すると最初に見たのはゾロとおじさんが木刀で戦っている光景だった。

 

「ウラァア!!」

「フッ!ググッ!!ゾロまた一段と強くなったんじゃないか?」

「アルガこそ打ち込みが上がったな。特に右の力が尋常じゃねェ」

「おーい二人ともー」

 

 打ち合っている二人の元へ行くと僕に気づいた二人は動きを止め木刀を下ろす。

 

「鬼姫様おはようございます。ゆっくり眠れましたか?」

「おはよー!うん!いつもより気持ちよく寝れた!」

「ヤマトも起きたか。そんじゃ稽古はここらで一区切りにしよう。おれは汗を流してくる」

「あ、待って俺も行く」

 

 タオルで汗を拭うとゾロは大浴場へと向かいおじさんも後を追いかけるが……途中で立ち止まってしまう。

 

「ん?おじさん行かないの?」

「鬼姫様も来られるので?」

「うん」

 

 またおじさん入れると思い期待の目で見るが何やら悩み始める。どうしたんだろうと心配になるが何かを閃いたように手をポンと叩く。

 

「そういえば、サンジが鬼姫様が起きてきた時に備えて朝ごはんを用意しています。新鮮な鮭料理なのできっと美味しいですよ。私も後から向かいますのでお先にどうぞ」

「えっホント!鮭大好き〜♪早く来てねおじさん!」

「ええ。…………あっぶねェ

 

 何か聞こえてきた気がしたけどサンジの作る鮭料理楽しみすぎてそのままキッチンへと向かう。

 

 キッチンのドアを開けると料理をしているサンジとカウンターテーブルで朝食をとっているナミがいた。

 

「おはよー!」

「ヤマトちゅわ〜ん♡おはよォ〜ん♡」

「あ、ヤマトおはよう。あなたも今起きたの?」

「うん、おじさんが朝ごはんあるから先食べてって。おじさん早く来ないかな〜♪」

 

 僕もナミの隣に座るとサンジが目の前に料理が置かれ目を輝かす。食べたいけどおじさんを待たないとと思っていると二人が険しい顔になっていた。

 

「アルガってゾロと稽古してたわよね?」

「そうだね、でも今はお風呂で汗を流してる所だからもう少しで来るんじゃないかな」

「「…………」」

 

 説明するとさらに難しい顔になるので不思議に思った僕は思わず理由を聞いてみることにした。

 

「さっきからどうしたのさ。そんな顔をして」

「いやー……」

「さっき行ったって事は……多分あいつしばらくは上がってこないわよ」

「えっ!?」

 

 サンジが歯切れ悪くしているとナミがしばらくは戻らないと答える。しかし、なぜ戻らないのかわからない僕は驚いた声を上げてしまった。

 

「この船で毎日風呂に入るのはおれとナミさんとロビンちゃん。それとアルガなんだが……」

「アルガって物凄い風呂好きなのよねェ。そりゃあわたしも好きだけどあいつは長いのよ。1時間ぐらい入ってるわ。それも日に2回」

 

 前に乗っていた船では日に1回だったらしいけど、この船に乗った日から「こんな立派な大浴場があって日に1回は勿体ないだろ!」とおじさんは熱弁していたと言う。

 

 知らなかった。昔、湧いた温泉に一緒に入った事があったけど、僕が上がろうとしたら一緒に上がってくれてたし。

 

 でも、そっかー。おじさんお風呂好きなんだー。

 

「えへへ」

「?何をそんな笑ってるの?」

「だって、ここに来てからおじさんの知らなかった事をどんどん知っていくから嬉しくてっ」

「あはは、ホントにアルガが好きなのねー」

「うん好き!」

 

 素直に答えるとナミは苦笑するがサンジは何故かすんごい怒ってた。

 

「ア〜ル〜ガ〜……!」

「はーいサンジ君落ち着いてーどうどう。まあ、こんな理由でアルガを待つのは諦めなさい。代わりにわたしと一緒に食べましょ?」

「そっかー、うん!わかった!」

 

 それからナミと一緒に朝ごはんを食べながら話が盛り上がる。内容はこれまでの航海の話。僕の知らない冒険の話を聞き楽しんでいると早く僕も冒険したい欲求が上がってしまう。

 

「どれも楽しそうだなー。ねえねえ、次の島って後どれぐらいかかるのー?早く冒険をしたいよー」

「そうねー、次の島までまだかかりそう。少なくとも今日明日は無理そうねー。ヤマトはこの船でやりたい事とかないの?」

「やりたい事かァ……あっ」

 

 少し考えていると昨日おじさんと話していた内容を思い出す。

 

『ロビンはスゴイですよ。彼女は考古学者でおでんが読んでいた"歴史の本文(ポーネグリフ)"……つまり光月家の暗号が読めるんですよ』

 

「ロビンに昔の文字を教えてほしいなー。おでんが読んでた文字僕も読めるようになりたい!」

「あら、いいじゃない。ロビンなら図書室にいるからこの後行ってきたら」

「うん!」

「勉強熱心なヤマトちゃん素敵だな〜♡」

 

 そうと決まればさっそく!……と言いたいけどまだ料理が残っているからそれらを食べ終えてから図書室へと向かった。

 

 図書室に入るとナミ入ってた通りロビンが黙々と本を読んでいる。向こうも気付いたのか本から僕に顔を向けるがなんだか複雑そうな顔になる。

 

「あら、何か用かしら?」

「実はロビンにお願いがあって」

「私に?」

「ロビンってワノ国にあった石の文字、ぽーねぐりふ?って言うの読めるんだよね!僕も読めるようになりたいんだ。だから、教えてほしいなって」

 

 僕が答えるとロビンの表情が変わる。意外だと言いたげな感じだがどことなくソワソワした様子になる。

 

「へえ、あなたも歴史に興味が?」

「んー、歴史……というよりはおでんの歴史かなァ。ぽーねぐりふ?を読めるようになればもっとおでんを知れる気がして」

 

 光月家は皆あの文字が読めると聞いた。なら僕も読めるようになりたいと思うのは当然だった。だって僕はおでんだから。

 

 しかし、ロビンは少し難しい顔で考えた後、率直な意見を述べる。

 

「ん、教えるのは問題ないけれどかなり大変よ?一朝一夕で身につくものじゃないわ。長期間の勉強になるわよ?」

「もちろん承知の上さ!こう見えて文字の勉強は好きなんだ」

「そうなの?」

 

 またも意外そうな顔をする。確かに、ルフィみたいに体を動かして遊んだりするのも大好きだ。でも、未知を知っていくあの感覚が楽しくて勉強も大好きなんだよね。

 

「僕さ、小さい頃は文字の読み書きすら出来なかったんだけどおじさんが基本的な文字だけは教えてくれたの。それで、おじさんがいなくなってからはひとりで勉強頑張って今は新聞だって読めるんだ!」

「っ!文字を独学で……?凄いわね」

「えへへ~、ロビンと比べたら全然だよ〜。でも、なんだがロビンも僕と似てる気がしてきた」

「私とあなたが?」

 

 ロビンの疑問に僕は元気よく頷いた。

 

「うん!ロビンはさ、歴史を通して昔の人達や暮らしを知りたいんでしょ?つまりは昔の人のファンだ!僕の憧れた人の歴史はロビンと比べたら浅いだろうけど歴史を学んでその偉人の経験を知る。その想いは同じだと思う」

「っ!過去の偉人の経験を知る、ね。ふふ、面白い着眼点だわ。そうね、そういう意味なら私とあなたは似ているのかも」

「うん、だから僕にも教えてくれないかな?歴史を学べばこれまで見えなかったおでんを知れる気がしてワクワクする!」

 

 にんまりする僕の顔を見て苦笑したロビンは本を閉じた。

 

「あなたにとって歴史の勉強は憧れの追っかけなのね。でも、その探究心こそ考古学では必要な感性。いいわ、私でよければ教えてあげる」

「ホントに!?やったー!ありがとう!!」

「こちらこそ、少し前までここでモネと一緒に本を読んでいたけれど居なくなってから少し寂しかったの。本友達の次は勉強友達ね」

「ああ!よろしく頼むよロビン!」

「あ、それと一つだけ条件を出していいかしら?」

 

 これで光月家の暗号が解りおでんをより深く知れると思いはしゃいでいるとロビンが後からそんな事を言われる。

 

「条件?」

「ええ、そんな難しい事じゃないから身構えなくていいわ」

 

 そう前置きしロビンは微笑みながら条件を出した。

 

「昔のアルガの事を教えてくれるかしら?」

「おじさんの?」

「そうよ、実は私も10年ぐらい前に彼と二人で航海をしていたの。お互い自分しか知らないアルガの話をしてみない?」

 

 ロビンの条件に僕は二つ返事で応える。

 

「ええ〜!むしろ大歓迎だよォ〜!僕もおじさんの話したーい!」

「ふふ、交渉成立。ここにモネがいないのを残念に思うわね」

 

 残念と言いつつもさっきまでと比べて明らかに明るくなった彼女を見て僕はついニヤニヤしてしまう。

 

「フフフ〜♪ロビンもおじさんの事好きなんだね」

「ええ、私にとって彼は前の見えない暗闇を照らしてくれた光……かけがえのない仲間で大切な友達よ」

 

 こうして、僕はロビンから勉強を教わりつつおじさんの話もし二人で盛り上がるのだった。

 

 

 

「鬼姫様いますかー?ここにいるってナミとサンジに聞いたんだけど……あ、ロビン」

「あら、アルガ。ヤマトならここにいるわ。でも、悪いけど静かにしてもらえるかしら。勉強で疲れたみたいなの」

「スー…スー…zzZ」

「これは失敬、それじゃロビン少しいいかな?」

「私に?」

「うん、さっきロビンの能力で面白い事思いついてさー」

 

 

 

 

 

 ワノ国を出航してから数日後、次の島の気候海域に入ったからか極寒の海を突き進んでいた。常に猛吹雪が吹き荒れ辺りは氷塊が形成されている。

 

「ウゥ、寒……」

 

 雪を見るのは好きだがこれは流石に寒すぎる。と言うより氷塊を避けて進まないといけないから楽しむ余裕がない。

 

 皆もバタバタ動いており忙しそうだ。

 

 そんな中、船の前方に巨大な渦の塊のようなものが海から押し出される。

 

「はっ!?何アレ〜〜!!?」

「こりゃデカイ"暖水渦"じゃな!」

「渦!?何で盛り上がってんのよ!!」

「どこぞで暖まった"暖水塊"が押し上げられとるんじゃろ」

 

 ナミの驚きに対しジンベエが冷静に分析を取る。それよ余所にブルックと鬼姫様は能天気に眺めていた。

 

「うわー、アフロみたい♪」

「うわー、綿あめみたい♪」

「温度差っ!!!」

 

 二人は無視し早く避けないとと慌てるナミだったが、ルフィがある事に気付く。

 

「待て!誰かいるぞ水の中!」

「えっ!?」

 

 ルフィの言葉にナミがギョッと驚くがサンジもレディーセンサーで感知し誰かがいるのを確信する。サンジこわ……。

 

 その後、水の中にいる人を助けるべくゾロが目の前の巨大な"暖水渦"を真っ二つに斬り落とした。

 

「おいみんな、何を騒いでいるんだ!この編笠チョッパーが来たからには……!!うわァ〜〜!?」

「えーー!?チョッパー何しに来たんだよ!!」

 

 そこへ、編笠を被ったチョッパーがやって来るも風を受けやすい帽子のせいで強風に飛ばされてしまう。

 

「チョッパー!!」

「ルフィ!」

 

 急いで飛ばされたチョッパーを助けようとルフィが腕を伸ばし見事キャッチするが……結局二人仲良く飛ばされてしまった。

 

「「わァーー!!」」

「いやお前まで!!……ってアルガ!!?」

「待てルフィ俺も行く!」

 

 この後の展開を知っていた俺はルフィと一緒に着いていくことにした。飛ばされたルフィ達は海に溺れてしまうがジンベエに助けられるから問題はない。

 

 これからエッグヘッド編が始まる。それにあたってまずすべき事はボニーちゃんの救助!2年前に俺はくまさんから娘を頼まれている。だったら助けない訳にはいかないだろ!

 

 そう思いルフィに追いついた俺は二人を抱え”飛龍翔,,で空を飛ぶ。そして、バランスを整えてから渦の方を見ると……中から人影が───

 

「ぷはっ!!ゲホッ!ハァハァ……!助かっ…てないな。オイ、しっかりあたしに掴まってろよ!!」

「うえ〜ん!!お姉ぢゃ〜〜ん!!!」

 

 アレェ〜?何か増えてませんか〜??!




次回!!エッグヘッド編開幕!!!
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