熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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今回からアニメ9話の話です。それではどうぞ!


遥か空の敵 届かない高さ 旧・遥か空の敵 スノーの機転(パート1)

突如として現れたUFO型のランボーグ。プリキュアは街へとそのランボーグを対処しに行く中、エルがプリキュアの後を追う形で飛び出してしまう。

 

エルがこちらに向かっていると知らないプリキュア達。彼女達は街へと到着するとランボーグを操るカバトンと対峙する。それを見たカバトンはプリキュアへと声を上げた。

 

『早速来たのねん。プリキュア!』

 

「またあなたですか……カバトン!」

 

スピーカー越しに聞こえるカバトンの声にスカイが声を上げると早速サンライズが毎度のように襲ってくる彼への苛立ちをぶつける。

 

「お前なぁ、そろそろしつこくないか?お前が大人しくしてくれるだけでこっちがどれだけ楽になると思ってるんだ!」

 

『そっちの都合なんて知った事じゃ無いのねん!襲うのをやめてほしかったらプリンセス・エルを大人しく渡せ!!』

 

「そんなの、絶対にお断りだよ!」

 

やはりカバトンはエルを諦めていない事を改めて知ったプリキュア達。勿論自分達からエルを渡すなんて事は絶対にあり得ないため彼と戦わないといけないのは変わらない。

 

『チッ……それで大人しく渡せばお前らは痛い目に遭わなくて済んだものを……。本当に聞き分けが悪い奴なのねん』

 

「残念だったな。お前にとって聞き分けの良い奴らじゃなくて。……というか、お前普段は一緒にいるシャドーはどうした?」

 

『へっ、あんな奴の力なんて借りなくたって俺様1人で十分って事なのねん!』

 

カバトン曰く、シャドーとは一緒にいないらしい。これは実際事実であるのに加えてシャドーの性格上わざわざランボーグの中に乗り込まないのはこの前の電車ランボーグの件で分かりきっている。そう考えると今回のカバトンの発言は信じても良いだろう。

 

「シャドーの事だからいつ介入してくるかわからない。上にばかり気を取られるのはよくないかも……」

 

「そうですね。十分注意して戦いましょう!」

 

スノーの呼びかけにスカイが同調。この事からシャドーという存在がプリキュア達に大きなプレッシャーを与えているのは間違いないだろう。そんな状況を踏まえた上でプリキュアの4人はカバトンの乗り込むランボーグと対峙する事になる。

 

『さぁ、そろそろ俺とお前らどっちがTUEEEのか……今日こそ決めてやるのねん!』

 

「ッ、来るぞ!」

 

カバトンが早速攻撃のための操作を行うとランボーグからレーザー光線が放出された。

 

「「「「ッ!!」」」」

 

4人のプリキュアはそれに対してそれぞれが動き回る形で攻撃を回避。ランボーグのレーザーは4人を追尾するように次々と放たれる。

 

「皆、固まっていたら纏めてやられるから少しだけ距離を取って!」

 

「そうですね。その方が良さそうです!」

 

プリキュア達が順調に攻撃を回避する中、カバトンは中々攻撃が当たらない事に少しだけ苛立ちを浮かべる。

 

「チッ、ちょこまかと避けてきて……。鬱陶しいのねん!」

 

「そう簡単に当たってたまるか!」

 

「反撃行くよ!はあっ!」

 

プリキュア達は攻撃回避が上手く行ってるのを感じると4人の中で唯一の明確な飛び道具持ちであるプリズムが気弾で迎撃。しかし、レーザー光線の威力は中々の物で。

 

「ッ、プリズムの気弾で押し切れない……」

 

「だったらもっと撃つだけだよ!」

 

プリズムはどうにかしてランボーグに攻撃を当てるために気弾を連射するが、その気弾は全てランボーグに到達する前にレーザー光線によって全て撃ち落とされてしまう。

 

「にゃーっはっはっは!どうしたのねん?お前の撃ったヒョロヒョロ弾、全然届いてないぞ!」

 

「ッ、そんな……攻撃が届かない……」

 

「プリズムの気弾の射程圏外の安全圏からの攻撃……ヤバいなこれ」

 

何しろプリキュア側の最高射程の攻撃はそのプリズムによる気弾攻撃。それが届かないとなるとプリキュア側は自分達から遥か上空にいるランボーグに近づかないといけなくなる。

 

『見たか!これがプリキュアに勝つために編み出した俺様の作戦なのねん!』

 

「どうしよう、このままじゃ……」

 

4人はこのままだとランボーグからの攻撃に晒され続けていつかは体力切れを起こしてしまう。

 

「どうにか近づくしか無いですね」

 

「そうだね……皆、まずはランボーグの所にまで行こう!」

 

こうして、プリキュア達はまずランボーグへと近づくための行動を起こす事になるのだった。

 

場面は一旦虹ヶ丘家付近へ。飛び出したエルを連れ戻すため、虹ヶ丘家の丘から空を飛ぼうとジャンプしたツバサとヒョウ。2人は翼をパタパタと動かして街へと向かおうとする。

 

「「うぉおおおっ!」」

 

二人はこの辺りの風を読み、吹いてきた風を利用する事で空を飛んで街まで急行しようとしたのだ。

 

「「ふんふんふんふんふんふんふんふん!」」

 

2人はどこぞの天才バスケットマンみたいな掛け声と共に小さな翼を羽ばたかせるが、それで自分の体が宙に浮かんだり前進する気配は無い。次の瞬間には揃って呆気なく落下してしまう。

 

「「……うわぁああああ!?」」

 

やはりプニバード族である2人が飛ぼうと思っていきなり飛べるはずが無かったのだ。

 

「ふぶっ!?」

 

「うわぁああっ!?」

 

「うう……ぷぎゅうっ!?」

 

そんな中、落下する際に体重の関係か、何故か先にツバサが落下すると地面に激突。その直後にヒョウがツバサの真上に落ちる形で激突した。そのためツバサはただでさえ地面に激突した時の痛みを受けてたのに更に上からヒョウが落ちたために追加ダメージを貰ってしまう事になる。

 

「痛ててっ……ツバサ、大丈……」

 

「ヒョウ、大丈夫なら退いて……」

 

「えっ……あっ!ごめん!!」

 

ヒョウは自分がツバサの上に落ちてしまった事を見ると恥ずかしそうに顔を赤くしつつ慌てて退く。ツバサはどうにか起き上がるとヒョウに自分の無事を伝えた。

 

「ボクはもう大丈夫。だけど……」

 

「ッ……」

 

しかし、自分達が無事だという事実以上に今の自分達の現状を思い知らされた方がよっぽど大きなダメージとなっているのか。2人共落ち込んでしまう。

 

「や、やっぱりダメだよツバサ……」

 

「うん……プニバード族のボク達には空を飛ぶなんて……」

 

2人はそんな自分達の力の無さを思い知って暗い顔つきになる。ただ、今はネガティブな気持ちになってばかりもいられない。何しろこのままでは飛び出してしまったエルが危険なことに変わりは無いのだ。

 

「ッ……メソメソしてたらダメだ。エルちゃんを連れ戻さないと」

 

「でもさ、この距離だよ?普通に行ったら時間がかかり過ぎるよ」

 

2人は虹ヶ丘家の丘から落下した際、偶然にも街へと繋がる整備された坂道の上に落ちていた。後はこの坂道を降りれば街に着く……のだが、先程言及された通りこのまま歩いて降りると時間が相当かかってしまう。

 

そのため下手したらエルの窮地に自分達の助けが間に合わない事態が発生しかねない。

 

「うーん……。人間態で行ったとしても時間かかっちゃうよね」

 

「こんな急な坂を降るのも大変だし……」

 

ツバサとヒョウは今すぐにでもエルを助けに行きたい気持ちを募らせるが、やはりそれでも現状は解決なんてしない。すると、ツバサは何かに閃いた顔を浮かべる。

 

「急な坂……あっ!」

 

「ツバサ何か思いつい……あっ、まさか」

 

ヒョウはツバサが何を考えているのか何となく察すると顔を引き攣らせる。正直な所、ヒョウはあまりやりたい事では無さそうだった。

 

「流石、ヒョウならわかってくれると思ってました!」

 

「ちょちょ、本当にやるつも……」

 

「行きますよ!」

 

ヒョウが渋って中々踏み出さない中、ツバサは問答無用とばかりに体を丸めるとコロコロと坂道を転がり始めてしまう。これなら素早く移動する事ができるだろう。しかし、地面の上を転がるのでかなり汚れてしまうが。

 

「うぉおおお!」

 

「マジかよ……ああ、もう!」

 

ヒョウはそういう事情も相まって丸くなって転がるのを嫌がっていたが、それでも1人でここに置いていかれるわけにはいかないために仕方なく自分も丸くなると同時に坂道を転がっていく事になる。

 

一方その頃、街では遥か上空にいるランボーグに対し、スノー、サンライズ、スカイ、プリズムの4人のプリキュアは建物の壁を駆け上る形で少しでもランボーグに近づこうとする。

 

「オラオラ、攻撃できる物ならやってみろよ!」

 

「あの野郎、自分が安全圏だからって!!」

 

「だけど近づかないと始まらない……」

 

プリキュア達が壁を駆け上る間も当然のようにカバトンはランボーグを使って4人を落とすためにレーザー光線による攻撃を仕掛けていった。

 

「プリズム、屋上からなら届きそうですか?」

 

「ううん。さっき全力で撃って全然届いてないから……」

 

やはりプリズムの気弾ではどれだけ強く放ったとしてもランボーグのいる場所にまでは全くもって届かないらしい。そうなるともう自分達から近づくしか無い事になる。

 

「さぁさぁどうするのねん?」

 

カバトンが調子付いている中で4人はランボーグからの攻撃を躱しつつ建物の屋上へと到達。

 

「皆さん、跳びますよ!」

 

「「「(うん)(ああ)!」」」

 

4人は屋上に着地するとすかさずスノーが地面から氷壁を勢いよく飛び出させる。その氷壁を発射台兼足場代わりにして4人は踏み込みつつ一気に跳び上がった。

 

「「「「ジャンプ!」」」」

 

4人は屋上から飛び出すとカバトンの乗るランボーグが浮かぶ場所を目指して一直線に向かう。しかし、ただ4人が全力で跳んだだけではカバトンのいる場所にまでは届かない。そのためランボーグのいる場所よりもかなり手前だったが、4人の前進速度は落ち始めてしまっていた。

 

「へーん!そんなヘナチョコジャンプで届くもんか!」

 

カバトンはまだ自分の場所に届かないと見切るとプリキュアを馬鹿にするように変顔まで見せて煽る。対して4人のプリキュアは頷くと突如としてプリズムとサンライズがスカイとスノーの下に回り込む。

 

「無駄無駄、何をしてもここまでは来れないのねん!」

 

4人はカバトンの煽りなんて関係ないと言わんばかりにすかさずサンライズとプリズムが身体能力の関係で自分達よりも先に進むスノー、スカイの2人の下側に入り込むと体の向きを180°回転。両脚をスノー、スカイの方に向けた。

 

「2人共行くよ!」

 

「せーのっ!」

 

2人は掛け声を合わせるとサンライズがスカイの、プリズムがスノーの両脚の裏に自分の足の裏を合わせる形でそれぞれ蹴り込む形で先へと飛ばす。

 

「後は任せるよ!」

 

「うん、2人の頑張り、無駄にはしない!」

 

サンライズとプリズムがサポートに回った事で更に前進する2人のプリキュア。このまま行けばどうにかランボーグの元に到達できる。

 

「「はぁあっ!」」

 

「良し、これなら行ける!!」

 

サンライズが2人の攻撃が届く事を確信した瞬間。カバトンは邪悪な笑みを浮かべるとすかさず操縦席のレバーを引く。

 

『それがお前らの全力なのねん?だったら無駄ってやつだ!』

 

「「えっ!?」」

 

スノーとスカイがランボーグのスピーカーから聞こえたカバトンの声に驚いたような顔を見せると突如としてランボーグの姿が遠くなってしまう。

 

「「なっ!?」」

 

「はぁ!?」

 

理由は簡単。カバトンがランボーグを操縦して2人から距離を取ってしまったからだ。

 

「ズルくない!?それ!」

 

「クソッ、空中で自在に動ける奴の特権かよ!」

 

サンライズとプリズムは屋上に着地しつつその光景を見ると唖然としてしまう。しかし、まだランボーグに向かっていた2人は諦めていなかった。

 

「まだだよ!」

 

するとスノーはすかさず自分がスカイの後ろに入り込む。それを見たスカイはスノーが何をするのかを察して自分は前だけを向いた。

 

「スカイ行くよ!ヒーローガール!スノーインパクト!」

 

スノーはそのまま自身の浄化技を発動。技の特性で強制的に前進する事でスカイへとドロップキックするかのように彼女と足の裏を合わせた。

 

「はぁあああっ!!」

 

そのスピードはランボーグが後退するよりも速い。そのためみるみる内に距離を縮めていった。

 

「げっ!?」

 

流石のカバトンもここまでのスピードは想定してなかったのか。慌てたような顔になる。

 

「スカイ!」

 

「はい、後は私ですね!」

 

スカイはスノーの動きに感謝しつつスノーインパクトの加速力が消えかける瞬間を狙ってスノーの足の裏を蹴り込みつつ自分の技を発動させた。

 

「ヒーローガール!スカイパンチ!」

 

スカイはスカイパンチを発動させるとそこから更に加速。これならランボーグに攻撃が届く……そんな時だった。

 

「ヤバいいっ!?このままじゃやられ……るとでも思ったのねん?」

 

「ッ!?」

 

「奥の手は最後まで残しておくものだ。ポチッとねん!」

 

カバトンはまるでここまでのプリキュアの努力を嘲笑うかのようにボタンを押す。同時にアンダーグエナジーと思われる黒いエネルギーによるバリアがランボーグを覆うように形成。スカイパンチはそれと激突する。

 

「ッ、こんなバリア……」

 

「ふっ、お前単独のパワーの限界は前に見てるのねん。このバリアは絶対に砕けない!」

 

カバトンの言う通り、スカイパンチのパワーはランボーグのバリアの前に少しずつ露散していくととうとう消えてしまう。そしてそうなればスカイに待ってるのは滞空時間の限界と下への落下だ。

 

「はぁああああ……えっ、あっ!ちょっと!後少し……」

 

スカイはどうにかその場に留まろうとするが、同時にランボーグのバリアが消滅。そうなると周囲に何も無いこの空の上では重力に逆らう事なんてできない。

 

「……も、もう限界……きゃああああっ!?」

 

「ぎゃーっはっはっは〜っ!!これで終わりなのねん!」

 

そして、無防備な状態で落下するスカイに対してカバトンはスカイへのカウンターとばかりに連続でのレーザー光線射出をする事になるのだった。




また次回もお楽しみに。
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