熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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空からの猛攻撃 カバトンの選択 旧・遥か空の敵 スノーの機転(パート2)

遥か上空に陣取るランボーグに対して4人で協力して高さを出そうとするプリキュア。しかし、彼女達の作戦は失敗。落下するスカイはランボーグのレーザー光線から容赦無く狙われていた。

 

「今なら狙い放題なのねん!ランボーグ!」

 

「ランボーグ!」

 

スカイへとランボーグからのレーザー光線が迫る中、彼女はそれを喰らうまいと咄嗟に体を捻りつつ体勢を変えることで回避していた。

 

「ッ……早く地上に行かないと……ですが……」

 

しかし、スカイが今いるのは空中。そして周りには足場なんて物は存在しない。加えて厄介なのが、スカイはランボーグを攻撃するために彼女は地上からかなり離れた上空にいる。そのため、地上に到達するまでの時間はずっとこの状態が継続するのだ。

 

「オラオラ、そんな回避方法でいつまで逃げ切れるか!」

 

「早く、早く地上に……ッ!?」

 

その瞬間、一発のレーザー光線がスカイの近くを通過すると突如として自分の体が変に傾くような感覚を感じた。理由は今のレーザー光線を避ける際に左肩から伸びているヒーローマントの先端が一瞬だけ掠ってしまったのだ。

 

「きゃあああっ!?」

 

「スカイ!?」

 

「まさか、マントに当たったのか!?」

 

サンライズとプリズムが声を上げるとそのタイミングで二人のいる屋上へと着地したスノー。そのため彼女は咄嗟にスカイの危機を察知する。

 

「サンライズ、プリズム。フォローお願い!」

 

「「えっ?」」

 

2人がスノーの言う事に一瞬だけ唖然としている間に彼女は屋上を強く踏み込むと氷壁のカタパルト無しで跳び上がった。ここでカタパルトを使わないのは最高到達点を意図的に低くする事でスカイを助けた後の屋上までの到達時間を減らすためである。

 

「はあっ!」

 

「スノー!?」

 

「そっか、私の気弾を使って!」

 

サンライズがいきなり飛び出したスノーを少しだけ心配するものの、プリズムが彼女の意図を早い段階で理解したおかげでサンライズの中に安心感が生まれた。

 

彼にとっては少なくとも今回のが自爆特攻では無いとわかるだけでも大きいのである。そして、プリズムはすかさず2人をフォローするべく気弾をばら撒くように放った。ただし、それはランボーグを攻撃する意図で放った物では無いからか……ランボーグに向かって飛ぶのでは無く周囲に停滞するだけである。

 

「うわぁあああっ!?」

 

「スカイ!」

 

そこにスカイがバランスを崩して落下してくる中、ランボーグからのレーザー光線が迫った。しかし、スカイにレーザー光線が命中する寸前。スノーが片手を翳して氷の礫を射出。レーザーを止めている間にスカイをお姫様抱っこしてプリズムの気弾の上に着地する。

 

「スノー!?」

 

「大丈夫?」

 

「え、えぇ……」

 

スカイはまさかスノーが来てくれると思ってなかったのか。未だに困惑したような声色で話すと彼女はプリズムの気弾を飛び石のような足場として活用。安全に地上へと降りていく。勿論カバトンがそれをみすみす逃すわけがない。

 

『ぐぬぬ、そうはさせないのねん!』

 

「ラン……ボーグ!」

 

カバトンはランボーグへの指示で再度レーザー光線を射出。ただし、今度はプリキュアを直接狙うのでは無く地上付近に展開されているプリズムの気弾をピンポイント撃ち抜く方式だった。

 

「ッ!?スノー、危ない!」

 

「大丈夫!」

 

そうする事で気弾を足場に移動する2人を捉えられると考えたのである。そして、その作戦が功を奏したのか足場に移ろうとしたスノー達を捉えた。

 

「良し、そこなら射程圏内だ!ひろがる!サンライズブレイク!」

 

「なあっ!?」

 

だが、当然それがわかってるのなら屋上にいるサンライズもカバーに入る。サンライズから放たれた技、サンライズブレイクの力で炎の拳が生成されるとスノーとスカイを狙い撃つべく迫っていたレーザー光線と激突。そのまま焼き尽くしてしまった。

 

「サンライズ、ありがと!」

 

「いや、スノーの行動がスカイを助けたんだ。むしろお礼を言うのは俺達だよ」

 

スノーからのお礼に対し、サンライズはそう返すとスノーはそれを受けて微笑むとそっとスカイを降ろした。

 

「スカイ、怪我は無い?」

 

「いえ!それと、私からもありがとうございます。スノーのおかげで助かりました!」

 

そして、4人が合流してしまったのを受けてカバトンは苛立つが、改めてこの状況を見ると彼は笑みを浮かべる。

 

「ぐぬぬぬ……プリキュアめ、つくづく運が良いのねん。4人が合流してしまうとは……うん?4人が合流……!!ぐふふ、だったらこれを使うのねん!」

 

カバトンはプリキュアが4人揃っている今のタイミングをチャンスと捉えており、ある攻撃が有効だと考えた。そのため、カバトンは自身の目の前の操作盤に存在する赤いボタンを押す事になる。

 

そして、そのプリキュア達のいる屋上では彼女達がこの状況に頭を抱えている所だった。何しろ、着地に成功こそしたが唖然としてランボーグが上を取っている状態に変わりは無い。

 

そのせいで自分達の攻撃は届かず。逆にランボーグの攻撃はやりたい放題なのだ。プリキュアの圧倒的不利には変わらない。

 

「クソッ、あの高さじゃこっちの技は届かない」

 

「でも、あそこにまで行くことができるのは多分一人だけだよ……」

 

何しろ4人が連携してようやくスカイが1人到達できただけ。そして、ランボーグの元に辿り着いても別の問題が浮き彫りになる。

 

「そして、それだけではバリアまでの突破は不可能です……」

 

「俺の浄化技なら……いや、スカイのスカイパンチでダメなら多分俺の技も効かない」

 

4人の中で一番パワーがあるサンライズでも恐らく先程のバリアは崩せないと予想するプリキュア。実際、スカイパンチはバリア相手に傷一つさえも入れられなかった。そう考えると個人技は通用しないと仮定する方が良いだろう。

 

「だったら2人同時に行くのはどうですか?」

 

「でも……2人同時になんてできる?」

 

「うーん。どう考えてもキツイなぁ……」

 

あのバリアの突破には確実にプリキュア2人分の火力がいる。しかし、そうなると今度は高さが絶対的に足りない。発動者がランボーグに近づけないのであれば技を放つ際にランボーグとの間に余計な距離が発生し、合体技でもバリアが打ち破れなくなるだろう。

 

『のんびりお喋りなんて余裕なのねん?だったらこれでも喰らえ!』

 

「「「「ッ!?」」」」

 

4人はスピーカーからのカバトンの声に思わず身構えると上空を見上げる。するとそこにはランボーグの下側に紫の明らかに危険そうなエネルギーが充填されており、その様子は建物の屋上にいる4人にもハッキリと見えた。

 

「ねぇ、なんかヤバそうな予感がしているの……私だけかな?」

 

「いいえ、私もです」

 

「もしかしなくてもこっちを狙ってるよね!?」

 

「取り敢えず、逃げるぞ!」

 

4人はランボーグの下側に生成された紫のエネルギーに身の危険を感じ、背中を向ける形で逃げに徹した瞬間。ランボーグからは巨大エネルギー砲が放たれてしまう。

 

「ランボーグ!!」

 

「「「「うわぁああああああっ!?」」」」

 

その強力なエネルギー砲はプリキュア達が今立っていた建物に直撃。4人は咄嗟に別の建物に移動するために跳んでいた事が幸いして直撃は免れる。しかし、そのエネルギー砲の余波まではどうしようもできないために纏めて吹き飛ばされてしまう。

 

「える!?えるぅうっ!」

 

その時、プリキュアのいた建物が丸ごと吹き飛ばされる様を見てしまったエルは慌ててその場所へと向かった。

 

そして、今回の戦闘を高みの見物という形で見ていたシャドーは珍しくカバトンの手際が良いという事で興味深そうにする。

 

「なるほどなぁ。これならカバトンの元にプリキュアが辿り着けない限りはずっと安全圏から一方的に殴れる……か。いかにもアイツらしい戦法だな」

 

シャドーはそう呟くとプリキュアの元……には向かわずにまだ様子見するつもりだった。

 

「さて、プリキュアはどんな手を打つか。流石にこのまま呆気なく終わるのお前らじゃ無いだろう?」

 

シャドーはまるでプリキュアに立ち上がってほしいと言わんばかりの言葉を口にすると目の前の状況を見据える事になる。

 

同じ頃、ランボーグの同じようにプリキュアが攻撃に巻き込まれたのを上空のランボーグからしっかりと見ていたカバトンはいつものセリフを口にする。

 

「ぎゃはははっ!お・れ・TUEEE……と、言いたいところだが、プリキュアもまぁまぁTUEEE。ここで油断するから毎回負けるのねん。シャドーの奴も油断するなって言ってたしな」

 

すると珍しくカバトンはここで必要以上に調子に乗る事は無く吹き飛ばされたプリキュアを探す。

 

「えーっと、どこに吹き飛んだかな……っと」

 

カバトンが操作盤にコードを入力すると目の前に表示された電子モニターやレーダーから地上の様子を伺う。

 

「お、見っけ」

 

そこには先程の攻撃の余波に巻き込まれたプリキュア達が別の建物の屋上に叩きつけられてその衝撃と痛みで気絶。そんな4人を見てカバトンは笑みを浮かべる。

 

「ぐふふ、トドメはしっかりと刺してやるのねん」

 

彼は当初、エルだけを攫うつもりでランボーグを呼び出していた。そのためプリキュアへのトドメは可能ならやるというスタンスだったのだが……ここまで条件が揃えば下手にプリキュアを生かす方が窮地に陥るとカバトンは冷静に判断。

 

そういう経緯があったためにカバトンは気を失った4人へとトドメの一撃を放つべく先程のエネルギー砲を撃つためのボタンを押そうとした。

 

「これで最後なの……ねん?」

 

その瞬間、突如としてランボーグのレーダーが何かを捉えたのか音を鳴らしたためにカバトンはそっちに気を取られる。

 

「あん?」

 

カバトンはその音を聞き、プリキュアへのトドメを邪魔される存在がいると面倒だと考えて電子モニターを展開。そこには先程の攻撃でプリキュアが吹き飛ばされるのを見て慌てて彼女達の元に向かうエルが映る。

 

『えるぅ〜!』

 

「おっと、うーん……。プリキュアへのトドメも大事だが、今ならプリンセスがタダで手に入るも同然。ま、それならこっちだな」

 

カバトンは折角プリキュアへのトドメのチャンスがあったにも関わらず、当初の目的であるエルが自分から来てくれたという事で少し迷った後にターゲットを彼女へと変更。

 

先程まで油断しない姿勢だったのに何故かエルが来た際にそちらを捕まえる欲を抑えられない辺り、カバトンはポンコツなのだが……。彼の考えも強ち間違いでは無い。プリキュアがダウンしてる今、カバトン視点だと誰もエルを攫う上での邪魔者がいない事になる。

 

そのためここでエルを捕らえて勝ち逃げするのも一つの勝つための手段だったのだからそちらに傾くのは彼の自由だ。しかし、その直後にまた水を差すように何かが来たという音が鳴った。

 

「あん!?今度は何!!」

 

カバトンは流石にエルを捕まえるための考えを巡らせる邪魔をされたという事で少しだけ苛立ったように声を上げると電子モニターを展開。

 

そこにはカバトンの乗り込むランボーグへと呼びかけるツバサと目を回しつつ疲れた様子のヒョウがいた。

 

「はぁ……はぁ……め、目が回るぅ〜」

 

「こっちを見ろ!カバトン!」

 

どうやら、ヒョウはここに来る際に坂道を回転しながらやってきたのだが、その回転のしすぎで目を回してしまう。一方、ツバサも同じくらい回っていたはずなのにヒョウとは対象的にツバサは平然とした様子だった。

 

恐らく、エルの騎士として彼女を助けるという強い想いがツバサの体に力を与えているのだろう。そのため、彼は堂々とした様子でカバトンへと宣戦布告した。

 

「カバトン、エルちゃんに手を出すな!このボクが相手だ!」

 

「へ?」

 

ツバサの宣言に対してヒョウはようやく目眩が無くなるとカバトンに喧嘩を売ったツバサへとギョッとした視線を向ける。そして、さりげなくツバサから距離を取って彼へと問いかけた。

 

「えっと、ツバサ。プリキュアじゃないあなたがどうやってカバトンの相手をする気なの?」

 

「………あ」

 

ツバサはヒョウに言われてようやく自分が馬鹿な事を口走ったと認識する。何しろツバサはプリキュアじゃないためにランボーグと戦う力なんて物は皆無。そんな中でのカバトンへの宣戦布告など無謀にも程があった。

 

そして、当然だが喧嘩を売られたカバトンのターゲットはツバサの方に向くわけで。彼は容赦無く指示を出すとランボーグがレーザー光線をツバサのいる方へと乱射し始める。

 

「……やれ、ランボーグ」

 

「ランボーグ!」

 

「うわっ!?えっ、ちょっ!?うわぁああああっ!!」

 

「まぁ、こうなるよな……」

 

ツバサは自分で戦う力が無いのにカバトン達に喧嘩を売ったのを後悔してしまう。そして、ヒョウはしれっとカバトンのモニターの範囲の外に逃げたためにターゲットはツバサだけに絞られていた。

 

『邪魔すんな脇役!』

 

「ツバサ……なんで無策なのにあっさり喧嘩を売っちゃうかな……」

 

「ヒョウ、呆れるくらいなら助けてよ!」

 

ツバサが慌てて逃げ惑う中、ヒョウはそれを呆れた様子で見ていた。そんなヒョウにツバサが助けを求めると彼としても助けない選択肢は無いのか。取り敢えずどうにかすべきだと感じてツバサを助けに動く。

 

「オラオラ!俺様の相手をするんじゃなかったのねん?」

 

「うわぁああああっ!!」

 

こうしてツバサはカバトンからターゲットにされて逃げる事になり、ヒョウはそんなツバサを助けるための動きを開始するのだった。




また次回もお楽しみに。
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