熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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シャドーの猛攻 追い込まれたプリキュア

同時刻、シャドーとの交戦を開始したスノー及びサンライズ。今回はシャドーも初めからある程度の力を解放した状態であった。

 

「どうした、お前達の力はそんな物か?」

 

「「くっ……」」

 

シャドーは二刀流の構えであり、スノーとサンライズからの攻撃をそれで全て捌いてしまう。ただ、まだシャドー側は2人のプリキュアに反撃しておらず。まるで2人を試しているようにも見えた。

 

「こいつ、何で反撃しない……」

 

「私達を侮ってるって事?」

 

「侮っては無い。だが、今のままでは俺に勝つのは不可能だって事くらいはわかるよな?」

 

シャドーはそう言って2人を挑発。それに対して2人は悔しそうにしつつも、挑発には乗らない。

 

「サンライズ、それならアレをやってみるよ」

 

「アレか……わかった」

 

「む?」

 

シャドーはいきなりアレと言い出した事に困惑する。この事から2人には何か秘策のような物があると感じ取った。

 

「はあっ!」

 

するとサンライズが前に出るとスノーが逆にシャドーから距離を取る。それを見てシャドーはサンライズ相手なら長い刀1本で対応できると考えてそちらに切り替えた。

 

「だああっ!」

 

サンライズがシャドーの刀の切り替えの間に接近。そこからラッシュを繰り出す。勿論シャドーはそれを刀を使う形で捌いた。

 

「ふん。確かにお前は少しずつ成長している。前と比べたら攻撃面での未熟さは無くなった。……だがまだ甘い!」

 

シャドーはサンライズからの左ストレートパンチに合わせる形でカウンターとして彼のガラ空きの腹を狙った斬撃を放とうとする。

 

「ッ!そう来ると思ってた!」

 

「む……」

 

サンライズはシャドーからの攻撃を見切っていた。シャドーであれば自分の未熟な攻撃を見てカウンターを合わせてくるとこれまでの戦いである程度予想できたからである。

 

「お前が俺の事を知ってるように、俺もそろそろお前の手がわかってきたぞ!」

 

サンライズはシャドーからのカウンターに逆に合わせる形で右腕に炎を合わせる形で左ストレートをフェイクとして途中で止めると右腕の本命を刀へと全力でぶつけた。

 

「うおらっ!」

 

「ぐうっ……」

 

シャドーはサンライズからのカウンター返しに顔つきを歪ませつつ後ろに押し戻される。

 

「やぁああっ!」

 

そして、シャドーが吹き飛ばされた先。スノーが走り込むとシャドーの右サイドから迫っていた。

 

「ッ、お前……サンライズが競り勝つと信じて……」

 

「そうだよ!」

 

スノーはシャドーが体勢を立て直す前に彼が1本に戻していた刀を狙う。それさえ奪えればシャドーからの攻め手は激減するはず。

 

「(シャドーからの攻撃はほぼ全部刀での攻撃。だからそれを奪っちゃえば……)」

 

スノーはシャドーが体勢を立て直すのに気を取られている隙を突く形で刀の刀身を蹴り上げるとシャドーはそれを受けて思わず刀を手放してしまう。

 

「くっ!?」

 

「まだ行くよ!」

 

スノーはここでも油断しない。刀を奪ったからと言って攻撃の手が無いなんて油断をしたら即狩られてしまう。

 

そのため、より確実にシャドーを無力化するために地面を足のつま先で軽く叩く形で彼の両足を氷で凍結させた。

 

「ッ……」

 

「はぁああっ!」

 

スノーはシャドーをその場から動けなくした状態で拳を放とうとする。ただ、シャドーも黙ってやられるわけでは無い。すかさず目を黒く光らせると自身の周囲に黒いエネルギーで生成されたエネルギーの短剣を多数出現させるとスノーへと射出。一網打尽にしようとする。

 

「しまっ……」

 

スノーが慌てるがもう遅い。そのまま彼女は短剣を全身に受ける形で大ダメージを……受けなかった。

 

「なっ!?」

 

スノーの体は短剣で滅多刺しにされたタイミングで薄く溶けて消え去る。そして、シャドーはスノーの体が消えた瞬間にようやく状況を理解していた。

 

「氷雪拳・雪ノ型……そして、氷雪拳・氷ノ型!!」

 

スノーは完全にシャドーの背後を取ると右腕に氷雪拳・氷ノ型による氷を纏った拳を構える。

 

対してシャドーはこのまま攻撃を受けるのは不味いと考えてすかさず自身の後ろに先程同様にエネルギーの短剣を生成しようとした。

 

「おっと、この場にいるのはスノー1人だけじゃ無い!」

 

「まさか!?」

 

その瞬間、スノーのいる場所の反対側。つまりシャドーの正面に先程までスノーに戦闘を任せきりにしていたサンライズが降り立つと既に炎の拳を放とうとしていた。

 

「(コイツら、お互いを信じて任せる形で俺の想定を上回ってきた!?)」

 

シャドーは本気になっていないとはいえ、完全にプリキュアの2人に出し抜かれたという事実に驚きを隠せず。その驚きの間にもプリキュアの2人はすかさず挟み撃ちにする形で攻撃を放った。

 

「はぁあああっ!」

 

「ひろがる!サンライズブレイク!」

 

スノーによる背後からの氷の拳とサンライズの正面からのサンライズブレイクに対してシャドーはすかさず両腕をクロスさせて防御姿勢を取ると正面のサンライズブレイクを防ぐ構えを見せた。

 

「「はぁああっ!」」

 

その直後、2人の拳がシャドーへと命中。爆発が起きると周囲に煙が発生。その間もスノーとサンライズはシャドーへの拳による攻撃を継続していたが、2人共何かに気がつく。

 

「「……ッ!?」」

 

「……中々良い連携だった。今回ばかりは少し危ないと思ったぞ」

 

シャドーの声色は確かにダメージを受けた影響か、少し苦しそうだった。しかし、それ以上にスノーとサンライズの中には絶望感に近い何かが浮かぶ。

 

「ふふっ、お前達は確かに強くなった。……だが、まだ届かないな」

 

「嘘……だろ」

 

「これでも……ダメ?」

 

煙が消え去るとそこに現れたのは正面からのサンライズブレイクを両腕のガードによって防御し、背中へのスノーからの一撃は先程彼女が弾いた刀を背中に納刀する形で鞘ごと再生成。それによって肉体への直接的なダメージを抑える事で見事に2人からの挟み撃ちを止め切ったシャドーの姿であった。

 

「確かに俺はお前達を少し軽く見ていた。それについては謝罪しよう。……それでもお前達2人と俺の間には絶対に超えられないと言い切れる程の差がある」

 

「化け物かよ……」

 

「本気を出してないってわかってたはずなのに……」

 

2人はそれでも闘志は失ってないのか、シャドーへの拳の押し込みは継続。ただ、シャドーにとってはまだまだ致命傷には程遠い。

 

「さて、お前達の力の底は見た。そろそろ反撃と行こう。はぁああっ!」

 

その瞬間、シャドーが自らの体にオーラを発生させると同時に衝撃波でスノーとサンライズを纏めて吹き飛ばしてしまう。

 

「「うわぁああああっ!?」」

 

2人が先程まで戦っていた屋上から吹き飛ばされると別々の建物の屋上に叩きつけられる。そして、シャドーが先に狙ったのはスノーの方だった。

 

「ッ……!!」

 

「まずはお前だ。キュアスノー」

 

シャドーが両手に刀を展開して二刀流になるとスノーへと連続斬撃を仕掛けていく。

 

対して、シャドーからの猛攻をスノーは防戦一方にはなるが凌ごうとしていた。

 

「強い……。シャドーの攻撃に無駄が無いのもそうだけど……技量の差が……」

 

「俺がお前を先に狙う理由を教えてやる。それはお前の手数だ。お前単体なら今みたいに俺の力で圧倒するのは容易い。だが、サンライズと組むだけでお前の手数の多さは脅威になる」

 

シャドーはそう言いつつスノーへの攻撃を継続。彼女は反撃する時間さえもらえないまま消耗していった。

 

「くうっ……」

 

シャドーはスノーのサポート性能の高さを警戒していた。勿論単独での戦闘力で考えてもスノーは強い。しかし、それよりもシャドーにとって脅威と言えるのはスノーがサンライズのサポートに回った際の厄介さ。サンライズ単体なら割と簡単に対処できてもスノーが一緒だとサンライズの隙を上手くカバーしてくるのでシャドーとしては連携を断つならまずスノーからと考えたのである。

 

「ううっ!?あうっ!?きゃあっ!?」

 

スノーはシャドーからの執拗な攻撃を受け、反撃する暇が無いのもあって彼の斬撃に少しずつ被弾する回数が増えていく。更に元々受けていたダメージと災いしてスノーの肉体はどんどん疲弊していた。

 

「ああっ!?……はぁ、はぁ……ッ、私一人じゃ……」

 

「どうする?このまま諦めるお前じゃ無いだろ!」

 

「ッ……当たり前だよ!」

 

シャドーはスノーを叩き潰しにかかっており、スノーの体は斬撃による傷の影響で痛めつけられていく。スノーは簡単にはやられまいと必死に喰らいつくが、まだシャドーの力は上があるのに対してスノーはもう割と全力に近い。こうなると元のスペックの差が響いてしまっている。

 

「はあっ!」

 

「うぁああっ……くっ……」

 

スノーはとうとうシャドーからの斬撃を右肩から左脇にかけてまともに喰らってしまうと体への激痛に顔を歪めて膝を付いてしまう。

 

「ッ……」

 

「スノーの事ばかり狙って……俺の事を忘れんな、シャドー!!」

 

スノーが窮地に陥ったそのタイミングで先程別方向に吹き飛ばされていたサンライズがようやく復帰してくるとシャドーへと突撃してくる。

 

「やっと来たか」

 

「ッ、今だよ!」

 

すると、スノーはシャドーがサンライズへと一瞬気を取られたスノーがすかさず周囲に氷の礫を生成するとシャドーへと射出。

 

シャドーはそれをすかさず斬撃で切り捨てると、その間にスノーは脱出。それと入れ替わるようにサンライズが拳を繰り出した。

 

「だああっ!」

 

「ふん。さっきは不覚を取ったが今度はどうかな?」

 

「ッ、だったら受けてみろ!」

 

サンライズは二刀流の刀で最初の拳を防御してきたシャドーに対してすかさず連続での拳による攻撃を放つ。

 

「だだだだだっ!」

 

シャドーはそれに対して2本の刀を使って守りを固める。サンライズの攻撃は確かにパワーがあって一撃が重い。それでもシャドーにとっては刀で防御している分には大した事の無い攻撃になってしまう。

 

「どうした?それで勝てるとでも?」

 

「ッ……ぐあっ!?」

 

そして、サンライズはシャドーに攻撃を止められている事に動揺してしまうとその間にシャドーからの斬撃が今度こそカウンターとして命中してしまう。

 

「お前はやはりまたまだ経験不足だな。ちょっと動揺するだけですぐにさっきできていた事ができなくなる」

 

「煩せっ!お前みたいな戦闘馬鹿と一緒にするなよ!」

 

サンライズはそれでもすぐに立て直すと両腕に炎を生成。今度はそれを前に突き出すとそこから火炎弾を何発か飛ばす。

 

「効かないな」

 

しかし、シャドーはその火炎弾に自ら突っ込んでくると全く怯む様子すら無くサンライズに接近してきた。

 

「コイツ、スーパーアーマーか何かかよ!?」

 

「それならサンライズ!今度は2人一緒に!」

 

「わかった!」

 

するとシャドーの突進に合わせる形で走ってきたスノー。彼女の技に合わせる形でサンライズは再び技を使う。

 

「ヒーローガール!スノーインパクト!」

 

「ひろがる!サンライズブレイク!」

 

「ふん!」

 

シャドーはスノーからのボレーキックとサンライズからの拳による鉄拳。それらを纏めて一刀流にした刀で受け止める中、2人はシャドーの刀を押し切るべく更に力を込めていく。

 

「「はぁああああっ!」」

 

「少しは楽しめたか……だが、まだ足りない!!」

 

「「ッ!?」」

 

シャドーは遊びは終わりと言わんばかりにそう呟くと2人の実力が足りてないと叫びつつ刀に闇の力を流し込んでから彼の技を発動。

 

「ひろがる!シャドークレッセントムーン!」

 

その直後、シャドーの姿が一瞬にして消えると2人の攻撃は空振ると同時に揃って体勢を崩してしまう。そこにシャドーが瞬間移動……と言いつつもの体勢を変えるためだけに消えたため、すかさず2人の前にまた姿を現す。

 

「はぁあああっ!」

 

そのままシャドーは2人へとカウンターの一撃を叩き込み、それをまともに喰らってしまった2人は堪らず吹き飛ばされた。

 

「「うああああああっ!?」」

 

2人は体に走る痛みに悲鳴をあげるとそのまま自分達が戦っていた建物から一気に飛ばされて一番最初にいたビルの屋上……つまり、スカイ、プリズム、あげはの3人がいる建物の上に激突。

 

そして、その際の衝撃で上空のランボーグへの攻撃を試みていた3人も気がつく。

 

「サンライズ!?」

 

「スノー!?」

 

2人は屋上に激突した際に倒れてしまっており、ここまでの蓄積ダメージが重いのか……激痛に悶えてしまう。

 

「う……くぅ……」

 

「ぐぅっ……ううっ」

 

「2人共……ッ」

 

2人は痛みを堪えて立ちあがろうとするが、同時に体が痛みを訴えて崩れ落ちてしまう。そして、そんな2人の痛々しい様子を見たあげはは苦しさに唇を噛み締めていた。

 

するとそのタイミングで吹き飛んだ2人を追ってきたシャドーが降り立つと2人を見下ろす。

 

「………」

 

ただ、彼は倒れているスノーやサンライズを見ながら胸に手を当てて何かを確かめているようだった。しかし、彼の中で特に変化があるわけでは無い。

 

「……何も聞こえない……か」

 

どうやらシャドーは前に聞こえた声の正体を探るためにその正体に直接関係がありそうなスノーやサンライズを狙ったのだが……当てが外れたようだ。

 

「チッ……。折角あの謎の声の答えが知れると思ったが……どうやら無駄足だったようだな」

 

「声……だと?」

 

「ッ……」

 

「ふん。お前達が知る必要は無い。……正直、もっと楽しみたい気持ちはあるが……今回のカバトンは本気だからな。俺も最低限の仕事はこなさないとならない。ここで終わりにしてやる」

 

シャドーは今回ばかりは倒れている2人を見逃すつもりは無く。背中の刀を抜く。するとスカイとプリズムが2人を助けようとする。

 

「ッ!不味い!」

 

「お二人を助けないと……」

 

「邪魔だ!」

 

その瞬間、シャドーは2人へと斬撃波を放つとそれが2人の足元に着弾。爆発と共に2人纏めて吹き飛ばされてしまう。

 

「「きゃああっ!?」」

 

「スカイ、プリズム!?」

 

そのままスカイとプリズムはそれぞれ屋上の床と手すりに激突。何度もランボーグへのジャンプに挑戦しているせいで疲弊している事もあってそのまま動けなくなってしまう。

 

「くっ……」

 

「うぅ……」

 

「そこで大人しくしてもらうぞ」

 

シャドーがそう言っているとスノーとサンライズはフラフラとした足取りながらも立ち上がってシャドー相手に構えようとしていた。

 

「まだ……だよ」

 

「俺達は……終わってなんか」

 

「「くっ……うっ……」」

 

しかし、ダメージは未だに体を蝕むと2人揃ってまた倒れてしまう。そんな2人を見たシャドーはトドメを刺すために刀を構えた。

 

「安心しろ。痛みを感じない程に一瞬で楽にしてやる」

 

シャドーがそう言ってとうとう2人へとトドメの一撃を放とうとした時。突如としてスノーやサンライズとシャドーの間に入る1人の影がいた。それを見た瞬間、プリキュア達は目を見開く。

 

「……これ以上、皆を傷つけさせない……」

 

「「「「ッ!?」」」」

 

そこにいたのはこの場で唯一戦う事ができず、1人歯痒い思いをし続けてきた者……聖あげはだった。そして、彼女がプリキュア達を庇う光景にシャドーは目を細める事になる。




また次回もお楽しみに。
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