熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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今回も読んでいただきありがとうございます。

前々から説明してますが、諸事情があってこの小説の初期の話をアップデートをしています。概要等はまた小説のあらすじの方に改めて載せますのでよろしくお願いします。


また、今回からはサムライガールコラボの代替えストーリーとなるオリジナルストーリーとなります。ただ、今回はプリキュアsideが一切登場しないプロローグ的な物なのでそこはご了承ください。それではどうぞ!


シャドーの元に訪れた三人衆 黒仮面の恐怖 オリジナルストーリープロローグ

ソラシド市の街中、そのとある路地裏での事。カバトンが召喚してプリキュア達が戦ったUFOランボーグとの戦闘から数日が経過していた。そんな中でシャドーは一人で頭に手を置いて苦しそうにする。

 

「何なんだ……この目障りな記憶は……」

 

シャドーの脳裏には数日前から度々黄色いプリキュアの少女関連の光景が流れており、その影響か彼の中に困惑が浮かびつつあった。

 

「俺はシャドーだ。なのに何だこの余計な記憶は……」

 

そこには自分がいつも戦うプリキュア達と同じような衣装を着た5人の戦士達の戦いの記憶。そして、その時に自分が足を引っ張ってしまう所ばかりが映される。

 

「ぐ……俺はこんな弱くなんか無いんだ。強さを追い求め……強さの果てを探し、戦いを求め続ける。それが俺の生きがい」

 

シャドーは苦しみつつも己の中にある信念だけは無くしてしまわないように耐え続けていた。

 

「俺は……これまでもこれからも強くなる。強くならなきゃ意味が無いんだ……」

 

シャドーは自分に何度も何度も言い聞かせるようにしてどうにかこの荒ぶる気持ちを抑え込もうとする。

 

“今更強くなってどうするの……私の守りたい人達なんてもう……”

 

「煩い!!守るとか守られるとか、俺には何の関係も無い話だ!一々その事ばかり口走るんじゃ無い!!」

 

シャドーがそう言うとようやく頭の痛みが引き始めた。どうやら、シャドーの脳を駆け巡る記憶を振り切る事に成功したらしい。だが、それでもやはり彼の顔つきは悪いままだ。

 

「チッ、やっと収まったか。……クソッ、あの声が聞こえるようになってか俺が俺じゃないみたいだ。これはもう二度と聞こえない方が良いかもな」

 

シャドーはわざわざ自分の中に聞こえる声に耳を貸してしまった自分が愚かであると感じ取るともうこれ以上は思い出さないようにしようと考える。

 

『あははっ!見ろよ、面白い奴を見つけたぜ!!』

 

「……ッ、誰だ!?」

 

その瞬間、シャドーは自身の近くから何者かの声が聞こえたためにすぐに警戒態勢となる。

 

『俺に対する反応も速い……コイツは良いや!きっと俺達の同志として申し分無い力を持ってるぜ』

 

『確かに強い闇の力を感じる。これだけの力を持っているのだとしたら我らと肩を並べる事は可能だ』

 

『でもアタシは気乗りしないねぇ。シュラ様に断りも無く勝手に同志を増やしても大丈夫なの?』

 

『俺達が目的を達成する上で強い闇の力が元々1人足りない状態だったんだ。別に何の問題もねぇだろ』

 

『ふむ。確かにお主の言う通り、どちらにせよ我らと志を同じくする者があと1人必要だったのだ。この者はいる』

 

『はぁ……仕方ないわね』

 

シャドーは謎の気配からする声を頼りに姿を割り出そうと周囲を見渡すが、そこには誰もいない。

 

「3人か……俺の周りでコソコソと訳のわからない話を……」

 

シャドーは自身の周囲にいる気配が3人分と見抜く。同時に警戒を強めると周囲を油断無く見渡していた。数秒後、シャドーが気配察知の精度を高めると視界の右端に何かが一瞬動くのを感じ取る。

 

「そこだ!」

 

その瞬間、シャドーが体を捻って半転しつつ刀を抜くと素早く振り下ろす。同時に鈍い音……刀同士がぶつかる音がするとシャドーが刀を振り下ろした先に1人の人間がいた。

 

そして、その人間は忍者刀と思わしき剣でシャドーからの鋭い太刀筋を受け止めていた。

 

「む……」

 

「あはっ!俺に攻撃を当ててきたか。やはり俺の見込み違いじゃ無かったみたいだな」

 

そこにいたのは黒に紫のグラデーションが入った忍者のような服装に背中には骸骨のようなマーク。ただし、頭部は素顔が剥き出しな状態であった。勿論体には忍者らしく鎖帷子のような物を纏うと右腕に紫のリングが装着されている。

 

「サスケ。あなたが不意打ちする前に先手を取られるなんて珍しいんじゃない?」

 

「それだけこの者の力が他の者を圧倒している証……寧ろ喜ぶべき事だ」

 

同時に残る2つの気配の主達が姿を現す。1人は強面の男性であり、中世日本の侍が着ていたような甲冑に頭部には黒い裹頭を被っていた。また、服装は黒や紫、暗い青を基調とした物で両足には下駄を履いている。その姿はさながら中世の日本で活躍していた山伏や僧兵とも言うべき者の格好に近い。また、彼もサスケと呼ばれた男と同様に右腕に紫のリングを付けていた。

 

もう1人は妖艶な雰囲気を出す女性であり、彼女は長く美しい黒の髪をポニーテールのような形で纏めている。服は黒と赤を基調としつつも様々な色が散りばめられた所謂歌舞伎者に近い派手な姿をしていた。また、手には暗い赤の和傘のような物を握っているとシャドーの前に現れる際に開いたのか……それを肩に預ける事になる。勿論右腕には紫のリングを装着していた。

 

「お前達は何者だ?何故わざわざ俺の前に姿を現して。そもそも、忍者のお前……その気になれば俺の太刀を回避するとかもできただろ」

 

シャドーは自分の前に現れた3人の姿を見て僅かに目を細めると少し不機嫌そうに話す。意図的に手を抜かれたという点が彼の気に触ったらしい。

 

「ああ、それは悪かったな。でも俺達は元々お前と会う事が目的だからよ」

 

「なるほどな。……だが、俺と会う事が目的なのだとしたらまずは名前を名乗るべきじゃないのか?」

 

シャドーは彼ら3人に自分と敵対する様子が見られない事から刀を背中の鞘にしまうと鋭い眼光を向けた。

 

「ふっ、確かにそれもそうか」

 

「そうね、アタシ達の仲間になる者相手に名乗らないというのは失礼という物だわ」

 

シャドーからの指摘を聞いて彼の主張が正しいという判断がなされたのか。3人は彼の前に整列。真ん中にサスケと呼ばれた男、その右手に妖艶な女性、左手に強面の男が立つ。身長は低い方から数えてサスケ、女性、男性の順だ。

 

「俺の名はサスケ」

 

「我はベンケイ」

 

「アタシはオクニ」

 

「「「我ら、主であるシュラ様の目的のために動く三人衆である」」」

 

シャドーはシュラという聞き慣れない名前に疑いを持つものの、彼らが嘘を吐いているようには思えないために一応信じる事にした。

 

「なるほど、ではそちらの礼に従って俺も名乗るとしよう。俺の名はシャドー。こことは別の世界、アンダーグ帝国より主人の命を受けてやってきた者だ」

 

「アンダーグ帝国……ふっ、なるほどなぁ。どうりで強いわけだ」

 

「知っているのか?」

 

「噂に聞いた程度……ですけどねぇ」

 

サスケ達がアンダーグ帝国の概要を知っている事にシャドーは少し驚きつつも、どこか納得できる節はあった。それは先程見せた彼等の力……人前に姿を見せず、気配を感じられる者相手にしかその存在自体を察知させない程の能力の持ち主であればそのくらいの情報収集能力があっても驚く事では無い事だろう。

 

「それで、俺をお前達の仲間に入れると言ったな。あの言葉はそのままの意味と受け取っても構わないか?」

 

「ああ、構わない。何しろ、お前には我々と肩を並べられる程の実力の持ち主なのだからな」

 

シャドーはそれを聞いて少しだけ考える仕草を見せる。それはこの3人が話している言葉の真意を読むためでもあった。

 

「(この3人の力は確かに凄まじい。そして、3人が主と仰ぐ者……シュラ。聞いた事すらない者だが相当な力を持っているのだろう)」

 

シャドーはこの場で誘いを断って3人と交戦する手を考える。正直な所、ここで下手に戦って騒ぎを起こすのは避けたい気持ちだった。何しろ、ここはソラシド市。戦いが起きればプリキュアが駆けつけてくるだろう。そうなるとこのまま三つ巴の乱戦になってしまう。

 

別に目の前の3人だけが相手ならカバトンが来る事を想定し、確実に勝てる自信がある。ただし、そこにプリキュアも加わっての三つ巴となると勝てる保証は無い。それに、この3人を倒せば裏に控えているシュラも黙ってはいないわけで。

 

「(本来の俺の目的はプリンセス・エルを探す事。そう考えればここで無理な戦いをする必要は無い。だが、だからと言ってコイツらの誘いに乗るつもりも無いな)」

 

シャドーが腹を決めると3人もシャドーが意思を決定したと予想したのか話しかける。

 

「答えは出たようだな」

 

「ああ」

 

「なら聞かせてもらいましょうか」

 

3人がシャドーの答えに注目する中、彼は油断なく周囲を警戒する。これは話を断った際にいきなり不意打ちを仕掛けてくるリスクを考慮したのだ。ただし、シャドーはこの警戒を3人には悟られないようにする。もし警戒している事を悟られるとそれはそれで厄介だからだ。

 

「お前達の誘い、丁重にお断りする。俺は今の主人を裏切る気は無い」

 

「そうか、お前ならそう答えるだろうと思った」

 

「む、……俺の答えをわかってて質問したのか?」

 

「ま、最初から断られる事前提でこの話を持ち込むつもりは無かったからな」

 

シャドーが丁寧に断る意思を伝えると特に3人は動じる事は無く。逆にシャドーは拍子抜けな気持ちになってしまう。

 

「ふん。だったら無駄な徒労をさせたな」

 

シャドーはそう言って踵を返そうとする。その瞬間、一瞬にしてサスケが彼が去っていこうとした先へと回り込む。

 

「おっと、まだ話が終わったなんて一言も言ってねぇよ」

 

「……今度は何だ」

 

「お主も察しの通り、我々もお前の事を諦めるわけにはいかないからな」

 

シャドーが気がつくと彼の周りをサスケ、ベンケイ、オクニの3人が取り囲む構図が出来上がっていた。

 

「……はぁ、結局こうなるのか」

 

「あー、戦うつもりな所悪いが……こうなった時点で戦いになる前に詰みだ」

 

シャドーが3人から力づくでも連れて行くという意思を感じ取ると背中の刀に手をかける。そのタイミングでサスケが笑みを浮かべつつそう告げた。

 

その瞬間、自身の右斜め後ろに立っていたはずのオクニがいきなりシャドーの目の前に現れる。

 

「ッ!?」

 

「ごめんなさいね?あなたに拒否権なんても物は存在しないのよ」

 

そして、シャドーが反応するよりも早くシャドーの顔に黒い仮面のような物を被せてしまう。

 

「なっ!?」

 

その仮面は目や口元に穴が空いた狼の顔のような形状をしており、その中から漆黒のエネルギーが飛び出す。

 

「がぁあああっ!?」

 

そして、そのエネルギーがシャドーの中に取り込まれて行くと彼の体内にあるアンダーグエナジーと混ざり合う。そのまま仮面が表面に固着すると完全にシャドーの肉体を支配。シャドーは脱力したようにダランと両腕を垂らす。

 

「ふふっ、上手く行ったようだぜ。流石はオクニが用意した黒仮面だ」

 

「この黒仮面はかつてパルミエ王国とやらを滅ぼしたとされるブラック企業が用いていた黒仮面を改造したんだけどねぇ。元々の機能が使ったら最期、使用者の自我が消し飛んで他の誰の指示も聞かずに暴れ回るとかいう凶悪な物だったからねぇ」

 

「だが、お主ならそこを上手く改造してシュラ様の命を聞けるような状態にできると思っていた」

 

「……お前達は……誰だ?」

 

すると、完全にシャドーの洗脳が完了したのか……シャドーは記憶喪失をしたかのようにサスケ達へと質問を投げかけた。

 

「俺達はシャドー、君の仲間だ」

 

「さぁ、シャドー。我ら四剣刃の主、シュラ様の元にご挨拶に行くぞ」

 

「これからはシュラ様の元、アタシ達の同胞として動いて貰うわ」

 

「……承知した」

 

シャドーはシュラという言葉に反応すると先程までの3人への警戒心は完全に消え去り、逆に従順な様子を見せると彼等の後を歩いてその場からいなくなる事になる。

 

「おーいシャドー、俺様がお前のためにお芋を焼いてやったのねん。名付けて、カバ焼き芋!!焼き芋屋の屋台に化けてプリキュアに近づけばきっとアイツらは油断を……」

 

シャドーがいなくなったタイミングでカバトンがアルミホイルに包んだ焼き芋を手にやってくるが、肝心のシャドーはもうとっくにこの場にはいない。

 

「あり?シャドーの奴、どこに行ったのねん?」

 

こうして、シャドーはシュラに使える3人の戦士達によって連れ去られてしまった。果たして、シャドーの運命は……そしてシュラとは何者なのか……。

 

プリキュア達の前にアンダーグ帝国とは別の強大な敵が立ちはだかろうとしていたのだが……それを語るのはまた次回からの話としよう。

 

〜おまけ オクニが黒仮面を入手するまで〜

 

オクニがシャドーを黒仮面で洗脳する少し前。ブンビーカンパニーと呼ばれる会社を訪れたオクニはその戸を叩いた。

 

「失礼するわ」

 

「なっ、何なんですかあなたは!?」

 

入り口にいた受付の男はいきなりのオクニの来訪に驚いた。勿論正装であれば驚かれる事はそうそう無い。しかし、彼女の服装は派手な歌舞伎者衣装。そのため不審者が来たと思われたようで。受付の男は慌てていた。

 

「この会社の社長さん……ブンビーとかいう男に用があるの。会わせて頂戴」

 

「な、その感じだとアポ無しですよね?困るんですよ、そんな事されたら……」

 

「別に良いじゃない。ナイトメア、エターナル、あとクライアス社だったかしら。この三組織に所属していた彼の事は私も一目置いてるのよ」

 

その瞬間、オクニが目から何かの超音波のような物を送ると受付の男を洗脳。ブンビーに無理矢理取り次ぎさせると彼はかつて所属していた悪の三組織の話を出した事で興味を持ったのか。

 

「あなた、良いお茶を淹れるじゃない。気に入ったわ」

 

「それはどうも。それで、オクニさんと言ったかな。それで、本日はどんなご用で?」

 

いつの間にか2人は社長室のソファーに向かい合って座っていた。するとオクニは早速話を切り出す。

 

「長く話すのは好きじゃないから単刀直入に言うわ。あなたの持ってるナイトメアの黒仮面。アタシに譲ってほしいのよ」

 

「えっ?な、何のご冗談でしょうか……私、そんな物持ってませんよ?」

 

ブンビーはいきなり自分が所属していたナイトメアの幹部の切り札、黒仮面を要求されて困惑する。そもそもアレは上層部から解雇通知的な物として支給されていた物。ブンビーの場合はナイトメアへの退職届を出そうとした所、それが上司に見られたためそのまま反抗。

 

その態度を見た上司はブンビーを粛清するとばかりに会社の屋上から吹き飛ばす形で強制解雇……という流れだった。幸いにもブンビーは怪人態になると飛べたため、命は助かったものの……裏を返せば黒仮面を貰う時間なんて無かったと言える。

 

「冗談ではありませんよ。……持ってるんでしょう?」

 

その瞬間、再度オクニは目から超音波を送るとブンビーさえも洗脳。彼がコッソリとナイトメアから持ち出していた黒仮面を受け取る。どうやら、退職する直前に何かに使えると思って上司に詰め寄られた隙を突いてネコババしてきたらしい。

 

「こちらがその黒仮面です」

 

「ふふっ、わざわざご苦労様。……もうあなた方に用はありません。それでは」

 

その瞬間、オクニは指を鳴らすとブンビーの洗脳を解除。彼はそのまま社長室で暫く気絶する事になる。

 

同時にオクニは悠々と受付の男を利用して騒がれる事無く脱出し、彼の洗脳も解いた。

 

「さて……早速改良するとしましょうか。全てはシュラ様のため」

 

こうして、シャドーが洗脳されるキッカケとなった黒仮面はオクニの手に渡ると彼女がそれを改良。シャドーはその仮面で洗脳される事になるのだった。




また次回もお楽しみに。
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