熱き太陽 静かなる雪の輝きに照らされて   作:BURNING

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ツバサとあげはのすれ違い

山登りへと入ったアサヒ達四人。その中でソラが一人グングン進む中、ましろはソラのスピードについて行けずにかなり疲れ切った様子である。

 

「ましろちゃん、大丈夫?」

 

「なんとかだよ〜。流石にソラちゃんは早いなぁ……」

 

それにソラも気がついたのか戻ってくるとましろへと手を差し伸べる。

 

「すみません!ついうっかりいつものペースで歩いてしまいました……」

 

それからソラはわざとペースダウンするとましろの手を取って二人で歩く事に。そんな中、アサヒもユキの手を取る。

 

「ふえっ!?」

 

「あっ!嫌だったか……?」

 

アサヒはユキが嫌がると思って思わず手を離してしまう。それを見てユキは逆にアサヒの手を繋ぐ。

 

「ううん……急だったからビックリしただけ……。私は……この方が好き」

 

ユキはアサヒの温もりを感じる時間を幸せに思っていた。だからこそアサヒの隣にいたい。そう思えるのだ。

 

「ユキ……」

 

アサヒは隣から漂うユキの良い香りに心を奪われていた。実はユキ、アサヒと付き合うようになってからはより一層美容にも力を入れるようになった。アサヒが自分を嫌いにならないように彼の好きな香りとかをましろに聞いて研究。どれが最適かもあげはに相談したりしてアサヒが好きな自分でいられるようにしたのだ。

 

「ユキ、もしかして俺のために俺好みの香水とか付けてくれたりしてる?」

 

「ふふっ。そうだよ。……アサヒ君に似合う女になる。そのためにまずはアサヒ君がより一層私を好きになってくれるような事から始めようと思ってるの」

 

「そっか。じゃあ俺もユキが好きでいてくれるような自分でいないとだね」

 

そんな風に二人でイチャイチャしているとその様子をソラとましろは見てコソコソと言っていた。

 

「ユキさん、かなり積極的になりましたね」

 

「うん。アサヒに似合う女になりたいって張り切ってるから。でもこうして見ると少し妬いちゃうな……」

 

「それはアサヒ君を取られたって事ですか?」

 

「ううん。それは多分違うよ。あんなに仲良く話せる人が近くにいるっていうのがちょっと羨ましいだけ」

 

ましろの言葉にソラはなるほどと頷く。ユキは幸せそうな顔でアサヒといるのを見るとソラはふとこの場にいないヒョウの事を考える。

 

「でもヒョウ君は複雑な気持ちでしょうね」

 

「それなら大丈夫だと思うけど……。ヒョウ君もユキちゃんとアサヒが付き合うのには普通に納得はしてるみたいだし……」

 

「それはそうかもしれません。ですが、やっぱりアサヒ君にユキさんを取られるのは良い気持ちがしないのかなってどうしても思ってしまいます」

 

ソラは先程のましろの発言からヒョウが慕っていたユキをアサヒが独占している今の状況に妬いているのでは無いのか。どうしても心配だった。

 

「大丈夫だよ。確かにヒョウ君にとってはユキちゃんとアサヒが付き合うのはあまり良い気持ちはしないかもだけどさ、ユキちゃんが幸せでいる事がヒョウ君にとっての本望ならきっとヒョウ君はアサヒを受け入れてくれるよ」

 

ソラはましろにそう言われて納得し、ヒョウなら大丈夫だと判断する。その一方でツバサ達のチームはゆったりとした山道を進んでいく。

 

「えるぅ〜」

 

「ご機嫌だね、エルちゃん。少年、荷物重くない?」

 

あげはからそう聞かれて荷物を背負っていたツバサは少し重そうにしていたが見栄を張るように顔をムッとさせる。

 

「大丈夫です!ボクはプリンセス・エルの騎士!このくらいの荷物なんともありません!」

 

ツバサが意地を張ったのを見てヒョウはツバサが素直では無いと見抜くが、ツバサの気持ちを考えて彼をフォローする事にした。

 

「ツバサ。あんまり無理はするなよ?」

 

「ヒョウ君の言う通り、大変になったら言ってね」

 

あげはとヒョウからの言葉にツバサは少しだけ顔を緩ませると自分を心配してくれていると思う。するとあげはは何かを見つけたのかある方向に指を指す。

 

「あ、あれじゃない?謎解き!」

 

ツバサ達の向かう先には立て看板があり、その内容は“た”の文字がやけに多い文面である。そして謎の周りには狸の絵が描かれており、何かのヒントだと言えるだろう。

 

「何だ?これ……」

 

「何だか“た”の文字が多いし色が“た”の文字だけ違うけど何かあるのかな」

 

そんな中、あげはが抱えているエルが泣き出してしまう。恐らくはオムツだろう。

 

「あ。休憩所発見!ちょっと行ってくるね!」

 

「じゃあお願いします」

 

「それなら俺達で謎を解かないとね」

 

あげはがツバサが背負っているリュックからエルのために持ってきた替えのオムツを取り出すとそのまま休憩所の方へと走っていく。残された二人は謎解きをする事になった。

 

「この動物がヒントみたいだけどスカイランドでも見たこと無い動物だし……」

 

「うーん。……あ。俺、わかったよ」

 

「……え?何ですか?」

 

ツバサはヒョウへと答えを聞いてみるが、ヒョウはツバサを一度見るとニッと笑う。

 

「答えを聞く前にまずは自分で予想してみて。俺の答えも合ってるとは限らないしさ」

 

「まぁ、それもそうですよね……」

 

ツバサがそれから熟考するとある結論へと思い至る。そしてそれが謎解きの答えであった。

 

「あ!わかった!これは……」

 

「じゃあ一緒にあげはさんの所に行って答え合わせしようか」

 

二人は揃ってあげはの元に向かうと丁度あげはもオムツの替えが終わったようで、エルも気持ち良さそうにしている。

 

「あげはさん!ボク、答えがわかりました!」

 

「俺も。せーのっ!」

 

「「「アスレチック!」」」

 

三人の答えは見事に一致。しかし、二人はあげはも答えがわかったのに驚いていた。

 

「え?わかってたんですか?」

 

「うん。こっちに来る途中で閃いちゃった。たぬきのイラストがあったから“た”の文字を抜いてアスレチックだな〜って」

 

「やっぱりあげはさんはお見通し……か」

 

「ほら。私もちゃんと謎解きしてるでしょ?」

 

ヒョウがあげはの閃き力に感心する中、ツバサはまた拗ねたような顔つきに変わってしまう。今回は先にヒョウがわかっていたのでそこまで恥ずかしくは無かったが、それでも自分達だけわかったとはしゃいでしまった事を悔やむ。

 

「わかっていたなら先に言ってくださいよ……」

 

「ごめんごめん、でも問題を解くのも楽しいからさ」

 

「それはそうかもしれませんけど……」

 

「さぁ!次はあれだ!アスレチックをすれば道は開ける!」

 

あげはが続けて指差す先にはアスレチックが見えており、エルを抱えたあげははできないためツバサとヒョウが行くことになった。

 

「ツバサ、行くよ!」

 

「え!?ヒョウ、どうしてそんなに乗り気なんですかぁあ!?」

 

ヒョウは面白がっているのか素早くアスレチックを攻略していく。そんな中、ツバサはアスレチックに大苦戦。何度か失敗しそうになるものの、何とかクリアする。

 

「ふう。楽しかった!」

 

「……ボク達、最後までやりましたけど……アスレチック関係無かったじゃないですかぁあ!!」

 

「こういうのは楽しんだもん勝ちだからね」

 

それを聞いてあげはとエルは苦笑い。ツバサはヒョウへとジト目を向けた。

 

「ヒョウにとっては面白いかもですが、ボクにとってはそうでも無いんですよ!」

 

ツバサが文句を言う中、山登りが再開される事になる。今度はヒョウがあげはから荷物を受け取って進んだ。

 

「さぁ、次行こう次!」

 

「えるぅ!」

 

「おお。エルちゃんもやる気だね!」

 

あげはとエル、ヒョウがウキウキで進む中。ツバサはどうして自分だけが変な目に遭わされないといけないのか。どうしても納得がいかずに不機嫌そうな顔つきを向けた。

 

「お、次の問題発見!」

 

「えっと、“隠れている綺麗な物は?”……ここに何か綺麗な物があるって事か。でも、それらしい物と言ったら……」

 

ヒョウが周りを見渡すものの、それらしい物は無い。あるのはただ一面に広がる花畑ぐらいだ。あげははそんな中、ある物を見つける。

 

「ロープウェイ?」

 

あげははそれを見てある事を考えつくとそれを二人へと自分の意見を言う。

 

「あ。あれ!乗ろう!」

 

「あげはさん……わかりました。行きましょう」

 

ヒョウもあげはの気持ちを理解したのかあげはの案に賛同し、その方向へ向かう。しかし、ツバサだけは山登りのコースから外れる事を危惧して声を上げた。

 

「え!?そっちはコースから外れちゃいますよ!謎解きは!?」

 

「大丈夫!こっちに行ったほうが良いからさ!」

 

ツバサからの言葉に対して二人の意見はまるで動じない。それどころかツバサも来るべきだと促す始末である。

 

「少年!早く早く〜!」

 

「むうう……」

 

「ほら、行くよ」

 

「もう良いです!ボクはこっちを探します!」

 

ツバサはとうとう我慢の限界に達すると完全に怒ってしまい、正規コースの方へと行ってしまう。ヒョウはツバサにあげはの気持ちを説明しようとするがそれをあげはが引き止めた。

 

「ツバサ!?こっちが正解なのに……」

 

「大丈夫。ヒョウ君も少年の事を信じてるんでしょ?きっと私達の考えにも後から気づいてくれる。だから先に行こう」

 

あげはの言葉にヒョウは頷くとロープウェイへと向かう。そんな中、ツバサは一人怒ったまま歩いていた。

 

 

「全く……何であんなに勝手なんだ」

 

それからツバサが歩いていると別ルートを歩いていたユキ達と合流。話しかけられる。

 

「あれ?」

 

「ツバサ君……」

 

「あげはさん達は?」

 

「何かあったのか?」

 

それからツバサは事の顛末を話すとそれを四人は聞いてから答えをツバサへと返す。

 

「……そうだったんですか」

 

「あげは姉が何の考えも無しにそっちには行かないとは思うけど」

 

「ボク、ああ言う強引な人はちょっと苦手です。ボクと一緒にいたヒョウならわかってくれると思っていたのですが……」

 

ツバサはヒョウさえもあげはの意見に賛同したのに軽くショックを受けた様子であった。しかし、ましろはそれを聞いてハッとする。

 

「多分だけど、ツバサ君がヒョウ君にそう言ったのと同じであげはちゃんはわかってくれるって思ってたんじゃないかな?ツバサ君の事信じてたから」

 

ましろにそう言われて疑問に思う。何故自分を信じる要素があるのだろうか……と。

 

「この前、エルちゃんを守った時にツバサ君はカバトンに凄く怒ってたでしょ?」

 

ユキからそう言われたツバサはあの時の事を思い出すとそれを正直に言う。

 

「あれは、アイツがプリンセスを馬鹿にするから」

 

「……あげはちゃんも凄く怒ってた。ちょっと強引な所もあるけどエルちゃんを思う気持ちはツバサ君もあげはちゃんも同じだよ」

 

ましろのその言葉に他の三人も頷くとソラはツバサへとある事を話す。

 

「あげはさん、そんなツバサ君なら言葉にしなくても気づいてくれるって思ったのかもしれませんね」

 

「あげは姉の気持ち、今ならツバサもわかると思うよ」

 

ツバサはそれを聞いてあげはが先程ロープウェイに乗ろうと言った時に真剣な目をしていた事を思い出す。

 

「多分ヒョウもそんなあげはさんの事を信じたからそっちに向かったんじゃないかな」

 

それからツバサはある事実に思い至ると座っていたベンチから立ち上がると同時に山頂の方を向くと何かに思い至る。そしてそれはあげはの考えと同じであった。

 

「あ!もしかしたら……山を登れば何かがあるのかも……ボク、山頂に向かいます!」

 

「うん!」

 

「行ってきてください!」

 

それからツバサは急いで山頂の方に向かって走っていくとそれを四人は見届ける。それから暫く休憩をした四人もツバサ達の後を追って向かおうとしたそんな時。

 

「……プリキュア」

 

そこに現れたのは前回の戦いで何もせずに撤退したシャドーである。そんなシャドーの目を見た四人は構えた。

 

「シャドー……」

 

「こんな所にまで来やがって……」

 

「……プリキュア。戦え……俺の力を思い知れ!」

 

その瞬間、手にいつもの刀を抜くと物凄いオーラを放つ。そのパワーは今までの比では無かった。するとそれと同時にロープウェイの方から何かの音が響くように聞こえてくる。

 

「ッ!?あれは、ランボーグ!?」

 

「ソラ、ましろ。二人は先に行って!」

 

「ここは私とアサヒ君で止めるから」

 

それを聞いて二人はアサヒ達の心配をするが、今はツバサ達が心配になったためにこの場を任せる事にした。

 

「わかったよ」

 

「お願いします!」

 

それから二人が駆け出すとそれと同時にアサヒとユキの二人はシャドーに対抗するためにプリキュアへと変身することになる。




また次回もお楽しみに。
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