あなたにもう一度毛布をかけるため《物語修整完了》 作:もしも=ロマンの可能性だよねッ!
だいぶ投稿が遅くなり申し訳ありませんm(_ _)m
今年からは投稿頻度を上げるために6000〜8000文字で書こうと決めたハズですが……前回の13000文字といい今回の17000文字といいどうも私は10000文字以上書かないと落ち着かないようです(;゚∀゚)
こんな私ですが今後とも楽しんで読んでいただけると嬉しいです。
それでは続きをどうぞ!( ´ ▽ ` )つ
「彼はすごいんだ」
くまはいつもそう言ってある友達の話をする。
その友達はまだ年端もいかん少年。しかし、少年とは思えない博識、素行のよさ、そして頭の回転と行動力を持つ。
くま自身ではどうしようもできなかったジニーを救い出しくれた恩人としてくまはその少年を称賛していた。
私も最初はその話を微笑ましく聞いていたが、次第に少年に対し拭い切れぬ疑問を抱き始める。幼くして覇気を修得しており、当時はまだ病例も少ない"青玉鱗"知識を持っていた。
客観的に見て、とてもただの少年とは思えなかった。
怪しさを感じたが特段悪さをしているワケではないし、くまを始めとした革命軍とも良好な関係を築いていたのでその時はまだ様子見で済ませていた。
本格的に目を離せなくなったのはスリラーバークから戻ってきたくまの話を聞いた時だった。
その少年は知っていたのだ。私ですら長年研究し続けようやく発見したニカについての情報を、バッカニア族の情報を。
くま曰く、その少年は実は中身が少年ではなく悪魔の実で前世の記憶を持ち生まれ変わった者だという。やたら博識だったり少年らしさがなかったのはそれが原因だろうと言っていた。
……が、例え生まれ変わったとしても奴の情報元は異質すぎた。
ニカの力を持つ船長の傍にいてバッカニア族のくまとも関係を持つ。はたしてこれが偶然の出会いからなのか?私にはどちらも知っていたうえで近づいたんじゃないかと考えてしまう。
だからこそ、私だけは中立でなければならない。彼には不自然な要素が多過ぎる。くまを守る為にも……彼を、アルガを見極めねばならない。
「私はまだ───お前さんを味方とは思えない」
ベガパンクの言葉にはわずかに敵意や警戒といった感情が込められている。そんな相手に対し下手に言葉を返すワケにもいかず黙ってしまう。
「教えてくれ、お前さんはいったい何者なんだ?」
だが、それは完全な敵対心から出たものでなかった。むしろ逆、敵対心を出したくないような悲痛な顔……。
「お前さんがくま達の恩人なのは知っておる。じゃがそれ以上に不確定要素が多すぎるんじゃ。私とてくまの友達を必要以上に疑いたくはない。ただ確証が欲しい。くま達の味方だという確証が」
「…………」
ベガパンクの言葉に俺は無言を貫く。
ベガパンクの気持ちも分かる。俺だって言いたい。だけど、俺が転生者でこの世界は創作された世界だと言って納得してくれるのか?
いや無理だ。そんな突拍子の無い話を誰が信じる。俺が逆の立場でも信じられない。頭がイカれた妄想野郎で片付けてしまう。
つまり、この問いかけに対し俺は答える事はできない。
「お、俺は……」
「その話、私も混ぜてもらえるかしら?」
「「っ!!?」」
言葉を詰まらせていると通路の奥からコツンコツンと誰から近付いてきた。その声は俺のよく知る人物で意外な登場にベガパンクと驚き目を見開いた。
「ロ、ロビン……?」
「ニコ・ロビンか。何故ここへ?」
「ごめんなさい、着けてきたの。貴方達が部屋から出る時、アルガが何か思い詰めた顔をしてたから気になったのよ。それで話もある程度は聞いたわ」
そういい手を軽く振ると壁に耳が咲きすぐに散った。話をある程度聞いたというのはそういう事か。
「私としても、アルガとは一度話し合わないといけないと思っていた。今が頃合いなのかもしれないわ」
「お前さん、何を……」
「ベガパンク、貴方が彼を警戒するのは無理もないわ。
ロビンは懐から一通の手紙を取り出した。
「この手紙覚えてる?貴方が書いてくれた手紙よ」
「え、うん。そりゃ覚えてるけど……何で今それを?」
というより普段からそれ持ち歩いてんの?
「この手紙を読む度に貴方がどれだけ私を想ってくれていたのかが理解できる。嬉しいわ……でも、同時に今でも理解できない部分があるの」
突然始まった手紙の話。何故今この話をしたのか分からなかったが、その答えはロビンが言った理解できない部分に関係していた。
「何故、貴方があの時点で私の過去を知っていたのか」
「っ!!」
俺がロビンに書いた手紙の内容の一部を思い出す。
『実は俺はあなたが何者なのかは始めから知っていました。あのオハラの生き残りであり政府が決して許さない
そうだ、俺はロビンを落ち着かせようとあえてこの文言を書いていたんだ。確かに、後から思い返せばロビンからすれば不可解すぎる。
「貴方の能力を考慮しても、当時ワノ国で百獣海賊団の
その時、俺は今までに見たことのないロビンの疑惑の目に体が震えた。俺に対する彼女の態度が変わろうとしている事実に呼吸が浅くなり息が荒くなる。
そうか、ロビンは今までずっと気付いていたんだ。俺が何かを隠していた事に。それなのに、アラバスタで再会してからも初めて会った時みたいに接してくれて……。
「貴方には誰にも言えない秘密を持っている。それは間違いないわ」
声色がいつもと違い低い。淡々と話す彼女に俺は顔を俯かせる。とても今のロビンの顔を見る勇気が俺にはなかった。
「何、で……聞かなかった、んだ?」
「無理に聞く必要がなかったから。だけど……」
足音に近付いてくる度に心臓の鼓動は大きくなる。そして、俯く俺の視界にロビンの足が見えそっと俺の頬に手を当てる。
ビクッと震える俺の顔はロビンの手により正面を向けられた。そこに写る彼女の表情は───
「───今のアルガは、寂しい顔をしている」
友達を心配するような優しい顔をしていた。
「は?え……?ロ、ビン……?」
「話したくない内容なら聞かないわ。でも、話したくても話せない。誰も耳を傾けれくれないって思っているのなら……聞かせてほしい」
その瞳には確かに疑惑もある。疑念もある。だけど、それ以上に俺の心を案じてくれる優しさが見えた。
「何で、そこまで……」
「貴方が私の全てを知るように、私も貴方の全てを知りたい。貴方の過去、未来という歴史を」
「……!!」
時と場合によっては愛の告白にも聞こえなくもないその言葉は俺に勇気を出させるのに十分だった。
俺にとって愛の告白以上に勇気のいる告白を。
「突拍子も無い話だ。証明する方法はない」
「そうなの。でも信じるわ」
「妄想だ絵空事だと思うかもしれない」
「構わない。信じるわ」
「これは……皆にとって受け入れたくない真実だ」
「それでも聞く。その上で信じるわ」
俺の前振りにロビンは一切揺るがない。絶対的な俺への信頼を向けてくれる。
「たとえ、それがどんなにあり得ない話でもいい。貴方の言葉なら信じられる。だって───私は貴方にとって"初めての友達"なのだから」
「───あっ」
『俺にとってあなたは初めての友達だったから。』
俺が最後に書いた手紙の一文を思い出す。そして、喉につっかえていたものがスッと消えていく感じがした。
もう………馬鹿馬鹿しいなァ。
ここまで信頼されている相手に俺はいつまでウジウジと隠し通そうとしていたのだろうか。そんな必要なんてどこにもないじゃないか。
ベガパンクに対してもそうだ。何でくまさんを助けたい者同士であんなピリピリしなくちゃならないんだ。だったら隠し事は……。
「ニコ・ロビンに便乗する様ですまないが私にも教えてくれ。ただ知りたいんじゃ。くまの為にも、お前さんが何者なのかを───」
「ロビン、ベガパンク……」
もう辞めにしよう。
「俺にはこことは違う世界で生まれ育った記憶がある」
俺は全てを話した。前世ではこことは違う世界の日本という国で生まれ育ったこと。日本でよく読んでいた漫画がこの世界だということ。俺の知る未知の情報源はその原作知識によるものだということ。
全て、俺という全てを告白した。
そして、言い終えた俺は二人の反応を見る。二人はゆっくりと口を開き───
「「ほほう」」
ものすんごく興味深く相槌を打った。
「は??え、それだけ?」
もっとこう驚いたり嘆いたりとかないのか?この世界は作られた物だって言ったんだぞ?
「いや~、スケールは大きいし凄いとは思うぞ」
「文字通り次元が違う話ねーと思ったわ」
「軽っ!!?二人共反応が軽すぎるわ!!?」
小学生の作文かよ!?
「いやいやいや!この世界の誰も知らない受け入れ難い真実だぞ!?世界を創造したのは天竜人、なんて設定やこの世界の概念そのものをたった一人の人間が創り出した物語だって……!」
「それがどうした」
「はあっ!?」
ベガパンクの一蹴に逆に俺が驚きの声を上げる。
「この世には創られたものに満ちておる。むしろ最初から存在しているものなんてない。ただこの世界が自然にではなく人によって創られただけ。それが分かっただけに過ぎん」
「なっ!?」
「私も、物語に出てくる登場人物の一人に過ぎないと聞いて何も思うことがないと言えば嘘になるけれど……私という存在は確かにここにある」
ロビンもベガパンクと同様に受け入れており、その上で自分を持っていた。いや、達観しすぎだろ。
「この世界そのものが創られたものだとしても、私のこの感情は意志は違う。全部が全部創り物だとは思わない」
「ぺぺぺ、ニコ・ロビンの言う通りじゃ。事実、その物語にはお前さんはおらんのだろう?」
「ま、まあ……そうだけど」
「ならこの世界とは別物だな!一種のパラレルワールドという訳じゃ。お前さんがいた事でその物語とは違う点があるんじゃないか?」
ベガパンクの適格の指摘に俺は頷く。
「あ、ああ……。色々と変わった展開は多々あるが、エースやモネ、カン十郎を始めとした知り合い達は原作では死んでたりする」
「カン十郎!それにモネもっ!?」
「火拳のエースも亡くなるのか!」
パンクハザード以降ワノ国までずっと一緒にいたモネの名前を聞き驚くロビン。その横でベガパンクは一つ確認を取ってきた。
「ひょっとして、その中にはジニーも入っているのか?」
「はい、そうです」
「そうか……」
肯定するとベガパンクは遠くを見つめ再び「そうか」と小さく呟いた。そして、俺に顔を向き直すと頭を下げた。
「アルガ、よく打ち明けてくれた。こんな話信じてもらえないだろうと思うのも無理もない。私達に話してくれてありがとう!」
「私からもお礼を言うわ。たった一人で抱えていた秘密を私に話してくれてありがとう。貴方を深く知ることができて嬉しいわ」
「ロビンの後押しのお陰だよ。俺もロビンの言葉を信じられたから言うことができたんだ」
「うふふ、どういたしまして♪」
余程嬉しかったのかロビンは蔓延の笑みで喜ぶ。そこへベガパンクが原作知識について質問してきた。
「ところで、お前さんはその物語をどこまで把握しているんじゃ?」
「期待している所悪いが俺が知る原作知識はもうそんなに残ってない。この後、密かに五老星と繋がっていたヨークがセラフィムを使って謀反を起こしたり、エッグヘッドにサターンが襲ってくる事までしか知らないんだ」
「そうかヨークがの〜……えええええ!!?さらっととんでもない事言いよったぞ!!?は!?ヨーク裏切るの!?リリスではなく!?」
突然聞かされた身内裏切りの情報は流石に聞き逃せなかったベガパンクは落ち着こうと呼吸を整える。
「フゥーッ……そうか。そうなってしまうのか。ならば、今の内のアレはお前さんに言った方がいいかもしれんな」
「アレ……?」
「うむ、最初に会った時に私をこの島から逃がしてほしいと言ったが……スマン、あれ無しにしてくれ」
「…………はい??」
俺もまた突然の依頼破棄に目が点となり首を傾げる。え、どゆこと?一緒に逃げないの?
「えーと?言ってる意味が……」
「端折り過ぎたな。詳しく話そう。と言っても私自身よく分かっておらんのだがな!それは───」
───ピュン!!ズドォォォン!!!
すると、さっきまで立っていた場所が爆発し周囲の鉄の壁や柱がドロリと熱で溶ける。
「な、何じゃあァァ〜!!?」
「チッ!ついに来やがったか」
光線が飛んできた方へと警戒し武器を構える。コツコツと歩き通路の奥から現れたのは一人の少女だった。しかし、その少女はただの少女ではない。
「あれは……S-スネーク!?まさかお前さんが私らを!!クッ、『セラフィム!!攻撃を止めるんじゃ』!!!」
「標的を捕捉、これより
「っ!!?命令を聞かんじゃと!!という事はこれが今言っていたヨークの……!!」
「ベガパンクさがってて!」
「ここは私達に任せて頂戴」
いよいよ始まったかと内心気持ちを切り替えセラフィムと相対する。コイツらとの一悶着が済んだ後には、俺にとって大事な戦いが控えているんだ。
悪いが内輪揉めで無駄な体力を消費させるワケにはいかないんだよ。
「さっさとあの私利私
その後に待っているご褒美タイムに向けてな。