熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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遥か空の敵 スノーの機転

プリキュアが街に現れたランボーグへと対処しに行く中、プリキュアの後を追って飛び出してしまったエルを連れ戻すためにツバサとヒョウは丘から飛び出す。二人は風を読み、風に乗っていく事で街までひとっ飛びしようとした。しかし……

 

「「うわぁああああ!?」」

 

プニバード族の二人に飛べるはずもなく、二人は思い切り落下してしまう。

 

「や、やっぱりダメだよツバサ……」

 

「プニバード族のボク達には空を飛ぶなんて……」

 

二人は暗い顔つきになる。だが今はクヨクヨしている暇はない。一刻を争う時なのだ。

 

「メソメソしてたらダメだ。エルちゃんを連れ戻さないと」

 

「でもさ、この距離だよ?普通に行ったらとても時間がかかるだろ」

 

「うーん……あ!」

 

「ツバサ……まさか」

 

ヒョウはツバサが何を考えているのか何となく察すると顔を引き攣らせる。しかし、ツバサは問答無用とばかりに体を丸めるとコロコロと坂道を転がり始めた。

 

「うぉおおお!」

 

「マジかよ……ああもう!」

 

ヒョウもあまりやりたくなさそうだが、それでも置いていかれるわけにはいかないので自らも丸く変わると同時に転がっていく事になる。

 

その頃、街ではスカイ、プリズム、サンライズ、スノーの四人が遥か上空にいるランボーグへと攻撃を仕掛けるために壁を駆け上っていた。

 

「オラオラ、攻撃できる物ならやってみろよ!」

 

カバトンは四人を落とすためにレーザービームで攻撃を仕掛ける。四人はそれを躱しつつ建物の屋上へ。四人が屋上に着地すると同時にスノーが地面から氷壁を召喚。それを発射台代わりにして四人は跳び上がる。

 

「「「「ジャンプ!」」」」

 

しかし、ただ四人が跳んだだけではカバトンのいる場所にまでは届かない。

 

「ヘナチョコジャンプで届くもんか!」

 

スカイとプリズム、サンライズとスノーは頷くとプリズムとサンライズがスカイとスノーの下に回るとそのまま両脚でスカイとスノーの足をそれぞれ蹴って先へと飛ばす。

 

「「はぁあっ!」」

 

これなら届くとばかりに二人は前に進む。それを見たカバトンは操縦席のレバーを引くとランボーグは二人から距離を取ってしまう。

 

「ズルくない!?それ!」

 

「チッ……空を常時飛べる奴の特権かよ!」

 

「まだだよ!」

 

するとスノーはすかさず機転を効かせるとその場所で浄化技を発動させる。

 

「ヒーローガール!スノーインパクト!」

 

スノーはそのままスカイの足の裏をスノーインパクトで蹴るとスカイを一気に前に飛ばす。これならカバトンの乗るランボーグが逃げる速度よりも早く前に出られるわけだ。

 

「ありがとうございます!スノー!」

 

「スカイ、そのまま浄化技を撃って!」

 

「はい!ヒーローガール!スカイパンチ!」

 

スカイはスカイパンチを発動させると更に加速。そのままランボーグへと攻撃が到達しようとしたその時だった。

 

「だったらこれでどうなのねん!」

 

カバトンがボタンを押すとその瞬間、黒いエネルギーによるバリアが形成。スカイパンチはそれと激突し、防がれてしまう。

 

「「なっ!?」」

 

そして、そのまま二人は滞空時間の限界が来て落下。屋上に何とか着地に成功こそしたが、この状況に頭を抱えてしまう。

 

「クソッ、あの高さじゃこっちの技は届かない」

 

「かと言ってあそこにまで肉薄できても一人だけ。それじゃあバリアまでは突破できないよ!」

 

恐らくあのバリアは二人の合体技でなければ破壊できない。ただ、当然ながら合体技を使うには二人以上が同じ場所に揃わないとならないのだ。そうなると今度は絶対に高さが足りなくなってしまう。高さが足りなければ距離の関係で合体技でもバリアが打ち破れなくなるだろう。

 

「にゃ〜っはっはっは!じゃあそろそろ反撃させてもらうのねん!」

 

するとカバトンが何かのスイッチを押すとランボーグにエネルギーが充填されていく。そしてそれは建物の屋上にいる四人にもハッキリと見えた。

 

「ねぇ、なんかヤバそうな予感がしているの……私だけかな?」

 

「いいえ、私もです」

 

「取り敢えず、逃げるぞ!」

 

四人が逃げに徹した瞬間。ランボーグから放たれた巨大エネルギー砲が四人の近くに直撃。四人は吹き飛ばされると別の建物の屋上に叩きつけられてしまい、衝撃で気を失ってしまう。

 

「ぎゃはははっ!お・れ・TUEEE……と、言いたいところだが、プリキュアもまぁまぁTUEEEしここで油断するから負けるのねん」

 

カバトンは気を失った四人へとトドメの一撃を放とうとしたその時、ランボーグのレーダーが何かを捉えたのか音を鳴らす。

 

「あん?」

 

カバトンがモニターを映すとそこにはプリキュアの元に向かうエルがいた。それを見てカバトンはどちらを優先するか迷う。

 

「おっと、うーん……。ま、こっちだな」

 

カバトンは少し迷ってからエルを狙うことに決定。その直後また何かの音が鳴った。

 

「あん!?今度は何!!」

 

更に映像が出てくるとそこにはカバトンへと呼びかけるツバサと疲れた様子のヒョウがいる。

 

「はぁ……はぁ……め、目が回るぅ〜」

 

ヒョウは回転のしすぎで目を回してしまっており、そんなヒョウとは対象的にツバサは意気軒昂な様子でカバトンへと宣戦布告した。

 

「カバトン、エルちゃんに手を出すな!ボクが相手だ!」

 

ツバサはそう言ったものの、その言葉を言った事を後悔することになる。何故なら……。

 

「ツバサ、どうやってカバトンの相手をする気なの?」

 

「………あ」

 

その瞬間、カバトンのターゲットはツバサに移るとビームをツバサへと乱射し始める。

 

「うわぁああっ!」

 

「まぁ、こうなるよな……」

 

ツバサが逃げ惑う中、ヒョウはそれを呆れた様子で見ていた。それに対してツバサは逃げながら文句を言う。

 

「呆れるくらいなら助けてよ!」

 

ヒョウは取り敢えずどうにかすべきだと思うとツバサを助けに動く。

 

「邪魔すんな脇役!」

 

「うわぁああ!」

 

ツバサが必死に逃げる中、ヒョウはランボーグからは自分が死角である事を確認しつつツバサを助けるために動こうとする。するとそこにエルが飛んできた。

 

「えるるぅ〜!えるる!」

 

乗ってと言わんばかりにエルがスリングにツバサか乗る用のスペースを作る。しかし、ツバサは巻き込みたくないとばかりにそれを拒否した。

 

「離れて、危ないよ!」

 

「えるる!」

 

「エルちゃん……良し!」

 

ツバサはエルの好意に甘えるとエルのスリングへと乗り込む。しかし、ツバサが乗った時点でスリングの重量オーバー。スリングのスピードは落ちてしまう。

 

「ッ!」

 

ヒョウは咄嗟に姿を人間に変えるとツバサとエルの乗ったスリングを抱えて走り出す。

 

「エルちゃん、ツバサ、大丈夫か?……って、重いっ……ツバサ、流石にお前の分が加わると長くは持てないぞ!」

 

「むぅ!だったら!」

 

ツバサはポンと音を立てて人間の姿になると二人揃って逃げに徹する。それを見たカバトンはある手段を使うことにした。

 

「掃除機光線発射!」

 

するとヒョウ、ツバサ、エルへと光が降り注ぐとそれは三人の体を吸い込み始めてしまう。しかもツバサとヒョウはびっくりするあまりにプニバード化。そのまま三人はどんどんと吸い込まれていく。

 

「「うわぁああああ!」」

 

「えるるぅ〜!!」

 

その頃、屋上では倒れて気を失った四人へとあげはが必死に声をかけていた。

 

「しっかりして!ねぇ!スカイ、プリズム、サンライズ、スノー!」

 

すると四人は目を覚ます。そこにいたのは四人へと先程まで声をかけていた女性……聖あげはであった。

 

「あげは……ちゃん」

 

「良かったぁ〜」

 

「あげは姉、どうしてここに……」

 

「そんな事よりも!あなた達を追ってエルちゃんが家を飛び出しちゃったの!そしたら……」

 

あげはが横を向いたのを見て四人もその方向を向く。するとそこにはランボーグへと吸い込まれていくツバサ、ヒョウ、エルがいた。それを見て驚きの声をあげる。

 

「なっ!?」

 

「エルちゃん!」

 

「ツバサ君!」

 

「ヒョウまで……」

 

「質問は無し……三人を助けるよ!」

 

それからあげはが作戦を伝える。その内容は先程と同じようにスカイとスノーを前に出してからプリズムが気弾で二人を限界まで飛ばしつつ二人がジャンプ。攻撃を届かせるというものだった。しかし、あげはは一つ致命的なミスを犯す。それは、バリアの存在だ。

 

「でもそれじゃあバリアが……」

 

「……そこは二人同時に技をぶつけて……」.

 

「待って!……それなら、私に考えがあるよ!」

 

スノーの言葉にその場の全員が頷く。そんな中、あげはは一人心で苦しい気持ちを抱えていた。

 

「(私に出来るのは作戦を考える事……なのに、どうしてこんな時に大事な事を抜かすの……。スノーに、ユキちゃんに思いついたことが何で私にも思い付けないの……)」

 

そんなあげはの顔を見たサンライズは不安そうな顔になるが、そんな事は言ってられない。あげはは首を横に振ってから自分のやるべき事を口にする。

 

「タイミングは私から声をかけるわ。だから!」

 

「絶対に決めるよ!」

 

そう言っている間にランボーグの中にエル、ツバサ、ヒョウが吸い込まれてしまう。

 

それから早速スカイとプリズムはスカイトーンを取り出すとアップ・ドラフト・シャイニングを放つ。

 

「スカイブルー!」

 

「プリズムホワイト!」

 

「「プリキュア!アップ・ドラフト・シャイニング!」」

 

するとランボーグの近くに巨大な円盤が出現。円盤から虹の光が降り注ぐと光はサンライズとスノーの二人の元へ。その瞬間、アップ・ドラフト・シャイニングの効果で二人の体が空へと浮き始める。

 

「やった!」

 

「そうか、この技の特性上、技の前に敵は円盤に吸われるように浮き上がる。それを使ったのか!」

 

そして、ある程度の高さに移動してからその状態でサンライズとスノーは技を発動した。

 

「サンライズフレイム!」

 

「スノーアイス!」

 

「二つのプリキュアの魂が!」

 

「闇の僕達を打ち砕く!」

 

「「プリキュア!エレメントスクリュー!」」

 

二人から放たれた強烈な攻撃はランボーグへと肉薄していく。それを見たカバトンはというと……。

 

「そんな攻撃じゃあダメなのね……ッ!?」

 

カバトンは咄嗟にバリアを展開するスイッチを押した。バリアを展開しないとまず間違いなくやられると考えたからである。そして、二人の技とバリアが激突。

 

「「はぁあああっ!」」

 

サンライズとスノーはバリアをこじ開けるために力を高めていく。するとランボーグのバリアにヒビが入るとそのまま粉砕された。

 

「今だよ!」

 

スノーは先程同様にサンライズの脚へと技のエネルギーを込めた蹴りを繰り出す。

 

「ヒーローガール!スノーインパクト!」

 

スノーからの蹴りでサンライズが突撃するとランボーグへと肉薄。そのままサンライズはランボーグの外壁へと拳を叩きつけるために手に炎の力を集約。そのままランボーグへと拳を繰り出すのであった。

 

「はぁあああっ!」

 

そして、とうとうサンライズ達にとって念願の一撃目が命中するその時。サンライズの前に何かの影が降りてくるとサンライズの攻撃を受け止めてしまう。

 

「ッ!?」

 

サンライズは自分の渾身の力を受け止めた影はシャドーである。シャドーは前のような混乱した様子もなく、サンライズを見据えるのであった。




また次回もお楽しみに。
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