熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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UFOランボーグとの決着 打ち解けた2人

ツバサがキュアウィングに覚醒し、ヒョウもまた自らの持つ石のカケラの中に宿った謎の少女の力を目覚めさせた。これによって形勢が逆転。とうとうウィングの浄化技がランボーグに直撃し、その体が合体技の射程圏内に入る。

 

そして、それに合わせるようにスノーとサンライズが決めるべく合体技を放つために2人で手を繋ぐ。

 

「サンライズフレイム!」

 

「スノーアイス!」

 

スノーとサンライズが天に掲げた方の手に炎と吹雪が吸収されていき、それぞれが赤と白のオーラを纏う。

 

「二つのプリキュアの魂が!」

 

「闇の僕達を打ち砕く!」

 

「「プリキュア!エレメントスクリュー!」」

 

そして2人が手を強く握ってもう片方の腕を力強く前に突き出すとそこから強力な炎と氷のエネルギー波が放出。二つのエネルギーは螺旋状に絡み合うと合体して強力なエネルギー波へ。それがランボーグを呑み込もうと向かっていく。

 

「「はぁあああっ!」」

 

「ラン……ボーグ!」

 

しかし、攻撃が命中する直前。力無く落下していたランボーグが持ち直すと先程のウィングアタックで消失していたはずの紫の強力なレーザー砲がランボーグの下側に復活してしまう。

 

「なっ!?ど、どういう事!?」

 

「まさか……」

 

同時刻、ランボーグの中の操縦室ではカバトンがとある場所に両手を当てていた。それはランボーグの非常電源の起動装置である。

 

「ぐへへ、こんな事もあろうかと……非常電源を作動できるようにしたのねん……だが、起動方法が俺様のアンダーグエナジーを直接吸い上げる方式しか無いから使いたくは無かったが……」

 

どうやらカバトンは自らの身を切る形でランボーグを再起動。同時に落下の時間を使って消えていたレーザー砲を再度チャージ完了したらしい。

 

『さぁランボーグ……やるのねん!!』

 

「ランボー……グ!!」

 

その瞬間、ランボーグのエネルギー砲が目の前に迫っていたエレメントスクリューにぶつけられる形で放たれると2つの必殺級のエネルギーがぶつかり合う。この押し合いを制した方が勝利するのは明らかだった。

 

「「ぐ……ううっ!」」

 

「TUEEEのは俺様と俺様のランボーグなのねん!」

 

2つのエネルギーは火花を散らしながら押し合う中、少しずつだったがランボーグの目の前にまで迫っていたはずのエレメントスクリューが押し戻されるのが見えていた。

 

「「くううっ……」」

 

「ッ、そんな……2人が押し返されてる……」

 

「あとちょっと……なのに……」

 

「く、くそぉ……これ以上力が……出ない」

 

「そっか……多分、2人はシャドーから受けたダメージが大きいから……」

 

あげはは2人がシャドーとの戦闘で想像以上に消耗してしまっているのを見抜く。加えてランボーグの方はカバトンから常にエネルギーが供給されている。対して2人の体力は減る一方でありこれ以上の威力増加を見込めないのだ。

 

「ぐ……ううっ……チッ、俺様も無茶してるのは一緒か……」

 

ただ、カバトンだって自分の持ってるアンダーグエナジーは無限にあるわけじゃない。電車ランボーグの時と同様に無理を通してエネルギーを与えている。その証拠に肥満体の体が少しずつ痩せ始めていた。

 

それでもこのままのペースだとスノーとサンライズが押し負ける方が早い。しかし、だからって2人に諦めるつもりは無い。そのため2人は諦めずに必死に堪え続ける。

 

「スカイ、私達も!」

 

「はい!2人を助けましょう!」

 

スカイとプリズムはこのまま黙ってスノーやサンライズだけに頑張らせるわけには行かないという事でこの2人も手を繋いで浄化技を発動。4人がかりでランボーグを一気に浄化しにかかる。

 

「「プリキュア!アップドラフト・シャイニング!」」

 

「ラン!?」

 

ランボーグは真上からアップドラフト・シャイニングのトラクタービームを照射されるとそれに吸い込まれそうになるが、それを自らのエンジンを全開で稼働する事でその場に踏み留まる。

 

そのままランボーグは真上と正面。2つの浄化技に挟まれるのだが……ランボーグはしぶとく耐えていた。

 

「くぅううっ……ランボーグ、踏ん張るのねん!」

 

カバトンの言葉と共にランボーグは何とか持ち直そうとする。そんな姿を見てスノーは僅かに狼狽えた。

 

「う、嘘……あれでもまだ……」

 

「まだだっ!俺達はここで負けるわけにはいかない!そうだろスノー!」

 

「ッ!うん!」

 

サンライズに促されてスノーは諦めるわけにはいかないと彼と同じように力を込める。そして、空中で唯一フリーになっているウィングが4人を助けようとランボーグへと攻撃しようとした。

 

「ッ、まだランボーグが浄化されない。それならボクも……」

 

「煩い鳥は電撃でイチコロなのねん!」

 

「えっ!?うわっ!?」

 

しかし、カバトンはウィングからの攻撃を寄せ付けないようにランボーグから電撃を放出させる。そのせいでウィングは援護しようにも近づく事ができない。

 

「ランボーグ、俺様のアンダーグエナジーを更にやるのねん……プリキュアをぶっ潰せ!!」

 

「ランボーグ!」

 

しかもプリキュア側の不利はまだ続く。突如としてランボーグのエネルギー砲の威力が上昇したのだ。それによってまたプリキュアのエレメントスクリューは押し込まれてしまう。

 

「ぐ……またパワーアップだと……」

 

「ッ、どうして……」

 

スノーとサンライズが顔を歪めている中、カバトンもまたアンダーグエナジーが吸われ続けている影響で苦しそうにしている。しかし、それはカバトンが本気で抗っている証拠でもあった。加えてアンダーグエナジーを更に注入している影響でランボーグは少しずつ息を吹き返し始めている。

 

「ッ……どうしよう。このままじゃ逆転される。何か……何か手は……」

 

あげはは4人のプリキュア達では打開策を出す余裕すら無いと考えてどうにかできないか1人頭を回す。

 

すると、その時だった。突如としてサンライズとスノーの後ろから自分達に向かって追い風となるような形で緑の風が吹き荒れると2人の体が先程までとは別の赤と白のオーラに包まれる。

 

「「え?」」

 

2人がこの変化に驚いて振り向くとそこにはここにいるはずのない存在……キュアツイスターが立っていた。

 

「ツイスター!?」

 

「どうして……」

 

ただ、2人が目を凝らしてよく見るとツイスターの体は薄らと透けて見える。その事からここにいるのはツイスター本人では無いとわかった。

 

「な、何なのねん。あの緑の女……ッ!確かこの前急に出てきやがったプリキュアか!?」

 

カバトンは以前彼女1人に完敗してしまうという苦い思い出が脳裏に浮かぶと忌々しそうな顔を向ける。

 

そして、そのツイスターは胸の辺りにテンペストバトンを構えるとそれを両手で支えて竜巻を放出。風のエネルギーがエレメントスクリューの上に上乗せして更なる技として発動。それは、かつてキメラングを退けた際に一度だけ使った技だった。

 

「燃え立つ勇気!」

 

「凍てつく希望!」

 

「嵐を起こす絆と共に!」

 

3人は順に掛け声を叫ぶと彼女達が世界の壁を飛び越えて初めて使える絆の技の名を言い放つ。

 

「「エクストリーム!」」

 

「ツイスターズ!」

 

これにより、プリキュア側のエネルギー砲は更なるパワーアップを遂げると押され気味だったはずのランボーグからの攻撃を完全に呑み込む形で粉砕し、そのままランボーグへと向かっていく。

 

「のぁああっ!?」

 

カバトンが状況を認識する間も無い程のスピードでランボーグはエネルギー波に飲み込まれるとその機体は崩壊を始める。同時に操縦室に警報が鳴り響き、あちこちで煙と共に炎が発生。カバトンは電車ランボーグ召喚時程では無いが痩せてしまった状態で頭を抱えて叫ぶ。

 

「嫌だぁああっ!?……何であそこから負けるのねん!?くぅうう……カバトントン!」

 

カバトンは身の危険を感じると慌てて瞬間移動して撤収。その直後に操縦室が完全にエネルギーによって崩壊。ランボーグは技の威力に押し込まれる形でアップドラフト・シャイニングの中に無理矢理突っ込む事になり、円盤の中から気流が放出。完全に浄化されるのであった。

 

「スミキッタァ〜」

 

ランボーグが浄化された事を空中から見届けたウィングは自らの力で飛行しつつ仲間達の待つ屋上へと降り立つ。

 

「スノー、サンライズ。大丈夫ですか?」

 

まずは今回の押し合いで一番消耗したであろうスノーとサンライズを心配するウィング。スノーとサンライズはそんな彼に笑顔で答えを返した。

 

「ああ、大丈夫だ」

 

「うん。ちょっと疲れちゃったけど平気」

 

「良かった……」

 

すると今度はスカイやエルから笑顔で声をかけられ、ウィングも思わず笑顔で頷く。

 

「ウィング、やりましたね!」

 

「えるぅ!」

 

「はい!」

 

そして、この場には今回の戦いの最後に駆けつけてくれた助っ人がもう1人。それは思念体のツイスターだった。

 

「ツイスターもありがと……」

 

一同はツイスターのいた方を向くと薄く透けていた彼女は微笑んで消滅。正直ツイスターが来てくれなかったら最後の押し合いに負けていた所もあったため、あの助けはとてもありがたかった。

 

すると、ツイスターがいなくなるのと同時に彼女がつい先程まで立っていた場所に空間の穴が開くとそこからいきなりひかるが飛び出した。

 

「うわぁああっ!?」

 

「え?ちょっ、待っ……ぶふうっ!?」

 

驚いたような顔つきを浮かべながら穴から飛び出てきたひかるを見て一番近くにいたサンライズは彼が怪我しないようにどうにか受け止めようとするが、その勢いが思ったよりも強く。

 

サンライズが疲れている事もあって反応が遅れたのか、そのまま2人纏めて倒れ込んでしまう。

 

「サンライズ!?」

 

「痛てて……あー、くそっ!あとちょっとで言えたのに!!」

 

どうやらひかるはここに来る前に何かを言いそびれてしまったらしい。そんな中、彼の登場にスカイが驚きの声を上げる。

 

「あれ、ひかる君!?どうしてここに……」

 

「そうだよ。避難してたんじゃ無かったの?」

 

「スカイ達が俺を知ってる……って事はちゃんと元の世界に戻れたっぽいな」

 

ひかるの言葉に困惑するプリキュア達。ひとまず事情が気になった彼女達が彼に聞く事に。するとどうやら前にこちらの世界にやってきた風波らんこが最後にひかるへと残した絆のスカイトーンによってひかるはらんこの世界に行ってきたようだった。

 

「本当ですか!?」

 

「ああ。というか、この感じだとこっち側の世界でもUFOのランボーグが出たんだな。まぁ、キメラングがいないしスノー達だけで解決できたみたいだけど」

 

ひかるはそれからキョロキョロと見回すとキュアウィングの姿が目に映る。それを見てひかるは声をかけた。

 

「よっ!キュアウィング……えっと、確かツバサだったか」

 

「えっ、ボクの事を知ってるんですか?」

 

「知ってるも何もらんこさんの世界でもキュアウィングが誕生したからな」

 

「なるほど、並行世界なだけあってそこは同じなんだね」

 

あげはは2つの世界で起きる出来事やイベントは多少の差こそはあっても一部を除いて概ね同じとなる事を認識する。

 

「……ひかるさんだっけ。俺の事は知ってるか?」

 

するとウィングの側にいたのに触れられなかったヒョウがひかるへと自分がわかるかを問いかけた。対してひかるはヒョウの存在について記憶を遡って確認する。

 

「えっとな……君は……あれ、誰だ?」

 

「「「えっ?」」」

 

「いや、俺の事は知らないんかーい!」

 

スノー、スカイ、プリズムがまさかの返事に硬直する中、ヒョウは自分がひかるに認知すらされていない事実に思わずツッコミを入れてしまう。

 

「そんな事言われても向こうの世界にお前はいなかったんだよ」

 

「嘘ぉ……」

 

「あはは……そういうパターンもあるんだね」

 

ヒョウはらんこの世界に自分がいないという事実を突きつけられてショックを受けてしまうと彼はスノー達によって慰められるのだった。

 

その頃、とある謎空間。精神世界と言うべきだろう。そこには3人の少女達の思念体がいた。

 

その中の2人はスノーとサンライズの先代のプリキュアことキュアブリザードとキュアバーニングサンである。

 

「久しぶりね、キュアライトピラー」

 

「まさかあなたがあのプニバードの子の持ってる石に宿ってたなんて」

 

もう1人はヒョウに力を与えた謎の少女の正体ことキュアライトピラーであった。彼女もまた、他の2人と同様にドレス姿を纏っていた。ただ、その姿には霧がかかっているかのように詳細は見えにくい状態である。

 

「ええ。あなた達と別れてから色々あったのよ。それにしても、ルーセントムーンがあんな事になってたなんてね」

 

どうやらライトピラーと呼ばれた先代プリキュアも同じ先代プリキュアであるルーセントムーンの身に起きている惨状を見たらしい。

 

「ええ。ですが、あの子達ならきっと助けられるって信じてるわ」

 

「何しろ、私達が認めた2人だから!」

 

バーニングサンやブリザードは誇らしい様子を見せていた。そんな中、ライトピラーはこの2人は相変わらずだと考える。

 

「そう。それじゃあ私もあの子が私の力を真の意味で継承できる器か見させてもらおうかしら。……まぁ、継承させたくてもまだ今の私には無理なんだけど……」

 

ライトピラーはそう言うと少し寂しそうな顔つきで自らの宿った石の持ち主であるヒョウを見る事に。また、この様子だと本当なら自分が覚醒したタイミングでヒョウにプリキュアの力を与えるつもりだったと言わんばかりの様子だった。

 

翌日、改めて新たな仲間としてツバサやヒョウを正式に仲間に入れてたプリキュア達。そして、新しくエルの成長を記録するべく“プリンセス・エルちゃんノート”を付けることになった。

 

「えっと、エルちゃんの今日の体重はっと……」

 

ましろが自らの机の上で記録を付けているとその後ろでエルは椅子を使った掴まり立ち中である。

 

「えるぅう……」

 

しかし前回成功したとは言え、まだ安定して成功するのは無理なのか後ろに倒れかけてしまう。

 

「える!?」

 

「っと!」

 

だが、もう彼女の側には頼もしい騎士がいる。その騎士ことツバサが倒れかけたエルの背中に手を置く形で支えた。

 

「ホッ……」

 

「えるうっ!」

 

「ふふっ……流石は騎士です!」

 

「ソラさん……ありがとうございます」

 

ソラはツバサがしっかりエルの騎士をやってるという事でキラキラした目で彼を見つめていた。そんな中、ツバサは彼女へとお礼を言う。

 

「……?私は何も……」

 

「ありがとう」

 

ソラは何故お礼を言われるかわからずにキョトンとする。それでもツバサは改めてお礼を言うと2人は手を握り合う。

 

「はい!」

 

そんな中、ヒョウはその様子を少しモヤっとした顔つきで見ていた。そして胸に手を当てる。

 

「……」

 

「ヒョウ、どうしたんだよ?」

 

「アサヒ……別に。お前なんかに言う必要は無いこと」

 

ヒョウはアサヒに聞かれると前までのようなツンツンした対応で答えを返す。ただ、以前のようにアサヒへの理不尽な八つ当たりでは無さそうに見えた。

 

「……だけど、これだけは言っておくよ」

 

「ん?」

 

するとヒョウは少し顔を赤くしつつ恥ずかしそうな様子でアサヒへと向き合い、その言葉を伝える。

 

「俺の事を許してくれて……受け入れてくれてありがと」

 

「ヒョウ……お前もしかして照れてるのか?」

 

「なっ!?照れてない!ふざけんな馬鹿アサヒ!」

 

だが、今度はアサヒが揶揄ったせいでヒョウは声を荒げてしまう。しかし、それでも2人の空気感は柔らかくなっていた。その様子にユキは微笑ましそうな顔を向ける。

 

「2人共仲良くなってくれて良かった」

 

「「仲良くなってねぇし!!」」

 

アサヒとヒョウはユキの言葉に声を揃えて反論。……何にせよこうして2人のプニバード族の2人が加わり、一段と賑やかになったプリキュア達はまた新しいステップを踏み出すことになるのだった。




ヒョウの持つ石から発する声についてですが、キャラ名として出たので改めてCV表記をします。

キュアライトピラー……高垣彩陽さん

また次回もお楽しみに。
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