熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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シャドーの秘密 打ち破った壁

シャドーはサンライズの拳を受け止めるとそのままサンライズへとオーバーヘッドキックで屋上へと吹き飛ばす。

 

「「ッ!?」」

 

スカイとプリズムは咄嗟にサンライズを受け止めるが勢いを止めきれずに吹き飛ばされて叩きつけられてしまう。

 

「「うわぁああっ!!」」

 

そのまま三人ともかなりのダメージで傷だらけになるとグッタリとしてしまう。

 

「皆!」

 

あげはが三人の元に駆け寄る中、スノーとシャドーが四人のいる屋上へと着地する。

 

「サンライズ、スカイ、プリズム!そんな……私のせいで……」

 

スノーは自分が立てた作戦と行動のせいで三人に酷い怪我を負わせてしまった事を悔やんでいた。

 

「大丈夫、三人とも気を失ってるだけ。スノーが気負うことは無いから!」

 

あげはが咄嗟にスノーへとフォローの言葉をかけて何とかスノーの精神状態を保つ。今現状戦えるのはスノーだけ。非戦闘員のあげはが出来るのはこのくらいのサポートなのである。

 

「……キュアスノー、俺と戦え!」

 

シャドーの目はいつになく本気であった。それは前にいきなりシャドーの心が乱れた時とは打って変わっていた事からわかる。

 

「ッ……今はあなたの相手をしている場合じゃ……」

 

「戦わなければお前の大切な物を全て斬ることになる」

 

「くっ……卑怯よ!」

 

スノーはそういう中、あげははシャドーの心に余裕がない事を感じ取ると共にスノーへと声をかけた。

 

「大丈夫、スノーなら今のアイツに勝てるよ!」

 

「あげはさん……わかったわ。でも、皆には手を出さないって約束して!」

 

「勿論だ。俺はキュアスノー、お前を倒すためにここにいるからな」

 

シャドーはそう言いつつ刀を抜く。そして、それと同時にスノーも構えをとると二人は睨み合う。

 

「はあっ!」

 

「やあっ!」

 

二人はそのまま激突を開始。戦闘へと突入する。その頃、ランボーグの中ではエル、ツバサ、ヒョウが船内に囚われてしまっていた。

 

「くそっ、出せよこの野郎!」

 

ヒョウが何とか脱出しようと地団駄を踏んで床を壊そうとするが、プニバードの体では頑丈な床を壊すことなどできない。そんな中、ツバサは自分を責めていた。

 

「(何をやってるんだ、ボクは……助けに来たのに逆に足を引っ張ってるじゃないか)」

 

すると部屋のドアが開き、カバトンがバナナを両手に持ってやってくる。

 

「お前ら、スカイランドのプニバード族だろ?」

 

「それが何だ?」

 

「こんな所にまで連れてきて……俺達を解放しろ!」

 

「そんな事するわけ無いのねん。まぁ、空を飛べないダサダサの鳥になす術は無いと思うが」

 

「エルちゃんは渡さないぞ!どうしても欲しいと言うなら、このボクを倒してからに……」

 

「待てツバサ、勝算はあるのか?」

 

ヒョウが聞いたその直後、ツバサはカバトンによって一撃で目を回す羽目に遭う。それを見たヒョウは完全に呆れてしまった。

 

「ツバサ、幾ら何でも何の勝算も無しに挑むなよ……」

 

「さて、そっちの白いのはどうする?プリンセスを渡すか、そっちの奴みたいに痛い目に遭うか」

 

「……どっちもお断りだね!」

 

その直後、ヒョウはポンと音を立てて人間へと変化。その際に生じる煙のような物でカバトンの目を眩ませるとカバトンの顔面へと飛びかかる。

 

「はあっ!」

 

「小賢しいのねん!」

 

だが、ヒョウの力ではカバトンには遠く及ばない。そのため、カバトンからの拳を受けて逆にプニバードの姿に戻って気絶してしまう。

 

「ヒョウ!」

 

「さて、二人とも俺様が倒したし……プリンセスはもらうぞ」

 

そのままカバトンはプリンセスをシャボン玉に閉じ込めて歩いて行ってしまう。

 

「エルちゃん!待て!」

 

ツバサが追いかけようとした時、カバトンが部屋から出ると同時に床に穴が空く。そのままツバサと気絶したヒョウは落下して行った。

 

「うわぁああっ!」

 

同時刻、シャドーとしのぎを削る戦いをしていたスノー。今回はシャドーも初めからある程度の力を解放しており、シャドーからの猛攻をスノーが何とか凌ぐ形になっていた。

 

「やっぱり強い……私一人じゃ……」

 

「その程度か?いや、そう決めつけるのは良くない。もう油断はしない!」

 

シャドーは本気でスノーを叩き潰しにかかる。そのため、既に自身のギアは既に二段階解放。それでも喰らい付いているスノーを賞賛すべきなのだろうが、まだシャドーの力は上があるのに対してスノーはもう割といっぱいいっぱいの力である。

 

「こうなったら!」

 

スノーは周囲に氷の礫を生成すると射出。シャドーは今更そんなものは効かないとばかりに斬り捨てるが、その間にスノーは接近。浄化技を使う。

 

「ヒーローガール!スノーインパクト!」

 

シャドーはそれを刀で受け止める中、スノーは更に力を込めていく。

 

「はぁああああっ!」

 

「少しは楽しめたか……ならば散れ!ひろがる!シャドークレッセントムーン!」

 

その直後、シャドーはカウンターの一撃を放つとスノーへと叩きつける。それを喰らってスノーは吹き飛ばされた。

 

「ああああああっ!?」

 

スノーは悲鳴をあげると近くの壁に激突。そのまま倒れ伏すと激痛に悶える。

 

「う……くぅ……」

 

スノーは立ちあがろうとするが、体が痛みを訴えるのと同時にシャドーからの言葉があった。

 

「どうやら俺はお前を買い被りすぎたようだ」

 

「ッ……」

 

「お前なら俺の全力を出させてくれると思ったんだがな」

 

スノーはそれを聞くとフラフラとした足取りながらも立ち上がり、構える。

 

「まだ……だよ。私は……戦え……うっ……」

 

しかし、体の痛みは抜けてくれない。そのせいで崩れ落ちてしまう。そんなスノーを見てシャドーはトドメを刺すために刀を構える。するとあげはがシャドーの前に立って両手を広げた。

 

「あげは……さん?」

 

「何のつもりだ?一般人」

 

「確かに私は戦えない一般人……でも、私には私なりにできる事があるはずだと信じてる!」

 

「……それが己の命を顧みずに仲間を庇おうとする事か?」

 

シャドーからの問いにあげはは強く頷く。そんなあげはにスノーは止めるように言う。

 

「ダメです……逃げてください、あげはさん……」

 

「嫌だよ。スノーだって無茶したじゃん。私にだって偶には無茶をさせて欲しい。それに……大人にもカッコつけさせてよ」

 

するとその瞬間、シャドーの頭の中に電撃が走る。それは、黄色い衣装や髪をした少女が仲間と思われる少女達に庇われて少女達が傷つく様子だった。

 

「ッ……何故だ。俺は……私は強くなったはず……なのに、なのに何で……」

 

シャドーの体に電撃が走っていくとその姿がチカチカと点滅するように別の姿となる。その姿はまるで……

 

「嘘……シャドーが……」

 

「プリ……キュア?」

 

シャドーの体は点滅する一瞬だけだがプリキュアのような衣装に女の子のような髪型になっていく。

 

「そんなはずは無い!私は、私は……もう守られるような立場じゃない!」

 

シャドーはその心を振り切るとその姿が再び男の姿に戻る。そして、手に刀を生成して構えた。

 

「あああっ!」

 

シャドーはそのまま生身のあげはへと刀を振り下ろそうとする。しかし、その動きは強制的に止めさせられた。

 

「ダメだ……それをしたら、俺は……俺は元に後に引き返せなくなる!」

 

今度はシャドーの姿があげはとほぼ同年代の青年へと変わるとその衣装は先程の女の子の姿をそのまま男性用に変えたような物である。青年は自らの攻撃を止めるとそのまま頭を抱えたままどこかへと飛び去ってしまう。

 

「待って!!」

 

あげはが後を追いかけようとするが、もう既に彼の姿はここにはいない。するとそこにようやく目を覚ましたサンライズ、スカイ、プリズムの三人がやってくる。

 

「スノー、あげは姉、大丈夫か!!」

 

「スノー、その怪我……」

 

「あはは、私一人でシャドーと戦ってたけどやっぱり一人じゃ勝てなかったよ」

 

スノーが申し訳なさそうにする中、スカイはスノーを抱きしめつつ不安で押し潰されそうな顔になる。

 

「それでも良かったです……スノーやあげはさんが無事で……」

 

「ごめんね、不安にさせて」

 

「謝るのは後だよ。どうにかして攻撃を届かせないと……」

 

「もう一度さっきの手で……」

 

「ううん……多分さっきと同じじゃダメ……どうにかしないと……」

 

するとあげはは頭の中で思考を組み立ててから何かを考えつくと四人へと声をかける。

 

「皆、聞いて。今度こそ成功できる手段があるよ」

 

「本当ですか!」

 

「でも、大分リスクが高いし成功するとも限らない。それでもやる?」

 

それを聞いて四人は顔を見合わせる。だが、四人の答えなど始めから決まっていた。

 

「やるよ、エルちゃんやツバサ君、ヒョウ君を助けるためだもの!」

 

「あげは姉、その作戦を教えて!」

 

四人はその作戦を聞くと確かにそれなら上手くいけば絶対に突破できると考える。

 

「これが決められるチャンスは一度きり。それでも皆は私に賭けてくれる?」

 

「当たり前だ!」

 

「絶対に成功させましょう!」

 

四人は頷くと早速ジャンプ地点から距離を取る。そして、一斉に駆け出した。

 

「「「「ジャンプ!」」」」

 

四人は最初の時と同じようにスノーの出した氷壁を発射台にしてジャンプ。四人の、ジャンプが最高到達点に達する寸前。プリズムのみが下に回り込むと三人へと気弾を発射した。

 

「ヒーローガール!プリズムショット!はあっ!」

 

その一撃に三人は乗ると一気に距離を稼ぐ。しかし、攻撃を放ったプリズムは反動で後ろに飛ばされると屋上へと鈍い音と共に叩きつけられる。

 

そして、三人が前に進む中、スカイが最初にジャンプ。それに少し遅れる形でサンライズとスノーも跳び上がる。時間差で跳んだためにスカイが先に落下を開始。そのタイミングでスノーとサンライズも追いつくと二人が構えを取る。それはまるでバレーのアンダートスを二人でするようだった。

 

「スカイ行くよ!」

 

「せーのっ!」

 

サンライズとスノーはスカイを先に行かせるために思い切りスカイを上に飛ばすとスカイはランボーグよりも少しだけ高い位置に移動する。

 

「今だよ!」

 

あげはが叫ぶと同時にサンライズはスノーへと後ろから浄化技を発動する。

 

「ひろがる!サンライズブレイク!」

 

サンライズは巨大な炎の拳をスノーの足元に向けて放つとこれもスノーの足場兼もし相手に当たればラッキー程度の攻撃である。

 

「皆が繋いだこのチャンスは逃さないよ!」

 

スノーはそう言いつつサンライズの技を足場にして跳び上がった。しかし、サンライズの技を使っても攻撃が届くかどうかは怪しい。そのためにスノーは更に技を使う。

 

「ヒーローガール!スノーインパクト!」

 

スノーは技の力で前にでるとランボーグの展開するバリアと押し合う。

 

「ヒーローガール!スカイパンチ!」

 

そこにスカイからのスカイパンチが放たれるとこちらもランボーグのバリアと激突。二つの攻撃を二方向から受けたバリアはその機構を保てなくなってしまうとヒビが入っていく。

 

「やった!ヒビが入ってる!」

 

「まだです!私達二人の力で……いえ、私達みんなの力で!!」

 

二人の気持ちに応えるかのように二人の技は威力が上がっていき、バリアを粉砕すると二人同時の拳がランボーグへと決まるのであった。




また次回もお楽しみに。
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