あなたにもう一度毛布をかけるため 作:もしも=ロマンの可能性だよねッ!
今回の話を書く為にアフターストーリーを決めたと言っても過言ではありません!なので、3万文字と今までよりもボリューム満点の内容となっております。
それでは続きをどうぞ!( ´ ▽ ` )つ
ウチには一生消えない「トラウマ」が二つある。
一つは幼少期に天竜人の奴隷だった頃だ。当時幼かったウチには目に写るもの全てが地獄に見えていた。今でもその時の恐怖は鮮明に思い出せる。
もう一つは、ウチが大きく成長し革命軍軍隊長になってからの事。ある日ウチは攫われてしまい天竜人の妻にされた。この時点で既に精神はボロボロだった。最初こそ抵抗心もあったが絶対的支配者を前にウチの心はへし折られていた。
しかし、本当の地獄は……真の「トラウマ」はそれからだった。
『健康的な母体、悪くない。おい貴様───私の研究材料となれ』
その日以降、ウチは好きでもない天竜人との子を妊娠したばかりかアイツの研究の………これ以上は思い出すだけでも身の毛がよだつからよそう。
自由になった今でもたまに夢に出て魘される事だってある。
でも、そんな時にはいつだってくまちーが、娘達がいた。体を震わせるウチに寄り添い励ましてくれる。そう、たとえ一人じゃ乗り越えられなくても家族がいればウチは何度だって立ち上がれる。
家族の存在はウチにとって救い、希望だった。
そうそう、救いといえばウチには天竜人の呪縛から解放してくれた恩人が二人いる。一人は勿論くまちー。小さい頃、彼が食べた悪魔の実の力であの地獄から解放してくれた。
そしてもう一人、天竜人の子供を身籠りアイツの研究を強制され心が死んでいたあの頃。もう帰る場所なんてないと絶望していたウチを救い出してくれたのは何と当時10にも満たない幼い男の子だった。
まあ、くまちーの記憶を見たからアイツが悪魔の実を食って生まれ変わった人生二度目野郎だってのを後で知ったが。
その男の名前はアルガ。本人の前では言わないがウチは彼を尊敬していた。同じ天竜人の奴隷だったにも関わらず最後まで希望を捨てない強い心を持った奴だったから。
アイツは何て言うかそう、逆境に強いんだ。どんな絶望的状況からでも決して諦めない。そんな強さを持つアイツを本当に尊敬していた。
エッグヘッドで再会した時もそれは変わらずあの時と同じ強い目をしていた。政府に絶対に屈しないという強い目を。
「これは
本当にすごいと思う。天竜人どころかその上の存在である五老星を相手にあの態度、あの啖呵。はたしてウチにも同じ事ができるだろうか?
きっと彼はこれからも成長し強くなるだろう。その時ある可能性が頭に過ぎる。それは、世界政府を打ち倒すのは革命軍ではなく、ひょっとして彼なのではないのかと。
流石にそれは過大評価かもしれない。しかし、彼はこれからもどんな事があっても諦めずに足掻いて乗り越える気がする。そして、その進む先の未来に存在するのかもしれない。……と、そう思っていた。
───目の前で泣いて踞るアイツを見るまでは……。
「
行儀が悪いが今は時間が惜しいのでちょうどサンジが焼き上げたピザを頬張りながら議題を出す。
「さて、今後についてだが……もぐもぐ」
「おかわりください」
「下には100隻の艦隊に3万の兵力。そして、大将が一人か……もぐもぐ」
「おかわりください」
「でもおれさっき軍艦退けろつったからもういねーんじゃね?もぐもぐ」
「おかわりください」
「だーかーらー、そんなんで海軍が引くわけねーだろ。チョロすぎかっての。もぐもぐ……それとよォ……」
目の前の問題をどう解決するか戦前の食事を取りながら語り始めた俺達。しかし、ウソップが話の腰を折るようで少し申し訳なさそうに小さく手を上げるが……。
「おかわりください」
「さっきからスゲー食うな驚いたわ!!お前それ何枚目だよ!!?」
「育ち盛りなもので。あ、おかわりください」
「言葉のキャッチボールを誰かが投げる度に平らげてらっしゃる!!?」
話し合いなど二の次と言った感じで夢中になってピザを平らげていく。そのあまりの速さにウソップが仰天した。
無理もない。だって見た目は普通の7歳児だもん。俺だって驚いてる。
あり得ねェだろ。胃袋の性質上……。
「スゲーだろ。こんな小せェ成りしてるが家族で一番の大食らいなんだぜ」
「その体のどこに入ってんだよ……」
「ピザは飲み物です。おかわりください」
「んなチーズドロドロの固形物が飲み物であってたまるか」
「やるなお前、おれも負けねーぞ!」
バニーちゃんの食いっぷりに感化されたルフィがペースを上げる。止めろ止めろ、二人でここのメシ全部食う気か。
でも、俺も見てて驚いた。バニーちゃんめちゃくちゃ食うやん。どれだけ食べれるかは分からんが少なくとも勢いだけならルフィよりも早いぞ。
……と、そこへ
「アルガー!急拵えじゃが頼まれてた物が完成したぞ!」
「えっ!もう?早いな、取りかかってまだ1,2時間ぐらいしか経ってないのに」
「ぺぺぺ、元の完成度が高かったからな。それに+αで少し私の機能を組み込んだだけじゃしな。じゃが、その性能は以前の物とは比べ物にならんぞォ?」
自分の肩を揉み疲れた仕草をする
そこへ俺達の会話を聞いていたウソップが近づいてベガパンクの持つ布に包まった物を見る。
「ん?何だよアルガ、お前ベガパンクに何か作ってもらってたのか?」
「色々あってウソップが作ってくれた"
「慌てるな今見せてやる。刮目せよ!今ここにおヌシの装備は進化を遂げた!!これがおヌシの新たな装備───」
テーブルに置き包まった布を取っ払う。そこには以前とは見違えた手袋……いや、これは───
「"
籠手、前と同じで指を通す穴あきタイプだが、装着面は手首はだけでなく前腕も覆っている。それに材質も違う。前の革材に部分部分に金属製のプレートの様な物が着けられより頑丈性を増している。
何より気になったのが、手の甲に埋め込まれているこの蒼く光る鮮やかな宝玉……。
「おヌシの戦闘は武器や体術を多彩に行うと聞いた。じゃから武器を持っても邪魔にならんよう戦えるようにスマートなフォル厶にし見た目以上に重量も軽量化!更に!今までポーチに入れていた"
「ちょちょちょ!?多い多い!んで早口で聞き取りづらいって!とりあえず、今までの使い方を簡略化したって感じか?」
「そうじゃ!勿論、"
「マジかっ!?」
さらっととんでもねえ事言ってるぞこのじいさん。え?部屋来る前に一通り他の"
ウソップも2年前から"貝"を武器に搭載させる技術は持ってたけどコレはその技術を更に進化させた上位互換に近いな。
にしてもまさか"
「スゲーけど反動がなー……。それで、気になったんだがこの手の甲に嵌め込まれた宝石って……」
「気付いたか。いいじゃろ説明しよう!!これこそがこの装備の要!!
「オートチャージシステム……?自動充電……?」
何が充電されるん?そう疑問に思った俺を見て
「これを説明する前にこの素材について話そう。さっき見て引っかかってそうな感じじゃったが、どこかで見覚えがあったんじゃろ?それもその筈、何せその素材は───青玉鱗じゃからのう」
「っ!!?」
青玉鱗だって……!?
ジニーさんとの苦い思い出が脳裏に過ぎり手の動きが硬直する。
「ジニーとボニーの青玉鱗を治療するに辺りその性質を研究していた。その時思ったんじゃ……自然光を吸収し成長するこの仕組みを何かに利用できないかとな」
科学者とは常に未知に対し探求する者。青玉鱗と言う悪魔のような病気に対してもその興味を唆られたのだろう。
「そうして、研究の過程で面白い発見をしてのう。何と、吸収した自然光のエネルギーを別のエネルギーに変換する事が可能なのが分かった!」
別のエネルギーに変換?……ってまさかっ!?
「じゃあ自動充電っていうのは……!?」
「"
ベガパンクの説明を受けて俺は言葉を失う。ただただ手元に置かれた篭手を見つめて……。
「……とはいえ、出力を考えたり天候などにも左右されるからあくまで理論上はと言う話じゃが……ん、アルガ?どうした?」
「め……」
「め?」
め、め……めめめめめめめめめェェェ……!
「めちゃくちゃ高性能じゃねェかあああああ!!!?」
あえて敵の攻撃を吸収できるようフルチャージは抑えつつ戦ってもよし、それでいて外で戦えば実質無限撃ちが可能って事か!ヤバすぎんだろォォ!!ただでさえ前の"
「気に入ってくれたようじゃな。それじゃ説明を続けるぞ。エネルギー残量の確認は手の甲に装飾されたランプが付いてて───」
そこからは"
そんな中、少し不快な笑い声が聞こえてきた。
「あはははは!!幾らやったってムダムダァ〜♪「暗証コード」はあたいしか知らない。教える気もない残念だったわねェ〜♪」
「ぐぬぬゥゥ!これでェ……どうだっ!?」
『暗証コードが違います』ブブーッ!
「うがァァァ!!これも違うのか畜生イライラするぜェ〜ッ!!」
「落ち着くんや「
「「
「それもそうやな!」
モニター前で何度も暗証コードを解読しようと試みるが中々上手くいかず手詰まりの二人。その姿を見て「
「何度やったってムダなのに頑張るねェ〜♪あーお腹減った〜♪」
「キーッ!こいつゥゥゥ!!」
「あはははは!!」
捕まっているのに余裕綽々な態度でいる「
二人がかりでもダメそうなのを見て
しかし、そこへゾロが一言呟いた。
「なあ、その暗証コードってのが解らねェんだったら、こいつを脅しなり何なりして尋問すりゃいいんじゃね?」
『あ……』
恐らく、今この瞬間だけは皆の思いが一つにまとまった気がした。
「へ?あ、ね、ねえ……ちょっと?何よ皆してそんな目で見て……?っ!や、やめてよ!?あたいに何かあったら五老星が黙っちゃいないよ!?」
明らかにさっきまでと様子が変わり余裕そうだった笑みが完全に消えていた。それどころか皆の視線、特に提案者のゾロの目に怯えだす。
「という訳で誰がする?やっぱロビンか?」
「構わないけれど少し心配だわ。白状する前に彼女の心が持てばいいのだけれど……」
「無視すんなァ!!てか恐いんだけどっ!?何する気っ!?この"悪魔の子"めー!!」
「ふふふ、仲間の為だったら喜んで悪魔になるわよ。あら、アルガも何か真剣に考えているけどどうかしたの?」
ロビンが真剣に考えている俺の顔を見て何を考えているのか聞いてきた。
五老害が黙ってないってことは俺のためにわざわざ足を運んでくれるって事だよな?
「んー、天竜人に手を出せば海軍大将確定ガチャが始まるけど、「欲」に手を出せば五老害確定ガチャになるのかァ……5回殴れば全員来るかな?」
「ガチャ感覚であたいを殴ろうとしないでェ!?」
「相変わらず敵相手には容赦ねェよな。もうこの際、アルガに任せてもいいんじゃね?」
おいおいウソップ、別に俺は尋問なんて得意じゃねェぞ?でも、モネさんの時とは違ってあまり抵抗感はないから少し強引な聞き方ならできそう。
とはいえ、さすがに女性相手に暴力を振るうのはあまりしたくない。
「そうだなー、どうしたものか」
「前にドレスローザでモネにしたやつは?」
「ん?……?あー?…………??」
…………………あっ。
「あー!額くっつけるやつか!」
「完全に忘れてただろお前」
おでこコツンですね。ヤッベ、あの時はその場の思いつきで原作知識を誤魔化すためだけにしてたからすっかり忘れてた。
「アルガ?またあれをするの?」ゴゴゴ…
「い、いやー、実は訳あって今はできないんだよねーアッハッハー……」
「そう」ニコッ
何か急にロビンの圧が強まったがすぐに収まる。何故だか分からんが今俺は踏んではいけない何かを回避した気がした。
反対にアレができないと知るとウソップは頭を悩ませる。
「あれできねェのか。じゃあどうすっか?やっぱロビンに……」
ウソップそう呟いた時だった。
「仕方ねえなァ。おいベガ三代われ。ウチがやる」
「「「略すな!!!」」」
ここで、娘達と一緒にピザを食べていたジニーさんが立ち上がると髪を掻きながら解読に勤しんでいるベガパンク達の方へと歩いていた。
「ジニーさん何をするの?」
「おいおいアルガまさか
「あっ」
そうだ、そういやジニーさんって……。
「ウチは昔、東軍軍隊長なんて大層な看板を背負ってたが、特別強かった訳じゃねえ。戦闘面だけで言えば副軍隊長にも劣る。じゃあ、そんなウチがなぜ革命軍軍隊長を任されていたのか?そりゃあ───」
ベガパンク達を無理やり退かすと大きいモニターの前に立ちシステムの操作を始めた。
「事、盗聴・通信、ハッキングに関して……革命軍でウチの右に出る奴はいなかったからだよ」
やる気に満ちたジニーさんがカタカタと高速でタイピングする。しかし、その姿を鼻で笑う奴がいた。
「プッ、アハハハッ!無理に決まってんじゃ〜ん!いーいィ?あたいはベガパンクだよ?たかが機械に少〜し強いだけの凡人にこの暗証コードは解読されっこな……」
『セキュリティシステム第1フェーズ解除』
「……………………は?」
「うし、出だしは好調っと。言っとくがウチはバカ正直に暗証コードなんて解く気は更々ねェぞ。んな暇あんなら、ハッキングして根本から変えちまえばいいんだよ。こういうのはなァ」
何が起こったのか理解出来ない様子の「
「え?ちょ?待っ……ハア!?ななな何で……!?いやいや、暗証コードが分からないからハッキングって……!それをされない為にセキュリティシステムがあんのよ!?それをこんなっ……!!?」
「半年だ」
「半年……?き、急に何を言って……」
「ウチは娘と自分の治療の為にベガパンクと半年同じ研究所で過ごした。当時はやる事がなくて暇を持て余してよー。ある日、限界が来たウチはコンピューター室でシステムを弄くりまくってた」
「おい待て初耳何じゃが!!?」
聞き捨てならないと
「流石は世界一の科学者だ。どのシステムもコードが複雑すぎて最初はちんぷんかんぷんだったよ。だが、それが余計ウチの心に火がついた。お陰で色々とやっている内に分かってきたんだよなァ───
話しながらも指の動きが止まらない。カタカタとタイピングを続けていくと先ほどのアナウンスが再び鳴る。
『セキュリティシステム第2フェーズ解除』
「うそ!?ちょっと嘘でしょ!!?こんな格下ハッカーなんかにこの研究所のセキュリティが……!!
『セキュリティシステム第3フェーズ解除』
「そのだらしねえ体みてーに見た目通り育ちがわりーんだな。教わらなかったのか?───ハッカーに自分のPCを渡すなってよ」
『セキュリティシステム第4フェーズ解除』
4つのセキュリティを突発し最後のセキュリティシステムの解除に取りかかるジニーさん。その間もサクサクと作業が続き───最後のアナウンスが流れ愕然とする「
『セキュリティシステム最終フェーズ解除。コードをアンロックします』ピーッ!
「テメーがいくら大天才だろうが、こちとらハッキングの大大大天才なんでな!」
『暗証コード解除。システムにログインします』
「ウソだあああああっっ!!!?」
す、すごい……。バリアの暗証コードに関しては原作でも割とすぐに解決する問題とはいえ、それはあくまで解読したのが同じベガパンクの話だ。それも三人がかりで……それを、ジニーさんはたった一人で……。
「ハア〜、ようやくウチも役に立てたな。ここに来てから足引っ張ってばっかだったし」
「そんな事はないですよ。にしても凄い……」
「だろ!」
満面の笑みでドヤ顔する彼女だったがマジで圧巻の一言に尽きる。改めてジニーさんの凄さを認識していると
事前に話し合い既に方針は固めている。島の北東へ逃げるために船を研究所の裏まで移動した巨大ロボでできるだけ飛んで逃げる。その後ロボの飛行可能領域を出た後はサニー号のクードバーストで更に飛んで逃走って作戦だ。
「よし、すぐに脱出の準備に取りかかるぞ!「
「ああ、クードバーストの準備しなくちゃだからフランキーも来てくれ」
「アウッ!!スーパーに了解したぜ!!」
「食糧うんと入れときてェからおれも行くぞ!」
「え!食糧積むんだったらあたしも行く!これから世話んなるし自分の食い扶持ぐらい持ってくさ」
「あ、私も行きます。多分いっぱい必要でしょうし」
原作でも食欲のヤバい二人に加えバニーちゃんも大食いだしなー。これ脱出した後の食糧難の方が危ないんじゃないか?
次々に立候補する中、俺も挙手を上げる。
「俺も行くよ胸騒ぎがする」
「胸騒ぎ……?」
「アルガ、それって下から聞こえる奴か……?」
「スゴイなウソップ。見聞色で気付いたのか?」
「ああ、下からヤベー気配の声がビンビン聞こえてくんだよォ〜……ちょー怖い」
流石ウソップだ。鬼ヶ島の時もそうだったが、見聞色の範囲だけで言えばルフィ以上だな。才能が末恐ろしい。
「うん、気配が一層強まった。大将が動き出すぞ」
「たっ───!!?」
大将と聞き騒然とした直後、室内から警報音が鳴る。下で何かが起きたと分かるとすぐにモニターで状況を確認する。
すると、たった今モニターで戦桃丸と黄猿が戦い始めた映像が流れた。
「黄猿じゃと!?よりによって奴が出張ってきよったか!すまん戦桃丸!!その戦いは酷すぎる!逃げても責めんぞ!!」
顔馴染み同士の殺し合いが始まりそれを見て悲しむ
…………戦桃丸。
『パンクのおっさんを頼む!!』
「任せろ」
あの時に交わした約束を果たすべく俺は小さな声で誓いを呟く。
「戦桃丸のためにもすぐに動くぞ。黄猿は光人間。光のバリアなんて関係なく抜けてくる」
「ウゲッ!?あいつバリア関係なく入ってこれなのかよ!!急がねェとマジでヤベー!!」
俺が説明するとウソップが焦りまくり取り乱す。他も少なからず時間はそう長くないと理解したのか各自行動を開始する。
まず、船を北東へ移動させるために俺、ルフィ、フランキー、リリスさん、ボニーちゃん、バニーちゃんは研究所を出る。
次に、脱出するに辺りベガパンクが必要とする荷物の回収にジンベエ、ゾロが向かう。それと、ルッチ達をこのまま放置するのは危険なのでCP達が捕まっている地下の研究室へと連行するためにステューシーさんとサンジが行動する。
残りのメンバーはいつでも出られるよう準備しつつ戦況を把握するために司令塔室で待機となった。
「うし、野郎共!やる事しっかりやってこの島から逃げるぞ!!準備はいいな?行くぞォ!!!」
『おおっ!!!』
ルフィの号令で士気が上がり各自行動を始める。俺達もすぐに研究所から出てサニー号へと向かう。
その間リリスさんは何やらウキウキと浮足立っていた。
「わし実はね!島の外に出るの初めてなんじゃ♡」
「遠足じゃねェぞ……?」
「気持ちは分かるけどな」
初めての体験ってワクワクするもんな。リリスさんにとってはこれが初めての冒険になるんだ。だったらうんと楽しんでもらわないと。
まあ、それはこの島を抜け出してからだけどな。
「…………」
それよりも、さっきからボニーがやけに静かなのが気になる。ずっとルフィをみているみたいだけど……。
「よし着いた!わしはベガフォース1を起動させる。おヌシらは船へ!」
「わかった!」
船に到着するとリリスさんがベガフォース1に乗り込みサニー号を持ち上げ移動を開始させる。このまま研究所の裏まで……って所で奴は現れた。
「っ!黄猿が来るぞ!!」
『───ッ!!!』
海軍が攻めてこないようにフロンティアドームのバリアは脱出する直前までは解除しないようにしている。しかし、バリアなど意味をなさない最強の海兵が今……
「海岸に船がないと思ったらここにあったのか……」
姿を肉眼で捉えた瞬間、俺とルフィは同時に駆け出した。サニー号から降り黄猿の前へと立つと挨拶がてら一撃入れる。
「おお〜……こりゃまた行儀が悪いねェ〜」
「黄猿、おれ達は2年前の───100倍強ェぞ」
覇王色を込めた強力な蹴り。2年前とは比べ物にならないほど成長したルフィを肌で実感した黄猿は嘆息する。
「こりゃあ……骨が折れるねェ……」
「お前を自由にさせるわけにはいかねェ。リンゴのおっさんを逃がす為にもおれがここでぶっ飛ばしてやる!!」
「だな。それにお前ベガパンクと親友なんだろ?なら見逃してくれよ」
「ハァー、ゼファー先生の時といい……鬼の戦漢とは戦いづれェ時に出くわすなァ」
「戦いづらい?2年前にレイリーさんにも言われてたハズだぜ。戸惑いこそ人生だよ黄猿くん。それと、これはそっちの拳骨中将の受売りなんだが───」
俺もルフィに負けじと武装色を込めた金棒を振り上げ黄猿との距離を詰めた。
「ッ!!」
「迷う奴は、弱い!!!”
そして、脳天をかち割る勢いで金棒を一気に振り下ろすとその衝撃で島雲に大きな穴ができる。柔らかい素材なのもありあっという間に底まで貫通してバリアの外まで落下する黄猿だったが……。
そう簡単に倒させてくれる相手じゃないわな。
「フゥ〜、痛いねェ〜。……確かに、わっしはこの任務に乗り気じゃない。でもなァ、これでも海軍の大将張ってんだ。個人の想いを自制できねェで軍人が務まるかよ」
穴から光の粒子が飛び出し人の形へと密集する。そこから現れたのは無表情の黄猿だった。
……ん?サングラス越しに見える?それって……。
「以前、ピリオ島ではてめェに注意されたっけなァ。サングラスが濃ゆいって……。だが、あの指摘のお陰で今回は覚悟を決められたよ。躊躇せず親友を殺す覚悟を」
「───ッ!!?」
見聞色で数秒先の未来の黄猿の攻撃を見る。そこには一切の躊躇いはなかった。
「迷う奴は弱い……つったっけ?聞くがおめェ、今のわっしを見て───迷いがあるように見えるか?」
光速の蹴りが来る!避けても無駄だすぐ追撃される!だったら身を固めて……!
「速さは重さ、重さは力───光速という逸脱の力から繰り出される威力を味わうといいさ」
「ガッ───!!?」
金棒でガードを取るもそんなのお構いなしに蹴り飛ばされた。とんでもないゴリ押しである。しかし、超スピードから繰り出される攻撃というのは……シンプルに強い。
森に突っ込み幾つもの木々をへし折られながらも飛ばされ続ける。ようやく勢いが止まる頃には全身が痣だらけとなった。でもな……。
「あー、痛た。ぺっ、土が口に入った……。黄猿の野郎、確かに今のは痛かったが……強化してない俺を一発ケーオーできてない時点で本調子じゃないのバレバレだっての」
覇気もブレブレだし蹴りが直撃する瞬間僅かに力も緩んでる。これが無意識なのだとしたら……。
「迷いはない?そう思い込んでるだけじゃねーか」
これ以上長引かせても辛いだけだ。早く終わらせよう。
「”
『アルガがんばれー!』
『今回は夫婦で応援するぞ!』
全身に淡い光が溢れ力が漲ってくる。うおし、今度はこっちの番だ!
俺は飛ばされた道を突っ切りすぐに戦線へと戻る。そこでは”ギア4,,「スネイクマン」となったルフィが黄猿と対峙していた。
「お前さんがベガパンクを守るってのは……どういうわけだい?」
「それはこっちが聞きてェよ!!!何でお前らがリンゴのおっさんを殺してェんだよ!!!」
「…………殺してェわけ!!」
ルフィの問いかけに黄猿は眉を寄せ姿を消す。厳密には高速で空の彼方まで距離を取った。
「ん?えェ!?どこまで飛んだ!?」
「ルフィ気を付けろ!!強力なのが来るぞ!」
「アルガ!!無事でよかっ───ぶわ!!?」
俺の姿を見て安堵するルフィだったが、その気の緩みが仇となり意識が逸れた瞬間に顔面を高速の蹴りが襲った。
「ルフィ!!?あのバカッ!!」
俺の時より遥かに助走距離が伸びていたため今までで以上に強烈な蹴りを食らってしまったルフィはベガフォース1を貫通しそのままバリアの外までぶっ飛ばされてしまった。
それによりフロンティアドームの爆撃も追加で襲われる。この後の展開を予想し俺は電伝虫で連絡を取る。
「ルフィ!!チィ!ベガパンク応答しろ!!」
『何じゃ!!今ドームのシステムが作動したぞ!?』
「ルフィが被爆した!!でも、死んじゃいないから安心しろ!!それよりも急いでバリアを消してくれ!!」
『ハア!?今消したら下のパシフィスタに狙い撃ちじゃぞ!!』
「大丈夫!!このままだと───」
「わっしを前に悠々と通話とは余裕だねェ〜」
そこへ黄猿が背後に現れ俺の後頭部に指を当てる。そして、指先が眩く光り熱を帯びだした。
「ッ!?あっぶね!!」
すぐにしゃがむとさっきまで頭があった所にレーザーが通り過ぎた。仕返しに回し蹴りで背後を蹴るが既に姿は消えていた。
くそ、見聞色で行動は把握できるが、やっぱり速いってのはシンプルに戦い難い!攻撃が全く当たらん!……ってやべ、あいつらが襲われる!?
どうしたものかと悩んでいると今度はボニー達の前に現れていた。
「随分と大きくなったねェ。ボニー、バニー……ベガパンクを恨んでるんだろう?抹殺命令が出たよ」
「……ッ!!あたいが狙うべき相手は変わったんだよ!!”
「おっと〜……、任務以外で知り合いを傷つけさせねェでくれよ……」
ボニーちゃんが黄猿を攻撃するもあっさり躱されてしまい背後を取られる。すかさず蹴りを入れようとした時、間にバニーちゃんが間に入った。
「お姉ちゃんやめて!!黄猿さんも襲わないで!!昔一緒にピザを食べた仲じゃないですか!!だからこれ以上は───」
「バニー……ごめんなァ」
「っ!!?」
黄猿がそういい一言謝罪するとバニーちゃん諸ともボニーちゃんと一緒に蹴られブォン!と飛ばされる。
……ん?ブォン?音が蹴り飛ばすと言うよりは投げ飛ばすような音だった気が……あ!
「「うわああ〜〜!?」」
異様な音と二人の声を聞き確信する。今の蹴りに威力なんてない。ただこの場から飛ばすだけの軽いものだ。
そういえば、原作でもボニーは黄猿に蹴り飛ばされていたがトン、と優しく踵をつけてから蹴り飛ばしていた。自分から傷つけられないからバリアに任せようとしてたんだ。
とにかく今は……!間に合えェェ!
「うおっとと!無事そうでよかった」
「アルガ!?」
「アルガお兄ちゃん!?」
何とか二人の飛ばされる直進に着くと見事キャッチに成功する。しかし、空中での受け止めだったので慣性までは止められず三人共「
バリアが発動すると身構える二人だったがさっき連絡していたお陰で既に解除されており被爆する事なく落下する。
「ふー、連絡しといて正解だった。さて、ここからどうするか……」
「どうするもこうするもあるかァああ!!!落ちてんだぞォオォォオオッ!!?」
「あばばばばばばっ!!?」
二人を抱えて”飛龍翔,,で戻るのは簡単だ。だけど上には黄猿が待ち構えているハズ。原作通りベガパンクを消しに行くのを待ってから上がるか?
原作通りならニカになったルフィが戻って止めに行くだろう。何より、今回はルッチが捕まっててゾロもフリー状態。二人が共闘すれば安心して戻れ───
───ゾクゥゥゥッ!!
「ッ!!?この異質な気配……!」
初めて感じるはずなのにそれが誰なのか分かってしまう程その声はおぞましかった。
「サターンかっ!」
「えっ……」
既に上陸してるとなるとあまり悠長にはしてられない。少し早いが一先ず上に戻って二人を……。
「下に……あいつが来てるのか?」
「ボニーちゃん?ちょっ!?」
サターンの名を聞いた途端にボニーちゃんの表情が怒りに染まる。
「頼む!!あたいを下へおろしてくれ!!奴は絶対に許さねェ!!!」
「ボニーちゃん……あっ!?」
既に地面までそう高くないのを確認するとボニーちゃんは俺を踏み台にし先に着地する。そして、そのまま血相変えて走り去ってしまった。
そうか、ボニーちゃんもくまさんの事情を知っているんだったな。むしろ記憶を見ていた分俺以上に詳細の事情まで……。
だからこそボニーちゃんは自分自身で決着をつけなければならないと思いひとりで行ってしまったのか。
「だからってひとりは危険すぎる!サターンの他にも海軍がわんさかいるんだぞ!?」
俺も地面に着地するとすぐにボニーちゃんを追いかける。そこでバニーちゃんの口が開き姉を擁護する。
「アルガお兄ちゃんお姉ちゃんを許してください。私も一緒にお父さんの記憶を観たから気持ちが分かるんです。あれは……ヒドすぎるっ!」
「バニーちゃん」
涙を堪らえようと必死に目を瞑る少女を見て俺は聞いてしまう。
「なあ、教えてくれないか?くまさんが何でああなってしまったのか。五老星との間に何があったのかを」
「分かりました」
そうして、俺はバニーちゃんの話を聞きながらボニーちゃんを追いかけるのだった。話を聞く度に怒りのボルテージを上げながら。
あたしは走った。ひたすら走った。
「ハアッ!ハアッ!ハアッ!どこだ?どこにいやがる!!」
「誰か来たぞ!構えろ!!」
「あれは「最悪の世代」の一人ジュエリー・ボニーだ!!」
「正義の名の下に奴を討ち取れェェ!!!」
「邪魔だァァァ!!!”
「「「ぎゃあああっ!!?」」」
海兵に構っているヒマはない。銃を取り出し向かってくる海兵に銃弾を浴びせる。すると一瞬相手の皮膚は崩れ骨だけの状態となる。すぐに戻ったがそのショッキングな状態に精神が崩壊し失神した。
サターンと言う名を聞き頭に血がのぼっちまって冷静な判断ができなかった。思わず飛び出しちまったが先にアルガから奴の居場所を聞くんだったな畜生。
そう後悔していると上からヘンテコな車が降りてきた。よく見たらベガパンクと麦わらの一味に……っ!?
「ゲッ!?お母さん!!」
あたいを心配してかは分からねェが必死の形相であちらこちら見渡している。すると……あ、目が合った。
「いたァァァ!!!」と言っているのかあたいに指を差し車がこっちへ降りてくる。そして、車の窓が開くと「
「全パシフィスタよ!!ベガパンクより命令を変更!!───「島の海兵を、一掃せよ」!!!」
その一言でさっきまで海兵と一緒にいたパシフィスタ達が一斉に海兵を蹴散らして行った。
よかった、これでパシフィスタはもうあたい達を狙わな……。
「逃さないよ!ジュエリー・ボニー!!」
「えっ!?何で……!!?」
突如立ち塞がってきたパシフィスタを前に驚く。たった今命令が置き換わったはずなのに何故このパシフィスタだけあたいを……!?
よく見るとパシフィスタの上に小せェババアが乗っていた。
「一体だけなら問題ないね!ウチァいかなるものも乗りこなす"ノリノリの実"のドライブ人間!!いい加減大人しく捕まりなァ!!!」
「くっ!」
口からレーザーを撃ってくる。軌道自体は単調なので避けるのは造作もない。ただ、別人と割り切ってはいるがあの梅干しババアにお父さんが乗られている事に腹が立つ。
「ハッ!こんなもんかよ!!しわくちゃの梅干しババアは無理せず免許返納でもしてやがれ!!」
「何おう!!いいじゃろコイツの力とくと───」
ここからが本領発揮と言わんばかりにパシフィスタの上で立ち上がるとその頭上からひとりの影が現れた。
「パシフィスタとは言えくまちーの上に乗ってんじゃねーよ梅干しババア!!!」
「ピュゴス!!?」
頭に飛び蹴りを食らった梅干しババアはうめき声をあげパシフィスタから転げ落ちた。
「くまちーの上に乗っていいのはウチだけだ間女」
「誰が間女だい!!いてて、お前は確か革命軍の……。海賊と元革命軍とは珍しい組み合わせだねェ。いや、待てよく見りゃ顔立ちがそっくりだ。まさか……」
「ハッ!海軍は政府とろくに情報も共有してねーのかよ。よーく覚えとけ、ボニーはウチの娘だよ」
「やはりそうかい。だったら母娘共々捕まえてやるよ。ジュエリー・ジニー!!」
梅干しババアから凄まじい威圧を放つ中、お母さんは……ポカンと呆気にとられていた。
「あー、そうか。そう認識されちまうのか。もうくまちーは取り返したし、この際全部明かしちまってもいいかもな」
「何がだい?」
「おう海軍よく覚えとけ。ジュエリーは偽名で本当の名じゃねェ。ウチはくまちーの妻!!つまり、ウチらはバーソロミュー一家って事だよ!!!」
お母さんのカミングアウトに梅干しババアどころか周囲の海兵達もざわめく。
「なっ!!?あの暴君くまが妻子持ちだったのか!!間女ってのはそういう……多少の同情はあれどお前らが敵な事には変わらない。だったらお前らのオヤジの手で捕まえてやるよォ!!!」
梅干しババアがもう一度パシフィスタに乗り再び操ろうとする。そして、騒ぎ過ぎたのか海兵がぞろぞろとやって来る。
ちらほらとヤベー気迫を出す奴も混じってる。中将か?だとすりゃマズイ……。そう思った時だった。お母さんを狙おうとした海兵が一瞬で蹴散らされる。
それを行ったのは……。
「麗しいレディーを傷つける奴ァこの"おれフィム"が許さん!!!そう、おれはジニーすわんの
「おう、めちゃくちゃきめーけどサンキューな」
「お〜いボニー!!迎えに来たぞォー!!」
「"黒足"だって!?「四皇」の最高幹部が出張ってきたか。それにベガパンクまで……こりゃ好都合。まとめて倒せば形勢は一気に───」
「”
標的であるベガパンクが目の前に現れやる気を入れ直す梅干しババア。しかし、その直後どこからか光る何かが飛んで来てババアが乗るパシフィスタの頭が吹き飛んだ。
「ぐあああっ!?何が起きて……っ!!?アイツは!!」
「アルガ!!」
飛んできた方へ振り向くとそこにはバニーを抱えたアルガが立っていた。だけど、何処か様子がおかしい。まるで何かに怒っているような……。
バニーを降ろすと二人であたいの元へと来ると怪我がないか心配してくれた。
「ボニーちゃん、無事でよかった。もう、家族から離れるんじゃないぞ」
「あ、ああ……。所で何かあったのか?スゲー怒ってそうだけど……」
「んー、改めて政府の糞っぷりを再認識した感じかな。それと……それを黙認するあの連中もな」
明らかに怒りを抑えている様子の彼を見て思わず体が竦んでしまう。その対象ではないにも関わらずこのプレッシャー。
いったい何が彼をああさせたのか。その答えはすぐに分かった。
「ここにいる海兵に聞きたい。お前らは本当に正義を掲げているのか?」
「何だとっ……!」
「貴様っ!我々海軍を愚弄するか!!」
彼の質問にその場の海兵が苛立ちを覚える。当然だ、海賊に正義を持っているのか疑問を投げつけられりゃ怒るに決まってる。
だけどアルガが話を続けた。
「これだけの軍勢だ。いるよなァ?こん中に、ゴッドバレー及び3年に1度行われる天竜人の『人間狩り』に参加した奴ら。そいつらに一言聞きたい……」
『………?』
『っ!!』
今の質問でまるでピンとこない者と心当たりがある者で海兵達のリアクションが二つに大きく別れる。
そして、お母さんはピンとくる方のリアクションだった。
「天竜人の欲望に振り回された人達を助けねェでお前ら───どの面下げて正義掲げてんだァ!!!!」
アルガの怒号が空気を震わせる。その鋭い眼光が海兵達の肌にビリビリと触れていた。
「知ってたか?くまはかつて行われた「人間狩り」の生き残りだ。ここにいるくまの家族も天竜人と深い因縁がある。ジニーさんが元革命軍だったのもボニーちゃんが海賊になったのも元を辿りゃあてめェら海軍と政府の糞っぷりが招いた結果なんだよ」
アルガの言葉と気迫に一瞬たじろぐ海軍。話した時間はそう長くはないが普段は優しく見えていただけに今の姿を見てあたしは意外だと驚く。
この人がここまで怒る姿を見たことがない。
「弱き民を守るのが海軍なんじゃないのか?助けを求める人の手を取らず天竜人の非道行為を全肯定。少しでも歯向かえば逆にひいたげられた奴らが犯罪者にされる……。なあ、マジでどの口で正義とかほざいてんだ?ア"ア"?」
ものすごい威圧感。海軍も本当の事を言われたからか強く出れる者がいなかった。そんな中、梅干しババアが前へと出る。
「そんな子供染みた理想論を説くのはやめときな。そんな空想の平和を叶えられるほど現実は甘くないよ」
「そうか、お前は
「うむ、確かにお前の言う通りここには「人間狩り」に手を貸した海兵もおる。ウチもその一人さ。だがね若造……そんな理想の完全平和なんてものは土台無理なのさ」
梅干しババアは現実の厳しさを説き始める。
「完全な平和に近づける為に秩序がある。そして、その秩序を守るのが我々の正義さね」
「その秩序って言い訳気に入らねェな。要するに非加盟国に人権なんかない。平和の犠牲に切り捨てるって言ってるようなもんだぞ」
「間違っちゃいないよ。それが現実だ」
梅干しババアの返答に眉をひそめたアルガは鼻で笑う。でも、眼光は未だ鋭く目は笑っていない。
「ハッ!言い訳ができないからって次は開き直りか?笑えねえな。政府の都合のいい正義って改名しろや」
「そう言われると耳が痛いねェ。だが、お前の激情も聞き入れよう。ウチらに全てを守れる力がないのも事実だからね」
どこまでも達観した現実主義をかざす梅干しババアはアルガの想いを汲んだ上でハッキリと言い切った。
「多少の犠牲は目を瞑る。だからこそ、守れる命もあるんだよ。10の命を切り捨てて100の命を救えるのならそうする。流れる血の量を減らす事、それが……「秩序」じゃよ」
梅干しババアの言葉アルガしばらく黙り込むと改めて向かい合う。
「……俺、スモーカーとかTボーンとか海兵でも好きな奴って結構いるんだよね。自分の正義を持っててさ」
「何……?」
「だけど、それはあくまでその海兵個人。それを改めて理解したよ。やっぱ俺───海軍嫌いだわ」
「……そうかい。そう思わせる不甲斐ない組織ですまないね」
話を終えるとアルガは軽蔑の瞳で見下した。その視線に申し訳なさを感じたのか目を瞑る。しかし、再び目を開くと気持ちは切り替えていた。
「少々、語らいが過ぎたね。変に情が移っちまいそうだ。じゃが……頃合いだね」
「ッ!?アルガ危ねえ!!」
「”
「”
突如現れた海兵がアルガの背後を襲う。咄嗟に声を出し彼も気付いたのか上へ跳んで回避した。
「悪いが時間を稼がせてもらったよ。さっき応援を呼んだんだ。直に援軍も更に来るだろう。騙すようですまないがこれも平和の為じゃ。せめて、ウチらで苦しまずに終わらせよよう」
「…………」
話し込んでしなったせいで周囲には海兵で埋め尽くされる。それに、今攻撃してきた二人ただ者じゃねェ。おそらくは中将だ……クソ、どこにも逃げ道がない。
あたいとバニーとお母さんはサンジがスゲー気にかけてくれている。……あれ?ベガパンクは?
「サンジ、皆を頼む。できたらベガパンクもお願いね?」
「お?……あー、「
「うおい!!私にもやる気を出してくれーサー!!?」
「んで、アルガ……手出しは?」
「無用で」
互いに短く言葉を交わした瞬間、二人が視界から消えた。
「は!?奴らどこへ───ぶはっ!!?」
「おいどうし───ガハッ!!?」
一瞬、姿が見えたかと思えば海兵がぶっ飛ばされまた消えた。それを繰り返され海兵達の動きが鈍る。アルガの動きに目を奪われているといつの間にかサンジはあたい達の傍に戻っており近くの海兵が倒されていた。
「おー、はえーな。やっぱ強化状態だとおれより動けやがる。さて、おれ達も早く上に戻ろう。「
「えっ、いやでもあたいにはまだやりたい事が───」
ここで戻るわけには行かない。そう言おうとした時、しびれを切らした中将達がアルガを襲う。
「確かに早いが……見聞色で先読みすりゃ意味ねェぞ!!”ラッコハンマー,,!!!」
「ちょっと置いたが過ぎんじゃねェか?”
「また2年前の様に叩きのめしてくれる!!”
「おねんねの時間だよ!!”
海兵をぶっ飛ばした後の僅かな隙を突き中将達が全方位から一斉に仕掛けてきた。アルガは避けるのをやめその場に立ち尽くす。
あれはヤバいだろ!?
「アル───」
あたいの叫びは無残にも中将達の攻撃による轟音でかき消されてしまう。直撃した、あんな攻撃を食らってただで済むわけがない。そう思い他の皆も焦った顔になっていた。
…………サンジを除いて。
「そういや、お前らには2年前お世話になったっけ」
『───ッ!!?』
「じゃあ、お返ししなきゃな。利子つけて」
「コイツッ!?全身に武装色を……それもなんて練度───グボォホッ!!?」
「土茶中将!?」
大してダメージがなかったのかまるでピンピンしてるアルガが土煙を払い中将一人を殴り飛ばす。全身が黒く染まった彼の拳は今まで見てきた中でも群を抜いていた。
武装色はあたいも使えるけど……彼が見せるあれはレベルが違う。あそこまで鍛えるのに、いったいどれだけの……。
「おのれ!!」
「効いてない筈がない!もう一度……!!」
「お前らに俺の特技をひとつ教えてやる。それは……」
ラッコ貝の槍を持った中将と腕にヘンテコな機械をつけた中将が同時に仕掛ける。しかし───
「───
この男には通じなかった。
「ゴフォッ!!?」
「ギヒョッ!!?」
両拳を振り上げ左右の中将の顎を殴り飛ばす。顎を殴られ脳が揺れたのか意識が途切れた二人は無抵抗に空高くへと飛ばされた。
そこへ隙だらけとなったアルガの腹めがけパンクな女中将が殴打を繰り出す。しかし、未だ解いていない全身武装色の前には膝一つつかせることは叶わない。
「っつゥ!?なんつー硬さだよ!!」
「俺に攻撃を通してェんなら、カイドウの皮膚に傷負わせるぐれーの出しやがれ。魚人空手」
「ッ!?」
「”
「ぐはああああっ!!?」
パンクな女中将は同じように武装色で身を固めガードをするがアルガの拳の前では無意味に終わった。
あっという間に襲いかかる中将達をのしてしまいその光景に目を奪われる。それ程までに圧倒的だった。
「すげェ……」
思わず声が漏れてしまうが仕方がないと思う。同じ「最悪の世代」筈なのにここまで差があるのかと驚きを隠せない。
これが「四皇」を倒した海賊なのか。
「なあ、ばーさん。あんたさっき時間稼ぎつったけど……それはこっちも同じだ」
「何だって……?」
「俺も、奴が来るまでの時間稼ぎだって言ったのさ。おい、ベガパンクが降りて来てパシフィスタの威権順位はこっちが上になってんだ。いい加減出てこいや無能ジジイ!」
「お前さっきからいったい何を───」
『確かに、そろそろ虫だけでは心許ないな』
どこからともなく聞こえてくる男の声が聞こえてくる。何が起きているのか理解できずこの場の誰もが困惑する。
だけど、あたいは知っていた。この声を……。
『「止まれ……パシフィスタ」』
謎の声が島全土に響き渡る。すると、今まで暴れていたパシフィスタが動きを止めた。
ベガパンクの命令を上書きされた。こんな事が出来る奴なんてもう、奴らしかいない。
『島内海兵へ!!「五老星」サターン聖がエッグヘッドへ上陸なさる!!准将以下、まみえる事も許されぬ!!』
島中にアナウンスが響き渡ると目の前に巨大な魔法陣のようなサークルが浮かび上がる。すると中から黒いイナズマと炎が立ち昇り異形の化け物が姿を現した。
あたいは居ても立ってもいられず戦場で落ちていた剣を拾い上げる。これから何をしようとしたのかを察したサンジは急いであたいの肩に手を起き止めようとする。
「待つんだボニーちゃん!」
「うるせェ!!アイツは───」
「あ、あァ……ァァァッ……ッ!」
お父さんの仇だ。止めんじゃねェ!と言おうとした時、後ろからうめき声が聞こえた。あたいとサンジ……いや、ベガパンクやバニーもその声の方へ顔を向けると……。
「いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
お母さんの叫びが木霊した。
とうとうサターンと対面したと思えば突然絶叫するジニーさんを見て俺は困惑していた。
「ジニーさん!?ボニーちゃんお母さんに何があった!?」
「わ、分かんねェ!急にうめき声を出したと思ったら体を震わせて……!」
ボニーちゃんもよくわかっていない様子。こんな母親の姿を見たことがないのだろう。
「いやいやいやいやいやいやいやごめんごめんなさい許してくださいウチが悪かったですどうかお許しくださいお願いしますもう逃げ出したりしないです歯向かってしまい申し訳ありません二度と致しません全てウチが悪かったですごめんなさいごめんごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
完全に心を折られている。いつもの勝ち気で堂々とした態度を取っていた分彼女のかわり方はあまりに異様すぎた。
それも、サターンを見た瞬間に……。
「お母さん!?」
「ほほう、以前聖地から逃げ出したと思ったがしっかり
「躾けだと」
「なんだ、聞いとらんのか?いや、言えなかったんだろうな。何せ、この女は私の───研究のモルモットとして使ってやっていたのだから」
「は……?」
…………………………………は?
モルモット?ジニーさんが?コイツの……?どういう事だ?ジニーさんは元奴隷ではあるけど二度目は天竜人の妻にされていたハズだ。それが何で……。
「何を呆けた顔をしておる?たとえ天竜人の妻であろうと私が欲しいと思うものは全て手に入る。それが……「五老星」だ」
五老星、イムを除きこの世で何をしても許される唯一の存在。それは他の天竜人へ対しても例外ではなかった。
「当時、とある研究に辺りちょうど健康体の母体を探していた所だった。私が運がいい、薬物実験としてこの女を使っていたのだ。まあ、副作用で青いアザが出て失敗したが……。中々うまくいかぬが、まさか生まれた子にも遺伝するとはな」
「……えっ??」
サターンの言葉にボニーちゃんは理解が追いつかない。いや、
「全部……おまえが……」
「お前には"別の実験"を施したが、とんだ副産物ができたものよ。まあ、そのお陰で貴様ら虫共を監理下に置けたがな」
聞けばとんだマッチポンプだった。全てサターンに振り回された結果だと知るとベガパンクは激しく怒り怒鳴りつける。
「あなたの実験!?サターン!!くまの家族は……!!青玉鱗に翻弄されたんじゃぞ!!!くまはその為に、命を差し出したんじゃ!!よくも"取り引き"などと恩着せがましく!!!それに"別の実験"とは何じゃ!!貴様ボニーにも何かしたのか!!?」
「喚くな。何、ちっとばかり浮かんだ疑問を解消したまでよ。直接実を食えぬ赤子にエキスで能力を与えられるかの実験をな」
「なっ……!!?」
サターンの返答にベガパンクは怒りから驚愕へと変わり言葉を失う。つまりコイツはジニーさんに青玉鱗を受け付けただけに飽き足らずお腹の中にいたボニーに……!
ドクン……ドクン、ドクンッドクンドクンッ!
何を言っているのか理解したくない。くそ、心臓がうるさい。気持ち悪い……!
「何て非道な……!!!」
「非道……?おい、私の身にもなってみろ。"虫ケラ"の気持ちを理解しろと言うのか?不可能だ……」
「あ…あァ……」
サターンの人を人とも思わない所業にボニーちゃんは両手で自身を強く抱きしめ一種の拒絶反応を見せる。
「…………」
それは俺も同じだった。当事者でもないのにこの嫌悪感……吐き気がする。
何なんだ、倫理観とか道徳心とかそういったものじゃない。もっとこう、根本的な何かが欠落している。目の前にいるのは果たして……人なのか?
「うわあああああああああっ!!!」
「ボニーちゃん!!」
「お前のせいで、お父さんもお母さんも……!!!」
感情が爆発したボニーちゃんはサンジの声も聞かず剣を持ちサターンへと走った。そして、高く跳び上がり奴の喉元へと突き刺した。
五老星が刺され周囲の海兵がどよめくが、サターン自身が場を収める。
「喚くな。危険なら回避しておる」
「ウ"ッ!!?」
衝撃波か何かは不明だが目に見えない何かがボニーちゃんを襲いぶっ飛ばされた。宙に投げ出された体を掴み握り潰さんと握力を込めるとボニーちゃんの体がミシミシと骨の軋む音がなる。
「アッ!ア"ア"ア"ア"ッ!!?」
「ボニーちゃん!?待ってろすぐ───ウ"ッ!?」
「サンジ!?急に飛ばされ……血っ!?お前さん何をされ───うぐっ!?」
「あう!か、体が……!?」
飛ばされたサンジに続きフランキーやベガパンクやバニーちゃん達まで次々と動けなくなっていく。どんどんピンチに追い込まれているとそこへ上から二人の影が落ちてきた。
ひとりは黄猿。ルフィと戦い満身創痍となった姿で地面に落下した。そして、もうひとりはニカ状態で戦った後に見せるしわくちゃルフィ。こちらも疲弊しきっておりお互い戦闘不能の状態で地面に横たわる。
「黄猿、何だその体たらくは?情けない」
「面目ねえ……」
「メ、メヒィィー……」
「ルフィ!?くそ、こんな時に……!!」
「アウッ!ヤベーぞサンジ。辺り海軍だらけ、目の前には化け物、おれ達は動けねェ……状況は最悪だ。そういやアルガは……っ!おい何ぼーっと突っ立てやがる!早くボニーを助けねェか!!」
フランキーから叱咤を受ける。しかし、俺は動かなかった。俺自身、初めて知った情報やこれまでの記憶を整理しじわじわと侵食されていくこの感情を抑えていた。
『二人の病気が治るならおれはどんな運命でも受け入れる』
あの優しいくまさんが家族のために自分を犠牲にした。
その言葉通り政府はくまさんと契約を交わし青玉鱗の治療を施す。しかし、それはサターンによるマッチポンプ。ジニーさんもボニーちゃんも全てサターンの実験の被害者だった。
二人がどんな思いで青玉鱗と戦ってきたのか……それをこの男は……。
ドクンドクン!と心臓の音がどんどん高鳴っていくのがわかる。カイドウでさえここまで感じなかったのに。こんなの……初めてだ。
"怒り"、なんて生易しいものじゃない。自分でも驚いている。怒りでどうにかなってしまいそうだったのが今では冷静に思考が巡っている。
怒りを通り過ぎ感情的だった思考が───吹っ切れた感覚。
もう、相手がどうなろうが関係ない。自分でも恐ろしい程に冷静でとめどなく溢れるこの想い……。
明確な殺意───
「殺してやる」
重々しくも淡々とした怨念が籠もっているような低い声。その言葉に一切の躊躇はなかった。
『───!』
『────!!』
「ふん、何もしないのならそこで見ておけ。さァ、お前たちこの女の頭を撃ち抜───ぬっ!?」
「”
───グチャリ!
サターンが海兵に指示を出す前に俺は一瞬で奴の顔面まで跳躍すると覇気と同じぐらい怨念を込めた金棒が生々しい音と共に頭を打ち抜いた。
頭が消し飛び力が抜けたのかボニーちゃんが手から解放される。すぐに抱き寄せ皆の元へと連れて行った。
さっきので拘束が切れたのか皆動けるようになっている。
「とと、動ける!そういやルフィ君は……えっ!?食っとる!?いったいその食料はどこから……??」
「むしゃむしゃ!ウメェ〜!ガツガツ!」
何かルフィの周りにめちゃくちゃ食べ物が置かれている。誰の仕業かは分からないが助かった。ちょっとご都合的すぎる気もするが……まあ、仮に毒が入っててもルフィなら抗体あるし大丈夫か。
「ナイスだアルガ!!ボニーちゃんもう安心だからね」
「あ、ああ……。なあ、助けてくれてありがとよ。だけど、仇はあたいが取りた……うげキモッ!!?」
「おいおい、マジかよ……頭が再生してやがる!?」
金棒で潰したはずの頭部がじわじわと修復されていき再び立ち上がるサターン。立ち上がるのは分かっていたから特に驚かず俺はまた潰しに行こうとするとベガパンクが止めようとする。
「あ、おい待つんじゃ!一人で行くのは危険───」
「ベガパンクごめん、今はちょっと気に掛ける余裕がない」
そういい俺は再び駆け出した。ちょっとキツく言ってしまった気がするが…………今は本当に余裕がないんだ。
「さっきのを見てまだ理解できぬか。やはり低能だな。貴様の攻撃など私には───」
「”
───グチャリ!
何かほざいていたが構わずまた奴の頭を潰す。しかし、すぐに再生を始め───
「”雷鳴八卦,,」
また潰す。
「”雷鳴八卦,,”雷鳴八卦,,”雷鳴八卦,,」
どれだけ再生を続けようが関係ない。また潰す。
「”雷鳴八卦,,”雷鳴八卦,,”雷鳴八卦,,”雷鳴八卦,,”雷鳴八卦,,”雷鳴八卦,,”雷鳴八卦,,”雷鳴八卦,,”雷鳴八卦,,”雷鳴八卦,,”雷鳴八卦,,”雷鳴八卦,,”雷鳴八卦,,」
潰しては再生されまた潰す。永遠に続く肉と骨が砕ける音が響き仲間達も騒然とする。
「あんなにキレたアルガ……初めて見た」
「スーパー頭に来てやがる。見ろよ、アイツ急所の頭だけを的確に攻撃してやがる」
「正に鬼じゃな……。ボニー、バニー、お前達は見るんじゃない」
もうコイツの顔を見たくない。声を聞きたくない。存在を認識したくない。早く消えてほしい。
「”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,”八卦,,ェェエエエエッ!!!!」
もはや何度目かも分からない回数の金棒を奴に振り下ろした。これで多少の溜飲が下がればよかったのだが…………まだ足りない。
少なくとも、コイツが死ぬまでは……。
『──!────!!』
『───!!』
さっきから頭に雑音が響く。それが何か気にした瞬間また聞くに堪えない声が聞こえ憎悪が増し
た。
「いい加減、無駄だと言うことが分かったか?」
「ああ、無能なだけあって頭が軽いから潰しやすいってのがよく分かった」
俺の行為は無駄だと嘲笑するがこっちも同じように嘲笑で返す。しかし、内心では一切笑いなんて感情はなかった。
てめェが再生すんのは原作読んでたから知ってんだよ。でもよ、だからどうした?
「再生?不死身?上等だよ1回殺しても駄目なら10回。10回殺しても駄目なら100回。それでも駄目だってんなら何千何万何億回でも殺し続けて……てめェに生き地獄を味わわせてやる。その上で───殺す!!!」
「やれやれ、キリがないな……。プッ!!」
口から明らかに毒液らしきものを吹き出してきたが難なく回避する。後ろの建物に当たるとジュワァァ……と紫の蒸気が上がり壁が溶ける。
避けて正解だったが、それは俺の意識を逸らす囮だった。
───ドスッ
俺の右の上腕を奴の脚である鋭い爪が貫いた。
「終わりだ。脚の先端には私が調合した猛毒が生成されている。即死───なぬっ!?」
「フン!!ぐぎぎぎ……!!ンガアアアア!!!」
上腕を貫かれたまま脚を掴む。どうやら毒があるのは爪の先端だけなようだな。これならっ!
俺は綱引きの要領で脚を引っ張り後ろを向く。そして、一本背負い投げで地面にたたきつけた。サターンは何故投げられたのか不条理に嘆く。
「何故奴にこれほどまでの力を……。いや、そもそも何故毒が効かん!?」
「残念だったな。お生憎、この右腕はもう俺の腕じゃねェんでなァア!!”
「んぐっ!?」
爪が抜けるとグジュグジュと右腕の細胞が密集し修復された。そして、金棒を上にかざし”降霊「鬼火」,,を発動。”降霊「呼憑き」,,状態での重ねがけだ。灰になりやがれ。
ゴウゴウと燃え上がる青い蒼炎を纏う金棒がまた奴の顔面を潰す。今度はキズ周りにヤケドを負っているせいか修復が遅い。
しかし、動けるだけの余力はあり再び猛毒の脚で攻撃を仕掛ける。すぐに後ろへ跳び距離を取るとサターンは次の一手に出た。
「そんなに私が憎いか?殺してやりたいか?言っておくが───それは
サターンの周りに巨大な魔法陣が4つ展開される。あれは奴が現れてきたものと同じ……。
「呼ぶぞ」
サターンがカンと杖を地面へ突くとそれが合図となり魔法陣から4体の巨大な化物が現れた。
「ヒヒィィン!!」
「ギャオォ!!」
「ブオォォッ!!」
「ギャオッ!!」
骨の馬に怪鳥に猪に歯ぐきワーム。どれも島の建築物よりも大きく黒い稲光の威圧感が襲う。この威圧感は覇王色か、それも5体全員から……。
「…………」
それがお前らの力か、五老星。
「貴様は今日ここで確実に息の根をとめる。我ら世界政府に歯向かった事を後悔と懺悔の念で悔い改めよ」
敵は5体、それも覇王色持ちの巨大な化物。でもさ、だから何だってんだ……?
「関係ねェよ」
むしろ好都合、向こうから来てくれたのなら今日ここで全員倒せば終わりじゃないか。サターンだけじゃねェ、てめェら五老害まとめてあの世の送ってやる。
『憎い憎い……!』『アルガを怒らせた』『許せない』『焼き殺す』『呪ってやる』『殺す殺す殺す』『アルガの想いが感じる』『そっかーこのおじさん達かー』『嫌い嫌い大っ嫌い』『ウザい』『コイツらってアルガのパパママが言ってた……』『コイツらだ』『糞ジジイ』『無駄に長生きの老害』『ハゲ』『歯ぐきキモイ』『友達いなさそう』『口臭そう』『近づきたくない』『殺っちゃおう』『アルガの敵なら僕らの敵だ』
「”
「ッ!?何ッ、トットムジカ……!?」
俺の足元にも魔法陣が現れ光り輝くと俺の身体が変化を始めた。
黒い翼に毛髪も増え長髪に。更に左右から魔方陣が展開され中から鍵盤の腕が出てくる。そして、周囲にドクロが複数出現し何処からか出てきたシルクハットを被った。
「少々取り乱してしまった。が……」
「伝承と姿形がやや違うな。本体ではないのか?」
「よもや"魔王"の力を取り込んだか……」
「末恐ろしい。尚の事野放しにできん」
「全員で確実に殺してくれる」
「全員揃って結構。ここでてめェらを潰せば世界政府に王手じゃねェか」
だったら、やってやるよ……!
「旋回!!」
周囲に無数のドクロを出現させそれを怪物共を囲うとエネルギーを溜め放射準備を整えた。
「”
───ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドォォォォン!!!!
合図を送ると一斉放射が開始する。既に爆発包まれ姿を見えないが爆煙の中で身を焦がしているハズ。それでいい、再生されるのならその前に更に焼き焦がせばいい。
それを繰り返しゃあいずれはくたばる。修復が追いつかない爆炎の中で苦しみもがきやが───
「ブオォォオオッ!!!」
「なっ!!?」
爆発など意に返さずと言わんばかりに爆炎の中から猪の怪物が突進して来た。驚いたのはそれだけではない。その体には修復させるキズがひとつもなかった。
つまりコイツはアレを諸にくらって無傷なのだ。
「どんな頑丈な肉体だよ!?ビッグ・マムでも火傷跡は残るぞ───ヤバッ!!?」
驚きのあまり回避行動が鈍った。というか蟻に対して象の比率、避けようにも質量がデカすぎる!
だが、ただデカいだけの体当たりで今の俺にキズは……!
そう高を括り受け止める構えを取るが───衝突した瞬間、視界が揺れた。
「ゴフッ……!!?」
全身の肉が、骨が悲鳴を上げる。内臓にも甚大なダメージが入り目、鼻、口から血を流す。一瞬意識が薄れドクロの一斉放射が止まった。
「よくやったウォーキュリー聖。流石の頑丈さだな」
「ああ、しかし……向こうも中々に硬い。あれをくらってまだ立つか」
「ハア……ハア……」
冗談じゃない。魂と一体化した時にトットムジカの無敵化ギミックが消えたとは言え防御力は当時と変わらないハズだぞ。それを安々と突破してきやがった……。
しかも、奴からは覇気を纏った気配はしなかった。つまり、覇王色を纏ってもいなければ内部破壊の武装色すら使っていない。純粋な肉体のスペックだけで俺の覇気込みのガードを破ったんだ。
「なんつーぶちかましだよ。けどまあ、一筋縄じゃいかないのは分かっていたことだ!!ぜってー殺す!!!」
「そうか「殺す」か?無理もない、貴様にとっては
「仇……?そりゃそうだろ。てめェら全員俺にとっちゃ仇に決まって───」
「そうではない。もしや知らぬのか?ならば名乗ってやろう。私の名はトップマン・ウォーキュリー聖───「
「───っ!!!」
法務武神、つまりこの世界の法を司っている立場。そこで俺はある制度を思い出した。過去に行われた天竜人の政策。「養人場」の政策を……。
「提案したのは別の天竜人だが、それを承認し実行に移したのは私だ。つまり、貴様の両親を奴隷にしたのも、これまで見てきた地獄の元凶も……私こそが貴様の仇なのだよ」
「フッ、フッ!フゥゥッ!」
胸が締め付けられる。呼吸がし辛い。殺意で吹っ切れ冷静だった頭に再び投下された怒りの燃料で燃え上がり感情がぐちゃぐちゃになってくるのが分かる。
サターンだけじゃない。俺の手で殺さなきゃいけない相手がもうひとり───ッ!!!
『落ち着け!冷静になれアルガ!!』
『お願い私達の声を聞いて!!』
「あ!アァ……!ァア"ア"アアアア"ァァア"ァ!!!ウォーキュリィィィィィイイイ!!!!」
何かが切れた気がした。それが理性なのかは分からないが……俺の視野には、もう奴しか写っていなかった。
左右に浮いている魔法陣から巨大な鍵盤の腕が現れそれが巨大猪へと伸びていく。大きな牙を掴み動きを封じた俺は───
「やれやれ、貴様の敵は一人じゃないぞ?」
キン、と刀を収める音と共に鍵盤の……俺の右腕が斬り落とされた。
「あ"……?」
「聞いてた通り中々な硬度の腕じゃが……造作もねェ」
ゴトッ、と落ちる腕を見たあと、後ろには上半身だけ人間に戻しまるでケンタウロスを彷彿とさせるような姿の怪物が見下していた。
「おめェを殺す算段はついてある。両親と同じ場所へと逝けるんだ。ありがたく思えや」
「腕を、斬り落としたぐらいで調子のんじゃ───」
───ドスッ
「ガッ!?ゲホッ!」
「成程、右腕以外は生身か。ようやく毒が効く」
背中から腹を鋭利なトゲが貫通する。振り向けばそれはサターンの脚なのがわかった。その瞬間ジュワァァと傷口から焼けるような激痛が全身を襲う。
「ンギッ!?ガッ!ウア"ア"ア"ア"ア"ッ!!?」
「確か「生き地獄を味わわせてやる」……だったか?その言葉、そのまま返そう」
「ぐぞっ!!」
残った左腕を動かすと鍵盤の腕も連動し振り上げる。このまま叩き潰そうと拳を握ると……巨大ワームが鍵盤の腕に噛みついた。
「ギャオォォオ!!!」
バキッ!ベキッ!とヒビが割れると俺の腕にもフィードバック入り骨が軋む音が鳴る。
「ガッ!?アアアッ!!」
何だこのミミズ!!?歯も硬ェが顎の力が尋常じゃねェ!?腕が持ってかれる!
思わず魔法陣を消し鍵盤の腕を消滅させる。これで腕を噛み砕かれる心配はなくなったが目の前に怪鳥が大口を開けて俺をついばんだ。
「グッ!?何、しやが───」
抵抗するとパッとくちばしが開き自由になる。だが、既に空高く上昇しておりそこそこの高さから落とされた。すぐに翼を広げ滞空するが……それは巨大猪にはちょうどいい高さだった。
「ブォォオオォオ!!!」
「ゴパッ!!?ァ……ァァ……」
二度目のぶちかまし。流石にこれはマズイ。ただでさえ一度目で意識が途切れかけたのだ。散々やられた後でこの衝撃は痛すぎる。
地面に何度もバウンドで叩きつけられその場に倒れる。すぐに立ち上がろうとしたが……何故か体が動かなくなっていた。
「ァァ……?」
意識はまだハッキリとしている。なのに体だけが全く反応しない。何で、そう思ったがすぐに答えが分かった。
「ゲボッ……血が……!」
「毒が回り始めたな。放っておいても死ぬだろうが───私らが望むは貴様の確実な死だ。ペッ!」
───ベチャ、ジュワァァアアア!!
「ンギッ!?ギャァアアア"ア"ア"ア"!!!」
口から吐き出した毒液が俺の身体にかかる。その瞬間、肉が溶ける音と共に激痛が走り出血も止まらない。
痛い痛い痛い、苦しい体が熱い気持ち悪い。息が吸えない肺が重い。毒が巡る度に体が拒絶反応を起こし吐き気が止まらない。
「ウ"ッ!ゲェェ……!」
血と共に逆流した胃酸が口から吐き出される。もう、まともに戦える状態じゃ……。
「……ッ!!」
…………だから何だ?体なんて今はどうでもいいだろ。動けよ、目の前に奴らがいるんだぞ!今、今なんだ!俺には……今戦う力がいるんだ!!
「ふぎっ!ンガアアアアアアッ!!」
「まだ立つか。呆れた男よ。だが───」
───ズッパァァン!!!
「終ェだよ」
ようやく立ち上がったのも束の間、ナス寿郎が居合の斬撃を浴びせると胸をぱっくりいかれた俺は噴き出す血しぶきと共に地面へと倒れた。
しかし、それでもまだ戦意は折れない。
「動け……動けよォォ……!」
動け!ここで動けないでいつ動く!?目の前には俺の大切な人達を苦しませた仇がいるんだぞ!!まだ終わってねェ……体の限界なんか関係ない。心が折れていないのなら意地で動きやがれっ!!!
動け 動け 動け 動け 動け 動け 動け 動け 動け 動け 動け 動け 動け 動け 動け 動け動け動け動け 動け 動け 動け 動け 動け 動け! 動け 動け 動け 動け 動け 動け 動け! 動け 動け 動け 動け 動け 動け 動け 動け 動け! 動け! 動け 動け 動け 動け 動け! 動け 動け 動け 動け! 動け 動け 動け 動け!
動け───
「ほう、まだ立つか。なら、面白いものを見せてやる」
サターンが懐から何かを取り出し俺の目の前にポイと放り投げ───ドチャ……
「え……」
ゴロンと目の前に置かれた物、それは「腕」だった。
「先日、聖地にて革命軍が攻めてきた。食糧庫を襲っただけに飽き足らず
誰の腕?俺の腕は向こうに落ちてる。そもそも腕を通している服の袖が違う。捲まれた長袖のスーツと革の手袋。肩からごっそり引き千切られた跡がのこっている。
この時、また俺は理解を拒もうとしていた。分かっていた、知っていたハズだから。その袖が、手袋を着けた腕が誰の物かを。
「故に始末した。心臓も止まり確実に殺した。しかし、それを報道しては勿体ないと踏んだ私は新聞屋に敢えて嘘の情報を渡した。結果、生死不明という曖昧な記事となったが───全ては貴様の動揺を誘う下準備よ」
「あ、あァァ……アあ……っ」
嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!信じたくない、見たくない聞きたくない!だけどソレは実際には起きいて背く事はできない。この腕の持ち主は……!
「知らぬ仲ではなかろう。革命軍参謀総長、サボの腕なのだから」
「あああああああああああああっ!!!」
これまでの恨みや怒りが嘘のように引き悔しさや悲しさと言った感情で埋め尽くされる。そうなると周囲のドクロはヒビが入り全てが砕け落ちる。そして、俺の体は元の姿へと戻ってしまった。
もはや起き上がる余力もなくただがむしゃらに辛うじて動いた手を伸ばし目の前に転がる腕を掴み抱き寄せた。信じたくない現実に涙が止まらない。
こうならないための
……………………いや、違う。
「これは有効だと思ったが……?おい、何呆けている。まさか……これで戦意を喪失したのか?」
「ごめ、ごめん……ごめんなさい。サボさ、ごめんなさい。サボざん、サボォォッ」
サボさんを直接手にかけたのはコイツらだ。だけど、サボさんが死んだきっかけを作ったのは───俺じゃねェか!
「……?なぜ謝る?サボを殺したのは私達だぞ。仇を取ろうと奮起せんのか?……わからん、さらなる怒りで冷静さを欠いた所をと思っていたが……まあ、虫の気持を考えるなど無駄か」
「う"、うォ"え"え"ェェッ……!ハア!ハア……!」
俺はこの世界で強く生きると決めた。だからたとえ身近な人が亡くなったってショックは受けても事実を受け止める気構えは持っていた。事実、両親やタイガーさんの死は受け入れ前を向いている。
だから大丈夫。そう、持っていたが……。
───その亡くなった要因が俺自身にあるのなら、話は別だ……。
俺のエゴで、自己満で、自分勝手な振る舞いがこの結果を招いた。サボさんを殺した。俺が、サボさんを……!!
死なせたくないとエースの運命を覆したばっかりに。
「ごめん、ごめん……ごめんなさいっ……!俺が、俺のせいで……サボさんはっ……!あ、あ"あ"……!」
「もうよい、拍子抜けだ。これまで我々を散々苦しませてきた男がこうも脆く崩れ落ちるとわ。さっさと皆と同じ場所へ逝くといい」
興が冷めたサターンはウォーキュリーに合図を送る。するとこれまで以上に勢いをつけた突進が俺に迫った。
瞬間、全てがスローに変わる。目の前に迫る絶望。腕の中に持っている絶望。見たもの感じたもの全てが絶望に写ってしまう。
あれだけ五老星を殺すと息巻いていたハズなのに……完全に折られていた。完敗だ、皆───
「ごめん」
それは誰に向けてなのかは分からない。きっと俺という存在に振り回された人達全員なのだろう。その言葉を最後に俺の意識は途絶えた。
完全敗北の文字が頭に過ぎって。
どうも皆さんもしロマです♪
怒るアルガ、殺意に芽生えるアルガ、悲しむアルガ、絶望するアルガ。素晴らしい!!私の
【次回】
アルガ活躍なし!!!デュエルスタンバイ!!!