熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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シャドーの襲撃 空虹コンビの強さ

囚われてしまったツバサ、ヒョウ、エルを助けるべくランボーグを外側から攻撃しようとしたプリキュア達。しかし、攻撃が当たる直前にシャドーがいきなり姿を現した。

 

「お前、ここ何処だと思ってるんだ!?てか、ランボーグの上にいなかったのにどうやって……」

 

先程までランボーグの上にすらいなかったはずのシャドーにいきなり拳を受け止められて困惑するサンライズ。そして、少し距離が離れている関係である程度状況を把握できたスノーが声を上げた。

 

「シャドーは飛んできたの!さっきサンライズが止められる前に黒いオーラを纏った何かが飛んできたのは見えたから!」

 

「はぁ!?シャドーお前……飛べるのか!?」

 

「ふん。厳密に言えば時間制限ありで空中に浮けるという方が正しいな。俺は自らにかかる重力を一定時間の間操作できる。まぁ、それをやらなくともワープだってできるからな」

 

何にせよ、シャドーがいきなり目の前に現れて攻撃を仕掛けてきたという現状は変わらない。そんな中、シャドーの浮遊時間が限界に達したのかオーラが解除。同時にスノーとサンライズもこれ以上は空中にいられないために落下し始めた。

 

「ッ!?あと一歩で届くのに……」

 

「おいおい、俺を無視するとは良くないなぁ。ぬん!!」

 

その瞬間、サンライズの拳を受け止めていた手を離しつつ彼の胸を軽く押してからすかさずオーバーヘッドキックを上から叩き込む。

 

「ぐっ……うわぁああ!?」

 

「ッ!サンライズ!!私が……きゃあっ!?」

 

サンライズは上からオーバーヘッドキックを受けた事で加速した状態で地面に落下していく。そんなサンライズを受け止める形で少しでもダメージを軽減しようとしたスノー。しかし、サンライズを受け止めた瞬間にその凄まじい勢いのせいで彼女も纏めて吹き飛ばされると屋上に強く叩きつけられてしまう。

 

「「うわぁああっ!!」」

 

「サンライズ!!」

 

「スノー!!」

 

そこは丁度スカイ、プリズム、あげはの三人がいる建物であり、彼女達は咄嗟に2人の元に駆け寄る。

 

「くうっ……」

 

「う……ううっ……」

 

スカイ達が屋上で倒れ込んでいる2人の姿を見るとかなりのダメージなのか傷だらけであり、特に酷かったのはサンライズを受け止めるために彼の下側に入って下敷き状態になってしまったスノーだった。

 

「サンライズ、しっかりして!」

 

「スノー、なんて無茶を……」

 

プリズムはひとまずスノーのためにもサンライズの位置を少しだけ移動させると彼へと呼びかけ、スノーの方はスカイが声をかける。

 

「ッ……しまった。シャドーの存在はわかってたはずなのに……わかっていたはずなのに……」

 

あげははこの状況を招いてしまったのは自分がシャドーの存在を忘れてしまったからだと後悔していた。すると同時にシャドーがプリキュア4人とあげはのいる屋上へと着地する。

 

「……キュアスノー、キュアサンライズ。俺と戦え。お前達を潰させてもらおう」

 

シャドーは完全にスノーとサンライズをターゲットにしていた。そうしているのにはある考えがあり、それはここ最近脳内に聞こえるようになった謎の女性の声の存在である。

 

「(恐らくだが、あの声が聞こえるのはキュアスノーとキュアサンライズ……。この2人が関係している。だからこの2人と戦えばそれが何なのかわかるかもしれない)」

 

シャドーは自分の脳内に響くこの声の正体を知りたかった。そして、この2人なライブ何かを知っていると直感したのである。

 

「どうしよう……」

 

「お二人共さっきので……」

 

その一方でスカイとプリズムは困り果てていた。シャドーが戦いたいと指名したその2人は今完全にダウン中。そのせいで彼と戦えるような状態じゃない。

 

「どうした?俺の目的はその2人だけだ。もしその2人と戦わせてくれるのならあのランボーグと戦うお前達2人の邪魔をしないと約束してやっても良いんだぞ?」

 

「「くっ……」」

 

「(……4人がかりでもギリギリバリアを壊せるかどうかなのにそんなの……)」

 

シャドーの言っている提案はある意味魅力的ではある。何しろ、スノーとサンライズが彼を満足させている間は彼からの邪魔が入らない事を意味するのだから。……しかし、同時にこの2人は救出作戦に参加できない事を意味する。

 

「……早く答えを聞かせてもらおうか。もしその2人と戦わせるつもりが無いのなら俺にも考えがある」

 

「(どうしよう……私が何とか決断しないと……)」

 

そう言ってプリキュア達を見据えるシャドーの目はいつになく本気であった。もしここで彼の要求を蹴ろうものなら何をしでかすかわからない。だが、だからと言って今は満身創痍状態の2人にこれ以上の無理はさせられないという事であげは悩む。

 

「……あげは姉……それがシャドーの望みなら……」

 

「私達がどうにかするよ」

 

「「「ッ!?スノー、サンライズ!?」」」

 

あげはが決断を迷う中、そのタイミングで倒れていたはずの2人が立ち上がってシャドーの前に立つ。

 

「ほう……。そう来ないと面白くない」

 

「そんな……2人共そんな体でなんて無茶だよ!」

 

「そうですよ!シャドーとは私達4人で戦いましょう!」

 

しかし、スカイとプリズムは2人だけでシャドーと交戦するのに反対。自分達も加勢すると言い出した。それを聞いたシャドーは4人で戦う事に対しては問題無いようで。

 

「別に俺はそれでも構わないぞ。その方がより楽しめるかもしれないからな」

 

「……ううん、ここは2人に任せるべきだよ」

 

「「あげは(さん)(ちゃん)!?」」

 

するとあげはは悩んだ結果、スノーとサンライズの気持ちを尊重させる形で2人に任せる決断を下す。勿論スカイ達は反論するわけで。

 

「待ってください!それじゃあお二人が……」

 

「そうだよ……ただでさえさっきので酷い傷を受けたのに……」

 

「……それでも、今ここで4人で戦ったらそれこそエルちゃん達を見捨てる事になる。だから……せめて2人だけでも助けられる状況を作りたいの」

 

あげはの声色は震えていた。正直、彼女も手負い状態の2人だけにシャドーを相手させるのはやりたく無い。だが、ここでエル達3人を助けるための行動をやめてしまうとカバトンに勝ち逃げされてしまう。

 

それだけは避けるべき最悪の事態だった。そんな中、スノーとサンライズも未だに反対意見を述べるスカイ、プリズムを安心させるために声をかける。

 

「スカイ、プリズム。私達なら大丈夫だよ」

 

「でも……」

 

「心配なのはわかる。……だけど、私達がやらないといけないのはシャドーと戦う方じゃない。だからお願い」

 

「それに、シャドーも俺達が止めている間は邪魔をして来ないって言ってるんだ。だったらもうそれに賭けるしか無いだろ」

 

スノーとサンライズの2人はこのまま4人でシャドーと対決なんてしたら囚われた3人を助けるのは不可能だと考えており、スカイとプリズムもその事自体はちゃんとわかっていた。

 

「ッ……わかりました」

 

「スカイ……」

 

「ここまで来たら信じるしかありません。それに、お二人ならきっと大丈夫です」

 

スカイは最後まで消極的な様子のプリズムを説得。それを受けてプリズムら了承する事になった。

 

「……うん、わかったよ。2人共、お願い」

 

「「うん!」」

 

「どうやら話は纏まったようだな」

 

「ああ。お前の相手は俺達がやる。……だからさっきの約束、忘れるなよ?」

 

「良いだろう。お前達が相手をしてくれた以上、俺もカバトンの作戦に対する最低限の役割は果たしたからな」

 

シャドーの中ではプリキュア2人を止めている時点で自分がやるべき役割は果たしたと判断している。何しろ、今の現状でスカイとプリズムの2人だけでこの状況の打開は不可能。仮にランボーグのバリア手前まで頑張って辿り着いたとしてもそのバリアを砕く手段が皆無なのだ。

 

つまり、カバトンへの義理は果たしている事になる。後は自分の都合での戦いを楽しむのみという事で、早速背中の刀を抜き放つと構えた。

 

「さて、ここでやり合うとお前達は俺がキュアスカイやキュアプリズムの邪魔をするかもと思って気が散るだろう?少しだけ移動するぞ」

 

「随分と気前が良いな……それとも余裕ってやつか?」

 

「それはお前達の想像に任せよう」

 

シャドーが笑みを浮かべると疑われる前にさっさと別の建物の屋上へと飛び移っていく。それを見届けたスノーとサンライズも見合ってから頷くとシャドーの後を追いかけていく。

 

それを見届けたスカイ達3人は再度自分達の上にいるランボーグを見るとランボーグが一箇所に止まって動かなくなっていた。

 

恐らく、プリキュアが自分の所にまで攻撃を届かせるのは不可能だと考えているのだろう。

 

「スカイ、プリズム。私達は私達のやれる事をやろう」

 

「でも、私達2人だけであの高さまで行くのとランボーグのバリアをどうにかできるかな……」

 

何しろ、先程ランボーグに到達できたのはプリズムの気弾、そこを足場にしたジャンプ、スカイのスカイパンチ、そしてスノーとサンライズ自身のジャンプという四段構えの上昇があったからこそだ。それ相当の事を2人だけでできるのかという問題がある。

 

そして、それができないとバリア破壊以前の問題になってしまう。すると作戦を考えていたあげはがある考えに思い至った。

 

「……だったら、こういう手はどうかな」

 

それからあげはは2人に自分の考えを話す。だが、あげははこの作戦を使うのを躊躇っていた。何しろ、2人だけで4人でやっていた四段構えをやるのである。そうなると、スカイにもプリズムにも無理を強いないといけなかった。

 

「わかりました、やりましょう」

 

「ッ、本当に良いの?」

 

「うん、その作戦に少しでも可能性があるなら……私達は賭けてみたい!」

 

「オッケー。……あんまり良い作戦とは言えないけど、頼むよ。スカイ、プリズム」

 

「「うん!」」

 

それから早速スカイとプリズムはあげはからの作戦を実行。まずはその場でジャンプのために深く沈み込むと全力の力でランボーグに向けてジャンプする。

 

「「ジャンプ!」」

 

2人がジャンプしてランボーグへと向かっていくが、当然届かない。そして毎度の如く身体能力の差でスカイがプリズムよりも少しだけ前に出る。

 

「行くよ!」

 

「はい!」

 

そして、プリズムはスカイの下に回り込むと上下反転してドロップキックの体勢となってスカイの両足に自分達両足を付けた。

 

「たぁあああっ!」

 

「ジャンプ!」

 

スカイはプリズムの足を足場にしてそのまま踏み込んでジャンプ。これで一段目のジャンプ相当の高さを出せる。

 

「ヒーローガール!プリズムショット!!」

 

そして、このタイミングでプリズムはプリズムショットを生成。巨大なエネルギーボールをスカイに向かって発射すると先程同様にプリズムショットがスカイを上に押し上げていく。

 

しかも、先程と違う点としてスカイただ1人を押し上げるだけで良いためにそこまで大きな物を準備する必要が無い。加えて上に乗る人間の総重量も減ってるため、より遠くまで飛んでいく。

 

「うあっ!?」

 

「ッ……」

 

だが、プリズムは先程と同様にプリズムショットの反動で急速に屋上に落下。再び背中を強く打ち付けると痛みに顔を歪ませた。あげははそんなプリズムにまた辛そうな顔を浮かべる。同時にスカイの方はプリズムショットの上に乗ると二段目ジャンプ相当の高さにまで伸びていく。

 

「プリズム……無駄にはしません!」

 

スカイはプリズムの犠牲を無駄になんてできないという事で先に進む。それから少しして飛距離限界が近いためにプリズムショットの弾が小さくなっていく。

 

「ジャンプ!」

 

そこからスカイが跳ぶことで三段目の上昇を達成。あとは最後の一段分だけだ。

 

「これで……届いてください!ヒーローガール!スカイパンチ!」

 

そのままスカイはスカイパンチを発動。四段目のジャンプを行うと一気にランボーグの元へ。対してランボーグはスカイの存在を確認してオートバリアを展開。スカイパンチと激突する……が、やはり無理してスカイが攻撃を届かせているせいか割とあっさりと押し負けてスカイは地上に落下し始める。

 

「くっ……」

 

そのままスカイはプリズムと同じように背中を打ち付ける形で落下。スカイはプリズム以上に高く飛んでいるためにその負担も大きい。

 

「がはっ!?う……うぅ……」

 

「スカイ!!」

 

「ッ……中止!!」

 

そして、スカイやプリズムが傷つく様を見たあげはは自分の使えない作戦のせいでこれ以上2人が更に傷つくなんてあってはいけないとばかりにこの作戦を止めるように言う。

 

「……ごめん、正直……私の作戦に無理があった。もっと別の……それこそ2人に負担が少ない物を……」

 

あげはの中には自分1人だけ何もできないのに年下であるスカイやプリズムに指示を出すだけ出して傍観してるだけなんて耐えられないという気持ちも強く。何なら、スカイとプリズムの2人ができないと判断したら即止めるつもりだった。

 

「「大丈夫(です)!」」

 

しかし、スカイとプリズムはあげはが思っている以上に強く。あげはの中止の言葉に対してそんなのダメだと言わんばかりにやる気を見せる。

 

「「もう一回!!」」

 

「(スカイ、プリズム……。そりゃあ、私と違ってプリキュアになれるわけだよ……)」

 

あげははそんな2人の様子を見て現時点でプリキュアになれない自分の弱さと逆にプリキュアになれている2人の強さの秘密が浮き彫りになっていると感じた。

 

こうしてスノーとサンライズがシャドーの相手をするために離脱したものの、残ったスカイとプリズムの2人が救出作戦を続行する事になる。




また次回もお楽しみに。
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